健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

アントシアニン [英]Anthocyanin [学名]-

概要

アントシアニンは水溶性を示す植物の二次代謝産物で、花や果皮に広く分布し、pHによって青、紫、赤色を示す。アントシアニン(アントシアノサイド)は配糖体を指し、糖が外れた構造であるアグリコンをアントシアニジンと呼ぶ。基本骨格に結合する水酸基およびメチル基の位置や数、糖鎖の構成などによって多くの種類が存在する。俗に、「視力回復によい」「動脈硬化や老化を防ぐ」「炎症を抑える」などと言われ、種々の植物由来のアントシアニンを用いた有効性の検討が行われているものの、現時点ではヒトでの有効性・安全性については、信頼できるデータが十分ではない。なお、由来する植物の生育条件や抽出法によって、抽出物に含まれるアントシアニンの組成は異なるため注意が必要である。基原が明らかなアントシアニンの情報については、各素材の情報を参照のこと。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・アントシアニジンは「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」:アントシアニンは着色料である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アントシアニジンをアグリコンとする配糖体。水、アルコールに可溶。色相はpHの変化により変わる。
・主要なアントシアニジンはCyanidin、Peonidin、Malvidin、Delphinidin、Petunidin、Pelargonidinの6種である (101) 。

分析法

・多波長検出器付高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により、C18カラムを用いて分離・分析された報告がある (PMID:16104817) (PMID:15826066)
・クランベリージュース中のアントシアニンを、HPLC-ESI-MS/MSで分析したという報告がある (PMID:16861803)

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2015年10月までを対象に4種のデータベースで検索できた無作為化比較試験6報 (検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、アントシアニンの摂取は、収縮期および拡張期血圧に影響を与えなかった (PMID:27082604)
・2012年10月までを対象に5種のデータベースで検索できた前向きコホート研究14報について検討したメタ分析において、アントシアニジン (3報) 、プロアントシアニジン (2報) の摂取は、心血管疾患リスク低下と関連が見られた (PMID:23953879)
RCT
・正常高値血圧の男性27名 (平均41±3歳、ノルウェー) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、アントシアニン320 mg×2回/日を4週間摂取させたところ、血圧 (座位、横臥、24時間、ストレス反応性) に影響は認められなかった (PMID:21544087)
・血圧が高めの成人男性31名 (平均41±3歳、ノルウェー) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、アントシアニン640 mg/日を4週間摂取させたところ、血中のHDLコレステロール、血糖、フォンヴィレブランド因子の増加が認められたが、その他の血中脂質、炎症マーカー、酸化ストレスマーカーに影響は認められなかった (PMID:22336903)
・高コレステロール血症患者150名 (試験群75名、平均56.2±6.7歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、アントシアニン160 mg×2/日を12週間摂取させたところ、血漿中cGMP、HDLコレステロール値の上昇、sVCAM-1、LDLコレステロール値の低下が認められたが、血流マーカー (Brachial diameter、Blood flow、Hyperemic blood flow、FMD)、糖代謝マーカー (血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR) に影響は認められず (PMID:21926181) 、24週間摂取させたところ、HDLコレステロール値の上昇、LDLコレステロール値、炎症マーカー (高感度CRP、sVCAM-1、IL-1β) の低下が認められたが、総コレステロール値、トリグリセリド値、空腹時血糖値、インスリン濃度、TNF-αに影響は認められなかった (PMID:22906565)
・高コレステロール血症患者122名 (試験群61名、平均55.3±5.0歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、アントシアニン160 mg×2/日を24週間摂取させたところ、血中HDLコレステロール値の増加、LDLコレステロール値の低下、および、HDLの抗酸化能、コレステロール引き抜き能の亢進が認められたが、総コレステロール、トリグリセリド、apo AI、apo B、血糖、インスリン、アディポネクチン濃度に影響は認められなかった (PMID:24285687)
・脂質異常症患者120名 (試験群60名、平均55.3±5.0歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、アントシアニン160 mg×2回/日を12週間摂取させたところ、血清HDLコレステロール値の上昇、LDLコレステロール値、コレステリルエステル転送タンパク濃度および活性の低下が認められたが、他の血清脂質 (総コレステロール、トリグリセリド) 、空腹時血糖値、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ濃度および活性、体組成 (体重、BMI、ウエスト径、ヒップ径、ウエスト/ヒップ比) 、血圧に影響は認められなかった (PMID:19640950)
・高コレステロール血症患者146名 (試験群73名、平均55.3±6.2歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、アントシアニン320 mg/日を24週間摂取させたところ、血小板凝集の指標のうち、血漿β-トロンボグロブリン、可溶性P-セレクチン、RANTES濃度の低下が認められたが、血小板第4因子、TGF-β1に影響は認められなかった (PMID:25077916)


消化系・肝臓

RCT
・非アルコール性脂肪肝患者74名 (試験群37名、平均44.9±7.5歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビルベリーおよびクロフサスグリ由来アントシアニン320 mg/日を12週間摂取させたところ、血中GPTの低下、CK-18 M30の増加抑制が認められたが、NAFLD fibrosis score、血中GOT、トリグリセリド、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、空腹時血糖、インスリン、HOMA-IRに影響は認められなかった (PMID:25997043)

糖尿病・
内分泌

RCT
・II型糖尿病患者58名 (試験群29名、平均58.1±2.3歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビルベリーおよびカシス由来アントシアニン160 mg×2回/日を24週間摂取させたところ、血清脂質濃度 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) 、糖代謝マーカー (空腹時血糖値、HOMA-IR) の改善、血漿中抗酸化マーカー (FRAP、TRAP) 、血清アディポネクチン濃度の上昇、血漿中酸化ストレスマーカー (8-イソプロスタグランジンF2α、ヒドロキシオクタデカジエン酸、カルボニル化タンパク質) 、炎症マーカー (血清IL-6、TNF-α) 、β-ヒドロキシ酪酸、収縮期血圧の低下が認められたが、拡張期血圧、BMI、体脂肪率、インスリン濃度、HbA1c値に影響は認められなかった (PMID:25833778)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・健康な成人18名 (平均26±2.1歳、イスラエル) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、アントシアノサイド(アントシアニン)24 mg/日または48 mg/日を4日間摂取させたところ、暗順応率、全視野絶対暗順応網膜閾値、薄明視コントラスト感度に影響は認められなかった (PMID:10707135)
・健康な成人16名 (平均25±1.8歳、イスラエル) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、アントシアノサイド(アントシアニン)を12、24、36 mgそれぞれ単回摂取させたところ、暗順応率、全視野絶対暗順応網膜閾値、薄明視コントラスト感度に影響は認められなかった (PMID:10325997)
・線維筋痛症の女性患者12名 (平均45.6±5.9歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、アントシアニジン120 mg/日、80 mg/日、40 mg/日をそれぞれ12週間摂取させたところ、睡眠障害の自己評価に改善が認められたが、痛み、疲労の評価に影響は認められなかった (102) 。

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・2016年8月までを対象に3種のデータベースで検索できた観察研究 (症例対照研究またはコホート研究) 7報について検討したメタ分析において、食事由来のアントシアニジン (4報) の摂取は食道がん発症リスク低下と関連がみられたが、プロアントシアニジン (2報) では関連は認められなかった (PMID:27338463)
・2016年6月までを対象に2種のデータベースで検索できた食事由来のフラボノイド摂取量とがん発症リスクに関する観察研究 (症例対照研究またはコホート研究) 143報について検討したメタ分析において、アントシアニンの摂取は、症例対照研究でのみ上気道消化管がん (5報) 、大腸がん (2報) の発症リスク低下と関連が認められたが、乳がん、肺がん、胃がん、肝臓がん、すい臓がん、リンパ腫との関連は認められず、コホート研究 (2報) において前立腺がんの発症リスク上昇との関連が認められた (PMID:27943649)
・2012年6月までを対象に3種のデータベースで検索できた観察研究 (症例対照研究またはコホート研究) 3報について検討したメタ分析において、アントシアニジンの摂取は乳がんの発症リスクと関連は認められなかった (PMID:23349849)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中のアントシアニンを多く含む健康食品の摂取により、胎児が動脈管早期収縮を生じた事例が複数報告されている。妊娠後期のポリフェノール摂取は、胎児の動脈管血流に影響を与える可能性がある (PMID:24339037)
・28歳女性 (アメリカ) が、妊娠初期よりプロアントシアニジンおよびアントシアニンを豊富に含むフルーツジュースを2〜4オンス/日摂取していたところ、妊娠37週で羊水過多、胎児の右心肥大、卵円孔開存が確認され帝王切開にて出産。右心室機能障害のため新生児にチアノーゼ、酸素飽和度低下が認められたが、加療によって回復した。母親が摂取していたフルーツジュースに含まれていたポリフェノール類のシクロオキシゲナーゼ-2阻害作用による胎児動脈管早期閉鎖と診断された (PMID:20351708)
・36歳初妊婦 (日本) が、ドライプルーン濃縮物40 g/日+紫色野菜・果物ジュース200 mL (アントシアニン20 mg含有) /日を、妊娠36週より10日間摂取したところ、胎児に胸水、腹水、右心室肥大および機能低下が認められ、動脈管早期閉鎖のため帝王切開にて出産した。出生後の男児に、動脈管閉鎖による右心室機能障害がみられたが、加療により改善した (103) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、アントシアニジン (Cyanidin、Peonidin、Malvidin、Delphinidin、Petunidin、Pelargonidin) およびアントシアニン (Cyanidin -3,5-diglucoside、Cyanidin -5-gal、Cyanidin -3-glc、Cyanidin -3-rutinoside、Delphinidin -3-glc、Malvidin -3,5- diglucoside、Malvidin -3-gal、Malvidin -3-glc、Peonidin -3-glc、Pelargonidin -3,5- diglucoside) はCYP2D6活性 (PMID:19357792) およびCYP3A4活性 (PMID:18727015) を阻害した。

動物他での
毒性試験

1. TDLo (最小中毒量)
・サツマイモ水抽出物アントシアニン分画を投与:ラット経口 (間欠的) 4,800 mg/kg/4週、600 mg/kg/3日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・ヒトに対する安全性については、調べた文献の中に見当たらない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については、調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:16104817) J Agric Food Chem. 2005 Aug 24;53(17):6896-902
(PMID:15826066) J Agric Food Chem. 2005 Apr 20;53(8):3101-13.
(PMID:16861803) Biosci Biotechnol Biochem. 2006 Jul;70(7):1681-7
(PMID:19793846) J Nutr. 2009 Dec;139(12):2266-71.
(PMID:21544087) J Hum Hypertens. 2012 Jun;26(6):396-404.
(PMID:22336903) J Hum Hypertens. 2013 Feb;27(2):100-6.
(PMID:22906565) Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2013 Sep;23(9):843-9
(PMID:24285687) J Clin Endocrinol Metab. 2014 Feb;99(2):561-9.
(PMID:25997043) Medicine (Baltimore). 2015 May;94(20):e758.
(PMID:27943649) Mol Nutr Food Res. 2017 Apr;61(4). Epub 2017 Feb 7.
(101) Modern Nutrition in Health and Disease 10th ed.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(102) Journal of Nutritional & Environmental Medicine 2000;10:189-199.
(103) Acta obstetricia et gynecologica Scandinavica 2011 90(10) 1172-3
(PMID:10707135) Eye;1999:13:734-6
(PMID:10325997) Eye;1998:12:967-9
(PMID:21926181) Clin Chem. 2011 Nov;57(11):1524-33
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(PMID:24339037) Birth Defects Res C Embryo Today. 2013 Dec;99(4):256-74
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(PMID:19357792) Methods Find Exp Clin Pharmacol. 2009 Jan-Feb;31(1):3-9.