健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ゲルマニウム [英]Germanium (Ge) [学名]Germanium (Ge)

概要

ゲルマニウムは、ヒトでの必須性が認められてはいないが、生体内で健康に役立つ働きがあると考えられている超微量元素である。しかし、その栄養学的な重要性は明確でなく、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、サプリメントとしての経口摂取はおそらく危険であり、末梢神経や尿路系の障害を起こし、重篤な場合には死に至ることがある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・別名として無機ゲルマニウム/有機ゲルマニウムがある。
・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・元素記号Ge、原子番号32、原子量72.61。炭素族元素の一つ。空気中では安定、赤熱すると白色の酸化ゲルマニウムを作る。アルカリ溶液及び塩酸に不溶、王水に可溶。+2価、+4価が有り+4価が安定である。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中で見当らない。


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当らない。

免疫・がん・
炎症

<その他>
・ある症例報告で、47歳女性が有機ゲルマニウム製剤 (bis-betacarboxyethygermanium sesquioxide) の7.2 g/日、経口投与で5〜7ヶ月後には肺紡錘体細胞がんが完全に寛解した (PMID:10669709) が、第1相や第2相の臨床試験に携わった多くの研究者達は、ゲルマニウムは多くの生死にかかわる副作用があるために、安全ではないと示唆している。この用途にはさらなる知見が必要であろう (94) 。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

調べた文献の中で見当らない。

(欠乏症・先天性異常)
調べた文献の中で見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

・ラットにおいてはゲルマニウム欠乏により、肝臓組成が変化した (1) 。
・ラットにおいてはゲルマニウム欠乏により、骨が変化し、脛骨DNAが減少した (1) 。
・ラットでのケイ素欠乏による影響を打ち消す (1) 。

安全性

危険情報

<一般>
・医療従事者の管理下以外に経口摂取した場合、おそらく危険である (64) 。15〜300 gを2〜36ヶ月摂取で腎障害、死亡が31例報告されている (64) 。
・経口摂取により尿細管障害、貧血、筋衰弱、末梢神経障害、腎不全が起こり、死に至ることがある (94) 。
・日本では1988年10月、厚生省が動物試験の結果から、酸化ゲルマニウムを含有させた食品を継続的に摂取することを避けるよう注意喚起を行った。また、ゲルマニウムを食品の原料として使用する場合は、予めその長期健康影響などの安全性を確認して使用することとされている (通知文) 。
<被害事例>
・ゲルマニウム含有製品摂取との因果関係が疑われる健康被害が多数報告されている。
<無機ゲルマニウムによる健康被害>
 1) 二酸化ゲルマニウム含有製剤を4〜24ヶ月摂取した7名 (男性4名、女性3名、16〜55歳、日本) が食欲不振及び易疲労性を訴え、腎機能障害と診断された (摂取量の詳細は、総摂取量が36 g (1名) 、<35 g (1名)、<100 g (1名) 、不明 (2名)) 。摂取を中止したところ、腎機能障害は改善する傾向にあったが、2名は透析療法が必要となった。 (1989062289) (1990006349) (PMID:2296345)
 2) 25歳男性 (日本) が二酸化ゲルマニウム含有カプセル (ゲルマニウムとして50〜250 mg/日、総摂取量30 g) を10ヶ月に渡って摂取したところ、倦怠感、食欲不振、筋力低下を生じ、腎不全により入院したが、心原性ショックにより死亡した (PMID:2977311)
 3) 36歳男性 (日本) が、二酸化ゲルマニウム含有カプセル(ゲルマニウムとして70〜140 mg/日、総摂取量40 g) を1年に渡って摂取したところ、食欲不振、嘔吐、背中の筋肉痛を生じ、腎不全と貧血により入院したが、その後徐々に回復した (PMID:2977311)
 4) 63歳女性 (日本) が無機ゲルマニウムを1日36 mg、6ヶ月程度摂取したところ (総摂取量約80 g) 、末梢神経障害と腎機能障害を発症し、肺炎と敗血症を併発して入院から3ヶ月で死亡した (PMID:8586990)
 5) 無機ゲルマニウムを摂取した5名 (日本) ;6歳女児 (18ヶ月間で40 g) 、50歳男性 (26ヶ月間で55 g) 、66歳男性 (3ヶ月間で20 g) 、73歳女性 (期間・量不明) 、46歳女性 (8ヶ月間で16 g) が、嘔吐、筋力低下、四肢の麻痺、腎機能障害、体重減少を起こした (PMID:1650857)
 6) I型糖尿病の2歳半の男児 (日本) に、二酸化ゲルマニウムを含む製品 (ゲルマニウムとして30〜70 mg/日) を24ヶ月摂取させたところ、8ヶ月後に多臓器不全で死亡した (PMID:2609936)
 7) II型糖尿病患者の55歳女性 (日本) が、二酸化ゲルマニウムを含む製品 (ゲルマニウムとして約50 mg/日、総摂取量30〜70 g) を18ヶ月に渡り摂取していたところ、ゲルマニウム中毒による慢性腎不全に至った (1991007499) 。
 8) 51歳男性 (日本) が二酸化ゲルマニウム含有飲料 (ゲルマニウムとして90〜100 mg/日、総量70 g) を11ヶ月摂取したところ、手足のしびれ、嘔気・嘔吐を生じ、末梢神経筋障害、るいそう、正球性正色素性貧血、腎障害、自律神経障害および脳神経障害が認められた (1991118104) 。
 9) 甲状腺がん切除を受けた16歳男子 (日本) が、二酸化ゲルマニウムを含む製品を7ヶ月に渡り摂取したところ腎機能の低下が見られ、摂取中止16ヶ月後もその症状の回復は遷延していた (PMID:2732598)

<有機ゲルマニウムによる健康被害>
 1) HIVウイルスに感染している25歳の女性と26歳の男性 (スイス) が免疫増強作用を期待して18% germanium lactate-citrateを2.5 g/日の摂取量で9ヶ月に渡って摂取したところ、腎機能障害を発症し、女性では肝機能の低下も認められた (PMID:8488824)
 2) 非転移性乳がん患者の43歳女性 (スイス) が、1日あたり germanium lactate-citrate 2,250 mg (ゲルマニウムとして405 mg) 、セレン0.1 mg、α-トコフェロール400 Uを含む製品を2ヶ月に渡って摂取し (ゲルマニウムとしての総摂取量25 g) 、重度の乳酸アシドーシスを発症して死亡した (PMID:1436351)
<有機と無機の区別が明記されていない、もしくは不明のもの>
 1) 無機または有機ゲルマニウム15〜300 gを含む製品を2〜36ヶ月摂取し、腎機能障害や死者が31例報告された (64) 。
 2) 成人3名 (24歳女性、37歳女性、36歳男性、日本) が、肝炎治療の目的で市販のゲルマニウム含有水 (ゲルマニウムとして約90 mg/日) を6〜20ヶ月摂取したところ、全例で腎機能不全と正色素性貧血、1例でさらにるい痩、筋力低下、末梢神経障害を起こした (1987133234) 。
 3) 1982年から無機または有機ゲルマニウムを含む製品を摂取して腎機能障害 (2例の死亡を含む)を発症した症例が18例あった。17例では16〜328 gの無機または有機ゲルマニウムを4〜36ヶ月間摂取していた (PMID:1726409)
 4) 55歳主婦 (日本) が市販のゲルマニウム含有水を22ヶ月 (ゲルマニウムとして合計47 g) 摂取したところ、主に腎臓、筋肉、神経に障害を起こし死亡した (PMID:1584320)
 5) 6歳女児 (日本) が精神運動発達遅延に対して市販のゲルマニウム含有水を60〜80 mg/日、1年半 (総摂取量約40 g) 摂取したところ、嘔吐と食欲不振により来院し、腎不全と診断され入院、死亡した (PMID:2854839)
 6) 50歳男性 (日本) が、頭痛薬の代わりに市販のゲルマニウム薬を70 mg/日、29ヶ月に渡り摂取 (総摂取量約55 g) したところ、食欲不振と嘔吐がみられ、腎機能の低下により入院した。摂取中止の10ヶ月後も知覚異常および消化器症状 (悪心・嘔吐) および腎機能の低下が持続していた (PMID:2854839)
 7) 38歳主婦 (日本) が二酸化ゲルマニウムと有機ゲルマニウムを含有する製剤を600 mg/日、18ヶ月摂取したところ、急性腎不全で死亡した (PMID:3831368)

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・ゲルマニウムを含むニンジン製品により、フロセミド (利尿薬) の耐性が1例報告されている (94) 。

動物他での
毒性試験

・雌性ラット (10週齢) に二酸化ゲルマニウム150 mg/kgもしくはカルボキシエチルゲルマニウム三二酸化物240 mg/kgを添加した粉末飼料を10週間投与したところ、二酸化ゲルマニウムには強い腎毒性が認められた (1989219186) 。 
・雄性マウスに市販のゲルマニウム含有健康飲料水 (ゲルマニウム約1,500 ppm含有) もしくはこれと同濃度の有機ゲルマニウム、無機ゲルマニウム (二酸化ゲルマニウム) を約3〜4 mL/日、30日間給水ビン投与したところ、全群において体重が減少した他、甲状腺や腎機能に影響を与えた (1990154292) 。
・10週齢の雌性ラットに二酸化ゲルマニウム10 mg/kg、100 mg/kg、300 mg/kgを、30日間腹腔内投与したところ、濃度依存的に体重増加が抑制され、100 mg/kgと300 mg/kg投与群では骨格筋 (ヒラメ筋、長趾伸筋) 繊維の小径化、ミトコンドリアの変性所見と筋鞘膜下への集積が観察された (1991031306) 。
・ラットに二酸化ゲルマニウムを10週間、経口投与したところ、著しい体重減少、貧血、高窒素血症などに見られるような組織学的病変が認められた (PMID:2296345)

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし(22) 。

総合評価

安全性

・食品としての経口摂取はおそらく危険である。
・経口摂取により末梢神経や尿路系の障害が起こり、死に至ることがある。
・日本では1988年10月、厚生省が動物試験の結果から、酸化ゲルマニウムを含有させた食品を継続的に摂取することを避けるよう注意喚起を行った。また、ゲルマニウムを食品の原料として使用する場合は、予めその長期健康影響などの安全性を確認して使用することとされている (通知文) 。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する信頼できる有効性のデータは得られていない。

参考文献

(1) 最新栄養学 第7版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(64) 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(1987133234) 内科. 1986; 58(5):1210-4
(1989062289) 臨牀と研究. 1988; 65(6):1850-2
(1990006349) 日本臨床電子顕微鏡学会誌. 1989; 22(1):1-11
(1989219186) 腎と透析. 1989; 26(4):774-8
(1990154292) 徳島市民病院医学雑誌. 1988; 2:63-6
(1991031306) 東邦医学会雑誌. 1989; 36(2〜3)119-31
(PMID:8488824) Am J Kidney Dis. 1993 May;21(5):548-52
(PMID:1726409) Biol Trace Elem Res. 1991 Jun;29(3):267-80
(PMID:8586990) J Neurol Sci. 1995 Jun;130(2):220-3
(PMID:2296345) Nephron. 1990;54(1):53-60
(PMID:1436351) Nephron. 1992;62(3):351-6
(PMID:1650857) Jpn J Med.1991;30(1):67-72.
(1991007499) 糖尿病 1989; 32(11): 825-30.
(1991118104) 脳神経 1990; 42(9): 851-6.
(PMID:2977311) Clin Nephrol. 1988 Dec;30(6):341-5.
(PMID:2609936) Acta Neuropathol. 1989;79(3):300-4.
(PMID:2732598) Nippon Naika Gakkai Zasshi. 1989 Mar;78(3):416-7.
(PMID:1584320) Nephron. 1992;60(4):436-42.
(PMID:2854839) Nippon Naika Gakkai Zasshi. 1988 Nov;77(11):1704-9.
(PMID:10669709) Chest. 2000 Feb;117(2):591-3.
(PMID:3831368) J Toxicol Sci. 1985 Nov;10(4):333-41.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(94) Natural Medicines