健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

ビタミンB2 (リボフラビン) [英]Vitamin B2 (Riboflavin) [学名]Vitamin B2 (Riboflavin)

概要

ビタミンB2は、エネルギー代謝の中心的な役割を果たす水溶性ビタミンの1つであり、特に脂肪をエネルギーとして利用する際に必要である。また、他のビタミンの働きにも関与し、ビタミンB2の欠乏は多くの代謝系に影響を与えるため、正常な発育に欠かせない。一般に「皮膚、爪、髪の毛の健康を維持する」、「成長を促進する」、「脂質の代謝を促進する」などと言われている。ヒトでの有効性については、ビタミンB2欠乏の予防と治療に対して有効性が示されている。安全性については、経口で適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、過剰摂取(400 mg/日)すると下痢や多尿を起こすことがある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。基礎的な解説は「ビタミンB2解説」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。「指定添加物」 (着色料、強化剤) である。
・「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:0.33 mg、上限値:12 mg) 。→通知文1 (PDF) 通知文2 (PDF)

成分の特性・品質

主な成分・性質

・リボフラビン:分子量 (MW) 376.37 橙黄色針状結晶で水に不溶、アルコールに微溶、エーテルに不溶。リボフラビン[ビタミンB2 (局別) ]は黄色-だいだい黄色の結晶で,わずかににおいがある。水に極めて溶けにくく,エタノール (95) ,酢酸 (100) 又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。飽和水溶液は中性である。光によって分解する。融点:約290℃(分解) 。

分析法

・0.1 N塩酸により試料からビタミンB2を抽出した後、蛍光検出器 (励起波長445 nm、蛍光波長530 nm) を装着した高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により測定する方法が一般的である (101) 。
・高速液体クロマトグラフィーを用いた、食品中のリボフラビン、リボフラビン5'-リン酸エステル、リボフラビン酪酸エステルの分析法が報告されている (2001189043) 。

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・高脂血症患者290名 (20歳以上の男女、日本) を対象とした多施設二重盲検群間比較試験において、薬剤として酪酸リボフラビンを1日30〜240 mg、それぞれ16週間投与したところ、1日120 mgの投与において総コレステロール、LDLコレステロール、血清脂質が低下し、臨床症状の改善が見られた (1995125168) 。
その他
・軽度の心不全患者10名 (平均年齢58歳、日本) を対象に、ビタミンB2酪酸エステルを300 mg/日、2〜3ヶ月間服用させたところ、心胸比、総コレステロール値の低下がみられたという予備的な報告がある (1985044379) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・片頭痛に対し経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。ヒトでの研究で、リボフラビンは片頭痛の頻度を、β遮断薬と同程度に減少させたという報告が1件ある。
・経口摂取で白内障の発生を減少させるのに有効性が示唆されている (94) 。大規模な研究で、毎日の食事からのリボフラビンの高摂取と核白内障の発生率の減少には相関が見られた。
・経口摂取で、片頭痛発症後の痛みの程度や持続時間の減少、急な治療薬摂取の減少、片頭痛に関連した胃腸の不調の軽減に対し、効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT
・健康な高齢女性220名 (平均63歳、試験群111名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンサプリメント (ビタミンC 150 mg、ビタミンE 36 mg、ビタミンB1 2.4 mg、ビタミンB2 3.2 mg、ビタミンB6 3.4 mg、ビタミンB12 9μg、ナイアシン34 mg、パントテン酸16 mg、ビオチン200μg、葉酸400μg、カロテン9 mg、マグネシウム50 mg、セレン60μg含有) を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能に影響は認められなかった (PMID:15917019)

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・2014年4月までを対象に1つのデータベースで検索できたコホート研究47報について検討したメタ分析において、葉酸 (22報) 、ビタミンD (14報) 、ビタミンB6 (11報) 、ビタミンB2 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンA (6報) 、ビタミンC (9報) 、ビタミンE (10報) 、ビタミンB12 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスクに影響を与えなかった (PMID:25491145)
RCT
・アフタ口内炎の経験者160名 (試験群83名、平均35.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、パントテン酸、葉酸を米国の食事摂取基準値の100%量含有するマルチビタミンを1年間摂取させたところ、アフタ口内炎発生数、症状の持続期間、口内の痛みなどに影響は認められなかった (PMID:22467697)

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

(欠乏症・先天異常)
・リボフラビン欠乏症の予防と治療に経口摂取で有効である (94) 。





試験管内・
動物他での
評価

・FAD要求酵素の中には過酸化脂質の分解に関わるグルタチオンレダクターゼがあるため、リボフラビンは間接的に強力な抗酸化活性も持っているとも言え、動脈硬化の予防などに役立つ (1) (5) (6) 。
・FMN,FADはフラビン酵素と結合して、ミトコンドリアやミクロソームの電子伝達系に含まれる酸化還元反応 (Succinate Dehydrogenase等) を触媒し、薬物代謝に関与する (1) (13) (4) 。
・発育に必須で、成長期に不足すると成長が止まる (1) (3) (5) (6) 。
・脂質代謝にかかわる (1) (3) (5) (6) 。
・欠乏すると白内障を起こしやすくなる (1) (13) 。

安全性

危険情報

<一般>
・経口摂取で適切にリボフラビンを使用する場合、おそらく安全である (94) 。一日60 mgと500 mgの短期間の投与では毒性は報告されていない (3) 。
・リボフラビンの吸収は一度に25 mgまでに限られており、このビタミンの大量摂取は吸収量の増加を期待できず、また、溶解性が低いため静脈内投与でさえ体内に大量導入できない (1) 。ただしその光感受性体質により、理論的にリスクがありうる (1) 。
・多量摂取 (400 mg/日) すると下痢や多尿が起こることがある (94) 。また、過剰摂取により、尿が橙黄色になる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中および授乳中の経口摂取は推奨量(RDA)のレベルであればおそらく安全である (94) 。米国の食事摂取基準 (DRI) による推奨量はそれぞれ1.4 mg/日、1.6 mg/日 (94) (日本人には「日本人の食事摂取基準」の推奨量や目安量を参照(詳細は「ビタミンB2解説」)) 。ただし妊娠中および授乳中の大量摂取の安全性に関しては十分な情報が得られていない (94) 。
<被害事例>
・鼻炎・蕎麦アレルギーのある23歳女性 (日本) が、栄養ドリンク100 mLを摂取後、蕁麻疹、アナフィラキシーを起こし、ドリンク中のリン酸リボフラビンナトリウムによるアレルギーと診断された (PMID:19438528)

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・アスピリンと同時に摂取すると、胃腸での不寛容の原因となりうる (66) 。
・β遮断薬との併用摂取で、片頭痛への作用を増強する可能性がある (94) 。
・ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤タイプの抗レトロウイルス剤と併用すると、これらの薬剤による乳酸アシドーシスを抑えるという報告がある (66) 。
・プロベネシド (ベネシッド:痛風改善薬) はリボフラビンの吸収を阻害する (94) 。
・臨床的意義は明らかではないが、抗コリン作用を有する薬剤 (プロパンテリン) は、消化管運動を抑制してリボフラビンの吸収率は低下させるが、滞留時間が長くなるため吸収量は増加させる (94) 。
・抗生物質、メトクロプラミド、経口避妊薬、フェノチアジン類などはリボフラビンの吸収および血中濃度に影響を与えることがある (94) 。
・臨床検査において影響を受ける項目がいくつかある (94) 。
・食品と摂取すると吸収が増加する (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中で見当らない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・経口摂取で適切にB2を使用する場合、おそらく安全である。妊娠中や授乳中で推奨栄養所要量レベル以上の大量摂取に関して、安全性情報は十分でない。多量摂取 (400 mg/日) すると下痢や多尿が起こることがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・有効と判断できるのは、経口摂取でリボフラビン欠乏症の予防と治療に対する作用である。経口摂取で有効性が示唆されているのは、1) 片頭痛に対して、2) 白内障の発生を減少に対する作用である。
・経口摂取で効果がないことが示唆されているのは、片頭痛になってからの重症度や持続時間の減少、片頭痛に関連した胃腸の不調の軽減に対する作用である。

参考文献

(1) 最新栄養学 第7版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(3) 第六次改定 日本人の栄養所要量 食事摂取基準 第一出版 健康・栄養情報研究会 編
(4) 四訂 食品成分表 女子栄養大出版部 香川芳子 監修
(5) 栄養成分バイブル 主婦と生活社 中村丁次
(6) よくわかるビタミンブック 主婦の友社 吉川敏一
(13) ビタミンの辞典 朝倉書店 日本ビタミン学会 編
(66) Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database(2006)
(101) 五訂 日本食品標準成分表分析マニュアルの解説 財団法人日本食品分析センター/編集
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(1985044379) 医学と薬学.1984;11(6)1749-53
(1995125168) 診療と新薬.1994;31(10):1662-90
(2001189043) 横浜市衛生研究所年報.2000;39:65-70
(PMID:15917019) Prev Med. 2005 Jul;41(1):253-9.
(PMID:19438528) Clin Exp Dermatol. 2009 Oct;34(7):e263-4.
(PMID:22467697) J Am Dent Assoc. 2012 Apr;143(4):370-6.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(94) Natural Medicines
(PMID:25491145) Med Oncol. 2015 Jan;32(1):434.