健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ルテイン [英]Lutein [学名]-

概要

ルテインは、植物の緑葉、黄色花の花弁や果実、ホウレンソウ、ケール、トウモロコシ、ブロッコリーなどの野菜、卵黄に多く含まれており、自然界に広く分布するカロテノイドの一つであるが、ビタミンAには変換されないキサントフィルである。体内ではゼアキサンチンと共に目の網膜中央にある黄斑部に存在し、パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライト (青色光) から網膜を保護するはたらきがあると言われている。俗に、「目によい」「抗酸化作用がある」などと言われているが、食事から多く摂取した場合、白内障や加齢黄斑変性症のリスクの低減に対して、ヒトでの有効性が示唆されているものの、サプリメントとして摂取した場合に同様の効果があるかどうかは不明である。また、健常者での眼の有効性に関する信頼できるデータは限定的である。安全性については、食事から摂取する場合、おそらく安全である。市場に出まわっているルテインには、ルテインとルテインエステルが存在するため、注意が必要である。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ルテインは「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (一般的に安全とみなされた物質) 認定 (ルテインエステルは除く) 。
・既存添加物:マリーゴールド色素 (主色素はルテインの脂肪酸エステル) は着色料である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・分子式:C40H56O2、分子量568.88
・カロテノイド (キサントフィル) の一種 (31) 。
・α-カロテンの2つの環状構造にヒドロキシ基が入ったカロテノイドアルコール (76) 。
・別名:β, epsilon-carotene-3,3'-diol.とも言われる(94)。
・ゼアキサンチンの異性体である。

分析法

・ダイオードアレイ検出器を装着したHPLCによる分析の報告がある (PMID:12590476) (PMID:12696944)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・食事からルテインを多く摂取しても、冠状動脈疾患のリスク低減に効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・成人男女293,172名 (35〜77歳、アメリカ) を対象とした9つのコホート研究の結果を統合した解析において、ルテイン摂取量と冠状動脈疾患発症リスクに関連は認められなかった (PMID:15585762)
・2014年8月までを対象に6つのデータベースで検索できた疫学研究71報について検討したメタ分析において、ルテインの摂取は、冠動脈性心疾患 (10報) 、脳卒中 (3報) 、メタボリックシンドローム (6報) のリスク低下と関連が認められたが、II型糖尿病 (4報) リスクには影響を与えなかった (PMID:26762372)
RCT
・健康な成人40名 (50〜70歳、男性15名、閉経後女性25名、アメリカ) を対象とした無作為化比較試験において、ルテイン12 mg/日を単独またはチャ抽出物 200 mg/日と併用し、16週間摂取させたところ、血漿中のルテイン、総カロテノイド、アスコルビン酸濃度の増加が認められたが、抗酸化活性や脂質過酸化反応の指標に影響は認められなかった (PMID:19447020)
・初期アテローム硬化症患者65名 (試験群34名、平均57.8±3.1歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を3ヶ月間摂取させたところ、血清MCP-1の低下が認められたが、その他炎症マーカー (IL-6、IFN-γ、VCAM-1、ET-1) や血中脂質濃度 (LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) 、apoE濃度、血糖値に影響は認められなかった (PMID:23154578)
・健康な非喫煙者117名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテインを10 mg/日 (試験群38名、平均54.6±12.8歳) または20 mg/日 (試験群39名、平均55.2±11.7歳) 、12週間摂取させたところ、20 mg/日摂取群でのみ、血漿CRP濃度の低下が認められたが、血漿中総抗酸化能、抗酸化酵素活性 (GPx、SOD、カタラーゼ)、脂質濃度 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) に影響は認められなかった (PMID:23398944)
・健康な18〜60歳男性 (イギリス) を対象とした二重盲検無作為プラセボ比較試験において、β-カロテン (試験群25名、平均38.9±2.0歳) 、ルテイン (試験群21名、平均39.5±2.0歳) 、リコピン (試験群23名、平均40.7±2.0歳) をそれぞれ15mg/日、26日間摂取させたところ、β-カロテン群において血中のリノール酸の上昇が認められ、リコピン群において血中のリノール酸濃度と不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸の低下が認められたが、その他の脂肪酸 (10/11項目) や総脂肪酸、脂肪酸分類 (飽和脂肪酸をはじめ4/4項目) では変化は認められなかった (PMID:10595786) 。また、リコピン群において免疫指標 (1/6項目) の上昇、ルテイン群で免疫指標の相対的蛍光強度の中央値 (1/6項目) の上昇が認められたが、その他の項目では認められなかった (PMID:10944479)


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・食事からルテインを多く摂取しても、II型糖尿病のリスク低減に効果がないことが示唆されている (94) 。
その他
・男女4,294名 (40〜69歳、フィンランド) を対象としたコホート研究において、ルテイン+ゼアキサンチン摂取量と糖尿病発症リスクに関連は認められなかった (PMID:14747214)

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

<眼>
一般情報
・疫学調査において、食事からルテインを多く摂取すると、手術が必要なほどの白内障、加齢黄班変性の発生リスク低減に有効性が示唆されている (94) 。ただしサプリメントとして摂取した場合に同等の効果があるかどうかは不明である (94) 。
メタ分析
・2016年5月までを対象に4つデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験20報について検討したメタ分析において、加齢黄斑変性症患者や健常人によるルテイン、ゼアキサンチン、メソゼアキサンチンの摂取は黄斑色素光学濃度の増加と関連が認められた (PMID:27420092)
・2014年4月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験8報について検討したメタ分析において、加齢黄斑変性症患者によるルテインとゼアキサンチンの摂取 (7報) は、加齢黄斑変性症の改善と関連が認められたものの、試験によるばらつきが大きかった (PMID:25515572)
・2014年2月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験5報について検討したメタ分析において、ルテインの摂取は黄斑色素光学密度の増加と関連が認められたが、視力に影響は認められなかった (PMID:25358528)
・2013年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた前向きコホート研究6報について検討したメタ分析において、ルテインとゼアキサンチンの摂取量が多いと、核白内障 (5報) の発症リスク低下と関連が認められたが、皮質白内障 (2報) 、後嚢下白内障 (2報) の発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:24150707)
・2010年4月までを対象に5つのデータベースで検索できたコホート研究6報について検討したメタ分析において、ルテインとゼアキサンチンの摂取は後期加齢黄斑変性のリスク低減と関連が認められたが、初期加齢黄斑変性の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:21899805)
・2007年2月までを対象に7個のデータベースで検索出来た無作為化比較試験および前向きコホート研究12報について検討したメタ分析において、抗酸化物質 (ビタミンA、C、E、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチン、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン) の摂取量と早期加齢黄斑変性症の発症に関連は認められなかった (PMID:17923720)
RCT
・萎縮性加齢黄斑変性症患者90名 (試験群59名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mgを単独または他の抗酸化物質やビタミン、ミネラルと併用で12ヶ月間摂取させたところ、ARMDの視覚機能の改善が認められた (PMID:15117055)
・加齢黄斑変性症患者126名 (平均71.6±8.6歳、試験群84名、オーストリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を3ヶ月間、その後10 mg/日を3ヶ月間摂取させたところ、黄斑色素量の増加が認められたが、視力や黄斑機能に影響は認められなかった (PMID:21873668)
・健康な成人75名 (試験群50名、平均36.6歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ゼアキサンチン5 mg/日+ルテイン10 mg/日またはβ-カロテン15 mg/日を8週間摂取させたところ、黄斑色素レベル、血清中の炎症マーカー (ICAM-1、VCAM-1、CRP) 、および尿中の酸化マーカー (イソプロスタン) に影響は認められなかった (PMID:22313522)
・早期加齢黄斑変性症患者44名 (試験群23名、平均69.2±7.8歳、スペイン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン12 mg/日とDHA 280 mg/日を1年間併用させたところ、黄斑色素光学密度の増加が認められた (PMID:23434908)
・加齢黄斑変性患者4,203名 (50〜85歳、試験群3,191名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mg/日+ゼアキサンチン2 mg/日、または、DHA 350 mg/日+EPA 650 mg/日との併用で5年間摂取させたところ (PMID:22840421) 、加齢黄斑変性の症状の進行 (PMID:23644932) 、白内障手術が必要となる頻度、視力損失リスク (PMID:23645227) 、心血管疾患発症リスク、心血管疾患による死亡率 (PMID:24638908) に影響は認められず、二次解析において、DHA+EPAの摂取による認知機能 (PMID:26305649) への影響も認められなかった。
・初期加齢黄斑変性症患者72名 (試験群36名、平均71.9±8.7歳、イギリス、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテインエステル10 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、視力低下の抑制が認められた (PMID:23385792)
・中心性漿液性網膜症患者39名 (試験群20名、平均51.2±9.0歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を4ヶ月間摂取させたところ、黄斑色素光学密度に影響は認められなかった (PMID:25074771)
・健常成人 (22〜73歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン6 mg/日、ビタミンA 750μg/日、ビタミンC 250 mg/日、ビタミンE 34 mg/日、亜鉛10 mg/日、銅0.5 mg/日を、46名 (試験群21名、平均49.8±16.4歳) に9ヶ月間、このうち29名 (試験群14名、平均46.7±16.0歳) に18ヶ月間摂取させたところ、視力、コントラスト感度、光ストレス試験の結果に改善は認められなかった (PMID:18294739)
・健康なドライバー120名 (試験群60名、平均36.5±1.6歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、網膜中心部の黄斑色素光学密度の増加、薄明所および明所でのコントラスト感度の上昇、まぶしさによる見えにくさの改善が認められ、視覚機能に関する主観的評価 (NEI-VFQ-25) において車の運転に関する項目でのみ改善が認められたが、最高矯正視力およびNEI-VFQ-25の総スコアに影響は認められなかった (PMID:23360692)
・非滲出型(ドライタイプ)加齢黄斑変性症患者20名 (試験群10名、平均67±9歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ケール油抽出物含有飲料50 mL/日 (ルテイン10 mg+ゼアキサンチン3 mg含有) を4週間摂取させたところ、黄斑色素キサントフィル光学密度が増加した (PMID:24103519)
・健康な男女37名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン 6 mg/日 (試験群12名、平均24.2±1.6歳) または12 mg/日 (試験群13名、平均24.2±1.2歳) 、12週間摂取させたところ、6 mg群で偏心1/6項目でコントラスト感度の上昇が認められたが、12 mg群では認められなかった。また、グレア感度にも影響は認められなかった (PMID: 19586568)
・健康な大学生109名 (試験群53名、平均23.7±4.61歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mg/日+ゼアキサンチン2 mg/日を1年間摂取させたところ、摂取期間を通して、黄斑色素光学密度が中心窩から 10’、30’、60’ 、105’分離れた離心角で増加促進、光ストレス回復度と色コントラスト感度の向上が認められたが、減能グレアには影響は認められなかった (PMID:25468896)
・成人の男女34名 (平均49.2±9.0歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mg/日を12週間と引き続きルテイン30 mg/日を12週間摂取させたところ、照度が非常に低い (0.1%) 場合、視力の低下が認められたが、照度が正常 (100%) 、低い (4%) 、非常に低い (0.1%) 状態における、コントラスト感度に影響は認められなかった (PMID:16759390)
・網膜色素変性症のためにビタミンAを15,000 IU摂取している男女225名 (試験群110名、平均40±1.0歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン12 mg/日を4年間摂取させたところ、HFA60-4プログラムで中心視野感度の低下が抑制されたが、他の視機能の年間変化量に差は認められず、HFA60-4プログラムで白内障エリアに影響は認められなかった (PMID:20385935)
・初期の加齢黄斑変性症患者108名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mg/日(試験群26名、平均69.9±8.4歳) 、ルテイン20 mg/日(試験群27名、平均69.0±6.8歳) 、ルテイン10 mg/日+ゼアキサンチン 10 mg/日 (試験群27名、平均68.6±7.0歳) を48週間摂取させたところ、全ての群で偏心度3°の時の網膜平均感度が上昇したが、偏心度1°では認められなかった。ルテイン20 mg群では偏心度5°における網膜平均感度の上昇、網膜電図2/6領域 (リング1、2)の応答密度の増加、ルテイン10 mg+ゼアキサンチン10 mg群では黄斑色素光学密度の増加促進、偏心度5°における網膜平均感度の上昇、網膜電図1/6領域 (リング1) の応答密度の増加が認められたが、ルテイン10 mgではいずれも認められなかった。また、ルテイン20 mg群でコントラスト感度3サイクルと6サイクルの時、最高矯正視力の上昇促進が認められたが、12サイクルと18サイクルの時には上昇は認められなかった。ルテイン10 mg群やルテイン10 mg+ゼアキサンチン10 mg群でも影響は認められなかった。黄斑色素光学密度はすべての群で影響が見られなかった。引き続き2年間摂取させたところ、偏心度1°における網膜平均感度がルテイン10 mg群とルテイン20 mg群で上昇が認められた (PMID: 25228440) (PMID:22835510) (PMID:22858124)
・18歳以上の健康な44名 (試験群22名、平均43±13歳、アイルランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メソゼアキサンチン10.6 mg+ルテイン5.9 mg+ゼアキサンチン1.2 mg含有タブレットを1錠/日、6ヶ月摂取させたところ、偏心度0.5°で時間経過と黄斑中心部の黄斑色素光学密度に影響が認められたが、偏心度0.25°では影響は認められなかった (PMID:21979997)
・非増殖性糖尿病性網膜症患者30名 (試験群15名、平均58.6±8.9歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mg/日を36週間摂取させたところ、視力、コントラスト感度、グレア感度に影響は認められなかった (PMID:28429904)

<その他>
メタ分析
・2013年4月までを対象に2つのデータベースで検索できた疫学研究8報について検討したメタ分析において、ビタミンA (3報) 、α-カロテン (2報) 、β-カロテン (6報) 、β-クリプトキサンチン (3報) 、ルテイン (4報) 、リコピン (3報) の摂取量はパーキンソン病リスクに影響を与えなかった (PMID:24356061)

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・2013年10月までを対象に5つのデータベースで検索できた症例対照研究5報、コホート研究5報について検討したメタ分析において、ルテインの摂取は、胃がんリスクに影響を与えなかった (PMID:25726725)
・2012年5月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験10報について検討したシステマティックレビューにおいて、カロテノイド (β-カロテン、α-カロテン、リコピン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン) の摂取は、食道がん (10報) の発症リスクの低下との関連が認められた (PMID:23679292)
・2011年8月までを対象に11のデータベースで検索できた前向き研究24報について検討したメタ分析において、血中のルテイン濃度 (6報) が高いと乳がんリスクの低下に関連が認められたが、血中のルテイン/ゼアキサンチン濃度 (4報) やルテイン/ゼアキサンチン摂取量 (5報) との関連は認められなかった (PMID:22760559)
・2011年5月までを対象に、3つのデータベースで検索できた観察研究33報について検討したメタ分析において、コホート研究では食事由来のα-カロテン (6報) 、症例対照研究では食事由来のα-カロテン (10報) 、ルテイン+ゼアキサンチン (11報) 、リコピン (10報) および総β-カロテン (25報) 摂取量が多いと乳がん発症リスクが低かったが、いずれも試験によるバラツキが大きく、β-クリプトキサンチン (コホート研究6報、症例対照研究9報) の摂取量は関連が認められなかった (PMID:21901390)
・2007年9月までを対象に、11のデータベースで検索できた観察研究16報について検討したメタ分析において、食事由来の総カロテノイド (8報) 、α-カロテン (8報) 、β-クリプトキサンチン (8報) 、リコピン (9報) 、ルテイン+ゼアキサンチン (5報) の摂取量が多いと肺がんリスク (発症または死亡) が低かったが、β-カロテン (11報) 、ルテイン (4報) の摂取量は関連が認められなかった (PMID:18689373)
・2003年までに行われたコホート研究11報について検討したメタ分析において、ルテインとゼアキサンチンの摂取は直腸がんの発生リスクの低下との関連が認められた (PMID:17158857)

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

RCT
・新生児集中治療室に入院している早産児 (在胎期間34週以下) 77名 (試験群38名、平均在胎期間30.7±2.3週、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン0.5 mg/kg体重/日+ゼアキサンチン0.02 mg/kg体重/日を生後7日目から分娩予定日 (母親の最終月経から40週目) または退院日まで摂取させたところ、総抗酸化能、経口栄養摂取量、人工乳移行率に影響は認められなかった (PMID:23480554)
・新生児集中治療室に入院している早産児 (在胎期間32週以下) 63名 (試験群31名、平均在胎期間30±1.9週、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン0.5 mg/kg体重/日+ゼアキサンチン0.02 mg/kg体重/日を生後7日目から分娩予定日 (母親の最終月経から40週目)まで摂取させたところ、未熟児網膜症の発生率に影響は認められなかった (PMID:21942614)
・在胎期間33週未満で生まれた1〜21日齢の未熟児183名 (試験群92名、平均在胎期間29.6±0.2週、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為クロスオーバープラセボ比較試験において、カロテノイド (ルテイン/ゼアキサンチン、リコピン、β-カロテン) 配合ミルクを在胎40週まで摂取させたところ、血中のルテイン、リコピン、β-カロテン濃度の上昇が認められた。次いで50週まで (試験群91名、平均在胎期間30.4±0.2週) 摂取させたところ、桿体細胞光受容体感度や光視覚網膜電図等の指標は影響が認められなかった (PMID:21760585)
・在胎期間32週以下で生まれた未熟児114名 (試験群58名、平均在胎期間28.8±2.4週、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン0.14 mg+ゼアキサンチン0.006 mg入りの溶液0.5 mL/日を退院まで摂取させたところ、未熟児網膜症の発生には影響は認められなかった (PMID:22003960)
・妊娠32週未満で生まれ新生児集中治療室で治療中の低出生体重新生児229名 (113名、平均在胎期間30.1±1.8週、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カロテノイド補給液 (ルテイン0.14 mg+ゼアキサンチン0.0006 mg含有) を0.5 mL/日、在胎予定36週まで摂取させたところ、未熟児網膜症、壊死性腸炎、気管支肺形成異常症の発生率に影響は認められなかった (PMID:22773282)

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

RCT
・乾燥肌の女性30名 (48〜59歳、試験群20名、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン3 mg、α-リポ酸2.5 mg、アスコルビン酸45 mg、トコフェロール5 mgを含有するサプリメントを1日2カプセル、8週間摂取させたところ、赤血球中の活性酸素量の低下と皮膚の水分量および脂質量の増加、皮膚の過酸化脂質量の低下が認められた (PMID:18494887)
・健康な25〜50歳の女性20名 (試験群10名、平均32.4±4.1歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン5 mg+ゼアキサンチン0.3 mgを2回/日、12週間摂取させたところ、皮膚の表面脂質、光保護活性、皮膚弾力性、水分量の増加が認められ、皮脂の過酸化反応の低下が認められた (PMID:17446716)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中で見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・経口で適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の使用については、通常の食品に含まれる量を経口で適切に摂取する場合であればおそらく安全である (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・62歳女性 (日本) がルテインを毎日、2年間摂取 (摂取量は不明) したところ、柑皮症を発症した (2006042358) 。

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・喫煙により血清カロテン濃度や体内カロテン量が減少した(PMID:9250116)
・嚢胞性線維症患者は、膵酵素の欠乏のため、食事性カロテノイドの吸収が低下することある (94) 。
<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ゼアキサンチンはCYP3A4/5活性をわずかに阻害したが、CYP1A2、CYP 2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1に影響は与えず、ルテインはいずれのCYPにも影響を与えなかった (PMID:23669408)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム、ヒト酵素) において、β-クリプトキサンチン、ルテイン、カンタキサンチンはUDP-グルクロン酸転移酵素 (UGT) 活性をわずかに阻害したが、アスタキサンチン、ゼアキサンチンは影響を与えなかった (PMID:27529203)
<理論的に考えられる相互作用>
・脂肪の代替物 (オレストラ) は、健康な人において血中のルテイン濃度を下げ、摂取したルテインに影響すると考えられる (PMID:9237960)
・サプリメントとしてβカロテンを同時に摂取すると、ルテインの生体利用性が低下し、またβカロテンの生体利用性にも影響を及ぼす可能性がある (PMID:9665100) (PMID:7661123)
・サプリメントとしてルテイン摂取すると、ビタミンEの有効性を低下させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
ルテインを投与:サル経口 (間欠的) 40 mg/kg/20日 (91) 。

2.ADI (一日摂取許容量)
・マンジュギクとゼアキサンチン由来のルテインのADIは、JECFA (2006) において0〜2 mg/kg体重とされた (94) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量を適切に摂取する場合、妊娠中・授乳中においてもおそらく安全である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・食事からルテインを多く摂取した場合、手術が必要なほどの白内障、加齢黄斑変性症のリスク低減に対して有効性が示唆されている。ただし、サプリメントとして摂取した場合の効果は不明である。

参考文献

(PMID:9237960) J Nutr. 1997; 127(8 Suppl): 1636S-1645S,
(PMID:9665100) Am J Clin Nutr. 1998; 68(1): 82-9,
(PMID:7661123) Am J Clin Nutr. 1995;62(3):604-10,
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(PMID:12696944) J Agric Food Chem. 51(9): 2603-2607, 2003.
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(PMID:15117055) Optometry. 2004 Apr;75(4):216-30.
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