健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ブドウ [英]Grape [学名]Vitis spp.  ブドウ科[ブドウ属]

概要

ブドウは、ワインの原料や食用として世界中で栽培される植物である。ワインに限らず、ブドウの葉や種子のエキスについても、俗に、「抗酸化作用がある」「血管に対する優れた健康効果がある」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが十分ではない。安全性については、ワインとして多量摂取するとアルコールの悪影響が現れる可能性が高いため、アルコールの影響を考慮して摂取すべきとされている。また、ワインとして妊婦中・授乳中に多く摂取すると悪影響が出る可能性があり、危険性が示唆されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・茎、種子、種皮、葉、花は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」果皮色素、果汁色素は着色料。果皮抽出物は日持向上剤。種子抽出物は酸化防止剤。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・糖類、酒石酸、ケルセチン (quercetin) 、クエルシトリン (quercitirin) 、タンニン、リンゴ酸、ゴム質、重酒石酸カリウム。色素はアントシアニン類 (anthocyanins) 。
・種子はオリゴメリック・プロシアニジン (oligomeric procyanidin=OPCs) を含む。
・葉はケルセチンなどのフラボノイドを豊富に含む。

分析法

・果皮に含有されているアントシアニン類がフォトダイオードアレイ検出器 (検出波長518 nm) とESI-MS検出器を装着したHPLCにより分析されている (PMID:11513700) 。酸加水分解後のアントシアニジン類がフォトダイオードアレイ検出器 (検出波長530 nm) を装着したHPLCにより分析されている (PMID:11559107) 。また、種子に含有されているプロアントシアニジン類がバニリン-塩酸法を用いた比色法により分析されている (103) (2003180929) 。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・赤ワインなどのアルコール飲料は一日1〜2杯の適量で心臓病のリスクを30〜50%減少させるのに、おそらく有効である (64) 。
・赤ワインなどのアルコール飲料は虚血性左心室不全患者の死亡率を下げるのに有効性が示唆されている (94) 。
・赤ワインなどのアルコール飲料は虚血性脳卒中にのリスクを下げる (ただし脳出血のリスクは上げる可能性がある) のに有効性が示唆されている (64) 。
・葉および種子は軽症または中等症の静脈機能不全症の患者に対して有効性が示唆されている (94) 。ブドウ葉抽出物360 mgと720 mgを12週間、260人の患者が摂取した結果、6週間でプラセボと比較して浮腫が減少し、12週間後にはその他の症状も改善された。ヨーロッパにおける複数の小規模ヒト試験の結果、静脈の状態を改善したという報告もある。
メタ分析
・2013年1月までを対象に3つのデータベースで検索できた臨床試験9報について検討したメタ分析において、ブドウポリフェノールの摂取は摂取後30分 (5報) 、60分 (6報) 、120分 (4報) における血流依存性血管拡張反応 (FMD) 増加と関連が認められたが、180分 (2報) では関連が認められなかった (PMID:23894543)
・2010年10月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験9報について検討したメタ分析において、ブドウ種子抽出物の摂取は、収縮期血圧と心拍数を低下させたが、拡張期血圧、血中脂質濃度、CRP濃度に影響は与えなかった (PMID:21802563)
RCT
・血圧が高めの成人 (平均血圧138±7/ 82±7 mmHg) 64名 (平均43±12歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー比較試験において、コンコード種のブドウ100%ジュースを7 mL/kg/日、8週間摂取させたところ、わずかに空腹時血糖値の低下と夜間血圧の低下量の増加がみられたが、24時間の平均収縮期・拡張期血圧やストレス刺激による血圧変化に影響は認められなかった (PMID:20844075)
・健康な成人35名 (平均31.4±9.0歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ワインブドウもしくはブドウ種子のカプセル (いずれもポリフェノール800 mg/日) を2週間摂取させた後に低脂肪の朝食および高脂肪の昼食を負荷して血流依存性血管拡張反応 (FMD) を測定したところ、影響は認められなかった (PMID:20702747)
・心疾患または心疾患リスク因子を持っている人50名 (平均52.1±8.1歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、マスカット種子1,300 mg/日を4週間摂取させたところ、静止上腕動脈直径の増加がみられたが、血流依存性血管拡張反応 (FMD) 、血圧、血中脂質濃度、炎症や脂質過酸化マーカー濃度、抗酸化能に影響は認められなかった (PMID:21504973)
・血圧が高めの成人61名 (平均61.4±8.4歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、赤ワインポリフェノール280 mg/日または560 mg/日を4週間摂取させたところ、血圧 (24時間血圧、外来血圧、中心血圧) に影響は認められなかった (PMID:22421906)
・メタボリックシンドロームの男性24名 (平均51.3±9.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ブドウポリフェノールパウダーを46 g/日、30日間摂取させたところ、収縮期血圧、血漿sICAM-1濃度の低下と血流依存性血管拡張反応の増加が認められたが、拡張期血圧、血漿sVCAM-1、NOx濃度、血中脂質 (TG、HDLコレステロール) 、血糖値、体重、BMI、腹囲に影響は認められなかった (PMID:22810991)
・透析患者32名 (試験群8名、33〜79歳、スペイン) を対象とした無作為化比較試験において、濃縮ブドウジュース100 mL/日 (昼食と夕食で各50 mL、総ポリフェノールとして0.64 g/日) を2週間摂取させたところ、摂取前と比較して、総コレステロール、アポ蛋白Bの減少とHDLコレステロールの増加が認められたという予備的な報告がある (PMID:18400731)
・健康な成人69名 (38〜74歳、試験群51名、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、赤ワイン (男性300 mL/日、女性200 mL/日) もしくは水+赤ブドウ抽出タブレット (赤ワインと同濃度または半量) を4週間摂取させたところ、赤ワイン摂取群でのみHDLコレステロールの増加が認められたが、タブレット摂取群ではコレステロール値に影響は認められなかった (PMID:15674304)
・メタボリックシンドロームの成人27名 (25〜80歳、試験群18名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ブドウ種子抽出物150 mg/日もしくは300 mg/日を4週間摂取させたところ、血中脂質濃度、血糖値に影響は認められなかったが、収縮期および拡張期血圧の低下がみられた (PMID:19608210)
・血中脂質濃度が高めの成人52名 (平均48.22±9.07歳、イラン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ブドウ種子抽出物200 mg/日を8週間摂取させたところ、総コレステロール、酸化LDLの低下が認められたが、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド、血圧に影響は認められなかった (PMID:23437789)
・心血管疾患リスク因子のある成人75名 (試験群25名、平均56±11歳、スペイン) を対象とした三重盲検無作為化プラセボ比較において、ブドウ補助食品370 mg/日を6ヶ月間、その後740 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、血中の炎症マーカー (高感度CRP、TNFα、アディポネクチン、IL-6、IL-10、IL-18、IL-6/IL-10比、sICAM-1、PAI-1) に影響は認められなかった (PMID:22520621)
・前高血圧または高血圧ステージ1の男女70名 (試験群35名、平均62.9±1.3歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ブドウ種子抽出物300 mg/日、8週間摂取させたところ、血圧、心拍数、血漿および尿中の血管内皮機能マーカー濃度 (ET-1、NOx、ADMA) 、血漿レニン活性に影響は認められなかった (PMID:23702253)
・健康な喫煙者26名 (平均26.34±4.93歳、ギリシャ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、コンコード種のブドウ100%ジュース7 mL/kg/日を2週間摂取させたところ、喫煙後の血流依存性血管拡張反応 (FMD) 低下および脈波伝搬速度 (PWV) 上昇の抑制が認められたが、血圧、血糖値、血清脂質濃度 (総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド) に影響は認められなかった (PMID:24061071)
・肥満の成人24名 (20〜60歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ブドウ粉末46 g×2回/日を3週間摂取させたところ、血中のlarge LDL、large LDLコレステロールの低下が認められたが、その他の血中脂質、肝機能、糖代謝、炎症マーカー濃度に影響は認められなかった (PMID:24832727)
・高血圧患者69名 (オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンC 500 mg/日 (19名、平均60±6歳) 、ブドウ種子ポリフェノール1,000 mg/日 (16名、平均61±6歳) を単独または併用 (16名、平均62±7歳) で6週間摂取させたところ、単独摂取群では収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、脈拍の日中または夜間変動に影響は認められず、併用群では収縮期血圧、脈圧の夜間変動が増加した (PMID:25234339)
・前高血圧の男女29名 (試験群12名、平均44±10歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ブドウ種抽出物 (300 mg/日) 含有ジュースを6週間摂取させたところ、昼間の収縮期血圧が低下したが、拡張期血圧、夜間血圧、血漿脂質 (トリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、酸化LDL) 、sICAM-1、血流依存性血管拡張反応 (FMD) 、糖代謝指標 (空腹時血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR) に影響は認められなかった (PMID:26568249)


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・赤ワインなどのアルコール飲料はII型糖尿病になるリスクを下げるのに有効性が示唆されている (64) 。
コホート研究
・健康な成人女性66,105名、85,104名、男性36,173名を対象とした3つのコホート研究 (アメリカ) の結果を統合した解析において、全果物、ブルーベリー、ブドウ/レーズン、りんご/洋ナシ、バナナ、グレープフルーツの摂取量が多いとII型糖尿病リスクの低減と関連が認められたが、プルーン、桃/プラム/アプリコット、オレンジ、イチゴの摂取量とは関連が認められず、フルーツジュース、メロンの摂取量が多いとII型糖尿病リスク増加と関連が認められた (PMID:23990623)

生殖・泌尿器

RCT
・下部尿路症状のある男性113名 (試験群57名、平均63±9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、コンコード種のブドウ100%ジュース240 mL/日を3ヶ月間摂取させたところ、最大尿流量の増加が認められたが、その他の症状やQOL (ICSmale、PSA、残尿量、SF-36、AUA、IIEF) に影響は認められなかった (PMID:22907790)

脳・神経・
感覚器

一般情報
・赤ワインなどのアルコール飲料は高齢になってからの認識能力を維持するのに有効性が示唆されている (64) 。
・種子は目の眩しさから来るストレスを軽減するのに有効性が示唆されている (94) 。
・種子は夜間視力の向上に対しては効果がある可能性がある。6週間の摂取で効果が見られたという臨床研究結果が報告されている (94) 。
RCT
・13歳未満の子をもつ働く女性25名 (平均43.2±0.6歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、コンコード種のブドウジュース355 mL/日を12週間摂取させたところ、認知機能検査のうち短時間空間記憶能力の改善が認められたが、言語記憶、実行能力、精神運動能力の検査結果に影響は認められなかった (PMID:26864371)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・季節性アレルギー性鼻炎に対して、種子の経口摂取は効果がないことが示唆されている。ブタクサ花粉の飛ぶ8週間前からブドウ種子エキスを摂取したが、鼻炎症状に変化はなかったという報告がある (94) 。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

一般情報
・赤ワインなどのアルコール飲料は中年以上のヒトの死亡率を下げるのに有効性が示唆されている (64) 。
・種子は必須脂肪酸とビタミンEを摂取する目的に対してはおそらく有効である (64) 。
RCT
・健康な男性20名 (平均26.4±1.7歳、ニュージーランド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、朝食 (白パン 185 g) とともにブドウ抽出物 (ポリフェノール含量70%以上) 500 mgまたは1,500 mgを摂取させたところ、昼食での摂取エネルギー量、朝食および昼食後の自己評価による食欲 (満腹感、空腹感、予想食事量、満足感) に影響は認められなかった (PMID:26370656)





試験管内・
動物他での
評価

・果皮に含まれるアントシアニン類は、モルモットの毛細血管を強くする”ビタミンP”(ビオフラボノイド) 作用をもつことが報告されている (23) 。
・ブドウのresveratrolをマクロファージに作用することにより、殺傷能増強、貪食能増強、アポトーシス誘導がみられたが、TNFは産生しなかった (PMID:10761539)

安全性

危険情報

≪ワイン≫
<一般>

・一日240 mLの摂取まではおそらく安全であるが、アルコールの影響には個人差があることも考慮すべきである。多く摂取すると副作用が出る可能性があり、危険性が示唆されている (94) 。ワインについては、摂取量に依存して様々な副作用がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中のアルコールの摂取はおそらく危険である (64) 。
・授乳中もアルコールが母乳内に分泌されるためおそらく危険である (64) 。
<被害事例>
・アレルギーの既往歴が無く、ブドウやワインを問題無く摂取出来ていた35歳男性 (ギリシャ) が自家製のロゼワインを1杯飲用後、20分以内に全身のかゆみ、瞼と顔の蕁麻疹、胸の痛みを伴うアナフィラキシー症状を呈した。プリックテストにて、白ブドウや赤ブドウには僅かな陽性を示したが、rose grapeに強い陽性を示した (PMID:24067341)
≪果実・果皮≫
<一般>

・通常の食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。
<妊婦・授乳婦>
・通常の食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。
<その他>
・この他のブドウの果実・果皮の使用法の安全性については十分な情報が得られていない (64) 。ブドウの果実やその加工品を食べることで、緩下作用による下痢を起こすことがある。
≪葉≫
<一般>

・通常の食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。また治療目的でのブドウ葉抽出物の摂取は、安全性が示唆されている。ヒトでの一研究では12週間の投与の間有意な副作用は認められなかった (64) 。
<妊婦・授乳婦>
・安全性について十分な情報がないため、通常の食事以上の量の摂取は避ける (64) 。
<その他>
摂取により胃腸の不調、下痢、消化不良、吐き気などを招くことがある。
≪種子≫
<一般>

・通常の食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。
<妊婦・授乳婦>
・安全性について十分な情報がないため、通常の食事以上の量の摂取は避ける (94) 。
<被害事例>
・49歳男性 (アメリカ) が、マルチビタミン、魚油、グルコサミン、ブドウ種子抽出物のサプリメントを摂取したところ (摂取量、期間不明) 、吐き気、嘔吐、下痢、急性虚弱を呈し受診。原因不明であったが、ブドウ種子抽出物サプリメントの中止で症状が改善。摂取を再開したところ、再び同様の症状を生じ、摂取中止により改善した (PMID:25688637)

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健常男性12名 (19〜43歳、インド) を対象としたオープンラベルクロスオーバー無作為化比較試験において、ジルチアゼム(カルシウム拮抗剤)180 mgをグレープジュースもしくはオレンジジュースで服用させたところ、心拍、血圧、血中濃度、血漿中濃度時間曲線下面積 (AUC) に影響はみられなかった (PMID:18826865)
・健常男性12名 (平均20.6歳、ブラジル) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、シクロスポリンA (免疫抑制剤) 200 mgをグレープジュース200 mLで服用させたところ、シクロスポリンAの血中ピーク濃度までの時間および半減期に影響は認められなかったが、濃度時間曲線下面積 (AUC) 、最高血中濃度 (Cmax) が減少した (PMID:20303792)
・健常人12名 (平均29.4±5.6歳、アメリカ) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、シクロスポリンA (免疫抑制剤、CYP3A4基質) 8 mg/ kg体重と赤ワイン12オンス (約355 mL) を摂取させたところ、シクロスポリンAの半減期に影響は認められなかったが、経口クリアランスの増加と血中濃度 (AUC、Cmax) の低下が認められた (PMID:20303792)
・健常成人30名 (中央値27歳、オランダ) を対象としたオープンラベルクロスオーバー無作為化比較試験において、ブドウ種子抽出物100 mg×3回/日を3日間摂取させたところ、デキストロメトルファン (CYP2D6基質) の代謝率 (尿中デキストロメトルファン/デキストルファン排泄率) に影響は認められなかった (PMID:23881421)
・ワルファリン服用中の73歳女性 (アメリカ) がマスカディンブドウ30〜75粒/日を日常的に摂取していたところINRが上昇し、摂取量を徐々に減らすことでINRが治療域まで低下した (PMID:24966255)
<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム、ヒトCYP3A4タンパク) において、ブドウ種子抽出物はCYP3A4活性を強く阻害した (PMID:24392691)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、市販のブドウ種子抽出物製品9種中、5製品にCYP3A4阻害作用が認められた (PMID:19353999)
・培養細胞の実験系において、多量のブドウ種子抽出物はヘム鉄 (PMID:20375262)、非ヘム鉄 (PMID:18716164) の吸収を阻害する可能性が報告されている。
・in vitro試験 (スーパーソーム、ヒト肝ミクロソーム) において、ブドウ種子抽出物はCYP2C9活性を阻害した (PMID:24730468)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ブドウ種子抽出物はCYP2C9、CYP2D6、CYP3A4活性を阻害した (PMID:15499196)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、赤ワイン乾燥物はCYP1A2、CYP2E1、CYP3A4活性を阻害した (PMID:11701226)
<理論的に考えられる相互作用>
・ブドウに含まれるアントシアニン類は乳酸菌の生育を阻害することがあるので、同時摂取は避けること (101) 。
・果汁は薬物代謝酵素チトクローム (Cytochrome) P450、特にCYP1A2を誘導することがあるので、さまざまな医薬品に対して相互作用があると考えられる (PMID:10583039)
・種子油に含まれるビタミンEによって、ワルファリンと併用した場合、出血傾向が高まることが考えられる (102) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中で見当らない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

<ワイン>ワインについては、摂取量に依存して様々な副作用がある。アルコールの影響には個人差があることも考慮すべきであり、多く摂取するとおそらく危険。妊娠中・授乳中は多く摂取すると副作用が出る可能性があり、危険性が示唆されている。
<果実・皮>通常食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。副作用としてはブドウの果実やその加工品を食べることで、緩下作用による下痢を起こすことがある。
<葉・種子>通常食事に含まれる量の摂取はおそらく安全である。ブドウ葉抽出物の摂取は、安全性が示唆されている。妊娠中・授乳中については安全性情報が十分でないため、通常の食事以上の量の摂取は避けたほうが良い。主な副作用としては胃腸の不調、下痢、消化不良、吐き気などを招くことがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
<ワイン>赤ワインなどのアルコール飲料は適量で心臓病のリスクを30〜50%減少させるのに有効性が示唆されている。
<果実・皮>ブドウ果実と皮の効果については十分な科学的根拠が得られていないため有効性は不明である。
<葉>軽症または中等症の静脈機能不全症の患者に対して有効性が示唆されている。
<種子>・必須脂肪酸とビタミンEを摂取する目的に対して有効性が示唆されている。軽症または中等症の静脈機能不全症の患者に対して有効性が示唆されている。また慢性の静脈機能不全症の患者に対して有効性が示唆されている。目の眩しさから来るストレスを軽減するのに有効性が示唆されている。
・季節性のアレルギー性鼻炎に対して、種子の経口摂取は効果がないことが示唆されている。
その他、ブドウ種子の効果については十分な科学的根拠が得られていないため有効性は不明である。

参考文献

(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(64) 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
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