カナダ保健省が緑茶抽出物摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表(070117)

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カナダ保健省が緑茶抽出物摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表 (070116)
 2007年1月、カナダ保健省 (Health Canada) は緑茶抽出物製品の摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表しています。これは、因果関係は不明でも類似した被害事例が報告されやすくするため、積極的に公表しているものです。
詳細はカナダ保健省ウェブページ (英語) をご参照下さい。

 公表された事例は、42歳の女性が黄疸と腹部の不快を訴えて入院し、その後さらに症状が悪化して肝移植を受けたという内容です。女性は緑茶抽出物を含む製品 (カフェインは除き、カテキンを1カプセル中100 mg含有するもの) を1日6カプセル (カテキンとして600 mg/日) 、6ヶ月間摂取していました。製品の利用目的は体重減少ですが、カナダでは承認されていません。また、女性は家庭でノミスプレー (成分不明) を使用しており、避妊用のホルモン注射剤による治療 (3ヶ月に1回) も受けていました。

これとは別に、因果関係は明らかにされていませんが、緑茶の水アルコール抽出物 (25%のカテキンと5〜10%のカフェインを含む製品) による劇症肝炎の疑いを報告した文献があります (PMID:16148563)

緑茶抽出物を利用した製品は日本でも販売されていますが、現時点では類似の健康被害の報告は見当たりません。しかし、日本人が日常多量に摂取している茶の成分であっても、錠剤やカプセルの形態にすると、特定成分を過剰に摂取することが懸念されます。また、水アルコールで抽出しているため、通常は摂取しない未知の物質が抽出・濃縮され、それを摂取することで有害となる可能性もあります。


いわゆる健康食品により健康被害がおこる要因としては、
1)利用方法 (日常摂取している成分であっても、過剰摂取、長期間摂取した場合)
2)利用者の体質等 (小児、妊婦、高齢者、病気の方など、影響を受けやすい人が利用した場合)
3)不純物の混入 (有効と表示してある成分以外に、例えば重金属、細菌など有害成分が含まれていた場合)
4)併用医薬品との相互作用 (医薬品と同時に摂取したとき、医薬品の作用が増強されたり、減弱されたりした場合)
などが想定されます。このような多くの要因が健康被害の発生に関与している可能性があるため、製品の摂取と健康被害の因果関係を明確にすることは極めて困難です。

今回の件についても、製品の摂取と健康被害の因果関係は不明です。健康のためにと考え、特定成分の濃縮物の利用を考えるときは、先ずその必要性、安全性の情報を冷静に判断して対応することが肝要です。安全性情報を見るときは、過去の健康被害を受けた事例の状況と自分自身の状況 (摂取量、摂取期間、病気の治療中など) を照らし合わせ、類似している場合には特に注意して下さい。過去に起きた健康食品による健康被害事例は、このサイトの「健康食品の素材情報データベース(チャ)」の項目や「安全情報・被害関連情報」に掲載してありますので参考にしてください。

健康の基本は、必要な栄養素等は日常の食材からバランスよく摂取し、また運動や休養を含めた正しい生活習慣を理解し、実践することです (食事バランスガイド参照) 。もし必要な「健康食品」を使いたいと考えるのなら、先ず国が認めている特定保健用食品や栄養機能食品の利用を考えて下さい (「健康食品」に関する制度の概要参照) 。

参考文献

(PMID:16148563) Eur J Gastroenterol Hepatol. 2005 Oct;17(10):1135-7.