健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ジアシルグリセロール [英]Diacylglycerol [学名]-

概要

ジアシルグリセロールは1分子のグリセリンに2分子の脂肪酸がエステル結合した脂質である。通常、一般食用油脂に数%程度含まれている。俗に、「体に脂肪がつきにくい」、「中性脂肪になりにくい」などといわれている。ヒトでの有効性については、特定保健用食品に関連した情報が蓄積されてきており、適宜食事由来の脂肪摂取量を制限した条件で利用する範囲では有効性が期待できる。特定保健用食品は個別に製品毎の安全性・有効性が評価されており、その製品として適切に利用する範囲では安全性も示唆されている。ジアシルグリセロールを関与成分とし「食後の血中中性脂肪が上昇しにくい」「身体に脂肪がつきにくい」との表示が許可された食品がある。妊娠中・授乳中の利用については信頼できるデータがない。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

医薬品と非医薬品の区分なし。特定保健用食品がある。

成分の特性・品質

主な成分・性質

2分子の脂肪酸と1分子のグリセリンがエステル結合したもの。生体内では1,2−ジアシル型として存在する。

分析法

ガスクロマトグラフィーを利用して分析されている。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

・II型糖尿病で高脂血症に対する効果が報告されている。通常の油脂に替えてジアシルグリセロールを1日10g摂取したところ、血中の中性脂肪が40%、HbA1Cが10%低下したという報告がある(PMID:11739866)。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である(66)。
・糖尿病でないインスリン抵抗性の成人25名(43±11歳、アメリカ)を対象とした二重盲検無作為化クロスオーバー比較試験において、ジアシルグリセロールを30-50g/日含む食事を5週間摂取させたところ、同量のトリアシルグリセロールを含有する食事を摂取させたときと比較して、空腹時の血糖、インスリン濃度、血中脂質、食後の血漿中性脂肪の増加に変化は認められなかったという報告がある(PMID:18089891)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

・肥満に対して有効性が示唆されている(66)。過体重、肥満の成人がジアシルグリセロール8-9gを含む食品(マフィン、クラッカー、スープ、クッキーなど)を1日2-5種類摂取したところ、6ヶ月で体重が3.6%、体脂肪が8.3%低下したという報告がある(66)(PMID:12450887) (PMID:11739866)
・健常男子40名を対象としたクロスオーバー試験において、ジアシルグリセロール10-44gの摂取は対照のトリアシルグリセロールに比較して食後血中中性脂肪の上昇を有意に抑制したという報告がある(PMID:11194533)。健常男子43名を対象とした16週間の二重盲検並行試験において、特定保健用食品のマヨネーズ(ジアシルグリセロール9.95gを含有)の摂取は、対照のマヨネーズ(トリアシルグリセロールを含有)に比較して、腹部CT断層撮影により測定した体脂肪、特に内臓脂肪がつきにくかったという報告がある(101)。
・ジアシルグリセロールを関与成分とし、「体に脂肪がつきにくい」旨の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・SD系雄ラットに5-20g脂質食を自由摂取(3および4週間)または5%乳剤3mL/匹を単回投与した研究において、ジアシルグリセロール(DAG)はトリアシルグリセロール(TAG)に比べ、血中中性脂肪濃度上昇率の低下、酸素消費量の増加、尿中ケトン体排泄量の増加、体脂肪率の低下が認められたとの報告がある(102)。また、DAG(14Cでラベル化したオレイン酸で構成)をSD系雄ラットに投与した研究において、対照のTAG投与群と比較してリンパに分泌される中性脂肪量が少なく、小腸での中性脂肪の再合成量の低下および遅延を示したとの報告がある(103)。
・NZW系雄ウサギに食用油にDAGと植物ステロールを添加した食餌で14週間飼育した研究において、DAGと植物性ステロールを投与した群は対照群と比較して、血清総コレステロール値の抑制、動脈硬化形成の抑制がみられたとの報告がある(PMID: 12831957)

安全性

危険情報

・適切に用いれば経口で安全性が示唆されている(66)。24週間まで安全に摂取できたという報告がある(66)(PMID:12450887)(PMID:11739866)(PMID:10736331)
・副作用としては、胃腸の不調、頭痛、味覚の変化、ニキビ、皮疹など軽度の症状が報告されている(66)(PMID:12450887)
・健常男子40名を対照としたクロスオーバー試験において、ジアシルグリセロールを最大44g摂取させても、対照のトリアシルグリセロールと比較して問題となる症状は認められなかったという報告がある(PMID:11194533)。また、健常男子43名を対象とした16週間の二重盲検並行試験においても、特定保健用食品のマヨネーズ(ジアシルグリセロール9.95gを含有)の摂取による異常な現象は認められなかったという報告がある (101)。
・妊娠中、授乳中の安全性については十分な情報がない(66)。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

・他のハーブやサプリメント、食品、医薬品との相互作用、臨床検査や健康状態に対する影響は知られていない(66)。

動物他での
毒性試験

・特定保健用食品として許可されているジアシルグリセロールに対する変異原性試験、急性毒性試験、亜急性毒性試験が行われ、問題のないことが確認されている。
・ビーグル犬に脂質分9.5%の食餌を1年間摂取させた研究において、脂質の80%以上がジアシルグリセロールの場合、対照のトリアシルグリセロールと比較して体重、体重増加、摂食量、血液および尿パラメータ、血清中の毒性マーカー、病理組織、臓器重量の違いはなかったとの報告がある(PMID:16084638)。また、ラットに脂質分5.5%の食餌(ジアシルグリセロール82.85-83.94%)を2年間摂取させた研究、脂肪分6.0%の食餌(ジアシルグリセロール82.85-83.94%)を1年間摂取させた研究においても体重、臓器重量、体脂肪、各臓器の顕微鏡的変化、下垂体および乳房腫瘍の発生にトリアシルグリセロールとの違いはなかったという報告がある(PMID:16084639)(PMID:16084636)
・SD系妊娠ラットに、妊娠6-17日の間、ジアシルグリセロールを0、1.25、2.5、5.0ml/kg/日摂取させたところ、母体の死亡、体重、子宮重量、摂食量および胎児の成長、生存数、奇形の発生に影響はみられなかったという報告がある(PMID:18502554)

AHPAクラス分類
及び勧告

参考文献中に記載なし

総合評価

安全性

・ヒトに対する安全性については、ジアシルグリセロールとしてのデータは十分ではないが、特定保健用食品では個別に製品毎の安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については、ジアシルグリセロールとしてのデータは十分ではないが、特定保健用食品では個別に製品毎の有効性が評価されている。

参考文献

(66) Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database(2006)
(PMID:12450887) Am J Clin Nutr. 2002 Dec;76(6):1230-6.
(PMID:11739866) J Nutr. 2001 Dec;131(12):3204-7.
(PMID:10736331) J Nutr. 2000 Apr;130(4):792-7.
(PMID:11194533) J. Am. Coll. Nutr., 19:789-796, 2000
(PMID:16084638) Food Chem Toxicol. 2006 Jan;44(1):81-97. Epub 2005 Aug 9.
(PMID:16084639) Food Chem Toxicol. 2006 Jan;44(1):98-121. Epub 2005 Aug 9.
(PMID:16084636) Food Chem Toxicol. 2006 Jan;44(1):122-37. Epub 2005 Aug 9.
(PMID:12831957) Nutrition. 2003 Jul-Aug;19(7-8):670-5
(101) 健康・栄養食品研究,4 (3),89-101 (2001)
(102) 渡邊浩幸 他,日本油化学会誌, 46, 301-307, 1997
(103) T. Yanagita et al., Essential Fatty Acids and Eicosanoids, Y. S. Huang, S. J. Lin and P. C. Huang (eds.) AOCS PRESS, p316-320, 2003
(PMID:18502554) Food Chem Toxicol.2008 Jul;46(7):2510-6.
(PMID:18089891) J Lipid Res. 2008 Mar;49(3):670-8.