健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

アルギニン [英]Arginine (Arg) [学名]-

概要

アルギニンはもっとも塩基性の高いアミノ酸で、生体内では尿素回路の中間体として生合成される。アルギニンは速やかに分解されるため、特に必要量を合成できない子供では必須アミノ酸になっている。代謝産物である一酸化窒素 (NO) を介して、成長ホルモンの分泌促進、免疫機能の向上、脂肪代謝の促進など、生体内で種々の機能に関与している。俗に、「免疫機能を高める」と言われており、アルギニンを主要成分とした輸液が術後の回復を助け、感染性合併症の発生率低下に利用されている。また、狭心症、末梢血管疾患、間質性膀胱炎の症状改善などに有効性が示唆されている。安全性については、適切に用いればおそらく安全である。妊娠中・授乳中の安全性については、信頼できるデータは見当たらないため使用を避ける。また、小児がサプリメントとして使用することは推奨できない。アレルギー体質、喘息、肝硬変の患者は注意して使用する。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「既存添加物」:L-体は調味料、栄養強化剤である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・略号ArgまたはR、C6H14N4O2、分子量 (MW) 174.24。L-体はタンパク質を構成する塩基性アミノ酸の一つ。子供では必須アミノ酸である。

分析法

・イオン交換クロマトグラフィーにて分離後、ニンヒドリンなどの発色試薬で発色し蛍光検出器 (励起波長440 nm、蛍光波長570 nm) を装着したアミノ酸自動分析計により分析する方法が一般的である (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


<心臓>
一般情報
・うっ血性心疾患に対して、従来の治療法との組み合わせで経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。従来の治療法との組み合わせで摂取すると、糸球体ろ過率、クレアチニンクリアランスなどが改善した (PMID:10694193) 。しかし運動耐性、QOL、末梢血管耐性の改善は必ずしも見られなかった (PMID:8925582) (PMID:10716474) (PMID:8609344) (PMID:10212170)
・狭心症に対して経口摂取で有効性が示唆されている (PMID:9264427) 。クラス2、3、4の患者の食事にアルギニンを加えたところ、運動耐性、QOLに改善がみられた(PMID:10335768) (PMID:11755284) 。症状の改善はクラス4の狭心症、あるいは投薬治療にも関わらず安静時発作が多い患者でみられたという知見がある (PMID:10335768) 。しかしアルギニン摂取によって、血管拡張や窒素酸化物濃度などに変化は見られなかった (PMID:10801756)
・心血管疾患に対しておそらく効果がない (likely ineffective) 。集団を対象とした研究によると、経口摂取しても心筋梗塞などの急性症状や、死亡率を低下させることはなかった (PMID:10978260) (PMID:10933350) (PMID:11408995) (PMID:12145007)
RCT
・心筋梗塞の既往歴のある患者153名 (試験群78名、平均年齢60.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較対照試験において、L-アルギニン3 g×3回/日を6ヶ月間摂取させたところ、心機能 (心駆出率および血管弾力性) の改善効果は認められないばかりか、試験期間中の死亡率が対照群より高かった (PMID:16391217)

<血管・血圧>
一般情報
・末梢血管疾患に経口摂取で有効性が示唆されている。末梢血管疾患に関連する間欠性跛行の症状を改善した (PMID:9809945) (PMID:11408995)
・予備的な知見によると、経口摂取は健常人および軽度高血圧でII型糖尿病患者の収縮期血圧、拡張期血圧をわずかに低下させた (PMID:12356784) (PMID:10826408) 。またACE阻害剤の治療効果を高める(PMID:11408995) 。高血圧に対する効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。
・予備的な知見によると、L-アルギニン0.1 g/kg×3回/日、5日間で鎌状赤血球症者の人の肺高血圧症に効果があった (PMID:12626350) 。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。
メタ分析
・3つのデータベース (PubMed, Cochrane Library, Embase) で検索できた13報の無作為化プラセボ比較試験について検討したメタ分析において、血管内皮機能 (FMD法にて測定) が低い人では、L-アルギニン摂取と空腹時血管内皮機能の改善に関連が認められたという報告がある (PMID:19056561)
・2011年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験11報について検討したメタ分析において、L-アルギニンの摂取は拡張期および収縮期血圧の低下と関連が認められた (PMID:22137067)
・2011年までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報について検討したメタ分析において、妊娠高血圧症候群の妊婦に対するL-アルギニンの経口負荷または静脈内投与は子癇前症発症リスク (2報) および拡張期血圧 (4報) 低下、在胎期間延長 (2報) と関連が認められたが、収縮期血圧 (4報) 、新生児の出生体重 (4報) に影響は与えなかった (PMID:23435582)
RCT
・末梢動脈疾患による間欠性跛行症患者133名 (試験群66名、平均73±9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-アルギニン3 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、一酸化窒素合成能の増加や血管反応性の改善は認められなかった (PMID:17592080)
・肥満の成人88名 (試験群44名、平均43.1±8.6歳、ポーランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-アルギニン9 g/日を6ヶ月間摂取させたところ、血中のPAI-1濃度の低下、NO濃度、総抗酸化能、インスリン感受性の増加が認められたが、体格、血圧、血糖、血中脂質に影響は認められなかった (PMID:22732180)

<呼吸器>
RCT
・喀痰塗抹検査陽性の肺結核患者200名 (平均28歳、インドネシア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、薬剤による直接監視下治療の開始時から、L-アルギニン6 g/日を8週間 (49名) 、コレカルシフェロール50,000 IUを4週おきに2回 (51名) 、またはその両方 (50名) を摂取させたところ、L-アルギニン摂取群では6分間歩行検査の結果が向上したが、これはベースライン時の差が影響していると考えられ、4週目時点での喀痰検査陰性率、8週間の臨床スコア、陰性転換までの期間に影響は認められず、ビタミンD摂取群で健康関連QOL指標 (SGRQスコア) の改善が抑制された (PMID:23967066)

<その他>
・硝酸塩耐性を改善する目的に経口摂取で有効性が示唆されている。L-アルギニン700 mg×4回/日摂取で、皮膚からの硝酸塩吸収に対する耐性を予防したと見られる (PMID:11923046)


消化系・肝臓

一般情報
・早産児における壊死性大腸炎の予防に経口摂取で有効性が示唆されている。調整乳にアルギニンを加えると、壊死性大腸炎の発症率を約75%抑えることができた (94) (PMID:12006956)
メタ分析
・2014年7月までに4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験2報について検討したメタ分析において、在胎期間34週以下、出生体重1,500 g以下の新生児におけるL-アルギニンの摂取は、壊死性全腸炎の発症率低下と関連が認められたが、脳内出血、呼吸窮迫症候群の発症に影響は与えなかった (PMID:25205007)
RCT・極低出生体重児83名 (試験群40名、ギリシャ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-アルギニン1.5 mmol/kg/日を生後3日目〜28日目の間摂取させたところ、便中カルプロテクチン (炎症性腸疾患マーカー) 量に影響は認められなかった (PMID:22555780)

糖尿病・
内分泌

RCT
・耐糖能異常とメタボリックシンドロームの成人144名 (試験群72名、平均57.2±11.7歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-アルギニン6.4 g/日を18ヶ月間摂取させたところ、耐糖能の改善者の割合が増加したが、II型糖尿病の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:22553931)
・肥満の男女88名 (試験群44名、平均43.1±8.6歳、ポーランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-アルギニン9 g/日を6ヶ月間摂取させたところ、インスリン感受性の改善、血清亜鉛濃度の上昇が認められたが、その他の血清ミネラル濃度 (カルシウム、マグネシウム、鉄、銅) 、血清脂質濃度 (総コレステロール、トリグリセリド) 、空腹時血糖値、インスリン濃度、高感度CRP、BMI、体脂肪率に影響は認められなかった (PMID:23708056)

生殖・泌尿器

一般情報
・勃起不全に対する経口摂取での有効性が検討されている。L-体5 g/日摂取で機能性勃起不全患者において性機能が自覚的に改善したという報告があるが、それ以下の用量では効果がなかった (94) (PMID:10233492) 。混合型の勃起不全に対しては、500 mg×3回/日摂取しても効果はなかった (PMID:10743698) 。予備的な臨床知見によると、ピクノジェノール40 mg×3回/日と併用するとL-アルギニン1.7 g/日の用量で効果が改善したという報告がある (PMID:12851125) 。一方、小規模な複数の無作為割付臨床試験 (RCT) によると、勃起不全に対してプラセボより有効であるという証拠は見つからなかったとの報告もある (25) 。
・サイクロスポリン投与中の腎移植患者において、腎血管拡張、ナトリウム排泄の改善に経口摂取で有効性が示唆されている (94) (PMID:9249782)
・間質性膀胱炎の症状 (とくに痛み) 改善に経口摂取で有効性が示唆されている(PMID:9836549) (PMID:9366309) (PMID:9915448) 。膀胱容量800 mL以上あるいは再発性の尿生殖器感染症を既往症に持つ人においては、そうでない人よりもL-アルギニン摂取に対する反応性がよいことを示唆する知見がある。有意な改善が現れるまで最低3ヶ月は必要である (94) 。
・子癇前症に対しては効果がないことが示唆されている。経口摂取しても妊娠28〜36週の子癇前症女性の拡張期血圧を低下させることはなかった (PMID:14678093)

脳・神経・
感覚器

一般情報
・イブプロフェンとの併用で片頭痛に対する経口摂取での有効性が検討されている (94) (PMID:9825271) 。限定的な臨床知見によると、摂取後30分以内に痛みの強度を軽減したとされる。しかし、イブプロフェン単独で効果がある患者もいるので、アルギニンのこの効果に対する寄与は不明である (PMID:9825271) 。片頭痛に対する効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。
・予備的な研究によると、老年性認知症を改善する (PMID:10759111) 。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・術後回復に対して有効性が示唆されている。RNAおよびエイコサペンタエン酸との併用で、手術後や重篤な疾病の患者における回復を早め、免疫反応を改善するのに腸溶錠あるいは経口摂取で有効性が示唆されている。手術前後の食事に加えてRNA、EPA、L-アルギニンを摂取すると、術後感染が減り、傷を治癒し、回復が早まったという知見がある(PMID:1377838) (PMID:7539633) (PMID:7536138) (PMID:11551575)
・手術が必要な頭部・頚部がん患者の免疫機能を増強するためにアルギニンを与えるという予備的な報告がある。しかし経腸投与しても、IL-6やTNF-αといった免疫マーカーに効果的な変化は見られなかった (PMID:12548303) 。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。
<メタ分析>
・2013年9月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、L-アルギニンの摂取はCD4+細胞の増加 (6報) 、感染性合併症の発症リスク低下 (4報) と関連が認められたがCD4/CD8比 (4報) 、入院期間 (3報) に影響は認められず、免疫細胞への影響に関しては試験によるばらつきが大きかった (PMID:25164444)
<その他>
・2〜13歳の子供 (イタリア) にアルギニンを投与すると、空気感染による感染症発症抑制に有意な効果がみられ、CD3およびCD4の割合が増加した (PMID:9549298)
・エイズ患者 (平均年齢37.33歳、アメリカ) にアルギニンを2週間投与 (19.6 g/日) したところ、NK活性の上昇傾向がみられた (PMID:12093460)
・大腸がん患者 (平均年齢56歳、中国) の術後にアルギニン強化輸液を経静脈投与したところ、末梢白血球中のCD4+細胞、NK細胞、IL-2R+細胞の割合が上昇した (PMID:12297482)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・HIV感染者における衰弱に対して経口摂取で有効性が示唆されている。ヒドロキシメチルブチレートとグルタミンとの併用で、HIV感染者における衰弱に対して経口摂取で有効性が示唆されている。併用摂取8週間で、体重増加がみられ、免疫状態によい影響を与えたという知見がある (PMID:10850936)
RCT
・男子柔道選手10名 (平均20.2±0.6歳、台湾) を対象としたクロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、アルギニン6 g/日を3日間摂取させ間欠的無酸素運動 (自転車エルゴメーター) を実施させたところ、運動後の血漿中硝酸塩、亜硝酸、乳酸塩、アンモニア濃度や、最大および平均運動能力に影響は認められなかった (PMID:18708287)
・健康な男性15名 (平均22±3歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、L-アルギニン6 gを運動実施90分前に摂取させたところ、運動による血漿中亜硝酸イオン、硝酸イオン濃度、VO2の変化、運動継続可能時間に影響は認められなかった (PMID:23423302)
・有酸素トレーニングを行っているサイクリストの男性15名 (平均28±5歳、カナダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、最大下運動実施60分前にL-アルギニン0.075 g/kg体重を摂取させたところ、運動開始45分後の血漿グリセロール濃度の上昇、運動開始時の脂質酸化度の低下が認められたが、その他の血漿分析値 (成長ホルモン (GH) 、遊離脂肪酸、乳酸、グルコース、NOx) 、VO2、VCO2、呼吸商、炭水化物酸化度、心拍数、血圧に影響は認められなかった (PMID:23319437)





試験管内・
動物他での
評価

・マウスパイエル板細胞をアルギニン存在下で抗TCRαβ抗体で刺激すると、アルギニンの至適濃度において高い細胞増殖が見られ、サイトカイン産生応答もアルギニンの濃度に依存して増加した。また、アルギニン投与マウスは破傷風+コレラ毒素で経口免疫したときの糞中のIgA産生も亢進した (PMID:9972259)
・ラットにアルギニン強化飼料を10日間投与し腹膜炎誘発性敗血症を誘導したところ、アルギニン摂取によって腹腔マクロファージの貪食能が顕著に増加し腹腔細菌数の低下がみられた (PMID:12903885)

安全性

危険情報

<一般>
・適切に用いれば短期間の経口摂取でおそらく安全である (94) 。L-アルギニンは通常安全であると考えられており、数日から3ヶ月摂取までの臨床試験でも、重篤な副作用は報告されていない (PMID:9366309) (PMID:8310409) (PMID:9915448) (PMID:10335768) (PMID:8925582) (PMID:10694193) (PMID:1377838) (PMID:7539633) (PMID:7536138)(PMID:10716474) (PMID:10212170) (PMID:11755284) (PMID:9264427) (PMID:11551573) (PMID:11408995) (PMID:8609344) (PMID:10759111) (PMID:15928719) 。経口摂取による長期使用時の安全性に関しては十分なデータが得られていない (PMID:9366309) (PMID:16391217)
・適切に用いれば、静注でおそらく安全である。非経口のL-アルギニンはFDA認可の医療用医薬品である (94) 。
・経口摂取の副作用としては、腹痛、鼓腸、下痢、痛風が報告されている (PMID:8310409) (PMID:8925582) 。アレルギー症状としては気道炎症、喘息患者の気道炎症の悪化などが挙げられる (PMID:9694932) (PMID:9659350)
・静脈注射で、顔および手の発赤や腫れ、目の充血、鼻閉塞、頻脈、発汗、窒息などのアレルギー症状が起こる (PMID:11814282)
・アルギニン注射によりカリウムバランスに影響を与えるので、高尿素窒素血症の人は使用しないこと (63) 。
<小児>
・早産児の経口摂取において安全性が示唆されている (PMID:12006956)
・小児によるサプリメントとしての使用は、副作用を生ずる可能性があるため推奨できない (63) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中は適切な短期間の経口摂取であれば安全性が示唆されている。妊娠28〜36週の妊婦がL-体12 g/日を2日間、安全に摂取できた (PMID:14678093)
・妊娠中の長期摂取および授乳中の安全性については信頼できるデータが十分ないので、使用を避ける (94) 。
<その他>
・心筋梗塞の既往歴のある患者153名 (試験群78名、平均60.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較対照試験において、L-アルギニン3 g×3回/日を6ヶ月間摂取させたところ、試験期間中の死亡率が対照群より高かった (PMID:16391217)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・アレルギー反応を引き起こしたり、気道炎症を悪化させたりすることがあるので喘息患者においてアルギニンの吸入は気道炎症を増大することがあるので注意して用いる(PMID:9694932) (PMID:9659350)
・アルギニン含有の点滴により、血中亜酸化窒素濃度の上昇を伴う循環亢進状態 (hyperdynamic circulatory state) が起きることがあるので、肝硬変患者は注意して用いること (PMID:9548264)

<理論的に考えられる相互作用>
・ヘルペスウイルスは増殖の際にアルギニンを必要とすることが示唆されている (PMID:7609030) (PMID:6262023) ことから、ヘルペスの感染症を悪化させる可能性がある。
・降圧剤や硝酸塩との併用で、低血圧が起きる可能性があるので、注意して用いること。シルデナフィル (バイアグラ) との併用で、低血圧が起きる可能性がある。報告はまだないが、注意して用いること (94) (PMID:11408995) (PMID:12356784) 。もともと低血圧の人も注意して用いること。
・キシリトールとの併用で、グルカゴン反応を低減させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

・20%L-アルギニン塩酸塩水をラットに大量投与 (200 mg/100 g体重) したところ、膵腺房細胞に中毒性変化を起こした (1984129269) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし(22) 。

総合評価

安全性

・適切に経口摂取する場合、おそらく安全である。
・妊娠中は適切な短期間の経口摂取であれば安全性が示唆されている。
・妊娠中の長期摂取、および授乳中における安全性については信頼できるデータが十分ないので使用を避ける。
・経口摂取の副作用としては、腹痛、鼓腸、下痢、痛風が報告されている。
・アレルギー体質、喘息、肝硬変の患者は注意して使用する。
・心筋梗塞の既往歴がある場合はサプリメントとしての使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・経口摂取で有効性が示唆されているのは、1) 狭心症、2) 末梢血管疾患、3) 間質性膀胱炎の症状改善、4) うっ血性心疾患に対する従来の治療法との組み合わせ、5) 早産児における壊死性大腸炎の予防、6) 硝酸塩耐性の改善、7) サイクロスポリン投与中の腎移植患者における腎血管拡張、ナトリウム排泄の改善、8) ヒドロキシメチルブチレートとグルタミンとの併用でHIV感染者における衰弱。
・RNAおよびエイコサペンタエン酸との併用により、腸溶錠あるいは経口摂取で手術後や重篤な疾病の患者の回復促進、免疫反応の改善に有効性が示唆されている。
・経口摂取で子癇前症に対しては効果がないことが示唆されている。
・経口摂取で心血管疾患に対してはおそらく効果がない。

参考文献

(25) クリニカル・エビデンス日本語版 日経BP社 日本クリニカル・エビデンス編集委員会
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
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