健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ベニコウジ [英]Red yeast rice、Red koji [学名]Monascus purpureus (モナスカス属)

概要

ベニコウジは米に紅麹菌を植菌して発酵させたもので、中国やジャワで古くから食品の着色料などとして使用されてきた。ベニコウジの中国語名は「紅曲」であり、古くから漢方素材にも用いられていた。俗に「コレステロールを下げる」などといわれ、ヒトでの有効性については、一部にヒトでの科学的データが示されている。安全性については、悪影響として胃炎、腹部不快感、肝臓酵素活性の上昇を引き起こすことが報告されている。また、妊婦や小児の摂取はおそらく危険と思われ、授乳中の摂取についても十分なデータが無いため避けたほうが良い。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

麹米(紅菌により発酵された米)は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。「既存添加物」色素は着色料。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ベニコウジは0.4%ほどの、8種のメビニン酸 (mevinic acids) (スタチン系化合物、主としてロバスタチン) を含み、この成分がHMGCo-Aレダクターゼを阻害すると考えられている。その他βシトステロール (β-sitosterol) 、カンペステロール (campesterol) 、イソフラボンやイソフラボン配糖体などのサポゲニン、単価不飽和脂肪酸などを含む。色素はモナスシン,モナスコルブリンなど。
・市販のベニコウジ12製品 (アメリカ) について、モナコリン含有量をHPLC質量分析法で測定したところ、いずれの製品にも“活性物質600 mg/カプセル含有”と表示されていたが、実際の含有量は総モナコリンが0.31〜11.15 mg/カプセル、モナコリンK (ロバスタチン) が0.10〜10.09 mg/カプセル、モナコリンKAが0.00〜2.30 mg/カプセルと製品により差が大きく、4製品からはシトリニン (カビ毒) が検出されたという報告がある (PMID:20975018)

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


・ベニコウジは経口摂取で、コレステロールとトリグリセリドを下げるのにおそらく有効と思われる (64) 。複数の臨床研究で、ベニコウジは総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドを8〜12週間で下げた (64) (PMID:9989685) 。ほとんどの研究では摂取量は2.4 g/日であったが、1.2 g/日でも効果が見られた。試験に使用されたのは特定のメーカーのベニコウジ製品であった (64) 。
・高脂血症であるが薬物治療を受けていない83名で行ったランダム化二重盲検比較試験の結果、ベニコウジ2.4 g/日を12週間摂取したところ、開始8週間目以降において、総コレステロール値がプラセボと比較して有意に低下し、トリグリセリド値、LDL-コレステロール値も低減したが、HDL-コレステロールに有意な変化はなかったという報告がある (65) 。
・高脂血症 (脂質異常症) 患者46名 (53.7±10.0歳、試験群36名、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ナットウキナーゼ200 mg/日を単独もしくはベニコウジ1,200 mg/日と併用で6ヶ月間摂取させたところ、併用群でのみ、血中総コレステロール、LDLコレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比の減少が認められたという予備的な報告がある (PMID:19786378)
・家族性高コレステロール血症 (24名) または家族性複合型高脂血症 (16名) の小児 (8〜16歳、イタリア) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、ベニコウジ抽出物200 mg/日を8週間摂取させたところ、血漿中総コレステロール、LDLコレステロール、アポリポ蛋白B、トリグリセリドの減少が認められたという報告がある (PMID:20153154)
・正常高値血圧者および軽症高血圧者91名 (試験群46名) を対象とした二重盲検試験において、ベニコウジエキス配合飲料 (GABA 2.4 mg、アデノシン1.5 mg含有/100 mL) を1日1本、12週間摂取させたところ、収縮期血圧値は摂取10週目、拡張期血圧値は摂取4週目でのみ低下を認めたという予備的な報告がある (2005067795) 。この現象については更なる検証が必要である。


消化系・肝臓

・HIV感染による脂質代謝異常に対して、有効性が示唆されている (64) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当らない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中で見当らない。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

調べた文献の中で見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中で見当らない。

安全性

危険情報

・短期間に経口で適切に摂取した場合、安全性が示唆されている。12週間の複数の臨床研究では、ベニコウジの摂取は安全であった (64) 。ただし長期の摂取での安全性については十分なデータが無いので不明である (64) 。
・小児の安全性については科学的根拠が不十分であり (63) 、経口摂取は危険性が示唆されている。18歳以下での安全性は確立されておらず、また小児におけるコレステロール低減による健康効果については疑問がある (64) 。
・妊娠中の摂取はおそらく危険と思われる。ベニコウジの成分であるロバスタチンは動物実験により胎児に骨格の催奇形性を引き起こす可能性があるので、摂取は避けるべきである (63) (64) 。
・授乳中の摂取については、十分なデータが無いため避けたほうが良い (64) 。
・ベニコウジの副作用としては頭痛や胃炎、腹部不快感、、筋肉痛、腎障害、肝臓酵素活性の上昇を引き起こすことがある。臨床試験ではその他に胸焼け、ガスでお腹が張る、めまいなどの副作用はあったが試験を中止するほどではなかった (63) (64) 。
・肝不全患者およびそのリスクのある人、肝機能検査で異常が見られた人は使用を避ける (63) (64) 。
・ベニコウジに含まれるメビニン酸により、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤 (スタチン系薬剤) と同様の横紋筋融解が起きることが考えられる (64) 。
・シンバスタチン (HMG-CoAレダクターゼ阻害剤) 40 mg/日の使用による筋障害の経験を有する高脂血症の女性 (61歳) が、ベニコウジのハーブ製剤を1,200 mg/日、約3ヶ月間摂取したところ、激しい広範囲の筋痛と血清クレアチンキナーゼ値の上昇を示したという報告がある (PMID:16983142)
・62歳女性がモンテルカストナトリウム (気管支喘息治療薬) とフルオキセチン (抗うつ薬) を併用し、さらにベニコウジ米600 mg/カプセルを2カプセル/日、4ヶ月程度摂取したところ、吐き気、嘔吐、下痢、悪寒、発熱などの症状を10週間呈した後、症候性肝炎と診断された。症状はベニコウジ米の摂取中止により改善した (PMID:18838736)
・詳細は不明であるが、ベニコウジを含む肉に触れたことによるアナフィラキシーが報告されている (63) 。

禁忌対象者

医薬品等との
相互作用

・アルコール、スタチン系薬剤、シクロスポリン、レボチロキシン (人工甲状腺ホルモン剤) 、GABAに影響する可能性のある薬物、その他の薬剤、ナイアシン、コエンザイムQ10、グレープフルーツなどとの併用による相互作用が知られている (63) (64) 。
・理論的には、肝毒性、あるいは甲状腺ホルモン作用やコレステロール低下作用のあるハーブやサプリメント、またセイヨウオトギリソウとの併用で相互作用が起きる可能性がある (63) (64) 。
・理論的には、ベニコウジは出血のリスクを高める可能性があるため、抗凝血薬 (アスピリン、ワルファリンなど) や血小板凝集阻害薬 (クロピドグレルなど) 、非ステロイド系抗炎症薬 (イブプロフェンやナプロキセンなど) との併用には注意が必要である。また、出血性疾患の人や出血のリスクが高まる可能性がある薬物を服用している人が使用すると危険が伴う (63) 。
・肝臓中の薬物代謝酵素チトクロームP450を阻害する薬と併用すると、筋肉および腎臓の障害のリスクを増大させる可能性があるため、注意が必要である (63) 。
・臨床検査では、肝臓の酵素、血清コレステロール、クレアチンキナーゼなどの値に影響を与えることがある (64) 。

動物他での
毒性試験

・雌雄ラット50匹を、1.25%〜2.5%紅麹色素を含む餌で108週間飼育したところ、自然発生腫瘍の頻度には差がなかったという報告がある (1999066872) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

参考文献中に記載なし。

総合評価

安全性

・妊娠中の摂取はおそらく危険と思われる。
・短期間に経口で適切に摂取した場合、安全性が示唆されている。
・小児の経口摂取は、危険性が示唆されている。
・授乳中の摂取については、十分なデータが無いため避けたほうが良い。
・ベニコウジの副作用としては胃炎、腹部不快感、肝臓酵素活性の上昇を引き起こすことがある。
・ベニコウジに含まれるメビン酸により、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤 (スタチン系薬剤) と同様の横紋筋融解が起きることが考えられる。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ベニコウジは経口摂取で、コレステロールとトリグリセリドを下げるのにおそらく有効と思われる。
・HIV感染による脂質代謝異常に対し、有効性が示唆されている。

参考文献

(64) 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
(65) Cochran Library
(PMID:9989685) Am J Clin Nutr. 1999 Feb;69(2):231-6.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:16983142) Ann Intern Med. 2006 Sep 19;145(6):474-5.
(1999066872) Journal of Toxicologic Pathology.1997;10(4):187-92
(2005067795) 医学と薬学.2004;52(5):807-17
(63) ハーブ&サプリメント NATURAL STANDARDによる有効性評価 産調出版株式会社 渡邊昌日本語監修
(PMID:18838736) Ann Intern Med. 2008 Oct 7;149(7):516-7
(PMID:19786378) Asia Pac J Clin Nutr. 2009; 18(3):310-7.
(PMID:20975018) Arch Intern Med. 2010 Oct 25;170(19):1722-7.
(PMID:20153154) Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2011 Jun;21(6):424-9.