健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ゴマ [英]Sesame [学名]Sesamum indicum L ゴマ科 [ゴマ属]

概要

ゴマは、世界で広く栽培され、日本でも食用油をはじめとして古くから利用されてきた。また、民間の滋養食として摂取されてきた。最近、ゴマに含まれる抗酸化物質、特にゴマリグナンの存在が注目され、俗に「がんや老化の予防に効果がある」と言われている。ヒトでの有効性については、ゴマリグナンの一種であるセサミンに血清コレステロールに対する改善作用など一部のデータがある。また、「血圧が高めの方に適する食品」として、ゴマ蛋白質分解物 (ゴマペプチド含有) を関与成分とした特定保健用食品が許可されている。 安全性については、特に喘息などの既往歴がある場合、ゴマの摂取に伴う過敏症が報告されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

種子、種子油、根は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。「既存添加物」ゴマ油抽出物は酸化防止剤。ゴマ油は油脂。ごまは香辛料。特定保健用食品がある。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・油は脂肪酸として主にオレイン酸 (37〜49%) 、リノール酸 (35〜47%) などの不飽和脂肪酸、その他飽和脂肪酸としてはパルミチン酸、ステアリン酸などのグリセリドからなる。一般の植物油に比べ、セサミンなどを含み旋光性を有する特徴がある。また、ビタミンE、A、B、カルシウム塩を豊富に含む。
・ゴマに含まれているセサミン量は、0.67〜6.35 mg/g (HPLC-PAD-ECDにて分析) という報告がある (PMID:18058795) 。また、ゴマ油中のセサミン含量は約1%という報告もある (32) 。

分析法

・セサミンは紫外 (UV) 検出器 (波長287 nm) を装着したHPLCによる分析の報告がある (PMID:12376305) 。セサミノールは、電気化学検出器(ECD : 500 mV) を装着したHPLCによる測定報告がある (PMID:10498763)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・ゴマ蛋白質分解物 (ゴマペプチド含有) を関与成分とした特定保健用食品がある。
RCT
・正常高値および軽度の高血圧者89名 (平均49.1歳、試験群23名、日本)を対象とした単盲検比較試験において、ゴマ蛋白質由来ペプチドを500 mg添加した茶飲料を1日1本、4週間摂取したところ、4週間後の収縮期血圧が低下したという予備的な報告がある (2007054572) が、この現象についてはさらなる検証が必要である。
・過体重または肥満の男性と閉経後の女性38名 (平均54.7±8.6歳、オーストラリア) を対象としたクロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ゴマ25 g/日 (ゴマリグナン約50 mg/日含有) を5週間摂取させたところ、血中脂質、血圧、炎症マーカー (C反応性蛋白、IL-6、TNF‐α) 、脂質過酸化反応に影響は認められなかった (PMID:19346113)
・高血圧前症の男女30名 (試験群15名、平均49.3±7.7歳、タイ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、黒ゴマ粉末カプセル2.52 g/日を4週間摂取させたところ、収縮期血圧と血漿中マロンジアルデヒド濃度の低下が認められた (PMID:21827664)
その他
・高コレステロール血症の男性12名 (試験群6名、日本) にセサミン32.4 mg/日を3回に分けて4週間、その後64.8 mg/日を3回に分けて4週間、合計8週間摂取させたところ、8週後の総コレステロール値およびLDLコレステロール値が低下した (PMID:8724120)
・男子大学生7名 (日本) にセサミン36 mgを1回摂取させた場合、運動負荷後の過酸化脂質の上昇が抑制された (PMID:15630196)


消化系・肝臓

その他
・アルコール代謝能の低い健康男性18名 (試験群9名、日本) にセサミン100 mgを7日間摂取させた場合、アルコールによる顔面温度の上昇が抑制された (PMID:15630196)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当らない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中で見当らない。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他





試験管内・
動物他での
評価

・試験管内あるいは動物実験において、セサミンやセサミノールによるラジカル消去、脂質過酸化抑制、ビタミンE低下軽減、LDLおよびDHAの酸化抑制 (PMID:1453229) (PMID:8569430) (PMID:7651076) (PMID:12968212) (PMID:10630110) (PMID:11694614) (PMID:13130514) (PMID:14646174) (PMID:10705949) (PMID:14598914) (PMID:10666012) が報告されている。
・試験管内あるいは動物実験において、セサミンによるコレステロールの吸収抑制、胆汁中への排泄促進、合成抑制 (PMID:1856608) (PMID:10858028) (PMID:8829994) (PMID:8215239) (103) (104) 、血管内皮機能の保持 (PMID:12230131) (PMID:15614027)、血圧上昇抑制 (PMID:7581242) (PMID:8845824) (PMID:9635502) (PMID:10993201) (PMID:11768736) (PMID:14646174)、β酸化の亢進および脂肪酸合成の抑制 (PMID:10535395) (PMID:11368649) (PMID:11750882) (PMID:11432461)、アルコール代謝の亢進 (105) が報告されている。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に使用する場合、おそらく安全である (22) 。
<その他>
・種子と油は高カロリーなので、肥満者には勧められない (20) 。
・高コレステロール血症の男性 (12名、日本) にセサミン32.4 mg/日を3回に分けて4週間、その後64.8 mg/日を3回に分けて4週間の計8週間摂取させた条件で、副作用は認められなかった (PMID:8724120)
・正常高値および軽症高血圧者 (日本) に、ゴマ蛋白質分解物 (ゴマペプチド含有) を500 mg含有する茶飲料 (35名) 、または1,000 mg含有するカプセル (14名) を1回/日12週間摂取させた条件で、副作用は認められなかった (101) (2004222712) 。
・ゴマの摂取に伴う過敏症が報告されている (特に喘息の既往歴がある場合、またはアナフィラキシーの場合) (22) 。
・アトピー性皮膚炎患児126名 (日本) のゴマアレルギーの頻度を調査したところ、生後6ヶ月〜1歳未満児で21%、1歳〜1歳6ヶ月未満児で44%、2歳児および3歳以上では約50%であり、ゴマアレルギーの陽性率は食物中で卵に次いで高かった (2001239143) 。
<被害事例>
・44歳女性が (日本) 、ゴマ入り調味料を5日程度多量に摂取したところ、水様性下痢、心窩部痛、腹部膨満感を訴え、ゴマ特異的IgEが高値だったため、調味料中のゴマによる好酸球性胃腸炎と診断された (1999199689) 。

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験において、セサミノールはCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4の活性を阻害した (PMID:22894606)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、セサミンはCYP2C9、CYP2C19、CYP3Aを阻害した (PMID:15285849)
・in vitro試験 (HepG2細胞) において、セサミンはプレグナンX受容体活性化を阻害することにより、CYP3A4の活性、mRNA発現、タンパク発現を阻害した (PMID:22645625)

動物他での
毒性試験

調べた文献の中で見当らない。

AHPAクラス分類
及び勧告

クラス1。危険情報の項目を参照。

総合評価

安全性

・適切に使用する場合、安全に摂取することができる。
・ゴマの摂取に伴う過敏症が報告されており、特に喘息の既往歴がある場合は注意する必要がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については参考となる十分なデータが見当たらない。ただし、セサミンについては若干のヒト試験が実施され、有効性を検討した報告がある。
・ゴマ蛋白質分解物(ゴマペプチド含有)を含み、「血圧が高めの方に適する」という表示を許可された特定保健用食品がある。

参考文献

(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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