健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

トウガラシ属 (赤唐辛子、パプリカ、ピーマンなど) [英]Capsicum (Red Pepper、 Paprika、 Green Pepper) [学名]Capsicum annuum L. その他多くのCapsicum species

概要

トウガラシは南米原産で、世界中でスパイスとして栽培されており、日本には天文11年 (1542年) に渡来した。高さは約60 cm、花期は6〜7月、成熟果実を7〜10月に採集し、日干しにする。薬用部分は成熟果実 (辣椒<ラッショウ>、蕃椒<バンショウ>) 。トウガラシ属は種類が非常に多いが、なかでもカプサイシンを多く含むものは、通常の食品以外にもサプリメントとして利用される。俗に、「体脂肪を燃やす」「代謝を高める」「便秘を解消する」「美肌づくりに役立つ」「発がんを抑制する」などと言われているが、これらの有効性に関するヒトでの信頼できる十分なデータは見当たらない。安全性については、通常の食事に含まれる量の摂取は、おそらく安全である。高用量で長期にわたる摂取については、危険性が示唆されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・果実、果皮は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」色素は着色料、水性抽出物は製造用剤、抽出物は苦味料等の香辛料抽出物である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・辛味成分カプサイシン (capsaicin) 、ジヒドロカプサイシン、カロテノイド色素のカプサンチン、ゼアキサンチン、β-カロテンのほかルティン (lutein) 、クリプトキサンチン、ビタミンCなどを含む。
・果実にアデニンなどを含む。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・トウガラシ入りカプセルを毎食前に摂取すると、機能性消化不良を軽減するが、中には症状が改善する以前に悪化した患者もいた (PMID:12030948) 。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。
・トウガラシの摂取は、過敏性腸症候群の症状改善に役立たないという予備的な報告がある (94) 。
・トウガラシを平均で24回/月摂取する人は、8回/月摂取する人と比べて胃潰瘍になりにくいという予備的な報告がある (PMID:7895548) (94) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・1つのデータベースで検索できた症例対照研究10報について検討したメタ分析において、カプサイシンの摂取は、少量摂取 (9報) で胃がんの発症リスク低下との関連が認められたが、中〜多量摂取 (10報) ではリスク上昇との関連が認められ、いずれも試験によるバラツキが大きかった (PMID:24756832)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・健康な成人37名 (平均46±12歳、オーストラリア) を対象とした無作為化クロスオーバー比較試験において、トウガラシ30 g/日を4週間摂取させたところ、代謝や血管パラメーター (血糖、血清脂質、リポタンパク質、基礎代謝率、血圧、心拍、Augmentation Index、心内膜下生存率) に影響は認められなかった (PMID:16929238)
・BMI25〜35の成人75名 (試験群37名、平均43±8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カプシノイド (トウガラシ抽出物) 6 mg/日を12週間摂取させたところ、腹部体脂肪率の低下が認められたが、体重、体脂肪率、安静時エネルギー消費量に影響は認められなかった (PMID:19056576)
・血清CRPが高値を示す過体重または肥満の女性31名 (平均57.7±1.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシ1 g/日を4週間摂取させたところ、体重、体脂肪、血圧、心拍、血糖値、炎症マーカー (CRP、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α) 、酸化ストレスマーカー (F2-イソプロスタン、酸化LDL) に影響は認められなかった (PMID:23150126)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・トウガラシ3〜5%添加飼料でラットを飼育すると、適度に消化器を刺激し、消化液の分泌を促し消化機能をさかんにして発育を良好にする (18) 。これは成分のカプサイシノイドによる (64) 。
・煎液は弱い殺菌作用があり、特にコレラ菌に対しては強力である (18) 。生の唐辛子の絞り汁はin vitro で抗菌活性を示した (23) 。

安全性

危険情報

<一般>
・ドイツのコミッションEでは、外用の場合に2日以上連続して用いるべきではなく、再度用いる場合は14日間の間隔を空けるべきだとしている。また、同じ箇所への継続的使用は神経に損傷を与えるおそれがあるとしている (22) 。
・過剰に用いると胃腸炎を起こしたり、肝臓や腎臓に障害を与えることもある (10) 。
・通常の食事に含まれる量を摂取する場合、また外用で適切に使用する場合、おそらく安全である (94) 。
・医療用量を短期間摂取する場合、安全性が示唆されている (PMID:8621114) 。ただし高用量でまたは長期にわたる摂取は、肝毒性または腎毒性を招くおそれがあり、危険性が示唆されている (PMID:8621114)
・胃腸の炎症、上部消化管の不調、発汗やほてり、催涙、鼻水、頭痛、めまいを引き起こすことがある (PMID:12030948) 。大量摂取で、胃腸炎や肝臓壊死を起こすことがある (PMID:8621114) 。また、血液凝固能を低下させる (PMID:7081126)
・健康な若い女性10名 (18〜35歳、タイ) を対象とした無作為化クロスオーバー試験において、凍結乾燥したトウガラシ4.2 g (没食子酸として25 mgのポリフェノールを含む) を鉄強化魚醤とともに摂取させたところ、強化された鉄の吸収が38%抑制された (PMID:17116705)
<小児>
・2歳以下の小児に外用で用いるのは危険性が示唆されている。小児の摂取については十分なデータが得られていない (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中に通常の食事に含まれる量を摂取する場合、また外用で適切に使用する場合、おそらく安全である。ただし妊娠中に医療で用いる量を摂取する場合の安全性には十分なデータがない (94) 。
・授乳中に外用で適切に使用する場合、おそらく安全である。ただし授乳中に摂取する場合、乳児が皮膚炎を起こすことがあるため、危険性が示唆されている (PMID:8864625)
<その他>
・痔核切除後の患者60名 (試験群30名、平均46.6±10.6歳、インド) 、もしくは裂肛手術後の患者56名 (試験群28名、平均31±10.6歳、インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験、急性裂肛の患者43名 (平均27歳、インド) を対象としたクロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシパウダー3 g/日を7日間摂取させたところ、痔の再発、痛み、灼熱感が増加した (PMID:17647055) (PMID:17785979) (PMID:19149363)
・痔症状のある成人48名(中央値50歳、イタリア)を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシパウダー10 mgを単回摂取させたところ、摂取48時間後までの自覚症状に影響は認められなかった (PMID:16708161)
<被害事例>
・51歳男性 (日本) が数種類の唐辛子ソース (主成分は唐辛子・塩・酢) を大量に飲用し、2日後、嘔吐と激痛を伴う食道粘膜下血腫を発症した (2004112063) 。
・17ヶ月齢の男児 (アメリカ) が、シカ肉のマリネを摂取し、数分後に蕁麻疹、結膜炎、顔の膨張を生じ、マリネに使用されていたトウガラシと黒コショウによるアレルギーと診断された (PMID:21748999)
・鼻炎、喘息、ラテックスアレルギーがあるが、花粉アレルギーはない33歳女性 (スペイン) が、生ピーマン摂取後に蕁麻疹、呼吸困難などを経験した後、様々な食品摂取でアナフィラキシー症状を呈するようになり、プリックテストにて緑および赤ピーマンに陽性を示し、ラテックス-果物症候群の交差反応と診断された (PMID:23537591)
・19歳男性 (イタリア) が、コショウと赤トウガラシを多量に摂取し (摂取量不明) 、血圧上昇を呈し、カプサイシンによる高血圧と診断された (PMID:19168246)
・41歳男性 (トルコ) が、減量目的に赤トウガラシ錠剤を3ヶ月間摂取し (摂取量不明) 、胸の痛みを呈し、急性心筋梗塞と診断された (PMID:22527825)
・外用で、灼熱感、ヒリヒリ感、紅斑、まれに蕁麻疹 (58) や、生の果実に触れると接触性皮膚炎を起こすことがある (64) (PMID:7741356) 。また、吸引すると、咳や呼吸困難、鼻づまり、目の炎症、アレルギー性歯槽骨炎を起こす可能性がある (PMID:10858985) 。特に目や粘膜を刺激する。油性抽出物オレオレジンで激しい目の痛みや、紅斑、眼瞼下垂、涙目、頻呼吸、かすみ目が起きる。まれに角膜に傷がつくことがある (PMID:7741356) (PMID:11097593)
・2型糖尿病、脳出血の既往があり、脳梗塞後遺症 (左片麻痺) のため寝たきりであった92歳女性 (日本) が、下肢の疼痛治療目的でトウガラシを塗った湿布を貼付し、潰瘍、壊疽を生じた (2001088955) 。
・ヨモギ花粉症をもつ30歳女性 (日本) が、ライチを摂取したところ (摂取量等不明) 、口腔アレルギー症候群、全身蕁麻疹、呼吸困難、腹痛、下痢、下血を生じ、2年後に市販のカレールー2種を用いたカレーを摂取したところ (摂取量等不明) 、同様の症状を生じたため受診。プリックテストの結果、ライチおよびカレールーに含まれていた複数のスパイス (クミン、ディル、パセリ、セロリ、コリアンダー、フェンネル、アジョワン、Bマスタード、パプリカ) に対して陽性を示し、これらを原因とするアナフィラキシーショックと診断された (2007119508) 。
・ポテトチップス工場勤務の23歳男性 (ベルギー) が、仕事により様々なスパイスを使用していたところ、指や顔に紅斑、浮腫、落屑を生じるようになり受診。パッチテストにより、スパイスミックス、カプサイシンに陽性を示したため、トウガラシによる職業性接触性皮膚炎と診断された (PMID:25639726)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、カプサイシンの6日間経口投与は、CYP2D6、CYP3Aの活性を誘導した (PMID:22668071)
・カプサイシンとジヒドロカプサイシンには、in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) においてCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4/5の阻害作用が、in vivo試験 (ラット) においてCYP2E1活性の増加が認められた (PMID:22375877)
・動物実験 (ラット) において、カプサイシンの7日間経口投与は、シンバスタチン (抗脂質異常症薬、CYP3A4基質) の血中濃度 (AUC、Cmax) を低下させた (PMID:23220613)

<理論的に考えられる相互作用>
・コカとの併用で、コカに含まれるコカインの副作用を増悪させる可能性がある (94) 。
・鎮痛効果のあるハーブとの併用で、それらの効果あるいは副作用を増大させる可能性がある (64) 。
・クマリンや抗凝固薬との併用で、その作用と副作用が増大する可能性がある (PMID:1786800) (PMID:6528310) 。臨床検査においても、血液凝固系の検査値に影響を与えることが考えられる (PMID:7081126)
・相互作用がある医薬品は数多いので注意する (94) 。
・テオフィリンとの併用で、その吸収を上昇させることが考えられる(PMID:8751037)

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・経口摂取はクラス1 (適切に使用する限り安全に摂取することができるハーブ) (22) 、外用はクラス2d-皮膚に傷があるときや眼の近くでの使用は禁忌 (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食事に含まれる量の摂取、外用での適切な使用は、おそらく安全である。
・過剰摂取すると胃腸炎を起こしたり、高用量または長期にわたる摂取は肝毒性または腎毒性を招くおそれがある。
・妊娠中の通常の食事に含まれる量の摂取または外用での適切な使用は、おそらく安全である。
・授乳中の摂取は、母乳で育つ幼児に皮膚炎を起こす場合があり、危険性が示唆されている。
・2歳以下の子供に外用で用いるのは、危険性が示唆されている。
・摂取により、胃腸の炎症、発汗やほてり、催涙、鼻水を引き起こすことがある。また、吸引すると、咳や呼吸困難、鼻づまり、目の炎症、アレルギー性歯槽骨炎を起こす可能性がある。特に目や粘膜を刺激する。
・外用すると、刺激性があり、まれに蕁麻疹や、生の果実に触れると接触性皮膚炎を起こすことがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(10) ハーブ大全 小学館 R.メイビー
(18) 和漢薬百科図鑑/II 保育社 難波 恒雄 著
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(64) 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
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