健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

レッドクローバー、ムラサキツメクサ、アカツメクサ [英]Red clover [学名]Trifolium pratense マメ科 [シャクジソウ属]

概要

レッドクローバーはヨーロッパおよびアジア原産の多年草である。草丈は30〜60 cmに生長し、葉は軸の先端から3枚の楕円形の小葉が出て、表面に三日月状の白点がある。5〜6月に紅紫色の花をつける。牧 草および窒素固定植物として広く栽培されている。花は漢方の素材 (紅車軸草<コウシャジクソウ>) としても利用される。俗に「更年期によい」「骨粗鬆症によい」「不妊症によい」「咳によい」などと言われている。ヒトでの有効性については調べた文献に十分なデータはなく、高コレステロール血症および更年期障害に対しては効果がないことを示唆した報告がある。安全性については、通常の食品に含まれる量であればおそらく安全であると思われるが、女性ホルモン様作用があるため、妊娠中や授乳中の大量摂取、ならびに乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性状態にある女性は、使用を避けるべきである。複数の医薬品との相互作用を起こす可能性が考えられる。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

ムラサキツメクサ (アカツメクサ) の葉・花穂 (序) は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。米国ではGRAS (一般的に安全とみなされた物質) 認定。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・全草にイソフラボン類<主要なイソフラボンとしてビオカニンA (biochanin A) 、フォルモノネチン (formononetin) 、その他にゲニステイン (genistein) 、ダイゼイン (daizein) 、トリフォリリジン、 プラテンセインなど>、フラボノイド<ペクトリナリン、プラトレチン>を含む (7) (29) 。
・花にはフラボン<トリフォリン、イソラムネチン、プラトール>、サリチル 酸、p-クマル酸、精油成分が含まれる (7) 。
・新鮮葉にはジクマロールが含まれる (7) 。

分析法

イソフラボンを紫外可視検出器 (検出波長254 nm) を装着した高速液体クロマトグラフィー (PMID:12270205) 、MS/MS (103) (PMID:10691640) (PMID:14601839) (104) により分析した報告がある。

有効性








循環器・
呼吸器


・高コレステロール血症に対して効果がないことが示唆されている (66) 。血清脂質がやや高い更年期女性 (66 名、58±7.3名、オーストラリア)にレッドクローバーのイソフラボン (ビオカニンA 26 mg、フォルモノネチン16 mg、ダイゼイン0.5 mg、ゲニステイン1 mg) 43.5mgを 12週間投与したが、血清脂質には影響がなかった (PMID:10996349)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

・更年期障害に対して効果がないことが示唆されている (66) 。閉経後の女性51名を対象とした無作為化クロスオーバー比較試験において、レッドクローバーのイソフラボン40 mg/日を12週間摂取させたが、ほてりなどの更年期症状を改善しなかった (PMID:11910672)
・ほてり症状 (ホットフラッシュ) のある更年期女性66名 (試験群14名、51.64±5.11歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー120 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、ほてり、認知機能に影響は認められなかったという報告がある (PMID:19590458)
・ほてりや夜間発汗症状のある閉経期もしくは閉経後の女性88名 (試験群22名、52.4±4.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レッドクローバー398 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、症状の改善は認められなかったという報告がある (PMID:19609225)
・2010年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた臨床試験について検討したシステマティックレビューにおいて、ブラックコホシュ、イソフラボン、レッドクローバー、ダイズ、ビタミンE、朝鮮人参、トウキ、メマツヨイグサ油、ヤムイモ、カバ、メラトニンを代替医療としてそれぞれ単独使用することが、更年期女性のホットフラッシュ (ほてり、のぼせ) に与える影響には一定の傾向が認められず、長期使用の安全性データが不十分であったという報告がある (PMID:20833608)

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

・骨粗鬆症に対して効果がないことが示唆されている (66) 。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

・レッドクローバーは米国FDAのGRAS (一般に安全と認められる物質) リストに収載されており、多くの飲料や茶に含まれているが、その量はごくわずかであり、臨床的な意義はないと思われるとの報告がある (63) 。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

・通常の食品に含まれる量であればおそらく安全であると思われる (66) (PMID:15277090) (PMID:12902445)
・医療目的で適切に使用する場合は安全性が示唆されている (66) 。1年まで安全に摂取できたという報告がある (PMID:10996349) (PMID:12161042)
・妊娠中、授乳中の使用については、通常の食品に含まれる量であればおそらく安全であると思われるが、レッドクローバーはエストロゲン様作用があると考えられるので、医療目的で大量に摂取するのは安全でないと思われる (63) (PMID:15277090) (66) 。
・乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性状態にある女性は、使用を避けるべきである (63)(64) (PMID:15277090)
・レッドクローバーに対してアレルギーや過敏症のある人は注意が必要である (63) 。
・経口摂取の副作用として、発疹、筋肉痛、頭痛、吐き気、膣出血があげられる (102) 。
・理論的には、レッドクローバー摂取によって体重増加や乳房痛が起こる可能性がある (63) 。
・53歳女性 (アメリカ) がレッドクローバー、ワイルドヤム、ブラックコホシュ、トウキ、キイチゴの葉、チェストツリー、シベリア人参、イラクサを含むサプリメント (含有量不明) を4ヶ月間摂取し、くも膜下出血を起こしたという報告がある (PMID:17634840)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

・理論上、抗凝血薬、経口避妊薬、エストロゲン製剤、タモキシフェンなど併用に注意を要する医薬品は複数考えられる (63) (PMID:15277090) (103) (PMID:11397668) 。レッドクローバーの成分であるゲニステインはタモキシフェンの抗腫瘍作用に拮抗する可能性があるので、タモキシフェンとの併用は相互作用を起こす可能性がある。経口避妊薬あるいはホルモン補充療法と大量のレッドクローバーの使用は、エストロゲン受容体の競合により影響を与えるかもしれない (64) (PMID:15277090)
・クマリンやクマリン様物質を含むので、理論上、抗凝血作用のあるハーブや医薬品との併用は、相加あるいは相乗作用を引き起こすかもしれない (63) (66) (PMID:9530428) (PMID:15277090) 。ワルファリンの作用を増強させる可能性がある (PMID:10920504) 。そのため、出血性疾患患者あるいは非ステロイド性抗炎症薬、抗血小板薬を服用している人は慎重に使用した方がよい (63) 。
・in vitroの実験ではあるが、CYP1A2, 2C9, 2C19, 3A4を阻害する可能性があるため、これらによって代謝される薬物との併用は注意が必要である (63) (66) (PMID:15384148) (PMID:15277090) 。ヒトでの報告はない。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
抽出物を投与:マウス腹腔内1 gm/kg (91) 。
2.TDLo (最小中毒量)
レッドクローバーから抽出したエストロゲンを投与:ラット経口1,046 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

地上部、花はクラス2b (22) 。

総合評価

安全性

・ヒトに対する安全性については、通常の食品に含まれる量であればおそらく安全であると思われるが、女性ホルモン様作用があるため、妊娠中・授乳中に大量に摂取するのは避けるべきである。また、乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性状態にある女性は、使用を避けるべきである。複数の医薬品との相互作用を起こす可能性が考えられる。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については、調べた文献中に十分なデータはなく、高コレステロール血症や更年期障害、骨粗鬆症に対しては効果がないことを示唆した報告がある。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 林真一郎ら 監訳 東京堂出版
(PMID:12270205) J Chromatogr B. 2002; 777: 123-8.
(PMID:10691640) J Agric Food Chem. 2000; 48: 354-65.
(PMID:14601839) J Chromatogr A. 2003; 1016: 195-209.
(PMID:10920504) Ann Ital Med Int. 2000;15(2):139-43.
(PMID:9530428) J Am Vet Med Assoc. 212(6):857-9 (1998)
(PMID:15277090) J Herb Pharmacother. 2(3):49-72 (2002)
(PMID:15384148) Rapid Commun Mass Spectrom. 18(19):2273-81(2004)
(PMID:11397668) Endocr Relat Cancer. 8(2):129-34 (2001)
(PMID:10996349) Atherosclerosis. 2000 Sep;152(1):143-7.
(PMID:12161042) Maturitas. 2002 Jul 25;42(3):187-93.
(PMID:11910672) Climacteric. 1999 Jun;2(2):85-92.
(PMID:12851275) JAMA. 2003 Jul 9;290(2):207-14.
(PMID:12902445) J Natl Cancer Inst. 2003 Aug 6;95(15):1158-64.
(102) Alt Ther 2001;7:S33.
(103) J Chromatogr A. 1996; 755: 127-32.
(104) Anal Chem Acta. 2001; 450: 81-97.
(30)「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(64) 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(63) ハーブ&サプリメント NATURAL STANDARDによる有効性評価 産調出版株式会社 渡邊昌日本語監修
(PMID:19590458) Menopause. 2009 Nov-Dec;16(6):1167-77.
(7) 中薬大辞典 小学館
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(66) Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database(2006)
(PMID:17634840) Neurocrit Care. 2007;7(1):76-80.
(PMID:19609225) Menopause. 2009 Nov-Dec;16(6):1156-66.
(PMID:20833608) J Am Pharm Assoc (2003). 2010 Sep-Oct;50(5):e106-15.