健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

コンドロイチン硫酸 [英]Chondroitin sulfate [学名]Chondroitin 4-sulfate, Chondroitin 4- and 6-sulfate

概要

コンドロイチン硫酸は、軟骨、結合組織、粘液に含まれるムコ多糖類の一種で、動物の細胞外基質に多く存在し、軟骨の場合、乾燥重量の約30%を占める。ナトリウム塩は食品添加物 (保水乳化安定剤) として使用が認められている。俗に、「骨の形成を助ける」、「動脈硬化や高血圧を予防する」などといわれている。ヒトでの有効性については、骨関節炎の緩和に対する検討が行われているが、見解が一致しておらず、まれに上腹部痛、吐き気、などの副作用がみられる。安全性については、適切に用いれば経口摂取でおそらく安全と思われるが、妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないので使用は避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。「指定添加物」:ナトリウム塩は品質改良剤である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

代表的な硫酸化ムコ多糖 (グリコサミノグルカン) 。タンパク質と結合して軟骨や皮膚中に多く存在する。血管壁や腱など広く結合組織に含まれており、抗張力・弾力の原因となり、イオンの透過および石灰化に関与していると考えられる。アルカリまたは酵素でのタンパク質除去により、白色粉末またはカルシウム塩の結晶として得られる。分子量約2〜5万。水溶液はかなり粘稠。

分析法

・ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動法での分析方法が報告されている (PMID:15349930) (PMID:15019056)
・コンドロイチン硫酸を2糖に分解し、N-アセチルガラクトサミンに結合している4位 (哺乳類由来に多い) と6位 (サメ由来に多い) の硫酸基の比率を蛍光検出ポストカラムHPLC法または1H-NMR法によって測定することで、原材料の由来を識別する方法が報告されている (PMID:17268105)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

・粘膜障害のない胃食道逆流症の患者20名 (平均55±18歳、イタリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ヒアルロン酸+コンドロイチン硫酸シロップをスプーン1杯/日 (詳細摂取量不明) 、14日間摂取させたところ、胃食道逆流症の症状スコアの低下が認められたという報告がある (PMID:24379055)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

・白内障の術後処置として、コンドロイチン硫酸とヒアルロン酸ナトリウムとの併用点眼は外用でおそらく有効と思われる (64) (PMID:2500055) 。これは米国では米国食品医薬品局 (FDA) によって認められた処方である (64) 。
・ドライアイに対して点眼薬は有効性が示唆されている (64) 。

免疫・がん・
炎症

変形性関節症に対するコンドロイチン硫酸の効果についての報告があるが、現時点では見解が一致しない。個々の情報は下記の通り。
<効果があったという報告>
1) 1980年代から2001年までの多くの研究においては、鎮痛薬や非ステロイド系抗炎症薬 (NSAIDs) との併用で、臀部や膝の変形性関節症の患者が経口摂取で痛みを軽減したという報告がある (66) が、これらの多くは試験の質が不十分である (66) 。
2) 膝変形性関節症患者において、コンドロイチン硫酸と塩酸グルコサミン、アスコルビン酸マンガンの併用製品が、客観および主観的な痛みの指標を改善した (66) (PMID:10050562) (PMID:10966840)
3) 1996年1月-2007年10月を対象に、1つのデータベース (Medline) で検索できた二重盲検無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、膝骨関節炎患者に対するコンドロイチン硫酸の投与は、関節腔の減少を抑制した (PMID:18826751)
4) 変形性膝関節炎患者622名 (試験群309名、62.9±0.5歳) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、コンドロイチン硫酸800 mg/日を2年間摂取させたところ、脛骨大腿関節腔幅 (JSW) の減少の抑制、痛みの減少 (VAS、WOMAC) が認められた (PMID:19180484)
5) 2008年6月までを対象に、2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、変形性関節症の患者によるコンドロイチン硫酸の摂取 (1〜3年間) は、関節腔の狭小化 (JSN) をわずかに抑えた (PMID:19544061)

<効果は限定的であったという報告>
1) 変形性関節症患者40名 (試験群20名、平均55.1±10.9歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、塩酸グルコサミン1,200 mg/日+コンドロイチン硫酸60 mg/日+ケルセチングリコシド45 mg/日を16週間摂取させたところ、症状評価の4項目中2項目と総得点、痛み評価の3項目中1項目でのみ改善が認められた (PMID:21969261)

<効果は見られなかったという報告>
1) 2005年以降に報告された研究結果は有効性が無いとされている (66) 。
2) 50歳以上の膝変形性関節症患者89名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、塩酸グルコサミン1,500 mg/日およびコンドロイチン硫酸1,200 mg/日を6ヶ月摂取させたところ、歩行距離および膝の強度、痛みに対して効果が認められなかった (PMID:17561418)
3) 2006年までを対象に、4種のデータベースで検索できた比較臨床試験20報についてのメタアナリシスにおいて、大規模で質の高い臨床試験では、症状の緩和は無いもしくは極わずかであり、コンドロイチン硫酸の使用は推奨できない (PMID:17438317)
4) 膝関節炎患者1,583名 (平均58.6歳、試験群744名) を対象とし、多施設間 (アメリカ) で実施された二重盲検無作為化の、プラセボとセレコキシブを対照としたグルコサミン・コンドロイチン関節炎介入試験 (GAIT) において、グルコサミン500 mg×3回/日、コンドロイチン硫酸400 mg×3回/日を単独もしくは併用で24週間摂取させたところ、単独でも併用でも痛みの軽減効果は認められなかった (PMID:16495392) 。また、同じ試験において継続して24カ月間摂取させた572名 (56.9±9.8歳、試験群207名) を対象とした解析では、脛大腿関節腔幅 (JSW) の減少や症状の進行に変化はなく(PMID:18821708)、同じ試験の662名 (平均57歳、試験群389名) を対象とした解析では、WOMACスコア(関節疼痛や機能性の評価指標)に有意差は認められなかった (PMID:20525840)
5) 2010年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた200名以上を対象とした大規模無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、膝や腰の変形性関節症患者によるグルコサミンやコンドロイチン硫酸の単独もしくは併用摂取は、関節の痛み、関節腔の狭小化に影響は与えなかった (PMID:20847017)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

・適切に用いれば経口摂取でおそらく安全と思われる。2ヶ月から6年までの継続投与で安全とされる (64) 。
・外用では、点眼薬として適切に用いればおそらく安全と思われる (64) 。
・筋肉内注射は安全性が示唆されている (64) 。
・妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用を避けるべきである (64) (63) 。コンドロイチン硫酸はヘパリンと構造的に類似しており、ヘパリンは妊娠中は禁忌である (63) 。
・経口摂取による副作用はまれであるが、上腹部痛、吐き気を起こす人がいる。臨床試験では下痢、便秘、まぶたの腫れ、下肢の浮腫、脱毛、期外収縮が報告されている(64)。
・血液凝固不全の人がコンドロイチン硫酸を静脈注射すると出血のリスクが高まることが考えられるので、使用は避ける (64) 。また、出血性疾患のある人や抗凝固薬を飲んでいる人は、コンドロイチンの利用の際に注意が必要との報告 (63) もある。
・喘息患者では症状を悪化させるかもしれないので、注意すること (PMID:12463294)
・コンドロイチン硫酸の製品に対してアレルギーや過敏症がある人は、注意して使用したほうがよい (63) 。
・小児に医療目的でコンドロイチン硫酸をするのは、科学的根拠が不十分なため、推奨されていない (63) 。
・点眼薬の副作用としては、眼圧の上昇、目の不快感、白内障手術後の角膜の浮腫などがあげられる (64) 。
・コンドロイチン硫酸・鉄コロイド注射液を投与された56〜78歳男女4名が、からだや手足に集簇性小水泡 (液体がはいっている小さなできものがたくさんできること) を伴う紅斑が出現したという報告がある (2007125468) 。
・71歳女性と85歳女性 (アメリカ) がグルコサミン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、メチルスルフォニルメタン、Chinese skullcap (コガネバナ) 、black catechu (アセンヤクノキ) を含むサプリメント製品を約3週間摂取 (2〜4粒/日、各成分の摂取量不明) したところ、肝障害を呈したが、サプリメントの摂取を中断後、回復したという報告がある (PMID:20586134)
・変形性関節炎の既往歴がある78歳女性 (アメリカ) が、マルチビタミンと併用して、グルコサミン、コンドロイチン、オウゴン、アセンヤクノキを含むサプリメント1錠x2回/日、3週間摂取したところ、血清肝酵素値 (ビリルビン、AST、ALT、ALP、γ-GTP) が上昇し、無痛性黄疸と診断された。摂取中止2週間後に改善傾向を示したが、再摂取により、2週間以内に再び黄疸の出現および肝酵素値の上昇が認められ、再摂取中止4週間後に回復したとの報告がある (PMID:22855699)
・49歳男性 (日本) が、膝関節痛のためにコンドロイチン硫酸ナトリウムを含む製品を1ヶ月程度摂取したところ、発熱および乾性咳嗽が生じて医療機関を受診。摂取中止および加療により回復したが、再摂取により再び呼吸困難が出現し、再度中止により回復した。DLST (リンパ球刺激試験) においてコンドロイチンが陽性であったため、コンドロイチン硫酸ナトリウムによる薬剤性肺炎と診断されたとの報告がある (2012257148) 。
・74歳男性 (日本) がコンドロイチン、ヒアルロン酸を4ヶ月間摂取したところ (摂取量不明) 、乾性咳嗽が生じて医療機関を受診、摂取中止により改善したため、当該製品が原因の薬剤誘起性肺炎と診断されたという報告がある (2012248103) 。
・65歳男性 (スイス) が、コンドロイチン硫酸 (800 mg/日) 含有サプリメントを2年間摂取しており、8週間前から、グルコサミンとコンドロイチン硫酸 (1,230 mg/日) 含有サプリメントに変更したところ腹痛、疲れ、黄疸などを呈し、急性自己免疫肝炎と診断されたという報告がある (PMID:23391366)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・慢性心房細動の既往歴があり、ワルファリン、フェキソフェナジンなどの医薬品 (4種) を服用している69歳男性が、自己判断でコンドロイチン硫酸400 mgとグルコサミン500 mgを含むカプセルを6カプセル/日、4週間摂取したところ、INR値が2.58から4.52へ上昇し、ワルファリン投与量を減少したところ改善した。Naranjoの有害事象と被疑薬物の因果関係評価指標はpossibleであったとの報告がある (PMID:14986566)
・ワルファリン7.5 mg/日を5年間服用している71歳男性が、グルコサミン塩酸塩1,500 mgとコンドロイチン硫酸1,200 mgを1日2回摂取し、3週間でプロトロンビン時間 (INR) の延長がみられ、グルコサミン塩酸塩750 mg/日、コンドロイチン硫酸600 mg/日に減量してもINRが延長し続け、摂取の中止及びワルファリン投与量の半減により、回復したという症例報告がある (PMID:18363538)

<試験管内・動物>
・動物実験 (ウサギ) において、コンドロイチン硫酸の経口摂取は、CYP3A6、CYP1A2、NADPH-シトクロムP-450 還元酵素に影響を与えなかったが、テレビンにより誘発された炎症反応によるCYP3A6タンパク質の減少を改善したという報告がある (PMID:22633136)

<理論的に考えられる相互作用>
・理論上、抗凝固薬 (ワルファリンやヘパリンなど) 、抗血小板薬 (クロピドグレルなど) 、非ステロイド系炎症薬 (アスピリンやイブプロフェンなど) などの出血を高める可能性がある薬物と併用すると、出血のリスクが高くなる可能性がある (63) 。
・その他のハーブやサプリメント、食品との相互作用は知られていない (64) が、理論上、出血のリスクを高める可能性があるハーブやサプリメントと併用すると、出血のリスクが高くなる可能性がある (63) 。実際、イチョウとの併用によって出血した症例が複数報告されている。また少数ではあるが、ニンニクやノコギリヤシとの併用でも出血事例の報告がある (63) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

参考文献中に記載なし。

総合評価

安全性

・適切に用いれば経口摂取もしくは外用で点眼薬として用いる場合はおそらく安全と思われる。
・妊娠中・授乳中の安全性については充分なデータがないので、使用を避ける。
・経口摂取による副作用はまれであるが、上腹部痛、吐き気を起こす人がいる。臨床試験では下痢、便秘、まぶたの腫れ、下肢の浮腫、脱毛、心臓の期外収縮が報告されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・コンドロイチン硫酸とヒアルロン酸ナトリウムと併用して点眼で白内障の術後処置として、おそらく有効と思われる。
・点眼薬としてドライアイに対する有効性が示唆されている。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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