健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ビルベリー [英]Bilberry、Whortleberry、Huckleberry [学名]Vaccinium myrtillus L.

概要

ビルベリーは、南ヨーロッパの山岳地帯の低木林、荒野、森林に多くみられるコケモモ属つつじ科の植物である。小さい釣り鐘型のピンク・グリーンの花が春に咲き、熟すとブルーブラックの甘い果実がなる。ビルベリーの中国語名は「越橘」である。ビルベリーの果実はアントシアニン類などを豊富に含むため、俗に、「眼精疲労や近視によい」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、通常食事に含まれる量の果実の摂取はおそらく安全であるが、治療目的や大量摂取での信頼できるデータは十分ではない。葉は大量に摂取した場合、危険性が示唆されているため避ける。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・果実と葉は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・果実にはアントシアニン (anthocyanin) 、オリゴメリック・プロシアニジン (oligomeric procyanidin=OPCs) を含む。葉にはグルコキニン (glucokinin) 類、neomirtilline、ポリフェノール、タンニン、フラボノイド、および比較的高濃度のクロムを含む。
・ケルセチンの供給源となる (PMID:12548295)

分析法

・品質の指標としてアントシアニン類がフォトダイオードアレイ検出器 (検出波長518 nm) とESI-MS検出器を装着したHPLCにより分析されている (PMID:11513700) 。また、酸加水分解後のアントシアニジン類がフォトダイオードアレイ検出器 (検出波長530 nm) を装着したHPLCにより分析されている (PMID:11559107)
・アントシアニン15種とアントシアニジン5種をHPLC-VIS (540 nm) で分析し、HPLC/MS により同定した報告がある (PMID:19029785)
・ヨーロッパ局方、イタリア薬局方およびUSP (米国薬局方) ではビルベリーの規格があり、ビルベリー中の総アントシアニンおよびアントシアニジンの同定法としてTLC法、定量法としてHPLC法 (波長:535 nm) が定められている (103) (104) (105) 。
・ビルベリー中およびビルベリーを含む製品中の総アントシアニン量をHPLC、HPLC/MS、HPLC-PDAで分析した報告がある (PMID:17760327) (PMID:19003580)
・ビルベリーに含まれる15種のアントシアニンをHPLC (UV-VIS検出器 波長:520 nm) にて分析した報告がある (PMID:15133222)

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2014年12月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、ビルベリーの摂取は血中HDLコレステロール (4報) の増加、LDLコレステロール (4報) の低下と関連が認められたが、総コレステロール (5報) 、トリグリセリド (5報) に影響は与えなかった (PMID:26345230)


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・経口摂取で、糖尿病や高血圧性網膜症などによる網膜の病変の改善などに対し有効性が示唆されている (94) 。これらの効果を示すための臨床研究では、ビルベリーのフラボノイドであるアントシアニジン複合体25%を含む組成のものが使用されている (94) 。
・夜間の視力を改善する目的では、実の摂取は効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT
・15人の視力のよい若年男性で行った二重盲検試験によると、ビルベリーエキス160 mgX3回/日、3週間摂取しても夜間の視力やコントラスト感度に影響は認められなかった (94) 。
・VDT (visual display terminals) 作業に従事している健常成人男性10名 (32〜50歳、試験群5名) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビルベリーの果皮・果実のエキス粉末120 mg/日を7日間摂取させたところ、視力、屈折度、瞳孔機能、グレアテストに影響は認められなかったが、眼精疲労による筋調節力の改善がみられ、さらに摂取前と比較して動体視力およびプリッカー値の改善がみられたという予備的な報告がある (101) 。
・健康な成人を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、アントシアノサイド (アントシアニジンと糖が結合した配糖体) またはビルベリー抽出物の摂取は夜間視力等に影響を与えないという報告がある。18名 (平均26±2.1歳) にアントシアノサイド24 mg/日または48 mg/日を4日間摂取させた試験 (PMID:

10707135)
、16名 (平均25±1.8歳) にアントシアノサイドを12、24、36 mgそれぞれ単回摂取させた試験 (PMID:10325997) で、夜間視力検査 (全視野絶対暗順応網膜閾値 (SRT) 、暗順応率 (DAR) 、薄明視コントラスト感度 (MCS)) に影響は認められなかった。また、男性15名 (25〜47歳) にビルベリー抽出物480 mg/日 (アントシアノサイド25%含有) を21日間摂取させた試験で、夜間視力 (VA) およびコントラスト感度 (CS) に影響は認められなかった (PMID:10767671)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中で見当らない。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中で見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・実は適切に使用する場合、安全に摂取することができる。葉はクラス分類のための十分なデータが入手できない (22) 。
・ビルベリーやその成分にアレルギーのある人は使用を避ける (63) 。
・ビルベリーの葉は大量に摂取した場合、危険性が示唆されている。1.5 g/kg体重/日での長期摂取により死亡する可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・ビルベリーの実は通常食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。妊娠中・授乳中も同様である (63) 。ただし治療目的あるいは大量の摂取での安全性については、十分なデータがない (94) 。大量に摂取すると急性毒性が生じ、ヒドロキノン中毒や抗凝血、胃腸障害を起こす可能性が報告されている (63) 。
<その他>
・ビルベリーの生果実は緩下作用を持つ可能性がある (63) ため、下痢の人は注意して使用する。
・ビルベリーを含む製品 (40品目) 中のアントシアニン量およびアントシアニジン量を分析したところ、4品目でアントシアニンが含まれておらず、また、同じ原産地でも含有量に大きな差があった (PMID:17760327)

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・葉には血糖降下作用があるので、糖尿病患者は注意して使用する必要がある (63) 。また、糖尿病治療薬や低血糖を起こす可能性のあるハーブと併用は避ける (63) (PMID:8948058)
・出血のリスクが高まる可能性があるため、非ステロイド性抗炎症薬、抗凝固薬、抗血小板薬との併用には注意が必要である (63) 。また、出血性疾患の人は注意が必要である (63) 。
・葉は、臨床検査において、血清中トリグリセリドに影響する可能性がある (PMID:8948058)

動物他での
毒性試験

調べた文献の中で見当らない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・果実はクラス1、葉はクラス4 (22) 。

総合評価

安全性

・通常食事に含まれる量の果実の摂取はおそらく安全である。過剰摂取した場合の安全性については十分なデータがない。
・葉は大量に摂取した場合、危険性が示唆されている。1.5 g/kg体重/日での長期摂取により死亡する可能性がある。葉の経口摂取は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・果実は経口摂取で、糖尿病や高血圧性網膜症などによる網膜の病変の改善などに対し有効性が示唆されているが、果実のその他の効果については十分な科学的根拠が得られていないため有効性は不明である。
・葉の効果については十分な科学的根拠が得られていないため有効性は不明である。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(65) Cochran Library
(PMID:11513700) J Agric Food Chem. 2001 Aug; 49(8): 3987-92.
(PMID:11559107) J Agric Food Chem. 2001 Sep; 49(9): 4183-7.
(PMID:8948058) Thromb Res. 1996; 84(5):311-22.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(63) ハーブ&サプリメント NATURAL STANDARDによる有効性評価 産調出版株式会社 渡邊昌日本語監修
(PMID:19029785) Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2008;49(5):339-46.
(PMID:12548295) Eur J Clin Nutr. 2003 Jan;57(1):37-42.
(101) あたらしい眼科. 1994; 11(1):117-21.
(102) J Korean Ophthalmol Soc. 2008; 49(10):1629-33.
(103) イタリア共和国薬局方 第11版
(104) USP
(105) European Pharmacopoeia 6.2
(PMID:17760327) J AOAC Int. 2007 Jul-Aug;90(4):911-9.
(PMID:19003580) Nutr Cancer. 2008;60 Suppl 1:43-50.
(PMID:10767671) Altern Med Rev. 2000 Apr;5(2):164-73.
(PMID:15133222) Chem Pharm Bull (Tokyo). 2004 May;52(5):628-30
(PMID:10707135) Eye;1999:13:734-6
(PMID:10325997) Eye;1998:12:967-9
(94) Natural Medicines
(PMID:26345230)