健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

イソフラボン [英]Isoflavone [学名]-

概要

イソフラボンはダイズ、レッドクローバー、クズ、カンゾウなどのマメ科の植物に多く含まれているフラボノイドの一種で、下図に示した構造を有する化合物の総称である。通常、イソフラボンは配糖体として存在しているが、摂取すると腸内細菌等の作用により糖部分が分離したアグリコン型 (糖が外れた構造) になって消化管から吸収される。イソフラボンとしては、ゲニステイン、ダイゼイン、ビオカニンA、フォルモネチン、グリシテインなどの種類がある。イソフラボンは、エストロゲンに類似した構造を持ち、受容体に結合して弱い女性ホルモン様作用を示すことから、植物性エストロゲンと呼ばれている。俗に、「女性ホルモン様の作用をする」「骨粗鬆症の予防や更年期障害を軽減する」「脂質代謝の改善などに有効である」などと言われているが、ダイズイソフラボンは、II型糖尿病、更年期障害ののぼせなどに対して有効性が示唆されており、「骨の健康維持に役立つ」表示が許可された特定保健用食品があるものの、その他の食品由来のイソフラボンの有効性に関する信頼できる情報は見当たらない。安全性については、適切に摂取する条件ではおそらく安全であるが、アレルギー疾患を持つ人、妊婦・授乳婦が通常の食事で摂る以上に大量摂取することは避けたほうがよい。濃縮物として利用した条件では、乳がん発症や再発等のリスクを高めるなど、有害性を示唆する報告もある。一般的にダイズと他の食品 (レッドクローバーやクズなど) に由来するイソフラボンは組成が異なるため、得られる効果も異なると言われている。また、ダイゼインは腸内細菌によってエストロゲン作用等がより強力なエクオール (Equol) に代謝されるが、その代謝は人によって異なる (日本人の約半分がエクオール産生者) 。さらに、イソフラボンを通常の食材から摂取する場合、食材の有する容積や香りなどによりイソフラボンを過剰摂取する可能性が低い。このようなことから、イソフラボンの有効性や安全性を解釈する際には、少なくとも通常の食材の形態として摂取する条件とサプリメントのような濃縮物として摂取する条件では異なった考え方で対応する必要がある。ダイズイソフラボンの詳細はこちらを参照。その他詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

-

成分の特性・品質

主な成分・性質

・主要なイソフラボンとしてダイジン、ゲニスチン、グリシチン (アグリコンはそれぞれダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン) 、ビオカニンA 、フォルモノネチン、クメストロール、エクオール、プエラリン、トリフォリリジン、プラテンセインなどがある (94) 。

分析法

・レッドクローバー由来のイソフラボンをUV検出器 (検出波長254 nm) を装着したHPLC (PMID:12270205) 、MS/MS (103) (PMID:10691640) (PMID:14601839) (104) により分析した報告がある。
・クズ由来のイソフラボン類をフォトダイオードアレイ検出器 (検出波長205〜400、262 nm) 、MS/MSを装着したHPLCにより分析した報告がある (PMID:12848487)

有効性








循環器・
呼吸器


<血清脂質>
現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在しており、個々の情報は次のようになっている。
≪血清脂質に関して有効性が示唆されたという報告≫
RCT
・閉経後の女性53名 (平均51.3±3.5歳、エクアドル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン80 mg/日を90日間摂取させたところ、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド濃度が低下した (PMID:16373244)
≪血清脂質に関して有効性が認められなかったという報告≫
RCT
・健康な男女 (女性は閉経前) 80名 (平均58歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来ビオカニンもしくはフォルモノネチン (ゲニステインとダイゼインの前駆体) を40 mg/日、6週間摂取させたところ総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド値には影響は認められなかった (PMID:14985677)
・閉経前の健常女性25名 (試験群12名、平均32.8歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン86 mg/日を3月経サイクル期間摂取させたところ、血中総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、リポタンパク (a) 、グルコース、インスリン濃度には影響は認められなかった (PMID:12654164)
・健康な女性23名 (25〜65歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン86 mg/日を1ヶ月間摂取させたところ、HDLコレステロール、総コレステロール、トリグリセリド、インスリン様増殖因子には影響は認められなかった (PMID:14679383)
・健康な女性177名 (試験群86名、平均55.1±4.7歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン43.5 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、フィブリノーゲン、プラスミノーゲン活性化抑制因子 (PAI-1) 、血圧に影響は認められなかった (PMID:15226466)
・高血圧前症でエクオール産生者の閉経後女性270名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ダイズ粉40 g/日 (90名、平均57.6±5.3歳) またはダイゼイン63 mg/日 (90名、平均57.7±5.0歳) を6ヶ月間摂取させたところ、ダイズ粉摂取群において血中LDLコレステロール、LDLコレステロール/HDLコレステロール比の低下が認められたが、ダイゼイン摂取群では認められず、いずれの群においても空腹時血糖、総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、遊離脂肪酸、高感度CRP、頸動脈内膜中膜厚 (CIMT) (PMID:24273218)、血流依存性血管拡張反応 (FMD) 、自由行動下24時間血圧 (PMID:25782428) に影響は認められなかった。
・男性 (46名) およびホルモン補充療法を受けていない閉経後女性 (13名) (試験群30名:男24名、女6名、平均54.3歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、Trifolium subterraneum由来イソフラボン (主にゲニステイン) 55 mg/日を夕食とともに8週間摂取させたところ、血清総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド値およびリポタンパク(a)濃度に影響は認められなかった (PMID:9521635)
・血清脂質がやや高い閉経後女性75名 (平均58±7.3歳、試験群66名、オーストラリア) を対象とした二重盲検プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン (ビオカニンA 26 mg、フォルモノネチン16 mg、ダイゼイン0.5 mg、ゲニステイン1 mg) 43.5 mgもしくは87 mgを4週間摂取させたところ、血漿総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド値に影響は認められなかった (PMID:10996349)

<血管・血圧>
メタ分析
・2015年8月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験20報 (全て中国語) について検討したメタ分析において、虚血性脳卒中患者によるプエラリンの摂取は、基本的生活動作 (Barthel index:1報) 、神経障害 (16報) の改善と関連が認められたが、介入終了時点 (4報) または追跡終了時点 (2報) までの死亡および要介護リスクに影響は認められず、全体的に試験の質が低かった (PMID:26891451)
・2009年8月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、単離イソフラボンもしくはイソフラボン含有ダイズ製品の摂取は、それぞれ単独の介入では傾向が異なったものの、全体では血管内皮機能の指標である血流依存性血管拡張反応 (FMD) にわずかに影響を与えた (PMID:20709515)
RCT
・健康な男女 (女性は閉経後) 80名 (平均54±0.7歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来ビオカニンもしくはフォルモノネチン (ゲニステインとダイゼインの前駆体) を80 mg/日、6週間摂取させたところ、フォルモノネチン摂取群 (40名) において動脈の硬化指標 (動脈系コンプライアンス、脈波伝搬速度) の抑制がみられたが、血圧、血管拡張に影響は認められなかった (PMID:12714433)
・閉経後女性60名 (試験群30名、平均54±1.28歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ゲニステイン54 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、心血管疾患リスク因子 (フィブリノーゲン、オステオプロテゲリン (破骨細胞分化抑制因子) 、性ホルモン結合グロブリン、空腹時の血糖、インスリン濃度、インスリン抵抗性) の改善が認められた (PMID:15772566)
・健康な閉経前女性23名 (平均32.8±9.5歳、試験群11名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン86 mg/日を4性周期間摂取させたところ、血中ホモシステインと葉酸濃度に影響は与えなかった (PMID:19951216)
・健康な更年期女性 (30名、52〜60歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ゲニステイン54 mgを6ヶ月〜1年摂取させたところ、亜硝酸塩/硝酸塩比、エンドセリンに作用する一酸化窒素の割合が増加し、エンドセリン-1値が減少したが、脂質代謝や血圧に影響は認められなかった (PMID:12052481) (PMID:12727580)


消化系・肝臓

調べた文献の中には見当たらない。

糖尿病・
内分泌

RCT
・骨減少の閉経後女性389名 (試験群198名、平均54.7±0.25歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、等カロリーの低脂肪食と共に、ゲニステイン54 mg/日を2年間摂取させたところ、空腹時血糖、インスリン、インスリン抵抗性、フィブリノーゲン、F2-isoprostanes (過酸化脂質マーカー) 、sICAM-1、sVCAM-1の低下と骨代謝マーカーのオステオプロテゲリン (Osteoprotegerin:OPG) の上昇が認められたが、血中脂質、子宮内膜厚に影響は認められなかった(PMID:17682090)
・耐糖能異常のある女性165名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ダイズタンパク質10 g/日とともに、ダイゼイン50 mg/日 (55名、平均56.4±9.9歳) またはゲニステイン50 mg/日 (56名、平均57.0±9.68歳) を24週間摂取させたところ、空腹時血糖値、HbA1c、空腹時インスリン濃度、HOMA-IR、インスリン感受性指標、HOMA-B、QUICKI、経口糖負荷試験 (グルコースおよびインスリンの120分値、Cmax、Tmax、AUC) に影響は認められなかった (PMID:25351561)

生殖・泌尿器

<更年期女性の血管障害 (ほてりなど)>
現時点ではポジティブな結果とネガティブな結果の両方が存在し、個々の情報は次のようになっている。
≪更年期の血管障害 (ほてりなど) に関して有効性が示された報告≫
メタ分析
・2006年4月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験5報について検討したメタ分析において、レッドクローバー由来イソフラボンの摂取はほてりの頻度をわずかに減少させた (PMID:17239573)
RCT
・閉経後女性109名 (平均53.5±7.1歳、オーストリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン80 mg/日を90日間摂取させたところ、更年期症状 (Kupperman Index、ほてり、寝汗) の減少が認められた (PMID:21870906)
・ホルモン補充療法を1年以上受けている女性 (90名、イタリア) を対象とした二重盲検査無作為化比較試験において、ゲニステイン54 mg (試験群30名、平均52±0.55歳) もしくはEPT (17β-エストラジオール1 mg等、試験群30名、平均52±0.91歳) を12ヶ月摂取させたところ、ゲニステインの摂取によりほてりの減少が認められたが、EPTより作用は弱かった (PMID:15243277)
≪更年期の血管障害 (ほてりなど) に関する有効性は確立されていないという報告≫
メタ分析
・2010年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた臨床試験について検討したシステマティックレビューにおいて、ブラックコホシュ、イソフラボン、レッドクローバー、ダイズ、ビタミンE、朝鮮人参、トウキ、メマツヨイグサ油、ヤムイモ、カバ、メラトニンを代替医療としてそれぞれ単独使用することが、更年期女性のホットフラッシュ (ほてり、のぼせ) に与える影響には一定の傾向が認められず、長期使用の安全性データが不十分であった (PMID:20833608)
≪更年期の血管障害 (ほてりなど) に関して有効性が認められなかった報告≫
メタ分析
・2016年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験62報について検討したメタ分析において、ダイズ、ダイズイソフラボン、レッドクローバー、その他の植物エストロゲンの摂取は、ホットフラッシュの頻度 (18報) 、膣の乾燥 (3報) の軽減と関連が認められたが、寝汗 (2報) に影響は与えなかった (PMID:27327802)
・2005年10月までを対象に3つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験17報 (レッドクローバー由来イソフラボン6報、ダイズイソフラボン11報) について検討したメタ分析において、レッドクローバー由来イソフラボンの摂取はほてりを減少させず、ダイズイソフラボンの摂取は結果にばらつきがみられた (PMID:16670414)

<その他の更年期症状>
メタ分析
・2009年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験8報について検討したメタ分析において、女性の乳房密度に対するイソフラボン摂取の影響は、全体 (7報) および閉経後 (4報) ではなかったが、閉経前 (5報) ではわずかに増加させる可能性が示唆された (PMID:20511398)
RCT
・閉経後女性53名 (平均51.3±3.5歳、エクアドル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン80 mg/日を90日間摂取させたところ、更年期症状 (Kupperman index sucore、膣細胞の核濃縮指数、角質化、基底細胞成熟インデックス) の改善が認められた (PMID:16373244)
・高血圧前症でエクオール産生者の閉経後女性270名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ダイズ粉40 g/日 (試験群90名、平均57.6±5.3歳) またはダイゼイン63 mg/日 (試験群90名、平均57.7±5.0歳) を6ヶ月間摂取させたところ、更年期症状に影響は認められなかった (PMID:24149925)
・Wolfeのマンモグラフィーパターンの分類でP2またはDYに該当する女性177名 (49〜65歳、試験群86名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン (ビオカニンA 26 mg、フォルモノネチン16 mg、ゲニステイン1 mg、ダイゼイン0.5 mgを含む) を1年間摂取させたところ、乳房密度、エストラジオール値、ゴナドトロピン値、更年期症状に影響は認められなかった (PMID:15084240)
・閉経期女性 (試験群17名、平均41.5±3.1歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イソフラボン100 mgを1年間摂取させたところ、月経周期、ホルモンレベル、排卵周期には影響は認められなかった (PMID:11867507)

脳・神経・
感覚器

RCT
・閉経後女性28名 (60歳以上、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボンアグリコン (フォルモノネチン 50 mg、ビオカニン 5 mg /日) を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能に影響は認められなかった (PMID:15259285)
・閉経期女性 (中国) を対象とした二重盲検プラセボ比較試験において、クズ由来のイソフラボン100 mg (試験群45名、平均57.4±4.6歳) 、ホルモン補充 (エストロゲン0.625 mg+酢酸メドロキシプロゲステロン5 mg、試験群43名、平均56.2±4.9歳) を3ヶ月摂取させたところ、ホルモン補充群で血中コレステロール、LDLコレステロール、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンの低下が認められたが、両群において更年期症状や健康関連QOL尺度に影響は認められなかった (PMID:12851519)

免疫・がん・
炎症

<がん>
・がんに対する影響に関しては、有効性(がんのリスクを低下させる) を示した報告もあるが、イソフラボンの成分や食品に含まれる含有量が一定でないこと、生理活性の強いと考えられるダイゼインの代謝物エクオールへの産生能には個人差が大きいことなどにより、現時点での影響は明確でなく、さらなる研究が必要である。個々の情報は次のようになっている。
≪がんの予防に対する有効性が示されたという報告≫
一般情報
・日常的にイソフラボンを摂取することは子宮内膜がんのリスクを減少させる (PMID:12902445)
メタ分析
・2014年5月までを対象に5つのデータベースで検索できた症例対照研究22報、コホート研究18報について検討したメタ分析において、ダイズの摂取 (18報、16報) は消化管がんのわずかなリスク低下と関連が認められたが試験によるバラツキが大きく、食事からのイソフラボン摂取 (5報、5報) は消化管がんリスク低下と関連が認められた (PMID:25547973)
≪がんに対する有効性が確立されていないという報告≫
メタ分析
・2016年6月までを対象に2種のデータベースで検索できた食事由来のフラボノイド摂取量とがん発症リスクに関する観察研究 (症例対照研究またはコホート研究) 143報について検討したメタ分析において、イソフラボンの摂取は、乳がん (症例対照研究17報) 、卵巣がん (症例対照研究5報) 、子宮体がん (症例対照研究5報) 、肺がん (症例対照研究2報、コホート研究4報) 、胃がん (コホート研究3報) 、大腸がん (症例対照研究5報) の発症リスク低下と関連が認められたが、乳がん、卵巣がんについては試験によるバラツキが大きく、上気道消化管がん、肝臓がん、すい臓がん、前立腺がん、膀胱がんとの関連は認められなかった (PMID:27943649)
≪がんに対する影響がないとされた報告≫
一般情報
・イソフラボンの大量摂取と乳がんとの間には関連性はない (PMID:14749235)
メタ分析
・2015年8月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験23報について検討したメタ分析において、女性によるイソフラボン摂取は子宮内膜厚に影響を与えなかったが、試験によるバラツキが大きかった (PMID:26967050)
RCT
・健康な女性24名 (45〜53歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験レッドクローバー由来イソフラボン50 mgを3ヶ月摂取させたところ、子宮内膜増生の項目や脂質代謝に影響は認められなかった (PMID:11528360)
その他
・女性15,555名(49〜70歳、オランダ) を対象としたコホート研究において、平均1 mg/日の植物エストロゲンを摂取させたところ、乳がん発症のリスクに影響は認められなかった (PMID:14749235)

骨・筋肉

<骨>
RCT
・骨量減少の閉経後女性389名 (試験群198名、平均54.7±3.5歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ゲニステイン54 mgを24ヶ月間摂取させたところ、大腿骨頸部および腰椎の骨密度 (BMD) と骨形成マーカー (骨型アルカリフォスファターゼ) の上昇と骨吸収マーカー (ピリジノリンとデオキシピリジノリン) の尿中排泄の低下、が認められ、胃腸障害が認められた。(PMID:17577003)
・大腿頸部骨密度<0.795 g/cm2 で歩くことのできる女性90名 (イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ゲニステイン54 mg (試験群30名、平均52±3歳) 、HRT (17β-エストラジオール等、試験群30名、平均52±5歳) を1年間摂取させたところ、両群で大腿骨頚部、ウォード三角腰椎の骨密度が上昇し、尿中ピリジノリン量と尿中デオキシピリジノリン量が減少した。また、HRT群では不正出血や乳房圧痛が認められた一方でホットフラッシュの減少が認められたが、ゲニステイン群では認められなかった (PMID:12369794)
・女性177名 (49〜65歳、試験群86名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー由来イソフラボン43.5 mg (ビオカニンA 26 mg、フォルモノネチン16 mg、ゲニステイン1 mg、ダイゼイン0.5 mg) を12ヶ月摂取させたところ、脊椎、腰椎部の骨密度の減少抑制が認められた (PMID:14749241)

発育・成長

調べた文献の中には見当たらない。

肥満

RCT
・血圧が高めの閉経後女性270名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ダイズ40 g/日 (90名、平均57.6±5.3歳) またはダイゼイン63 mg/日 (90名、平均57.7±5.0歳) を6ヶ月間摂取させたところ、いずれにおいても、体重、BMI、腹囲、腰囲、ウエスト/ヒップ比、体脂肪率、体脂肪量、徐脂肪量に影響は認められなかった (PMID:23984051)

その他

調べた文献の中には見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である。
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
・骨減少の閉経後女性389名 (49〜67歳) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、等カロリーの低脂肪食と共に、ゲニステイン (54 mg/日) を2年間摂取させたところ、中度の有害事象として胃腸への副作用 (腹痛、心窩部痛、嘔吐、便秘) が37件 (19%) あった (PMID:17682090)
<妊婦・授乳婦>
・通常の食品に含まれている量を摂取する場合はおそらく安全である。
・イソフラボンにはエストロゲン様作用があり、胎児の発育に影響する可能性があるため、サプリメントなどの濃縮物として多量に摂取することは避ける。一般的に妊娠中・授乳中の摂取に関する安全性については十分なデータがないため使用は避ける。
・カンゾウ由来イソフラボンはエストロゲン様作用、ステロイド様作用があるため、子宮を刺激する可能性があり、妊婦は使用を避ける (94) 。また、授乳婦は十分な信頼できる情報がないため、使用を避ける (94) 。
・一週間に500 mg以上のカンゾウ由来イソフラボンを摂取すると、妊娠38週以前の分娩の危険性が増加する (PMID:11390327) (PMID:12396977)
・レッドクローバー由来イソフラボンの妊婦・授乳婦に対する信頼できる情報が不十分であるため、摂取は避ける (94) 。
・クズ由来イソフラボンについては授乳婦に対する信頼できる情報が不十分であるため、摂取は避ける (94) 。
<小児>
・小児が通常の食品に含まれている量を摂取する場合はおそらく安全である。
・乳幼児および若年者は大量摂取を避ける。
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモンに感受性が高い状態にある女性は、ダイズイソフラボン、レッドクローバー由来イソフラボン、クズ由来イソフラボンなどの使用を避ける (94) (PMID:15277090)
・クズ由来イソフラボンにはエストロゲン様作用がある (PMID:12851519) ため、ホルモンに感受性の高い状態の女性は通常の食品形態以外の濃縮物等としてクズを摂取することは避けたほうがよい。これらの症状は乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫を増加させる可能性がある (94) 。
<被害事例>
・58歳男性 (イタリア) が前立腺がんの予防目的でイソフラボン含有薬を1年間摂取したところ、乳房のふくらみと小結節を生じ、摂取中止1ヶ月後に浮腫は改善したものの、小結節の改善が見られなかったため手術をしたところ、乳がんと認められ、リンパ節に数ヶ所転移が見つかった (PMID:25068807)

禁忌対象者

・カンゾウのイソフラボンは、妊娠中は使用禁止 (22) 。
・カンゾウのイソフラボンは、高血圧、肝機能障害、浮腫、重度の腎不全、低カリウム血症、浮腫を伴う心疾患、うっ血性心不全を持つひとは禁忌 (22) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健常成人男性18名 (18〜30歳、中国) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ゲニステイン1,000 mg/日を14日間摂取させ、翌日にCYP3Aとp糖タンパク質への影響を評価するプローブとしてミダゾラム7.5 mgとタリノロール100 mgをそれぞれ単回服用させたところ、それらプローブの血中濃度 (AUC、Cmax) が減少し、経口クリアランスが増加したことから、CYP3Aとp糖タンパク質の誘導が示唆された (PMID:21943317)
<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、ビオカニンA (イソフラボンの1種) の摂取は、タモキシフェンの血中濃度、生体利用率を低下させた (PMID:22131128)
・動物実験 (ラット) において、ゲニステイン3.3 mg/kg または10 mg/kgの摂取は、パクリタキセル (抗がん剤) の血中濃度 (AUC、Cmax) 、生体利用率を増加させた (PMID:17267149)
・クズ由来イソフラボンのプエラリンは薬物代謝酵素のCYP450を阻害又は誘導することが示唆されている。(PMID:11133012)
・in vitro試験において、レッドクローバー由来イソフラボンは薬物代謝酵素のCYP1A2、2C19、2C9、3A4を阻害する可能性があるため、これらによって代謝される薬物との併用は注意する必要がある (94) (PMID:15384148) (PMID:15277090)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP2E1活性に対する影響を検討したところ、ダイジン、プエラリン、ゲニスチン、オノニン、ホルモノネチン、シソトリン、グリシテイン、グリシチンはいずれのCYPにも影響を与えなかったが、ダイゼインはCYP2C8、CYP2C9を、ゲニステインはCYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4、CYP2E1を、ビオカニンAはCYP2C8、CYP3A4を、エクオールはCYP3A4を阻害した (PMID:27312150)
<理論的に考えられる相互作用>
・イソフラボンは抗凝血薬、経口避妊薬、エストロゲン製剤、タモキシフェンなど、併用に注意を要する医薬品が複数考えられる (103) 。
・ゲニステインはタモキシフェンの抗腫瘍作用に拮抗する可能性がある (PMID:12851519)
・経口避妊薬あるいはホルモン補充療法と大量のレッドクローバーの使用は、エストロゲン受容体での競合により影響を与えるかもしれない (94) (PMID:15277090)
・クズ由来のイソフラボンはエストロゲン様作用のあるハーブやサプリメントとの併用により、それらの作用を増強すること可能性がある (PMID:12851519)
・クズ由来のイソフラボンは経口避妊薬の作用を競合的に阻害する可能性がある (PMID:12851519)
・クズ由来イソフラボンには抗血小板作用が報告されている (PMID:12577374) ため、抗凝固療法に影響する可能性がある (94) 。
・プエラリンは血糖値を下げる可能性があるので、苦瓜、シナモン、クロム、デビルズクローなどの血糖値を下げる可能性のあるハーブとの併用により低血糖を引き起こす可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDL0 (最小中毒量)
・レッドクローバー由来エストロゲン様物質を投与:ラット経口 1,046 mg/kg、雌ラットの生殖器成熟が認められた (91) 。
2.LD50 (50%致死量)
・プエラリン(クズ由来イソフラボン)を投与:マウス静脈738 mg/kg (92) 。
・イソフラボンが取り除かれたクズ水抽出液を投与:マウス静脈 1.044 g/kg、腹腔 2.0 g/kg、経口 4.0 g/kg (92) 。
3.その他
・プエラリンは、実験動物の血圧を15%下げる (21)。

AHPAクラス分類
及び勧告

・レッドクローバー…地上部、花:クラス1 (22) 。
・クズ…根:クラス1 (22)。
・カンゾウ…根・根茎:2b、d (22) 。

危険情報、禁忌対象者 参照

総合評価

安全性

・クズ、レッドクローバー由来イソフラボンはエストロゲン様作用を示すことから、通常の食品として摂取する以外に、妊娠中・授乳中の利用は避ける。また、乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモンに感受性が高い状態にある女性は、使用を避ける。
・複数の医薬品との相互作用を起こす可能性が考えられる。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・レッドクローバー由来イソフラボンのヒトに対する有効性については、調べた文献中に十分なデータはない。
・クズ由来イソフラボンは治療目的では、血糖値、血圧、心臓血管系に対する作用が示唆されているが、食品素材として利用する場合のヒトでの有効性については、信頼できる十分なデータが見当たらない。

参考文献

(21) グリーンファーマシー 健康産業新聞社 James A.Duke
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(25) クリニカル・エビデンス日本語版 日経BP社 日本クリニカル・エビデンス編集委員会
(29) 牧野和漢薬薬草大図鑑(北隆館)
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」別添3 (平成16年3月31日 薬食発第0331009号 厚生労働省医薬食品局長)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(92) 現代中薬薬理学
(103) J Chromatogr A. 1996; 755: 127-32.
(104) Anal Chim Acta. 2001; 450(1-2): 81-97.
(PMID:12270205) J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 2002 Sep 25;777(1-2):123-8
(PMID:10691640) J Agric Food Chem. 2000 Feb;48(2):354-65
(PMID:14601839) J Chromatogr A. 2003 Oct 24;1016(2):195-209.
(PMID:12848487) J Agric Food Chem. 2003 Jul 16;51(15):4213-8
(PMID:10996349) Atherosclerosis. 2000 Sep;152(1):143-7
(PMID:9521635) J Nutr. 1998 Apr;128(4):728-32
(PMID:15207886) Maturitas. 2004 Jul 15;48(3):209-18
(PMID:12577374) Zhongguo Zhong Xi Yi Jie He Za Zhi. 2001 Jan;21(1):31-3
(PMID:15015382) Zhongguo Zhong Yao Za Zhi. 2003 Sep;28(9):853-6
(PMID:12052481) Atherosclerosis. 2002 Aug;163(2):339-47
(PMID:12727580) Am J Med. 2003 Apr 15;114(6):470-6
(PMID:15243277) Menopause. 2004 Jul-Aug;11(4):400-4
(PMID:14965665) Breast. 2002 Apr;11(2):170-4
(PMID:11867507) Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2002 Feb;11(2):195-201
(PMID:12851519) Menopause. 2003 Jul-Aug;10(4):352-61
(PMID:12902445) J Natl Cancer Inst. 2003 Aug 6;95(15):1158-64
(PMID:14749235) Am J Clin Nutr. 2004 Feb;79(2):282-8
(PMID:11528360) Menopause. 2001 Sep-Oct;8(5):338-46
(PMID:12369794) J Bone Miner Res. 2002 Oct;17(10):1904-12
(PMID:14749241) Am J Clin Nutr. 2004 Feb;79(2):326-33
(PMID:7695042) Alcohol Clin Exp Res. 1994 Dec;18(6):1443-7
(PMID:8892531) Alcohol Clin Exp Res. 1996 Sep;20(6):1083-7
(PMID:12928827) J Bone Miner Metab. 2003;21(5):268-75
(PMID:8010117) Zhongguo Yao Li Xue Bao. 1994 Mar;15(2):180-2
(PMID:11390327) Am J Epidemiol. 2001 Jun 1;153(11):1085-8
(PMID:12396977) Neurologia. 2002 Oct;17(8):447-8
(PMID:15277090) J Herb Pharmacother. 2002;2(3):49-72
(PMID:15384148) Rapid Commun Mass Spectrom. 2004;18(19):2273-81
(PMID:11133012) Life Sci. 2000 Nov 3;67(24):2997-3006
(PMID:15084240) Breast Cancer Res. 2004;6(3):R170-9. Epub 2004 Feb 24
(PMID:17577003) Ann Intern Med. 2007 Jun 19;146(12):839-47.
(PMID:17682090) J Clin Endocrinol Metab.2007;92(8):3068-75.
(PMID:15772566) Menopause. 2005 Mar;12(2):186-92.
(PMID:12714433) Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2003 Jun 1;23(6):1066-71.
(PMID:15259285) Climacteric. 2004 Mar;7(1):70-7.
(PMID:14985677) Eur J Clin Nutr. 2004 Mar;58(3):403-8.
(PMID:16373244) Gynecol Endocrinol. 2005 Nov;21(5):257-64.
(PMID:12654164) Br J Nutr. 2003 Apr;89(4):467-74.
(PMID:14679383) Eur J Clin Nutr. 2004 Jan;58(1):173-9.
(PMID:17239573) Phytomedicine. 2007 Feb;14(2-3):153-9.
(PMID:16670414) JAMA. 2006 May 3;295(17):2057-71
(PMID:18842999) Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2008 Oct;17(10):2585-93.
(PMID:15226466) J Nutr. 2004 Jul;134(7):1759-64.
(PMID:19951216) J Womens Health (Larchmt). 2009 Nov;18(11):1813-6.
(PMID:20511398) Hum Reprod Update. 2010 Nov-Dec;16(6):745-60
(PMID:20709515) Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2010 Aug 14. [Epub ahead of print]
(PMID:20833608) J Am Pharm Assoc (2003). 2010 Sep-Oct;50(5):e106-15.
(PMID:22131128) Phytother Res. 2012 Feb;26(2):303-7.
(PMID:21943317) Xenobiotica. 2012 Feb;42(2):173-8.
(PMID:17267149) Int J Pharm. 2007 Jun 7;337(1-2):188-93.
(PMID:21870906) Gynecol Endocrinol. 2012 Mar;28(3):203-7.
(PMID:23984051) J Obes. 2013;2013:359763.
(PMID:24273218) Mol Nutr Food Res. 2014 Apr;58(4):709-17.
(PMID:24149925) Menopause. 2014 Jun;21(6):653-60.
(PMID:25068807) Eur J Cancer Prev. 2014 Sep;23(5):491-2.
(PMID:25351561) Mol Nutr Food Res. 2015 Feb;59(2):240-9.
(PMID:25782428) Eur J Clin Nutr. 2015 Oct;69(10):1161-8.
(94) Natural Medicines
(PMID:27327802) JAMA. 2016 Jun 21;315(23):2554-63.
(PMID:26967050) Oncotarget. 2016 Apr 5;7(14):17369-79.
(PMID:26891451) Cochrane Database Syst Rev. 2016 Feb 18;2:CD004955.
(PMID:27943649) Mol Nutr Food Res. 2017 Apr;61(4). Epub 2017 Feb 7.
(PMID:27312150) Xenobiotica. 2017 Apr;47(4):324-331.
(PMID:25547973) Eur J Nutr. 2016 Feb;55(1):63-73.