健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

グルコマンナン [英]Glucomannan [学名]

概要

グルコマンナンはコンニャクマンナンに代表される水溶性食物繊維である。俗に、「便秘を改善する」「コレステロールの吸収を抑制する」などと言われている。ヒトでの有効性については、肥満成人の血中コレステロールやトリグリセリドの低下に経口摂取で有効性が示唆されている。安全性については、摂りすぎにより下痢などを起こすことが報告されている。また、妊娠中・授乳中の安全性については、信頼できる十分なデータがないので使用は避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・グルコマンナンはヘテロ多糖の一種で、D-グルコースとD-マンノースが互いにβ1→4結合したコンニャクマンナンや、木材のグルコマンナンなどがある。水溶性の食物繊維に分類される。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・肥満成人において、血中コレステロールおよびトリグリセリドを低下させるのに経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
・成人の糖尿病患者において血中コレステロールを低下させるのに経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・未治療の高脂血症患者59名 (試験群28名、日本) と健康女子学生62名 (試験群31名) を対象とした無作為化比較試験 (盲検ではなくオープン試験) において、マンナン9 g添加煎餅を30日間、毎日摂取させたところ、総コレステロール値の低下が見られ、試験開始前の総コレステロール値が高いほど低下の度合いが大きかったという予備的な報告がある (2000094974) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。
・高コレステロール血症の小児36名 (平均10.7±2.1歳、イタリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、飽和脂肪酸とコレステロールが少ない食事指導を4週間行った後、グルコマンナン500 mgを含むカプセルを体重に合わせて2〜3個×2回/日、8週間摂取させたところ、女児(20名)において血清中の総コレステロール、LDLコレステロール、非HDLコレステロールの低下、男児 (16名)においてHDLコレステロールの増加および非HDLコレステロールの低下が認められ、全体では総コレステロール、LDLコレステロール、非HDLコレステロールの低下が認められたが、HDLコレステロール、トリグリセリド、ApoA-I、ApoBの値に影響は認められなかった (PMID:23759268)


消化系・肝臓

メタ分析
・2011年10月までを対象に3つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、グルコマンナン、ふすま、食物繊維などの摂取は、排便回数の増加 (5報) と関連が認められたが、便の硬さ (3報) 、排便効果 (2報) 、下剤の使用状況 (2報) 、排便時の痛み (2報) に影響は認められなかった (PMID:23326148)

糖尿病・
内分泌

一般情報
・肥満成人において血糖値を下げるのに経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
・糖尿病患者において、インスリンや治療薬の使用量を減らすのに経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・6つのデータベースを対象に、2007年11月まで検索できた無作為化比較試験14報について検討したシステマティック・レビューおよびメタ分析において、糖尿病や肥満症などの代謝疾患患者に対するグルコマンナン投与は、総コレステロール値、LDLコレステロール値、中性脂肪値、体重、空腹時血糖値を改善させたが、HDLコレステロール値と血圧には影響がなかった (PMID:18842808)
RCT
・健常成人8名 (20〜30歳代、日本) を対象とした無作為割付比較試験において、ブドウ糖50 gとともにグルコマンナン、セルロース、プルラン5〜10 gをそれぞれ単回摂取させたところ、グルコマンナンと一緒に摂取した場合のみ血糖値上昇を抑制した (1984070802) 。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

一般情報
・肥満成人の体重減少に経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2012年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験9報について検討したシステマティックレビューにおいて、過体重または肥満者によるグルコマンナンの摂取は、体重減少に影響は与えなかった (PMID:24533610)
・2014年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験6報 (成人5報、子ども1報) について検討したシステマティックレビューにおいて、過体重または肥満者によるグルコマンナンの摂取は、体重は2、4、5週間で減少 (各1報) 、8週間で減少と影響なし (各1報)、12週間で影響なし (1報) であった。また、BMI (2報) 、体組成 (2報) 、食欲 (2報) 、エネルギー摂取量 (1報) のいずれにも影響は認められなかった (PMID:25701331)
RCT
・軽度肥満の成人47名 (試験群23名、平均35.59±12.21歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、グルコマンナン1.33 g×3回/日を食事の1時間前に8週間摂取させたところ、体重減少量、BMI、体組成 (胴囲、ヒップ周り、体脂肪量、除脂肪体重) 、満腹感と空腹感、空腹時血糖値、トリグリセライド、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール値に影響は認められなかった (PMID:24490058)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・ラットにグルコマンナンを投与すると、腸間膜リンパ節における抗体産生が亢進した (PMID:12729015)

安全性

危険情報

<一般>
・粉末、カプセルなどの形で摂取する場合、経口摂取で安全性が示唆されている (94) 。ただし、錠剤の形で経口する場合、食道や胃腸の障害が多数報告されていることもあり、おそらく危険である (94) 。
・健常人10名にグルコマンナン2.6 gと0.5%CuSO4溶液5 mL又はMgO 0.5 gを経口投与した結果、血清銅がわずかに上昇する傾向にあったが、血清鉄・マグネシウムは変わらなかったという予備的な報告がある (1986117616) が、有意差はなく、この現象にはさらなる検証が必要である。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用を避ける (94) 。
<その他>
・糖尿病患者12名 (39〜66歳) にグルコマンナン3.9〜7.8 gを8〜40週間、毎日摂取させた結果、血清Cuがわずかに減少する傾向にあったという予備的な報告がある (1986117616) が、有意差はなく、この現象についてはさらなる検証が必要である。
<被害事例>
・37歳女性 (アメリカ) がグルコマンナン400 mg 含有のダイエット錠を1錠摂取したところ、食道閉塞を起こした (PMID:17357389)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・グルコマンナンは空腹時および食後血糖値を低下させるので、糖尿病患者の血糖コントロールに影響を与えることがある (PMID:12569112) (PMID:10372241) 。血糖値のモニタリングをきちんと行う必要がある。
・臨床検査値において、血中グルコース濃度、コレステロール、トリグリセリドの値に影響を及ぼすことがある (PMID:1313163) (PMID:6096282) (PMID:7796558)
・血糖低下作用のあるハーブやサプリメント、糖尿病治療薬の作用を増強させる可能性があるので、併用する場合は血糖値のモニタリングを行うこと (PMID:12569112) (PMID:10372241)
・経口薬の吸収を低下させる可能性がある。スルホニル尿素系薬物の吸収を低下させる (PMID:6299917)
・脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性がある (PMID:6096987)

動物他での
毒性試験

・マウスとラットの雌雄にグルコマンナンを経口投与したところ (最大2,800 mg/kg/日) 、毒性が認められなかった (1984129710) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用を避ける。
・グルコマンナンは空腹時および食後血糖値を低下させるので、糖尿病患者の血糖コントロールに影響を与えることがある。使用時には血糖値のモニタリングを行う必要がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・経口摂取で有効性が示唆されているのは、1) 肥満成人の血中コレステロールおよびトリグリセリドの低下、2) 肥満成人の血糖値の低下、3) 肥満成人の体重減少、4) 糖尿病患者において血中コレステロールを低下、5) 糖尿病患者においてインスリンや治療薬の使用量の低減。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:12569112) J Am Coll Nutr. 2003 Feb;22(1):36-42.
(PMID:10372241) Diabetes Care. 1999 Jun;22(6):913-9.
(PMID:1313163) Minerva Med. 1992 Mar;83(3):135-9.
(PMID:6096282) Int J Obes. 1984;8(4):289-93.
(PMID:7796558) Clin Ter. 1995 Apr;146(4):269-74.
(PMID:12729015) Biosci Biotechnol Biochem 2003 67(2):429-33
(PMID:6096987) Tohoku J Exp Med. 1983 Dec;141 Suppl:677-81.
(2000094974) 日本農村医学会雑誌. 1999; 48(4): 595-602
(1986117616) 山口医学. 1985; 34(1): 67-71
(1984129710) 応用薬理. 1984; 27(1): 127-131
(1984070802) 日本栄養・食糧学会誌.1983; 36(4): 301-303
(PMID:18842808) Am J Clin Nutr. 2008 Oct;88(4):1167-75
(PMID:17357389) Clin Toxicol (Phila). 2007;45(1):80-2.
(PMID:23326148) World J Gastroenterol. 2012 Dec 28;18(48):7378-83.
(PMID:24490058) J Obes. 2013;2013:610908.
(PMID:23759268) Nutrition. 2013 Jul-Aug;29(7-8):1060-5.
(PMID:24533610) J Am Coll Nutr. 2014;33(1):70-8.
(PMID: 25701331) Nutrition. 2015 Mar;31(3):437-42.e2.
(94) Natural Medicines