健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ルテイン [英]Lutein [学名]-

概要

ルテインは、植物の緑葉、黄色花の花弁や果実、卵黄など、自然界に広く分布するカロテノイドの一つであるが、ビタミンAには変換されない。ホウレンソウ、 ケール、トウモロコシ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や卵黄に多く含まれる。俗に、「目によい」「抗酸化作用がある」などと言われている。食事から多く摂取した場合、白内障や加齢黄班変性のリスクの低減に対して、ヒトでの有効性が示唆されているが、サプリメントとして摂取した場合に同等の効果があるかどうかは不明である。安全性については、経口で適切に摂取する場合、おそらく安全である。市場に出まわっているルテインの中には、ルテインとルテインエステルが存在する。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ルテインは「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (一般的に安全とみなされた物質) 認定 (ルテインエステルは除く) 。
・既存添加物:マリーゴールド色素 (主色素はルテインの脂肪酸エステル) は着色料である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C40H56O2 。カロテノイドの一種 (31) 。

分析法

・ダイオードアレイ検出器を装着したHPLCによる分析の報告がある (PMID:12590476) (PMID:12696944)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・食事からルテインを多く摂取しても、冠状動脈疾患のリスク低減に効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・成人男女293,172名 (35〜77歳、アメリカ) を対象とした9つのコホート研究の結果を統合した解析において、ルテイン摂取量と冠状動脈疾患発症リスクに関連は認められなかった (PMID:15585762)
RCT
・健康な成人40名 (50〜70歳、男性15名、閉経後女性25名、アメリカ) を対象とした無作為化比較試験において、ルテイン12 mg/日を単独またはチャ抽出物 200 mg/日と併用し、16週間摂取させたところ、血漿中のルテイン、総カロテノイド、アスコルビン酸濃度の増加が認められたが、抗酸化活性や脂質過酸 化反応の指標に影響は認められなかった (PMID:19447020)
・初期アテローム硬化症患者65名 (試験群34名、平均57.8±3.1歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を3ヶ月間摂取させたところ、血清MCP-1の低下が認められたが、その他炎症マーカー (IL-6、IFN-γ、VCAM-1、ET-1) や血中脂質濃度 (LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) 、apoE濃度、血糖値に影響は認められなかった (PMID:23154578)
・健康な非喫煙者117名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテインを10 mg/日 (試験群38名、平均54.6±12.8歳) または20 mg/日 (試験群39名、平均55.2±11.7歳) 、12週間摂取させたところ、20 mg/日摂取群でのみ、血漿CRP濃度の低下が認められたが、血漿中総抗酸化能、抗酸化酵素活性 (GPx、SOD、カタラーゼ)、脂質濃度 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) に影響は認められなかった (PMID:23398944)


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・食事からルテインを多く摂取しても、II型糖尿病のリスク低減に効果がないことが示唆されている (94) 。
その他
・40〜69歳の男女4,294名 (40〜69歳、フィンランド) を対象としたコホート研究において23年間追跡調査したところ、ルテイン+ゼアキサンチン摂取量と糖尿病発症リスクに関連は認められなかった (PMID:14747214)

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

<眼>
一般情報
・疫学調査において、食事からルテインを多く摂取すると、手術が必要なほどの白内障、加齢黄班変性の発生リスク低減に有効性が示唆されている (94) 。ただしサプリメントとして摂取した場合に同等の効果があるかどうかは不明である (94) 。
メタ分析
・2007年2月までを対象に7個のデータベースで検索出来た無作為化比較試験および前向きコホート研究12報について検討したメタ分析において、抗酸化物質 (ビタミンA、C、E、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチン、αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン) の摂取量と早期加齢性黄斑変性症の発症に関連は認められなかった (PMID:17923720)
・2010年4月までを対象に5つのデータベースで検索できたコホート研究6報について検討したメタ分析において、ルテインとゼアキサンチンの摂取は後期加齢性黄斑変性のリスク低減と関連が認められたが、初期加齢性黄斑変性の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:21899805)
・2013年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた前向きコホート研究6報について検討したメタ分析において、ルテインとゼアキサンチンの摂取量が多いと、核白内障 (5報) の発症リスク低下と関連が認められたが、皮質白内障 (2報) 、後嚢下白内障 (2報) の発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:24150707)
・2014年2月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験5報について検討したメタ分析において、ルテインの摂取は黄斑色素光学密度の増加と関連が認められたが、視力に影響は認められなかった (PMID:25358528)
RCT
・萎縮性加齢性黄斑変性症 (ARMD) 患者90名 (試験群59名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mgを単独または他の抗酸化物質やビタミン、ミネラルと併用で12ヶ月間摂取させたところ、ARMDの視覚機能の改善が認められた (PMID:15117055)
・加齢性黄斑変性症 (AMD) 患者126名 (平均71.6±8.6歳、試験群84名、オーストリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を3ヶ月間、その後10 mg/日を3ヶ月間摂取させたところ、黄斑色素量の増加が認められたが、視力や黄斑機能に影響は認められなかった (PMID:21873668)
・健康な成人75名 (試験群50名、平均36.6歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ゼアキサンチン5 mg/日+ルテイン10 mg/日またはβ-カロテン15 mg/日を8週間摂取させたところ、黄斑色素レベル、血清中の炎症マーカー (ICAM-1、VCAM-1、CRP) 、および尿中の酸化マーカー (イソプロスタン) に影響は認められなかった (PMID:22313522)
・早期加齢黄斑変性の患者44名 (試験群23名、平均69.2±7.8歳、スペイン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン12 mg/日とDHA 280 mg/日を1年間併用摂取させたところ、黄斑色素光学密度の増加が認められた (PMID:23434908)
・加齢黄斑変性 (AMD) 患者4,203名 (50〜85歳、試験群3,191名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン10 mg/日+ゼアキサンチン2 mg/日、または、DHA 350 mg/日+EPA 650 mg/日との併用で5年間摂取させたところ (PMID:22840421) 、AMDの症状の進行 (PMID:23644932) 、白内障手術が必要となる頻度、視力損失リスク (PMID:23645227) 、心血管疾患発症リスク、心血管疾患による死亡率 (PMID:24638908) に影響は認められず、二次解析において、DHA+EPAの摂取による認知機能 (PMID:26305649) への影響も認められなかった。
・初期加齢黄斑変性症の患者72名 (試験群36名、平均71.9±8.7歳、イギリス、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテインエステル10 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、視力低下の抑制が認められた (PMID:23385792)
・中心性漿液性網膜症の患者39名 (試験群20名、平均51.2±9.0歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を4ヶ月間摂取させたところ、黄斑色素光学密度に影響は認められなかった (PMID:25074771)
・健常成人 (22〜73歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン6 mg/日、ビタミンA 750μg/日、ビタミンC 250 mg/日、ビタミンE 34 mg/日、亜鉛10 mg/日、銅0.5 mg/日を、46名 (試験群21名、平均49.8±16.4歳) に9ヶ月間、このうち29名 (試験群14名、平均46.7±16.0歳) に18ヶ月間摂取させたところ、視力、コントラスト感度、光ストレス試験の結果に改善は認められなかった (PMID:18294739)
・健康なドライバー120名 (試験群60名、平均36.5±1.6歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン20 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、網膜中心部の黄斑色素光学密度の増加、薄明所および明所でのコントラスト感度の上昇、まぶしさによる見えにくさの改善が認められ、視覚機能に関する主観的評価 (NEI-VFQ-25) において車の運転に関する項目でのみ改善が認められたが、最高矯正視力およびNEI-VFQ-25の総スコアに影響は認められなかった (PMID:23360692)

<その他>
メタ分析
・2013年4月までを対象に2つのデータベースで検索できた疫学研究8報について検討したメタ分析において、ビタミンA (3報) 、α-カロテン (2報) 、β-カロテン (6報) 、β-クリプトキサンチン (3報) 、ルテイン (4報) 、リコピン (3報) の摂取量はパーキンソン病リスクに影響を与えなかった (PMID:24356061)

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・2011年8月までを対象に11個のデータベースで検索できた前向き研究24報について検討したメタ分析において、血中のルテイン濃度 (6報) が高いと乳がんリスクの低下に関連が認められたが、血中のルテイン/ゼアキサンチン濃度 (4報) やルテイン/ゼアキサンチン摂取量 (5報) との関連は認められなかった (PMID:22760559)
・2013年10月までを対象に5つのデータベースで検索できた症例対照研究5報、コホート研究5報について検討したメタ分析において、ルテインの摂取は、胃がんリスクに影響を与えなかった (PMID:25726725)

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

RCT
・NICUに入院している早産児 (在胎期間34週以下) 77名 (試験群38名、平均在胎期間30.7±2.3週、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン0.5 mg/kg体重/日+ゼアキサンチン0.02 mg/kg体重/日を生後7日目から分娩予定日 (母親の最終月経から40週目) または退院日まで摂取させたところ、総抗酸化能、経口栄養摂取量、人工乳移行率に影響は認められなかった (PMID:23480554)

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

RCT
・乾燥肌の女性30名 (48〜59歳、試験群20名、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン3 mg、α-リポ酸2.5 mg、アスコルビン酸45 mg、トコフェロール5 mgを含有するサプリメントを1日2カプセル、8週間摂取させたところ、赤血球中の活性酸素量の低下と皮膚の水分量および脂質量の増加、皮膚の過酸化脂質量の低下が認められた (PMID:18494887)





試験管内・
動物他での
評価

・動物実験 (ネコ) において、ルテイン0、1、5、10 mgを含む餌を12週間与えたところ、血漿ルテイン濃度が増加し、非特異的および特異的ワクチンに対する遅延型過敏症反応とリンパ球増殖反応が活発になる可能性がある (PMID:10713345)
・動物実験 (ビーグル犬) において、ルテイン 0、5、10、20 mgを含むサプリメントを12週間与えたところ、細胞性免疫と液性免疫を活発化することを示唆した (PMID:10802297)

安全性

危険情報

<一般>
・経口で適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の使用については、通常の食品に含まれる量を経口で適切に摂取する場合であればおそらく安全である (94) 。
<被害事例>
・62歳女性 (日本) がルテインを毎日、2年間摂取 (摂取量は不明) したところ、柑皮症を発症した (2006042358) 。

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ゼアキサンチンはCYP3A4/5活性をわずかに阻害したが、CYP1A2、CYP 2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1に影響は与えず、ルテインはいずれのCYPにも影響を与えなかった (PMID:23669408)
<理論的に考えられる相互作用>
・脂肪の代替物 (オレストラ) は、健康な人において血中のルテイン濃度を下げ、摂取したルテインに影響すると考えられる (PMID:9237960)
・サプリメントとしてβカロテンを同時に摂取すると、ルテインの生体利用性が低下し、またβカロテンの生体利用性にも影響を及ぼす可能性がある (PMID:9665100) (PMID:7661123)

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
ルテインを投与:サル経口 (間欠的) 40 mg/kg/20日 (91) 。

2.JECFA (2004) はマリーゴールド花由来で総カロテノイド80%以上、ルテイン70%以上、ゼアキサンチン9%未満の純度のものに対してADIが0〜2 mg/kg 体重と評価している (PDFはこちら)

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量を経口で適切に摂取する場合、妊娠中・授乳中においてもおそらく安全である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・食事からルテインを多く摂取した人における、手術が必要なほどの白内障、加齢黄班変性のリスク低減に対して有効性が示唆されている。ただし、サプリメントとして摂取した場合の効果は不明である。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:9237960) J Nutr. 1997; 127(8 Suppl): 1636S-1645S,
(PMID:9665100) Am J Clin Nutr. 1998; 68(1): 82-9,
(PMID:7661123) Am J Clin Nutr. 1995;62(3):604-10,
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(PMID:12696944) J Agric Food Chem. 51(9): 2603-2607, 2003.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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(94) Natural Medicines
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