健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ローズヒップ [英]Rose Hips、Wild Dog Rose、Dog rose [学名]Rosa species、 Rosa canina 、 Rosa laevigata Michx. 他

概要

ローズヒップは様々なバラ科バラ属 (Rosa L.) の果実をさす。欧米で多用される品種であるRosa caninaは、ヨーロッパ北部、西部アジア、北アフリカに分布する落葉低木で高さ1〜3 m、花期は5〜6月、果実は楕円形で緋紅色である。これは古代バラの親で、イギリスでは野バラといえば本種をさし、園芸品種の台木用として栽培される。食品としてはお茶、ジャム、スープなどとして利用されてきた。生のローズヒップにはビタミンCが豊富に含まれているため、貴重なビタミン源として使用されてきたが、これらは乾燥や加工の過程でその多くが損失することが分かっている。中国の伝統医学ではナニワイバラ (Rosa laevigata Michx.) の果実が「金桜子 (キンオウシ、jin ying zi)」と呼ばれ、腎臓や泌尿器の不調に使用されている。俗に、「免疫によい」「便秘によい」「ストレスによい」「肌によい」「からだや目の疲れによい」「体脂肪を抑える」などと言われているが、ヒトでの有効性については調べた文献中に十分なデータが見当たらない。また、安全性については、食事から適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなどの濃縮物として摂取する場合の安全性に関しては信頼できる十分な情報が見当たらない。ドイツのコミッションEモノグラフ (薬用植物評価委員会) では未承認ハーブに分類されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ローズヒップ果実・果皮・茎・花は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (一般的に安全とみなされた物質) 認定 (94) 。
・ドイツのコミッションEモノグラフ (薬用植物評価委員会) では、未承認ハーブに分類されている (58) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ビタミンC (0.03-1.3%) 、ビタミンB1、ビタミンE、カルシウム、亜鉛、カロテノイド (β-カロテン、リコペン、ルビキサンチン、ガザニアキサンチン、ベータクリプトキサンチン、ゼアキサンチン) 、フラボノイド、ペクチン、クエン酸、マレイン酸 (94) 、タンニン (101) などを含む。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般
・変形性関節症の改善に有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2007年10月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験3報 (全て同一メーカーの提供) について検討したメタ分析において、変形性関節炎患者によるローズヒップパウダーの摂取は、主観的な痛みの減少との関連が認められた (PMID:18407528)
RCT
・変形性関節症の男女94名 (男性48〜85歳、女性38〜92歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ローズヒップ含有食品5 gを3ヶ月間摂取させたところ、膝や臀部の疼痛が軽減した (PMID:16195164) (PMID:15330493)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・軽度肥満者32名 (試験群16名、平均50.1±9.2歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ローズヒップ抽出物100 mg/日を12週間摂取させたところ、体重、BMI、腹部脂肪面積の低下が認められたが、体脂肪率、血圧、空腹時血糖値、血清脂質濃度 (総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド) 、肝酵素濃度機能マーカー (AST、ALT、γ-GTP) に影響は認められなかった (PMID:25834460)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食事として適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・ドイツのコミッションEモノグラフ (薬用植物評価委員会) では未承認ハーブに分類されている (58) 。
・製品中のビタミンC量との関連が想定される副作用が起きることがある (94) 。
・副作用としては、吐き気、嘔吐、食道炎、腸閉塞、倦怠感、紅潮、頭痛、不眠、眠気、下痢、尿路結石、アナフィラキシー、喘息などがある (94) 。
・過剰摂取によって深部静脈血栓症を起こす可能性がある (94) 。
・職業的にローズヒップに暴露されている人は、バラに対するIgE依存性過敏症なりやすい(94) 。

<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータが十分でないため、通常の食品中に含まれる量以上の過剰な量を使用することは避けたほうがよい (94) 。

<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

<被害事例>
・22歳男性 (イギリス) がローズヒップ果実を食べた直後に眼窩周囲の発疹を伴う右目の痛み、充血、視界不良などをおこし、摂取を中止して1%プレドニゾロンを点眼したところ、回復した (PMID:15467705)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、ローズヒップ水抽出物はCYP3A4活性を阻害した (PMID:28539725)

<理論的に考えられる相互作用>
・抗血小板薬または抗凝固薬との併用は、出血のリスクを高める可能性がある (94) 。
・ローズヒップはリチウムの排泄を減少させ、血中レベルを増加させる可能性がある (94) 。
・ビタミンCを多く含むため、ビタミンCとの併用は、有害事象のリスクを高める可能性がある (94) 。

【ローズヒップに含まれるビタミンCの医薬品等の作用に対する影響】
・アリミニウムとの併用はアルミニウムの吸収を促進させる可能性がある (94) 。
・フルフェナジンとの併用は、血中濃度を低下させる可能性がある (94) 。
・ワルファリンとの併用は、ワルファリンの反応を減弱させる可能性がある (94) 。
・鉄との併用は、鉄の吸収を増加させる可能性がある (94) 。
・エストロゲンの吸収を増加させ、作用を増強する可能性がある (94) 。
・アスコルビン酸の尿中排泄を増加させ、サリチル酸の排泄を減弱させる可能性がある (94) 。
・シュウ酸塩結石形成のリスクが高くなる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・果実の水抽出物を投与:ラット経口2,070 mg/kg (91) 。
・果実の80%エタノール抽出物を投与:マウス経口2,628 mg/kg (91)
・果実の80%エタノール抽出物から調製したブタノール画分または酢酸エチル画分を投与:マウス経口919 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・果実:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食事として適切に摂取する場合、おそらく安全であるが、サプリメントなどの濃縮物として摂取する場合の安全性に関しては信頼できる十分な情報が見当たらない。
・製品中のビタミンC量との関連が想定される副作用が起きる可能性があるため、注意が必要である。

・ドイツのコミッションEモノグラフ (薬用植物評価委員会) では未承認ハーブに分類されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については、調べた文献に十分なデータが見当たらない。

参考文献

(30)「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58)The Complete German Commission E Monographs
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(PMID:16195164) Scand J Rheumatol. 2005;34(4):302-8.
(PMID:15330493) Phytomedicine. 2004;11(5):383-91.
(PMID:18407528) Osteoarthritis Cartilage. 2008 Sep;16(9):965-72.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:15467705) Eye (Lond). 2005 May;19(5):595-6.
(PMID:25834460) Diabetes Metab Syndr Obes. 2015 Mar 6;8:147-56.
(94) Natural Medicines
(PMID:28539725) Pharmacogn Mag. 2017 Apr-Jun;13(50):300-308.
(101) 健康・機能性食品の基原植物事典 中央法規