カルシウム解説

画面を閉じる

 

 

発信者

構築グループ

本文

A.カルシウムとは?
カルシウムは古代から石灰 (炭酸カルシウム) として利用されてきたミネラルです (3) 。カルシウムは、ミネラルの中で最も多く体内に含まれ、体重の1〜2%を占めています。そのうち99%は歯と骨に存在し (1) 、残りの1%は血液や細胞外液などで血液凝固や心機能、筋収縮などに関与し、体内で重要な役割を担っています (5) 。しかし、近年の国民健康・栄養調査の結果が示すように、日本人のカルシウム摂取量は目標を充たしていないため (1) 、積極的に摂取することが大切です。カルシウムは乳・乳製品、魚介類、大豆製品、種実類、藻類などに多く含まれます。

B.カルシウムの供給源になる食品
主な食品のカルシウム含有量は以下の通りです (可食部100 gあたり) 。





※カルシウムを多く含むメニュー紹介はこちら

C.カルシウムの特性 (単位・化学的安定性)
カルシウムは元素記号Ca、原子番号20、原子量40.08の銀白色の軟らかい金属です。化合物としては一般に無色のイオン型結晶で存在します。カルシウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、酢酸塩などは水に溶けやすく、フッ化物、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、多くの有機酸塩などは、水に溶けにくい、もしくは溶けないという性質を持ちます (8) 。


D.カルシウムの吸収や働き
食品から摂取したカルシウムは小腸で吸収されます。小腸上部では活性型ビタミンDの作用により吸収され、小腸下部では濃度の差による受動輸送で吸収されます(5)。カルシウムの吸収率は、乳児期・思春期・妊娠後期で特に高くなります。また、カルシウムの吸収率・吸収量は、摂取量や食品に含まれる成分によって影響を受けます (1) (5) 。カルシウムの摂取量が多ければ吸収量・尿中排泄量は増加します。逆にカルシウムの摂取量が少なければ吸収率は上昇し、尿中排泄量は低下します (3) 。したがって、カルシウムは1食で集中的に摂取するよりも、何食かに分けて摂取するほうが効率よく摂取することが出来ます (6) 。カルシウムの吸収を阻害する物質として、野菜に含まれるシュウ酸や、穀物に含まれるフィチン酸が知られており、多量の脂質もカルシウムの吸収に悪影響を与えるといわれています (3) 。

カルシウムは骨および歯の主要構成成分であるとともに、神経筋興奮、血液凝固、生理活性物質の分泌、筋肉の収縮・伸長・興奮性の抑制、酵素反応、ホルモンや神経伝達物質の放出反応、ホルモンの細胞内情報伝達作用など、生命を維持する上で重要な生理機能の調節を担っています。これらの反応を正常に行うため、血液中のカルシウム濃度はビタミンD 、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、エストロゲン、男性ホルモンなどによって、一定 (9〜12 mg%) に保たれています。血中濃度は厳格に調節されているため、カルシウムの摂取が不足し、血中濃度が低下すると、骨からの溶出量が増加します。この現象は骨吸収と呼ばれています (3) 。



E.カルシウム不足の問題
カルシウム不足はどのようにして起こるのか?
カルシウム不足は、食事からの摂取不足や腸からの吸収不良によって起こります。カルシウムの吸収にはビタミンDを必要とするため、ビタミンD不足により、カルシウム不足が引き起こされることもあります (3) 。

カルネシウムが不足すると、どのような症状が起こるのか?
長期に渡ってカルシウムが不足すると、小児のくる病、骨量減少症、骨粗鬆症などを引き起こします。また、高血圧、動脈硬化、認知障害、免疫異常、糖尿病、肥満、腫瘍、軟骨の変性と変形性関節症など、多くの疾病を引き起こす可能性もあります (3) (6) 。また、極度の不足により、筋肉の痙攣が起こることがあります (6) 。

F.カルシウム過剰摂取のリスク
健康な人が通常の食事からカルシウムを多量に摂取しても健康障害が発生することは稀ですが、サプリメントなどの利用による過剰摂取で、泌尿器系結石、ミルクアルカリ症候群、他のミネラルの吸収抑制などが起こることが知られています (1) 。また、カルシウムの摂取は他のミネラルとのバランスが重要ですが、カルシウムの過剰摂取により、マグネシウムやリン酸などの吸収が妨げられることがあります。理想的な摂取量の比は、カルシウム:マグネシウムは2:1、カルシウム:リンは1:1と考えられています。

G.カルシウムはどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別のカルシウムの食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2015年版) は以下の通りです。

H.カルシウム摂取状況
平成25年の国民健康・栄養調査において、通常の食品から、男性は平均520 mg、女性は平均489 mg摂取しています (2) 。

I.栄養機能食品としての関連情報
カルシウムは栄養機能食品として表示許可されています (7) 。
上限値は600 mg 下限値は210 mgです。
・カルシウムの栄養機能表示
「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。」
・注意喚起
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

栄養機能食品の表示に関する基準の詳細についてはこちらの資料をご参照ください。→資料1資料2

参考文献

1. 日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版
3. ミネラルの辞典:朝倉書店
4. 五訂増補日本食品標準成分表:文部科学省ホームページ
5. 健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック:第一出版
6 専門領域の最新情報 最新栄養学 第8版:建帛社
7. 厚生労働省通知 食安新発第0701002号
8. 理化学辞典 第5版:岩波書店
2. 平成25年 国民健康・栄養調査報告