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A.クロムとは?
クロムは18世紀にシベリアで発見された元素で、通常、3価クロム、6価クロムの状態で存在します(3)。自然界に存在するクロムはほとんどが3価クロムで、6価クロムは人為的に産出されます(1)。6価クロムには強い酸化作用があり、毒性が強く、クロムメッキ工場等で6価クロムによる中毒が発生した事例がありました(3)。人間の組織中や食品中のクロム含有量は極めて少ないのですが(1)、生体内では、糖質代謝、コレステロール代謝、結合組織代謝、たんぱく質代謝の維持に関係しています(1)(3)。
B.クロムの供給源になる食品
主な食品のクロム含有量は以下の通りです(可食部100gあたり)。


※クロムは、「五訂増補 日本食品標準成分表」には収載されていません(4)。
C.クロムの特性(単位・化学的安定性)
クロムは元素記号Cr、原子番号24、原子量52.00で、銀白色の金属です。常温では安定しているため、空気中や水中において錆びることはありません。また、塩酸、希硫酸に溶けます(7)。
D.クロムの吸収や働き
食品中に存在するクロムのほとんどは3価クロムです(1)。摂取した3価クロムの吸収率はとても低く、0.5〜2%と見積もられています(6)。主に小腸で吸収されますが、その腸管吸収メカニズムは明らかになっていません(1)。
生体内に存在するクロムの量は極微量ですが(1)、インスリン作用を増強し(6)、正常な糖質代謝、コレステロール代謝、結合組織代謝、たんぱく質代謝の維持に関係しています(3)。
E.クロム不足の問題
クロム不足はどのようにして起こるのか?
クロムは加齢とともに体内の含量が減少する唯一のミネラルですが(3)、通常の食生活ではクロム不足が問題となることはありません(1)。クロムを全く含まない完全静脈栄養や、高カロリー輸液を施行すると、耐糖能異常を引き起こしますが、塩化クロムの補給により症状は改善されます(1)。
クロムが不足すると、どのような症状が起こるのか?
クロムが不足すると、インスリン感受性の低下(1)、窒素代謝異常、体重減少、末梢神経障害、昏迷(5)、角膜障害(3)などが起こります。
F.クロム過剰摂取のリスク
通常の食事から摂取されるクロムは毒性の低い3価クロムで、吸収率も低いため、過剰症が問題となることはあまりありませんが(1)、長期間にわたる過剰摂取では、嘔吐、下痢、腹痛、腎尿細管障害、肝障害、造血障害、中枢神経障害が起こる可能性があります(3)。また、6価クロムは毒性が強く、皮膚炎や肺がんの原因となります(3)。
G.クロムはどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別のクロムの食事摂取基準(日本人の食事摂取基準2005年版)は以下の通りです。

※クロムの摂取基準は、科学的根拠が不十分な点があるため、暫定的な値です(1)。
H.クロム摂取状況
現在、国民健康・栄養調査の調査項目に入っていないため、データがありません(2)。
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