ドイツのBfRがシナモン中のクマリンについて警告(061020)

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ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:Bundesinstitut fur Risikobewertung)は、シナモンの過剰摂取は健康リスクを否定できないとして注意喚起しています。

シナモンがII 型糖尿病などの際の血糖値を下げるとして、シナモンカプセルがダイエタリーサプリメントとして販売され、長期にわたるグラム単位の摂取が勧められています。しかし、シナモンの大量摂取の安全性のデータや血糖値低下作用は明確にはされていません。BfR は消費者保護の観点からリスク評価を依頼され、下記の発表をしています。

・シナモンのスパイスとしての少量使用には数千年の歴史があり特に問題はないが、グラム単位で長期間摂取した場合のデータはない。
・シナモンには主にセイロンシナモン(セイロンニッケイ 学名:Cinnamomum verum)とカシア(チャイナシナモン 学名:Cinnamomum cassia)があり、セイロンシナモンの方が肝障害の原因となるクマリンの含量が少ない*。しかし調査の結果、メーカーは主にカシアを使用していることが示された。[* 文献としてカシアシナモン(Cinnamomum cassia)中のクマリン含量は0.11-0.85 mg/gと報告されています(PMID:15796573)。]
・シナモンカプセルの推奨量を摂取した場合、欧州食品安全機関(EFSA) によるクマリンのTDI(耐用1日摂取量)0.1 mg/kg/day を超える。さらにクマリン以外にも、シナモンカプセルは妊娠女性にリスクとなる。動物実験では、シンナムアルデヒド(シナモンの香気成分)は胎児に悪影響を及ぼすことが示されている。従ってBfR は、警告表示が必要だと考えている。シナモンから生じる可能性のあるスチレンは、検査した製品からは検出されなかった。
・BfR では、シナモンサプリメントは食品としてではなく、有効性を評価した上で医薬品として規制すべきであるとしている。

BfRは、メディア及び消費者からの多数の問い合わせを受け、「シナモン及び他の食品中のクマリンに関するQ&A」も公表しています。概要及びQ&Aに関する概要は以下のとおりです。
・クマリンは、カシア(Cinnamomum cassia)というシナモンの種類に多く含まれる芳香物質で、感受性の高い人では比較的少量でも治癒可能な肝臓障害を引き起こす場合がある。単離したクマリンは、食品に使用してはならない。食品に香り付けするために使用する植物部位にクマリンが含まれる場合には、クマリン量は食品1kg当たり2mgに制限されている。
・公的食品サーベイランスで、シナモンクッキー中のクマリン量が制限値を部分的に著しく超過していることが示された。それゆえBfRは、シナモン含有食品中のクマリンによる消費者への健康リスクを評価し、耐容一日摂取量(TDI)を設定した。TDI:0.1mg/kg体重(欧州食品安全機関(EFSA)設定のTDIと同値)
・サーベイランスで高濃度のクマリンが測定されたことを考慮し、BfRはクリスマスを迎える時期にも当たり、クマリンを含む食品は節度を持って摂取するよう消費者に助言する。

クマリンについては、シナモン、メリロート等の植物に含まれるため、過剰摂取には注意が必要です。
シナモン(Cinnamomum Cassia)の情報はこちら
メリロートの情報はこちら


この情報は国立医薬品食品衛生研究所安全情報部の食品安全情報 No.21をもとにして作成しています。

参考文献

(PMID:15796573) J Agric Food Chem. 2005 Apr 6;53(7):2424-8