亜鉛解説

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A.亜鉛とは?
亜鉛は、古くから真鍮の中に含まれ使用されてきた金属元素で、ヒトの健康と栄養維持に重要な必須微量元素のひとつです。多くの酵素に含まれ、遺伝子発現、たんぱく質合成など、細胞の成長と分化に中心的役割を果たしています。不足により、味覚障害や皮膚炎、食欲不振などが起こることが知られ、近年日本では、若年女子成人において味覚機能の低下と低亜鉛状態との関連が報告されています (3) 。亜鉛は、すべての細胞に存在しているため、肉・魚介・種実・穀類など多くの食品に含まれています (4) 。

B.亜鉛の供給源になる食品
主な食品の亜鉛含有量は以下の通りです (可食部100 gあたり) 。






C.亜鉛の特性 (単位・化学的安定性)
亜鉛は元素記号Zn、原子番号30、原子量65.38の金属です。湿った空気中では灰白色の被膜を生じます。水には溶けませんが、希酸・アルカリ水溶液には溶けます (8) 。

D.亜鉛の吸収や働き
食物から摂取した亜鉛は、食物の消化によって生じるアミノ酸、有機酸、リン酸などと複合体を形成して小腸 (主に十二指腸や空腸) から吸収され (3) 、アルブミンと結合し、門脈を経由して肝臓に運ばれます。小腸での吸収率は約30%といわれていますが、摂取量や同時に摂取した鉄や銅の量と互いに影響し合って変化します (1) 。
亜鉛は体内に約2,000 mg存在し、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれます (1) 。そのほとんどはたんぱく質などの高分子と結合して存在し、体内の種々の生理機能に重要な役割を果たしています (1) 。その働きとして、200種以上の酵素の構成 (5) 、酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調節、DNA合成、たんぱく質合成、免疫反応の調節などが挙げられます (1) (3) (5) (6) 。

E.亜鉛不足の問題
亜鉛不足はどのようにして起こるのか?
亜鉛の不足は、食事からの摂取不足、需要の増加、排泄の促進により起こります。また、亜鉛が添加されていない高カロリー輸液施行時や、経腸栄養施行時などにも不足することがあります (1) 。その他、亜鉛と錯体を形成する薬剤の服用によっても、亜鉛不足が起こることが報告されています (1) 。

亜鉛が不足すると、どのような症状が起こるのか?
亜鉛が不足すると、味覚障害や皮膚炎、食欲不振などが起こることが知られていますが、その詳しいメカニズムは分かっていません。小児で不足すると、成長障害、性腺発育障害がみられます (1) (3) 。この他、免疫機能低下、皮疹、創傷治癒障害、慢性下痢、男性機能不全、貧血、催奇形性、精神障害などが起こる可能性があります (1) (3) (6) 。

F.亜鉛過剰摂取のリスク
亜鉛は毒性が極めて低いとされているため、通常の食生活では亜鉛の過剰症が問題となることは、あまりありませんが (1) 、急性亜鉛中毒では胃障害、めまい、吐き気がみられます (6) 。継続的に過剰摂取すると、銅や鉄の吸収阻害による銅欠乏や鉄欠乏が問題となり、それに伴う貧血、免疫障害、神経症状、下痢、HDLコレステロールの低下などが起こるおそれがあります (1) (5) (6) 。

G.亜鉛はどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別の亜鉛の食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2015年版) は以下の通りです (1) 。


H.亜鉛摂取状況
平成25年の国民健康・栄養調査で通常の食品から、男性は平均8.8 mg、女性は平均7.2 mg摂取しています (2) 。

I.栄養機能食品としての関連情報
亜鉛は栄養機能食品として表示許可されています (8) 。
上限値は15 mg 下限値は2.10 mgです。
・亜鉛の栄養機能表示
「亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。」
「亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」
「亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。」
・注意喚起
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。亜鉛の摂りすぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。1日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

栄養機能食品の表示に関する基準の詳細についてはこちらの資料をご参照ください。→資料1資料2

参考文献

1. 日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版
3. ミネラルの辞典:朝倉書店
4. 五訂増補日本食品標準成分表:文部科学省ホームページ
5. 健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック:第一出版
6. 専門領域の最新情報 最新栄養学 第8版:建帛社
7. 厚生労働省通知 食安新発第0701002号
8. 理化学辞典 第5版:岩波書店
2. 平成25年 国民健康・栄養調査報告