健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

オリーブ (オレイフ) [英]Olive [学名]Olea europaea L.

概要

南ヨーロッパ、北アフリカ原産の常緑高木で高さ2〜18 mになる。花期は5〜6月。世界各地で栽培され、主にオリーブオイルとして、またオリーブの実は食用として用いられてきた。特にオリーブオイルは他の植物油に比べ、オレイン酸が多く含まれることから、循環器系疾患のリスクを減らす可能性が示唆されている。その他、化粧品などへの応用もさかんである。安全性については、過剰摂取した場合のデータが十分でないため、妊娠中・授乳中は食品として摂る以上の量の摂取は避ける。ドイツのコミッションE(薬用植物の評価委員会)ではそれらの効果が認められていないため、治療目的には適さない未承認ハーブとして記載されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・葉、花、果肉油は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に該当 (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸のグリセリド、脂溶性ビタミン類に富み、カリウム、リン、マグネシウムなどを含む。オイルには不飽和脂肪酸の他にβ-カロテン、ビタミンD、E、スクアレンなどが含まれる (29) (105) 。

分析法

・フェノール化合物が紫外可視検出器 (検出波長280、350 nm) を装着したHPLC (PMID:12659724) (101) 、質量分析器 (MS) /MSを装着したHPLCにより分析されている (102) 。
・脂肪酸が水素炎イオン化検出器 (FID) を装着したガスクロマトグラフィーにより分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・オイルおよび葉抽出物の経口摂取は高血圧症に有効性が示唆されている (94) 。ただし、葉のこの効果については十分に立証されていない (58) 。
・オイル経口摂取は高コレステロール血症に有効性が示唆されている (94) 。
・オイルの経口摂取で心血管疾患発症のリスクを減らすのに有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2013年12月までを対象に、5つのデータベースで検索できた研究 (症例対照研究、コホート研究、無作為化比較試験) 9報について検討したメタ分析において、オリーブオイルの摂取は循環器疾患 (冠動脈心疾患+脳卒中) (9報) および脳卒中 (3報) のリスクを低下させたが、冠動脈心疾患 (7報) のリスクに影響は認められなかった (PMID:24775425)
・2015年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験30報 (検索条件:対象年齢≧19歳、期間≧4週) について検討したメタ分析において、オリーブオイルの摂取は、CRP (15報) 、IL-6 (7報) 、sE-セレクチン (2報) 、sICAM-1 (7報) の低下、血流依存性血管拡張反応 (FMD) の上昇 (8報) と関連が認められたが、炎症マーカーについては試験によるバラツキが大きく、アディポネクチン (6報) 、TNF-α (5報) 、sVCAM-1 (8報) に影響は認められず、sP-セレクチン (4報) の上昇が認められた (PMID:26378571)
RCT
・高血圧患者23名 (25〜70歳、イタリア) を対象とした無作為化クロスオーバー試験において、一般的な治療と並行してオリーブ油を多く使う食事を6ヶ月間摂取させたところ、血圧が低下し、中等症の患者の中には血圧降下剤の服用量を減少、中止できた例もみられた (PMID:10737284)
・健常男性38名 (平均36±2歳、ドイツ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、オリーブオイルを25 mL/日、3週間摂取させたところ、摂取前と比較して血清中総コレステロール値、中性脂肪値の低下が認められたという予備的な報告がある (PMID:18622895)
・正常高値〜軽度高血圧の男女37名 (平均58.5±10.7歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ葉抽出物500 mg+グリーンコーヒー豆抽出物100 mg+サトウダイコン粉末150 mg含有タブレット2錠/日を6週間摂取させたところ、BMI、血圧 (診察室血圧、24時間血圧、昼間血圧、夜間血圧) 、心拍数、動脈伸展性、空腹時血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR、血清脂質 (トリグリセリド、HDLコレステロール、LDLコレステロール、総コレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比) に影響は認められなかった (PMID:25379688)
・健康な成人18名 (19〜40歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ葉抽出物1,600 mgを単回摂取させたところ、摂取後30分〜8時間の血管硬化度 (DVP-SI) の低下がみとめられ、また、オリーブ葉抽出物摂取0、1、3、6時間後の全血培養においてIL-8産生の低下が認められたが、その他炎症マーカー (IL-1b、IL-6、TNF-a、IL-10) 産生には影響は認められなかった (PMID:26051429)
・健康な男女45名 (平均30.1±8.3歳、マレーシア) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、血中の脂質、ホモシステイン、炎症マーカーに対する脂質の影響を検討する目的で、脂質供給源の3分の2をココナツオイル、パームオレイン、オリーブオイルとした脂質エネルギー比30%食を5週間摂取させたところ、オリーブオイルの摂取は、パームオレインとの差は認められなかったが、ココナツオイル摂取に比べて、空腹時および非空腹時の血清総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロールで低値を示した。血清トリグリセリド、総コレステロール/HDLコレステロール比、血漿総ホモシステイン、血清炎症マーカー (TNF-α、IL-1β、IL-6、高感度CRP、IFN-γ、IL-8) に影響は認められなかった (PMID:22030224)
その他
・疫学研究において、オリーブオイルを日常的に多く摂取する人は高血圧の発症が少ない (PMID:2296124) (PMID:3776973)
・疫学研究において、オリーブオイルを日常的に多く摂取する人は血中コレステロール値が低い (PMID:2296124) (PMID:3776973)
・オリーブオイルを食事に使う量を増やしたところ、血中コレステロール値が低下したとの報告がある(PMID:2557203) (PMID:1550067) (PMID:8399091) (PMID:10447788) (PMID:8986934) (PMID:9888874) 。しかし、LDLコレステロールおよびアポリポタンパクBの低下に対しては、ベニバナ油やキャノーラ油の方がオリーブオイルよりも効果が高いとする知見も報告されている (PMID:11108723)
・高血圧症の境界域にある一卵性双生児40名 (18〜60歳、スイス) を対象としたオープン試験において、オリーブ葉抽出物製品を500 mg/日もしくは 1,000 mg/日、8週間摂取させたところ、摂取前と比較して血圧と血中LDLコレステロール値が低下したという予備的な報告がある (PMID:18729245) が、この現象については、さらなる検証が必要である。
・疫学研究において、心筋梗塞の既往歴のない人でオリーブオイルを毎日54 g摂取した人は、7 g以下しか摂取しなかった人と比較して、心筋梗塞発症のリスクが少ない (PMID:11980820)


消化系・肝臓

一般情報
・便秘にオイルの経口摂取がおそらく有効である (94) 。

糖尿病・
内分泌

RCT
・過体重の中年男性46名 (平均46.4±5.5歳、ニュージーランド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ葉抽出物4カプセル/日 (オレウロペイン51.1 mg、Hydroxytyrosol 9.7 mg含有) を12週間摂取させたところ、インスリン感受性、膵β細胞反応の改善と血中IGFBP-1、IGFBP-2濃度の増加が認められ、IL-8、TNF-α、高感度CRP、血中脂質濃度、血圧、体組成、頸動脈内膜中膜厚に影響は認められなかったが、血中IL-6濃度が増加した (PMID:23516412)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・オレイン酸1,382 mgを含むオイル調剤を2ヶ月間摂取したところ、青年期の片頭痛の発症頻度、期間、症状の程度が軽減したという報告があるが、この現象についてはさらなる検討が必要である (94) 。
・耳垢を軟化させるのにオイルの外用は効果がないことが示唆されている (94) 。
・小児の急性中耳炎の痛みに対してオイルの外用は効果がないことが示唆されている (94) 。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・オイルの経口摂取は乳がんおよび大腸がんの発症リスク低減に有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・変形性関節症もしくはリウマチ性関節炎の患者90名 (55〜75歳、試験群43名、アメリカ)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ果実抽出物を凍結乾燥させたもの400 mg/日を8週間摂取させたところ、痛みや生活の質の自己評価が改善した (106) 。
その他
・疫学研究において、オリーブオイルを日常的に多く摂取する人はリウマチ性関節炎の発症が少ない (PMID:10584053) が、この現象については、さらなる検証が必要である (94) 。
・疫学研究において、オリーブオイルを日常的に多く摂取する人は乳がん (PMID:7927867) (PMID:8580304) (PMID:7503842) 、大腸がん (PMID:10990479) の発症が少ない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT
・化学療法を受けているがん患者25名 (平均20.5±9.0歳、イラク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ葉抽出液333 mg/mL含有口内洗浄液を3〜4回/日、14日間使用させたところ、口腔粘膜炎スケールの低下および唾液中のIL-1β、TNF-α値の低下が認められた (PMID:24371380)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・オイルは食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、それ以上の量を摂取した場合の安全性については、十分なデータがない (94) 。葉の安全性については、十分なデータがない (94) 。
・オイルの外用でアレルギー反応を起こすことがある。また、オリーブの花粉は花粉症の原因になる可能性がある (PMID:8917115)
<妊婦・授乳婦>
・オイルは妊娠中・授乳中は食品として摂る以上の量の摂取は避ける (94) 。
<その他>
・オリーブオイルを胆石患者に治療目的で使用すると、胆管疝痛を起こす可能性がある (58) (104) 。
<被害事例>
・69歳女性 (日本) が、オリーブオイルを造影剤としたCT検査を受けた後、膀胱結石が出来、摘出術を受けた (2003115331) 。
・消化性潰瘍による開腹術歴のある63歳男性 (シリア) が、糖尿病の治療目的でゆでたオリーブ葉を摂取したところ (量、期間不明) 、植物胃石を生じ、小腸閉塞を起こした (PMID:24964455)
・行動障害を有し、オリーブオイルを大量に飲むくせのある9歳男児 (フランス) が慢性的な右胸の痛みを訴え、オリーブオイルの誤嚥による外因性リポイド肺炎と診断された (PMID:26078902)
・オリーブによるアレルギーの症例は下記の通り。
1) 長年マッサージの仕事をしている47歳男性 (スウェーデン) が、オイルマッサージにオリーブ油を使用し、手に湿疹が生じ、接触性皮膚炎、遅延型過敏症と診断された (PMID:10426917)
2) オリーブ花粉症のある28歳男性 (トルコ) が、オリーブ果実を摂取した約1時間後に全身性蕁麻疹と口蓋のかゆみを発症した (PMID:20128426)
3) 花粉症のある25歳女性 (スイス) が、オリーブ果実やオリーブ油を摂取し、アナフィラキシーを起こした (PMID:20945621)
4) 花粉症と喘息があり、花粉抽出物 (オリーブ、ホソムギ、ノハラヒジキ含有) による皮下免疫療法を受けていた16歳男性 (スペイン) が、オリーブ果実を摂取した20分後に腕部のそう痒性発疹、胸部の激痛および呼吸困難を伴うアナフィラキシーを起こした (PMID:21462812)
5) 気管支腫瘍による左肺切除の既往歴と、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎、喘息があり、舌下免疫療法を受けていた21歳女性 (スペイン) が、タマネギ、トウガラシ、オリーブを含むスナックを摂取後に起こる喉の痒み、咳、呼吸困難を3回経験し、プリックテストによりオリーブ果実によるアナフィラキシーと診断された (PMID:21920658)
6) 鼻結膜炎と喘息があり、5年前にオリーブ花粉アレルギーと診断された48歳女性 (チュニジア) が、オリーブの実を摂取した数分後に口腔の掻痒感と全身性蕁麻疹を生じることを数回経験し、経口試験によりオリーブの実による口腔アレルギー症候群と診断された (PMID:26578052)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験において、オリーブの実から抽出したマスリン酸はCYP3A4 (ヒト肝ミクロソーム) 、CYP2C11、CYP3A2 (ラット肝ミクロソーム) の活性を阻害した (PMID:25636872)
<理論的に考えられる相互作用>
・葉は血糖を下げるハーブや糖尿病治療薬の作用を増強させる可能性がある (94) 。また、血糖値に影響を与えることがあるので、血糖値のモニタリングを行う (94) 。
・血圧を下げるハーブや高血圧薬の作用を増強可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・オイルを投与:ラット経口10 mL/kg、ラット経口 (継続) 31,500 mg/kg/15週 (91) 。
・果実の水抽出物を投与:ラット経口5,000 mg/kg、30 g/kg、(間欠的) 90,000 mg/kg/90日、180,000 mg/kg/90日、135,000 mg/kg/90日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・オリーブオイルは食品として適切に摂取すればおそらく安全である。しかし、副作用としては、オリーブオイルの経口摂取で胆石患者における胆管疝痛が起きる可能性が知られている。
・過剰摂取した場合の安全性のデータが十分でないため、妊娠中・授乳中は食品として摂る以上の量の摂取は避ける。
・葉の安全性については信頼できるデータが十分でない。
・オリーブオイルの外用の副作用として、まれにアレルギー反応を起こす。接触性皮膚炎と遅延性過敏症が報告されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・オリーブオイルの経口摂取が便秘におそらく有効である。
・オリーブオイルの経口摂取で有効性が示唆されているのは、1) 高血圧症、2) 高コレステロール血症、3) 心筋梗塞発症のリスクの低減、4) 乳がんおよび大腸がんの発症リスクの低減。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
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