健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ビタミンB6 (ピリドキシン) [英]Vitamin B6 (Pyridoxine) [学名]Vitamin B6 (Pyridoxine)

概要

ビタミンB6は、約100種類の酵素の補酵素として働く水溶性ビタミンの1つである。特に、アミノ酸代謝に関与するため、その必要量はたんぱく質の摂取量の増加に依存して高くなる。一般に「たんぱく質をつくる」「健康な皮膚や髪、歯をつくる」「成長を促進する」などと言われている。ヒトでの有効性については、ビタミンB6欠乏の予防と治療に対して有効性が示されている。安全性については、経口で適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、過剰摂取により感覚神経障害などの悪影響が起こることがある。いくつかの医薬品との併用により、光過敏症のリスクや医薬品の血中濃度に影響を与えることが知られている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。基礎的な解説は「ビタミンB6解説」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。「指定添加物」 (塩酸塩として強化剤) である。
・「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:0.30 mg、上限値:10 mg) 。→通知文1 (PDF) 通知文2 (PDF)

成分の特性・品質

主な成分・性質

・Saccharomyces cerevisia ATCC 9080の生育度を利用する微生物定量法が一般的である (103) 。

分析法

・Saccharomyces cerevisia ATCC 9080の生育度を利用する微生物定量法が一般的である (103) 。

有効性








循環器・
呼吸器


<血中ホモシステイン>
一般情報
・経口摂取で葉酸およびビタミンB12と併用して、食後の高ホモシステイン血症 (メチオニン負荷食を摂った後にホモシステインレベルが上昇することで示される) を改善するのにおそらく有効である (94) 。食後のホモシステイン上昇は空腹時のホモシステインレベルに関係なく、心臓血管病のリスクファクターである。ピリドキシン50〜200 mg/日は食後のホモシステインレベルを14〜22%減少させる。ピリドキサンは葉酸とビタミンB12が生理的レベルになければホモシステイン濃度を下げないようだが、葉酸とビタミンB12と同時に投与することでホモシステイン濃度が下がると思われる。ピリドキシン100 mg/日と葉酸0.5 mg/日の併用によりホモシステインレベルを35%減少させることから、食後高ホモシステイン血症の人に対し、このビタミンの組み合わせはおおむね推奨される。またピリドキシンは末期腎不全の患者と、腎臓移植患者におけるホモシステインレベルを低減すると思われる。高ホモシステイン血症は冠状動脈、脳、末梢のアテローム性動脈硬化症、反復性血栓塞栓症、深部静脈血栓症、心筋梗塞、虚血性脳卒中のリスクファクターである。血中ホモシステインが5μmol上昇すると、心血管病のリスクが50%増加し、冠状動脈性心疾患のリスクは男性で60%、女性で80%増加する。ただしこのことが心臓病の罹患率と死亡率を下げるかどうかはまだはっきりしない (94) 。
・経口摂取で単独または葉酸と併用で、空腹時ホモシステイン血症の治療におそらく効果がない (94) 。ピリドキシンは食後高ホモシステイン血症の改善には役立つと思われるが、最高200 mg/日までのピリドキシン摂取は空腹時ホモシステイン血症に対し効果がみられず、また空腹時ホモシステイン血症への葉酸単独摂取での効果を増強しなかった (94) 。
・経口摂取で全身麻酔に関連する高ホモシステインを減少させるのに、有効性が示唆されている (94) 。ピリドキシン25 mg、葉酸2.5 mg、ビタミンB12 500μgを含むサプリメントの常用は、亜酸化窒素 (笑気ガス) 麻酔によリ増加したホモシステインレベルを減少させるようである (94) 。
RCT
・血中ホモシステイン濃度が高い高齢者100名 (試験群50名、平均73.4歳、ニュージーランド) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、葉酸1 mg/日、ビタミンB12 0.5 mg/日、ビタミンB6 10 mg/日を2年間摂取させたところ、血漿中総ホモシステイン濃度は低下したが、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン濃度に影響は与えなかった (PMID:20089204)

<血管>
一般情報
・経口摂取で、冠状動脈血管形成術後の再狭窄を減少させるのに、有効性が示唆されている (94) 。ホモシステインを低下させる療法としての1日当たり葉酸1 mg、0.4 mgのビタミンB12および10 mgのピリドキシンを6ヶ月にわたり摂取した場合、アテローム性動脈硬化症の患者における経皮的冠状動脈形成術 (PTCA) 後の再狭窄と、ターゲット領域の再灌流の速度低下が、重症化しないと思われる (94) 。しかし、ピリドキシンと葉酸とビタミンB1の投与によって、血管形成手術中にステント (人工血管) 留置を受けた患者では、再狭窄のリスクが増大すると示唆している研究者もいる (94) 。
・家族性高コレステロール血症に対し、経口摂取でおそらく効果がない (66) 。
メタ分析
・2008年までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、ホモシステイン濃度を低下させるためにビタミンB12、B6、葉酸を1年以上投与することは、心筋梗塞と脳卒中の発症リスク、全死亡率に影響を与えなかった (PMID:19821378)
・2006年3月までを対象に、3種のデータベースで検索可能な無作為化比較試験16報をメタ分析したところ、ビタミンE、ビタミンC、β−カロテン、セレンおよび葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12のB群ビタミンの投与はアテローム性動脈硬化症の進行に効果が認められなかった (PMID:17023716)
・2008年12月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、心臓もしくは腎臓に疾患のある人に対する葉酸の単独またはビタミンB12、ビタミンB6との併用は、心発作、冠状動脈疾患、脳卒中の発症リスクや全死亡率に影響を与えなかった (PMID:19912385)
・2010年11月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験19報について検討したメタ分析において、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12のB群ビタミンの摂取は、脳卒中リスク低減 (14報) と関連が認められたが、心血管疾患 (14報) 、冠状動脈疾患 (14報) 、心筋梗塞 (10報) 、心血管疾患による死亡 (9報) 、全死亡 (15報) のリスクに影響は認められなかった (PMID:22652362)
・2012年11月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験50報について検討したメタ分析において、ビタミンや抗酸化物質 (ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、β-カロテン、セレン) のサプリメント摂取は心血管疾患 (心筋梗塞、狭心症、脳卒中、一過性虚血発作) の発症および心血管関連死、心突然死のリスクに影響を与えなかった (PMID:23335472)
・2013年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験18報 (検索条件:期間≧12ヶ月) について検討したメタ分析において、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の摂取は脳卒中の発症リスクに影響を与えなかった (PMID:24282609)
・2012年8月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験14報 (検索条件:期間≧6ヶ月) について検討したメタ分析において、B群ビタミン (葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12単独もしくは併用) の摂取は、脳卒中の発症リスクを低下させた (PMID:24049135)
・2013年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験24報 (検索条件:期間≧6ヶ月) について検討したメタ分析において、B群ビタミンサプリメントの摂取は、主要心血管イベント (23報) 、心血管関連死 (15報) 、心筋梗塞 (19報) 、脳卒中 (18報) のリスクや全死亡率 (20報) に影響を与えなかった (PMID:25238614)
RCT
・心血管リスクの高い女性5,442名 (42歳以上、プラセボ群2,721名、アメリカ) に血漿ホモシステイン値を下げるB群ビタミンの錠剤 (葉酸2.5 mg/日、B6 50 mg/日、B12 1 mg/日) を7.3年間摂取させた二重盲検無作為化試験において、心血管リスクは下がらなかった (PMID:18460663)
・冠動脈疾患の患者 (経皮的冠動脈形成術を受けた患者を含む) 348名 (平均60±10.2歳、試験群265名、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 0.8 mg/日、ビタミンB12 0.4 mg/日、ビタミンB6 40 mg/日、3種類併用もしくは葉酸とビタミンB12の併用、ビタミンB6の単独で平均10.5ヶ月間摂取させたところ、冠状動脈の直径狭窄や最小内腔径の変化は認められず、逆に葉酸とビタミンB12の併用群では急速な狭窄を進行させる可能性が示された (PMID:20494665)
・冠状動脈疾患又は大動脈弁狭窄症患者3,096名 (平均61.7歳、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、1日あたり0.8 mg葉酸+0.4 mgビタミンB12を摂取させたところ血中ホモシステイン濃度の低下がみられたが、葉酸+ビタミンB12及びビタミンB6 (40 mg/日) をそれぞれ平均38.4ヶ月間摂取させても、複合発症リスク (死亡、急性心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓性脳卒中) は軽減されなかった (PMID:18714059)
・急性心筋梗塞の経験者3,749名 (30〜80歳、ノルウェー) を対象とした無作為化比較試験において、0.8 mgの葉酸と0.4 mgのビタミンB12と40 mgのビタミンB6、もしくは0.8 mgの葉酸と0.4 mgのビタミンB12、あるいは40 mgのビタミンB6を摂取させた結果、葉酸とビタミンB12を摂取した人々でホモシステイン濃度の低下がみられたが、どの群においても心筋梗塞、脳卒中、冠状動脈疾患による突然死の再発リスクは軽減されなかった (PMID:16531614)
・最近7ヶ月以内に脳卒中もしくは一過性脳虚血発作を発症した患者8,164名 (平均62.6±12.5歳、試験群4,089名、20ヶ国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 (2 mg/日) 、ビタミンB6 (25 mg/日) 、ビタミンB12 (0.5 mg/日) を3.4年間 (中央値) 摂取させたところ、脳卒中、心筋梗塞、およびこれらを原因とした死亡リスク(PMID:20688574)、全がん、各種がん、がんによる死亡リスク (PMID:22474057) 、骨粗鬆症性骨折、股関節骨折リスク (PMID:24004645) に影響は認められなかった。また、この試験の二次解析において、8,072名を対象とした抗血小板薬服用と心血管疾患リスクとの関連では、抗血小板薬服用者 (6,609名、平均62.9±12.3歳、試験群3,306名) では脳卒中、心筋梗塞、およびこれらを原因とした死亡リスクに影響は認められなかったが、抗血小板薬非服用者 (1,463名、平均61.1±13.2歳、試験群734名) ではリスクの低下が認められた (PMID:22554931) 。血管内皮機能との関連では、285名 (試験群143名) を対象とした6ヶ月間摂取で、炎症 (高感度CRP、sCD40L、IL-6) 、内皮機能 (VCAM-1、ICAM-1、vWF) 、血液凝固 (P-セレクチン、プロトロンビンフラグメント1、2) マーカーに影響は認められず (PMID:15569860)、162名 (試験群83名、平均64±12歳) を対象とした3.9±0.9年間摂取で、頸動脈内膜中膜厚や血流依存性血管拡張反応に影響は認められなかった (PMID:18803866) 。脳・神経系との関連では、273名 (試験群136名、平均62.9±12.1歳) を対象とした7.1 ± 2.1 年間摂取で、うつ病の発症リスク低減と関連が認められ (PMID:20976769) 、359名 (試験群174名、平均64.8±12.4歳) を対象とした2年間摂取で、脳のMRIによる白質病変の変化やラクナ梗塞のリスクに影響は認められず (PMID:23093615) 、2,214名 (平均63.6±11.8歳、試験群1,110名) を対象とした2.8年間摂取で、認知機能検査結果 (MMSE) や認知症の発症、認知機能の低下リスクに影響は認められなかった (PMID:23765945)
・心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性脳卒中のいずれかの既往歴がある2,501名 (男性60.9±8.8歳、女性63.2±9.7歳、試験群1,875名、フランス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、B群ビタミン (5-メチルテトラヒドロ葉酸560μg/日、ビタミン B6 3 mg/日、ビタミンB12 20μg/日) とn-3系不飽和脂肪酸600 mg/日 (EPA:DHA=2:1) のどちらか、または両者を平均4.7年間摂取させたところ、主要心血管イベントのリスク (PMID:21115589) 、血圧 (PMID:21801476) に影響は認められず、男性のn-3系不飽和脂肪酸摂取群でのみ抑うつ症状の増加が認められた (PMID:22648722) 。また、そのうち、1,748名 (平均61.0±8.8歳、試験群1,323 名) を対象として認知機能を検討したところ、影響は認められなかった (PMID:21593490) 。また、2,029名 (平均61.2±8.8歳、試験群1,513名) を対象とした3.1±0.4年摂取で、健康関連QOL (SF-36スコア) を検討したところ、B群ビタミン摂取群で精神問題に起因する活動制限が増加し、心筋梗塞既往者においては、n-3系不飽和脂肪酸摂取群で活力の低下が認められた (PMID:24465438) 。また、冠動脈心疾患の既往歴がある1,863名のみを対象とした4.2±1.0年間の調査では、B群ビタミン摂取群で冠動脈再建のリスク増加が認められた (PMID:22365647)
・血管疾患もしくは糖尿病の患者5522名 (カナダ) を対象とした無作為化比較試験において、2.5 mgの葉酸と1 mgのビタミンB12と50 mgのビタミンB6を含む錠剤を毎日摂取させた結果 、血漿ホモシステイン濃度の低下はみられたが、心血管疾患、心筋梗塞、脳卒中のリスクは軽減されなかった (PMID:16531613)
・I型またはII型糖尿病性腎症患者238名 (試験群119名、平均60.7歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 2.5 mg/日、ビタミンB6 25 mg/日、ビタミンB12 1 mg/日を含む錠剤を36ヶ月間摂取させたところ、糸球体ろ過量 (GFR) は減少し、心筋梗塞や脳卒中発作の発生率は増加した (PMID:20424250)
・進行性慢性腎臓病もしくは末期腎臓病の成人患者2,056名 (試験群1,032名、平均65.4歳) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、葉酸 (40 mg/日) 、ビタミンB6 (100 mg/日) 、ビタミンB12 (2 mg/日) を約3.2年間摂取させたところ、総死亡率、心筋梗塞と脳卒中の発生率、透析導入までの時間、透析患者の血栓症への時間に影響はみられなかった (PMID:17848650)
・血液透析を受けている末期腎臓病患者650名 (試験群327名、平均61±13歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 (5 mg) 、ビタミンB12 (50μg) 、ビタミンB 6 (20 mg) を3回/週、平均2年間摂取させたところ、死亡率、心血管イベント発生率に影響はなかった (PMID:20231532)
・腎臓移植を受けた患者4,110名 (試験群2,056名、平均52±9.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、葉酸 (5 mg) 、ビタミンB6 (50 mg) 、ビタミンB12 (1 mg) を平均4年間摂取させたところ、ビタミンB6 (1.4 mg) 、ビタミンB12 (2μg) を摂取させた群と比較して、血中総ホモシステイン濃度は低下したが、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化症などの心血管疾患の発症リスク、全死亡率、透析が必要な腎不全の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:21482964)
・血中ホモシステイン濃度が高めの男性132名 (30〜49歳、試験群99名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、B群ビタミン (葉酸1 mg/日、ビタミンB6 7.2 mg/日、ビタミンB12 0.02 mg/日) と抗酸化ビタミン(ビタミンC 150 mg/日、ビタミンE 67 mg/日、β-カロテン 9 mg/日) をどちらか、または併用で8週間摂取させたところ、血中の非対称型ジメチルアルギニン (ADMA:内因性一酸化窒素合成酵素阻害物質) やCRP(炎症マーカー)の濃度に影響は認められなかった (PMID:20401662)
・健康な高齢者390名 (試験群195名、平均66.7±4.5歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンC 50 mg/日とともに、400μg/日の葉酸+2 mg/日のビタミンB6+10μg/日のビタミンB12を12ヶ月間摂取させたところ、ビタミンC単独摂取に比較し、フラミンガムリスクスコア (冠動脈疾患リスク指標) の評価因子のうち血漿HDLコレステロール値の上昇が認められたが、血漿総コレステロール値、収縮期血圧に影響は認められなかった (PMID:24916013)
その他
・成人58,730名 (40〜79歳、日本) を対象としたコホート研究において、食事からのビタミンB6摂取は、男性 (23,119名) で心不全のリスク低下と関連が認められたが、女性では認められず、脳卒中、冠動脈疾患、心血管疾患のリスクに影響は与えなかった (PMID:20395608)
・成人40,803名 (40〜59歳、日本) を対象としたコホート研究において、食事からの葉酸、ビタミンB6、または、ビタミンB12の摂取は、マルチビタミン非利用者においてのみ、心筋梗塞のリスク低下と関連が認められたが、全体では冠状動脈疾患、心筋梗塞のリスクに影響は与えなかった (PMID:18460491)


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

RCT
・心血管疾患歴もしくは心血管疾患のリスク要因を持つ女性4,252名 (試験群2,132名、平均63.1±8.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 (2.5 mg/日) とビタミンB12 (1 mg/日) 、ビタミンB6 (50 mg/日) を約7.3年間摂取させたところ、糖尿病の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:19491213)

生殖・泌尿器

一般情報
・妊娠に伴う吐き気と嘔吐に対し、経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。25 mgのビタミンB6を8時間おきに72時間摂取した研究で嘔吐とひどい吐き気が改善した。しかしながら、軽度または中程度の吐き気には効果がないようである。また8時間おきの10 mg摂取では吐き気は改善したが嘔吐は改善しなかった。
・経口摂取で月経前症候群 (PMS) に対して、有効性が示唆されている (94) 。乳房の痛み、圧痛、抑うつなど、PMSの症状を改善するという知見がある。ピリドキシン50 mg/日および酸化マグネシウム200 mg/日、1ヶ月間の摂取により、PMSに付随する不安が軽減した (PMID:10746516) 。1日200〜500 mgという高用量のピリドキシン摂取を支持する臨床医もいるが、1日50〜100 mg程度の低用量で効果を示すと思われる。PMSに対する効果はビタミンB6の用量に依存しないため、効果のある最低用量で使用するべきである (94) 。
・信頼性が低い無作為割付臨床試験 (RCT) を統合したシステマティック・レビューからは、全般的な症状に対するビタミンB6の有益性が示された (25) が、3件の無作為割付臨床試験 (RCT) では、ビタミンB6の有益性について相反するエビデンスが見つかった (25) 。
・腎臓結石の再発リスクを減少させるのに、有効性が示唆されている (94) 。ピリドキシン単独あるいはマグネシウムと併用で、遺伝性の儀晋業性高シュウ酸尿 (症) 患者 の尿中のシュウ酸濃度を減少させたという予備的な報告がある。ただし他の種類の腎臓結石には効果がない。また高濃度のピリドキシン摂取は、女性の腎臓結石のリスクを減少させるのに関連しているという知見が幾つかある。しかしこの効果は男性には見られない (94) 。
・乳汁分泌を抑えるのに、経口摂取でおそらく効果がない (94) 。
メタ分析
・2015年3月までを対象に4つのデータベースおよびハンドサーチで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、妊婦によるビタミンB6の摂取が子癇前症 (1報) 、虫歯 (1報) 、母乳産生 (1報) 、胎児の出生体重 (1報) 、新生児仮死 (1分後:1報、5分後:0報) リスクに与える影響は、報告数が少なく、試験の質が低いため結論づけることができなかった (PMID:26039815)
その他
・シュウ酸カルシウムを主成分とする尿路結石患者20名 (15〜65歳) に、ビタミンB6を300 mg/日、2週間経口投与したところ、投与前後で尿中シュウ酸量に変化がなかったという予備的な報告がある (1993116110) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。

脳・神経・
感覚器

<認知機能>
メタ分析
・2011年8月までを対象に4つのデータベースで検索できた50歳以上の成人を対象とした無作為化プラセボ比較試験19報について検討したメタ分析において、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の単独摂取もしくは併用は、認知障害の有無に関わらず、認知機能に影響を与えなかった (PMID:22232016)
・2010年9月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験 (>100名、>3ヶ月間) 11報について検索したメタ分析において、高齢者によるB群ビタミン (葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6) 摂取は、記憶、反応速度、実行機能、全般的認知機能評価の変化 (4報) 、MMSE認知テストスコア (7報) に影響を与えなかった (PMID:24965307)
RCT
・健康な高齢女性220名 (平均63歳、試験群111名,ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンサプリメント (ビタミンC 150 mg、ビタミンE 36 mg、ビタミンB1 2.4 mg、ビタミンB2 3.2 mg、ビタミンB6 3.4 mg、ビタミンB12 9μg、ナイアシン34 mg、パントテン酸16 mg、ビオチン200μg、葉酸 400μg、カロテン9 mg、マグネシウム50 mg、セレン60μg含有) を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能に影響は認められなかった (PMID:15917019)
・血漿ホモシステイン濃度が高い (13μmol/L以上) 、健康な65歳以上の高齢者 (ニュージーランド) を対象とした二重盲検ランダム化比較試験において、ビタミンB12 (500μg) と葉酸 (1,000μg) とビタミンB6 (10 mg) を含むサプリメントを1日1錠、2年間摂取した結果、血漿ホモシステイン濃度は低下したが、認知機能試験の成績は改善しなかった (PMID:16807413)
・軽度〜中程度のアルツハイマー症患者409名 (平均76.3±8歳、試験群240名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸5 mg/日、ビタミンB6 25 mg/日、ビタミンB12 1 mg/日を18ヶ月間併用させたところ、血中ホモシステイン濃度の低下がみられたが、アルツハイマー認識症状スコア (ADAS-cog) に効果は認められず、抑うつ傾向の増加が認められた (PMID:18854539)
・高血圧症の男性高齢者299名 (試験群150名、平均79.3±2.8歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンB12を400μg/日、ビタミンB6 25 mg/日、葉酸2 /日、2年間摂取させたところ、アルツハイマー認識症状スコア (ADAS-cog) に影響は認められず、8年後までの追跡調査でも認知障害、痴呆症の発症率に影響はなかった (PMID:20861451)
・軽度認知症の高齢者168名 (試験群85名、平均77.0±5.2歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 0.8 mg/日、ビタミンB6 20 mg/日、ビタミンB12 0.5 mg/日、24ヶ月間摂取させたところ、MRI画像解析による脳萎縮率の増加抑制が認められた (PMID:20838622)
その他
・高齢者965名 (65歳以上、アメリカ) を対象としたコホート研究において、ビタミンB12、ビタミンB6の摂取はアルツハイマーのリスクに影響は与えなかった (PMID:17210813)

<その他>
一般情報
・自閉症児の治療にマグネシウムとの併用で、効果がないことが示唆されている (94) 。中程度 (200 mg/日) または高用量 (600 mg/日) のピリドキシンとマグネシウムを、10〜32週間併用させたところ、小児の自閉症的行動の改善は見られなかった (94) 。
・遅発性ジスキネジー (口をもぐもぐさせる、歯をくいしばる、舌なめずりをする、足踏み、体をねじる、ゆする等の不随意運動をする。抗精神薬を長期投与したとき等にみられる) に対し、経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。ピリドキシン400 mg/日の摂取は、パーキンソン病の症状、ジストニアの症状、そして統合失調症に対して神経安定薬を投与されている患者のジスキネシー症状を改善すると思われる (94) 。
・多動性脳機能障害症候群 (hyperkinetic cerebral dysfunction syndrome) の小児に対し、経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。セロトニンレベルの低い多動性の小児に対し効果があると言う予備的な報告がある (94) 。
RCT
・75歳以上の男性299名 (試験群150名、平均79.3±2.7歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンB6 25 mg/日、ビタミンB12 400μg/日、葉酸2 mg/日を2年間摂取させたところ、BDI (Beck Depression Inventory) スコアによるうつ病の評価およびうつ病の発症率には変化が認められなかった (PMID:18557664)
・心疾患もしくは心疾患リスクのある女性5,205名 (平均62.6歳、試験群2,607名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、1日に葉酸を2.5 mg、ビタミンB6を50 mg、ビタミンB12を1 mg、平均7.3年間摂取させたところ、加齢性黄斑変性の発症リスクが低下した (PMID:19237716)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・フルオロウラシルを投与されている転移性大腸がん患者における紅斑異感覚症候群 (皮膚が赤くなり、ぼろぼろはがれ落ちる症状) に対して、部分的に回復させるのに有効性が示唆されている (66) 。それによってフルオロウラシルによる継続的治療が可能となる。
・経口摂取で、肺がんのリスクを減少させるのに有効性が示唆されている (94) 。疫学調査により、血中ピリドキシン濃度の高い男性喫煙者は、肺がんリスクが低いという結果が示された (94) 。
メタ分析
・2013年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた臨床試験8報について検討したメタ分析において、ビタミンB6の摂取は化学療法による手足病症候群の症状の改善 (3報) と関連が認められたが、発症リスク (8報) には影響が認められず、いずれも試験によるバラツキが大きかった (PMID:25557587)
・2014年4月までを対象に1つのデータベースで検索できたコホート研究47報について検討したメタ分析において、葉酸 (22報) 、ビタミンD (14報) 、ビタミンB6 (11報) 、ビタミンB2 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンA (6報) 、ビタミンC (9報) 、ビタミンE (10報) 、ビタミンB12 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスクに影響を与えなかった (PMID:25491145)
RCT
・心血管疾患リスクの高い女性5,442名 (試験群2,721名、平均62.8±8.8歳、アメリカ) を対象とした、二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、葉酸 2.5 mg/日、ビタミンB6 50 mg/日、ビタミンB12 1 mg/日を7.3年間摂取させたところ、侵襲性がんや乳がんの発症リスク、全がんによる死亡率に効果は認められなかった (PMID:18984888)
・アフタ口内炎の経験者160名 (試験群83名、平均35.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、パントテン酸、葉酸を米国の食事摂取基準値の100%量含有するマルチビタミンを1年間摂取させたところ、アフタ口内炎発生数、症状の持続期間、口内の痛みなどに影響は認められなかった (PMID:22467697)
その他
・826名 (症例208名、平均62.2±8.3歳、アメリカ) を対象としたコホート内症例対照研究において、すい臓がん診断の2年以上前の血中ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ホモシステイン濃度と発症リスクに関連はみられなかった (PMID:17545639)

骨・筋肉

一般情報
・慢性腰痛患者を対象にした2件の無作為割付臨床試験 (RCT) から、非ステロイド性抗炎症薬とビタミンB6との併用は抗炎症薬単独よりも有効であることが見出された (25) 。

発育・成長

一般情報
・自閉症児の治療にマグネシウムと併用の経口摂取で、効果がないことが示唆されている (66) 。200 mg/日という中程度の用量および600 mg/日という高用量のピリドキシンをマグネシウムとの併用で10〜32週間摂取した結果、小児の自閉症的行動の改善は見られなかった (66) 。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

一般情報
・遺伝性鉄芽球性貧血 (ピリドキシン応答性貧血) に対し経口摂取で有効である (94) 。
・赤血球のヘモグロビンの合成に関わる為、欠乏により血色素減少症、(小赤血球性) 貧血をおこす (2) (13) (4) (5) 。
・経口摂取で全身麻酔に関連する高ホモシステインを減少させるのに、有効性が示唆されている (94) 。25 mgのピリドキシンと2.5 mgの葉酸及び500μgのビタミンB12を含むサプリメントの毎日の摂取は、亜酸化窒素 (笑気ガス) 麻酔によリ増加したホモシステインレベルを減少させるようだ (94) 。
・老化により血清中ビタミンB6濃度が低下するという報告がある (54) 。
その他
・高齢女性38,772名 (平均61.6歳、アメリカ) を対象に平均19年間の追跡を行ったコホート研究において、カルシウムサプリメント利用者では総死亡リスクの低下が認められたが、マルチビタミン、ビタミンB6、葉酸、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅サプリメントの利用者では死亡リスクの増加が認められた (PMID:21987192)

(欠乏症・先天異常)
・ビタミンB6欠乏症の予防と治療に経口摂取で有効である (94) 。
・キサンツレン酸尿症、初期のシスタチオニン尿症、初期のホモシスチン尿症、初期の高シュウ酸塩尿症などを含む代謝異常の患者の治療に、経口摂取で有効である (66) 。





試験管内・
動物他での
評価

・神経伝達物質 (セロトニン、タウリン、ドーパミン、ノルエピネフリン、ヒスタミンやγ-アミノ酪酸) の合成にかかわる (1) (6) 。
・免疫機能維持に重要な核酸合成に関わる為、免疫応答に影響を与え (1) (13) 、欠乏すると免疫低下やアレルギーを招くと考えられる (2) (5) (13) 。
・脂質代謝に関わり (2) 、脂肪肝の予防に役立つ (5) 。
・トランスアミナーゼの補酵素として各種アミノ酸、アミン類の生合成に関与する (3) (13) (4) (55) (51) ため健康な皮膚や髪を造る (5) 。
・グリコーゲン分解に関与する (1) (55) (51) 。

安全性

危険情報

<一般>
・経口摂取で適切にピリドキシンを使用する場合、おそらく安全である。また、非経口で適切にピリドキシンを使用する場合、おそらく安全である。注射剤は米国食品医薬品局 (FDA) に承認された処方薬である (94) 。
・ピリドキシンを過剰に (経口摂取で1,000 mg/日) または長期間 (トータルで1,000 g/日) 摂取した場合、危険性が示唆されている (66) 。
・過剰摂取により知覚神経障害 (3) (13) 、末梢感覚神経障害 (3) (13) 、筋肉脆弱 (13) 、精巣萎縮 (13) 、精子数減少 (13) 、光過敏症 (54) (94) 、吐き気 (94) 、嘔吐 (94) 、腹痛 (94) 、食欲不振 (94) 、頭痛 (94) 、錯感覚 (94) 、眠気 (94) 、血中AST (GOT) の上昇 (94) 、血中の葉酸濃度減少 (94) 、皮膚反応やその他のアレルギー反応 (94) 、乳房の痛みと膨張感 (94) などを起こすことがある。
・月経前症候群や関連した機能異常の治療にビタミンB6を使用 (長期にわたり500 mg投与) したときの、神経毒性や光過敏症の例が少数ある (1) 。250 mg以下であれば大部分の人にとって安全である (1) 。
・2〜40ヶ月にわたりピリドキシンを一日2,000〜4,000 mg摂取して末梢性感覚性神経症になったという報告、300〜500 mgの連用で知覚神経障害が起こったという報告がある (3) 。
・一日1,000 mgのビタミンB6の長期連用でシュウ酸腎臓結石発生の危険性が示唆されている (3) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の経口摂取は、米国では、食事摂取基準 (以下DRI) で定められた1.9 mgという推奨量 (以下RDA) のレベルであればおそらく安全である。また、RDAを超える量を経口摂取で適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) (日本人には「日本人の食事摂取基準」の推奨量や目安量、耐容上限量を参照 (詳細は「ビタミンB6解説」) 。持効性のピリドキシン75 mg/日は、米国食品医薬品局 (FDA) により妊娠中の使用が許可されている。ただし、長期の摂取や、医師の指導の下での定期的なモニターなしでの摂取は控えるべきである。妊娠中の過剰な経口摂取は危険性が示唆されている (94) 。高濃度ピリドキシンの過剰な摂取は新生児の発作と関連があるようだ (94) 。
・授乳中の経口摂取は、米国では、DRIで定められた2 mgというRDAのレベルを超えなければおそらく安全である。ただし授乳中の高用量の摂取の安全性に関しては十分な情報が得られていない (94) (日本人には「日本人の食事摂取基準」の推奨量や目安量、耐容上限量を参照 (詳細は「ビタミンB6解説」)) 。
<被害事例>
・ビタミンB6との因果関係が疑われる健康被害が多数報告されている。
1) 52歳男性 (日本) が酪酸ハイドロコーチゾンと塩酸ピリドキシンを熱傷の治療に用い、接触皮膚炎を発症した (1985107088) 。
2) 45歳女性 (日本) がビタミンの輸液注入を受けたところ、ピリドキサール-5-リン酸 (ビタミンB6) と特定の物質の結合による抗原性を示し、即時過敏症が起こった (2002074994) 。
3) 35歳女性 (日本) がチアミンジスルフィド、塩酸ピリドキシン、酢酸ヒドロキソコバラミン含有の点滴を受けたところ、熱感を伴う紅斑が出現し、固定薬疹と診断された (1991054807) 。
4) 71歳男性 (日本) の皮膚 (日光に当たる部位) に丘疹性落屑性紅斑が出現し、ピリドキシン塩酸による光アレルギー性薬疹と診断された (1997120975) 。
5) West症候群の小児59名 (日本) に、ビタミンB6 (リン酸ピリドキサール) の大量投与を行ったところ、著効例は9名、やや有効例は2名、無効例は48名であった。投与量が40 mg/kg/日を超えても、それ以上の改善は認められなかった。なお、副作用は下痢9名、嘔吐28名、肝機能障害16名の計33名に認められた (1994136799) 。
6) 5ヶ月男児 (日本) がWest症候群の治療として、ビタミンB6 (リン酸ピリドキサール) 静注による大量療法 (50 mg/kg) に引き続き、内服によるビタミンB6 (塩酸ピリドキシン) 超大量療法 (300 mg/kg) を開始したところ、横紋筋融解症を発症した (2001124699) 。
7) 39歳女性がマルチビタミンサプリメントとビタミンB6を50 mg/日で、3ヶ月間併用したところ、足と下腿部に灼熱痛および電気的ショックを感じるようになった。症状はビタミン剤の使用中止後、1週間以内になくなった (102) 。
8) 69歳女性がビタミンB6を600 mg/日で、3〜4年間摂取したところ、持続性めまいおよび開脚歩行を発症し、前庭再訓練に応答せず、ビタミンB6毒性による混合型近位感覚系神経障害と診断された (102) 。
9) 27歳女性 (アメリカ) がむくみ予防を目的として、ビタミンB6を500 mg/日〜5,000 mg/日2年間摂取したところ、歩行困難などの運動失調および感覚神経失調を発症し、摂取中止により改善した (PMID:6308447)
10) 肥満外科手術を受けた50歳女性 (ドイツ) が、医師による処方で術後にビタミンB6を300 mg/日、6ヶ月間摂取したところ、下痢、嘔吐、皮膚の褐色化 (特に日に当たる部分) を生じ、摂取中止により改善した (PMID:26039319)

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・短期のメトフォルミン治療を受けている多嚢胞性卵巣症候群の女性患者60名 (試験群:B群ビタミン19名、葉酸17名、トルコ) を対象とした前向き無作為化試験において、メトフォルミン (850 mgを1日2回) とB群ビタミン (ビタミンB1 250 mg, ビタミンB6 250 mg, ビタミンB12 1000μgをそれぞれ1日2回) または葉酸 (174μgを1日2回) を3ヶ月間摂取させたところ、血清中ホモシステイン濃度が減少した (PMID:15790610)

<理論的に考えられる相互作用>
・アミオダロン (抗不整脈薬) との併用は、光過敏症のリスクを上昇させる可能性がある。レボドパ (パーキンソン病薬) やフェニトイン・フェノバルビタール (抗てんかん薬) との併用は、これらの薬物の血中濃度を減少させるおそれがある (PMID:6140378) (PMID:3890657) (PMID:55569) (101) (2003143089) 。
・抗生物質、エストロゲン、ヒドララジン、テオフィリン、イソニアジドなどいくつかの医薬品はビタミンB6の吸収および血中濃度に影響を与えることが知られている (PMID:9406136) (PMID:3103209) (PMID:9167138) (PMID:7895417) (PMID:8198105) (PMID:2108325) (PMID:3283095) (PMID:4051444) (PMID:6389475) (PMID:952302) (PMID:52087) (PMID:1941528) (PMID:5847557) (PMID:3987378) (PMID:6269259) (PMID:3384587) (PMID:7878077) (PMID:8480077) (PMID:2192613) (PMID:8430923) (PMID:1096686)
・臨床検査においてウロビリノーゲン値に対して影響を与えることがある (102) 。
・摂取タンパク量にビタミンB6必要量が依存する (3) (54) (51) (6) 。
・アルコール、経口避妊薬 (54) によりビタミンB6必要量が増大する (55) (56) 。

動物他での
毒性試験

・サルモネラ菌で調べたところ、B群ビタミンの熱分解産物は薬物代謝酵素が働いた場合に変異原性を現し、特にビタミンB6の産物は強い変異原性を示した (1990091126) 。
・雄性ラットに、異なる量の塩酸ピリドキシン (125 mg/kg、250 mg/kg、500 mg/kg、1,000 mg/kg/日) を週5回、腹腔内投与したところ、6週間後には500 mg/kg以上の投与群で精巣・精巣上体の重量、精子数が著しく減少した (1992156435) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・過剰摂取により、知覚神経障害、末梢感覚神経障害、筋肉脆弱、精巣萎縮、精子数減少、光過敏症、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振、頭痛、錯感覚、眠気、血中AST (GOT) 、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ (SGOT) の上昇、血中の葉酸濃度減少、皮膚反応やその他のアレルギー反応、乳房の痛みと膨張感などを起こすことがある。妊娠中・授乳中の経口摂取は、所要量レベルを超えなければおそらく安全である。アミオダロン (抗不整脈薬) との併用は、光過敏症のリスクを上昇させる可能性がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・経口で有効と判断できるのは、1) 鉄芽球性貧血、2) ビタミンB6欠乏症の予防と治療、3) キサンツレン酸尿症、初期のシスタチオニン尿症、初期のホモシスチン尿症、初期の高シュウ酸塩尿症などを含む代謝異常の患者の治療に対する作用である。経口摂取でおそらく有効と判断できるのは、葉酸およびビタミンB12との併用による高ホモシステイン血症の改善である。経口摂取で有効性が示唆されているのは、1) 妊娠に伴う吐き気と嘔吐、2) 月経前症候群 (PMS) 、3) 遅発性ジスキネジー、4) セロトニンレベルの低い多動性脳機能障害症候群、5) 腎臓結石の再発リスクの減少、6) 全身麻酔に関連する高ホモシステインの減少に対する作用である。
・経口摂取で効果がないことが示唆されているのは、自閉症児の治療に対してマグネシウムと併用することである。おそらく効果がないのは、1) 家族性高コレステロール血症、2) 乳汁分泌の抑制に対する作用である。

参考文献

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(2) 新栄養化学 朝倉書店 内藤 博ら
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(4) 四訂 食品成分表 女子栄養大出版部 香川芳子 監修
(5) 栄養成分バイブル 主婦と生活社 中村丁次
(6) よくわかるビタミンブック 主婦の友社 吉川敏一
(13) ビタミンの辞典 朝倉書店 日本ビタミン学会 編
(25) クリニカル・エビデンス日本語版 日経BP社 日本クリニカル・エビデンス編集委員会
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