健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

難消化性デキストリン [英]Indigestible Dextrin [学名]-

概要

難消化性デキストリンは、消化され難いデキストリン (デキストリンはでんぷんの一種) の総称名。じゃがいもやトウモロコシのでんぷんに微量の塩酸を加えて加熱して焙焼デキストリンを調製し、これに消化酵素 (α-アミラーゼおよびグルコアミラーゼ) を作用させ、得られた未分解物を濃縮、脱塩、脱色して調製される。α-グルコースがα- (1→4) または α- (1→6) グリコシド結合によって重合した本来のデキストリンの構造に加えて、1→2及び1→3グリコシド結合があり、原材料よりも枝分かれした構造をもつ。水に溶けやすく、粘性が低く、異臭味がなく、わずかな甘味をもつ。その物性から、飲料、菓子、ゼリー、スープなどの様々な食品に利用されている。 難消化性デキストリンは水溶性食物繊維の一つで、約90から95%が小腸で消化されずに大腸まで到達し、その約半分が腸内細菌の餌となって短鎖脂肪酸 (酢酸などの炭素数が6以下のもの) となる。エネルギー換算係数は1 kcal/g。俗に、「ダイエットによい」「便秘によい」などと言われており、「おなかの調子を整える作用」、「食後の急激な血糖値の上昇を抑える作用」、「食後の中性脂肪の吸収を抑えて排泄を促進する作用」の表示をした多数の特定保健用食品の関与成分として利用されている。難消化性デキストリンを関与成分とした特定保健用食品の許可件数が多いため、それに関連したヒト試験も多い。血糖値や血中中性脂肪への機能性は、血糖値や血中中性脂肪が高めの人を対象に、難消化性デキストリンを4g以上の量で負荷食 (炭水化物、また高脂肪) とともに摂取した条件で得られている。従って、難消化性デキストリンの機能性を期待するのであれば、機能性が期待できる対象者、食品中の難消化性デキストリンの含有量、摂取方法に留意することが重要である。安全性については、過剰量を摂取すると下痢を誘発することが知られている。通常の食品として摂取する条件ではおそらく安全と思われる。難消化性デキストリンを含む食品が数多く流通しているため、複数の製品から気づかないうちに過剰量を摂取する可能性に留意する必要がある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・難消化性デキストリンは低カロリー増量剤、食物繊維として用いる。
・特定保健用食品の中に、規格基準を定め消費者庁の事務局レベルの審査で許可される「規格基準型」がある。規格基準型の特定保健用食品としての難消化性デキストリンの保健の用途表示と1日摂取目安量の関係は次の通り。「難消化性デキストリン (関与成分) が含まれているのでおなかの調子を整えます」の表示では3 gから8 g。「食物繊維 (難消化性デキストリン) の働きにより、糖の吸収を穏やかにするので、食後の血糖値が気になる方に適しています」の表示では4 gから6 g。「食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる食物繊維 (難消化性デキストリン) の働きにより、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにするので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立ちます」の表示では5 g (103)

成分の特性・品質

主な成分・性質

・難消化性デキストリンは、粘性が低くわずかな甘み (砂糖の1/10)のある淡黄色の粉末で、水に溶けやすく、水溶液はほぼ透明、耐熱性・耐酸性に優れている。平均分子量は約2000、食物繊維としての含有量は85%から95%、大腸で腸内細菌の発酵をうけて短鎖脂肪酸を生成してエネルギーとして利用される。エネルギー換算係数は1 kcal/gと定められている (104)

分析法

・示差屈折計を装着したHPLC法により分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当らない。


消化系・肝臓

一般情報
・難消化性デキストリンを関与成分とし、「難消化性デキストリンを含んでおり、食生活で不足しがちな食物繊維を補えて、おなかの調子を整える食品です」などの表示が許可された特定保健用食品がある。
RCT
・便秘気味の学生46名 (平均20.2歳、日本) を対象とした単盲検クロスオーバー試験において、難消化性デキストリン6.0 gを含む茶を1日2包、14日間摂取させたところ、排便回数・排便日数・排便量を増加させ、便の形状を改善した (2004234231) 。
・軽度便秘傾向者50名 (37.0±6.9歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ試験において、難消化性デキストリン含有飲料 (難消化性デキストリン由来の食物繊維5.1 g) を2週間摂取させたところ、排便回数および排便目安量が増加した (2009159318) 。
その他
・便秘や腹部膨満感のため下剤投与中の高齢入院患者127名 (平均83.6歳、日本) を対象に、難消化性デキストリンまたはガラクトマンナンを1日5〜7 g、35日間摂取させたところ、便回数・便量の増加、普通便への改善傾向が見られ、期間中の緩下剤使用量が減少したという予備的な報告がある (2001256389) 。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・難消化性デキストリンを関与成分とし、「難消化性デキストリンを含んでおり、糖の吸収をおだやかにするので、血糖値の気になり始めた方の食生活の改善に役立ちます」などの表示が許可された特定保健用食品がある。
RCT
・空腹時血糖値が70 mg/dL以上126 mg/dL未満40名 (年齢43.1±8.4歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化クロスオーバー試験において、負荷食 (おにぎり、総炭水化物量122.3 g) とともに難消化性デキストリン含有飲料 (食物繊維として 5 g 配合) 150 mLを単回摂取させたところ、食後の血糖値の上昇抑制が認められた (2014245143) 。
・健常な成人24名 (男性10名、女性14名、48.0±13.3歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー試験において、難消化性デキストリン (食物繊維として5 g) を含む飲料350 mLを負荷食 (米飯300 g、レトルトカレー210 g) とともに単回摂取させたところ、食後30分後の血糖値上昇が抑制された。同じ飲料を健常成人12名と境界型血糖値を示す4名の計16名 (男性8名、女性8名、45.4±15.7歳) に350 mLで12週間の連日摂取、また3倍量配合した飲料を4週間連日摂取させところ、臨床上問題となる所見は認められなかったが、体重、BMI、空腹時血糖値への影響も認められなかった (2009028047) 。
・健常成人20名 (平均36.7±7.2歳、日本) を対象とした単盲検無作為化クロスオーバー試験において、難消化性デキストリン含有食 (食物繊維として4.4 g、フリーズドライ品として24 g、卵がゆ) の摂取は、血糖値の上がりやすい群において血糖値の上昇抑制効果を示した (2006114816) 。
その他
・成人35名 (日本) を対象としたクロスオーバー試験において、ショ糖30 gと難消化性デキストリン0〜6 gを含む水羊羹100 gを12時間絶食後に摂取させたところ、尿中C-ペプチド値 (膵臓のインスリン分泌能の指標) は、難消化性デキストリンを6g含むものを摂取したときに最も低下した (1994190740) 。
・健常成人男性8名 (27〜58歳、日本) を対象とした経口糖負荷試験 (無作為クロスオーバー試験) において、食物線維含有率55%の難消化性デキストリン40 mL (食物物繊維量16 g) の摂取により、30分後の血糖値ならびに60〜120分後のインスリン分泌が低減した (1996122582) 。
・健常成人30名 (平均43.2歳、日本) を対象に難消化性デキストリン6.0 gを配合した緑茶飲料250 mLをおにぎり2個と一緒に摂取させ、食後30〜120分の血糖値を測定したところ、食後30〜60分の血糖値の上昇は食前30分前の血糖値が高い被験者でよりはっきりしていた (2003136606) 。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当らない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当らない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

一般情報
・難消化性デキストリンを関与成分とし、「難消化性デキストリンを含んでおり、糖の吸収をおだやかにするので、血糖値の気になり始めた方の食生活の改善に役立ちます」などの表示が許可された特定保健用食品がある。
RCT
・空腹時の血中中性脂肪が正常高値から軽度高値を示した成人77名 (男性43名、女性34名、21〜64歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、負荷食 (ハンバーグ、ポテト、パン、総脂質量46.1 g) とともに難消化性デキストリン含有炭酸飲料 (食物繊維として5 g) を単回摂取させたところ、食後の血中中性脂肪およびレムナント様リポタンパクコレステロールの上昇が抑制された (2014190773) 。
・空腹時血中中性脂肪が正常高値から軽度高値者73名を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、負荷食 (ハンバーグ、パン、フライドポテト、総脂質量42.2 g) とともに難消化性デキストリン配合飲料 (食物繊維として5 g配合) を単回摂取させたところ、食後の血中中性脂肪値および曲線下面積 (AUC) が抑制された (2012183716) 。
・空腹時血中中性脂肪値が120 mg/dL以上200 mg/dL以下の76名 (年齢 20 歳以上 65 歳未満の男女、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、負荷食 (ハンバーグ、バターロール、フレンチフライドポテト、総脂質量41 g) とともに難消化性デキストリン配合飲料 (食物繊維として5 g配合) を単回摂取させたところ、食後の中性脂肪値の上昇が抑制された (2014245144) 。

その他

調べた文献の中に見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・難消化性デキストリンは過剰摂取した際に軽い下痢症状を起こすことがあるが、15 g程度で4週間摂取しても臨床上問題となる所見は認められていない (1993044655) 。
・健康な成人10名 (平均40.8±9.5歳、日本) を対象に、難消化性デキストリン (0.7〜1.1 g/kg) を摂取させたところ、1.1 g/kgを摂取した男性1名において下痢の発症が観察され、下痢誘発の最大無作用量は男性で1.0 g/kg体重、女性では1.1 g/kg体重以上と推定された (2014115150) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当らない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当らない。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・じゃがいもでんぷん由来難消化性デキストリンを投与:ラット経口20.0 g/kg以上 (1993209896) 。
2.その他
・じゃがいもでんぷん由来難消化性デキストリンは、変異原性試験 (ネズミチフス菌、大腸菌) で陰性を示した (1993209896) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・ヒトの安全性に関する文献は見当たらない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・難消化性デキストリンのおなかの調子を整える機能、糖の吸収をおだやかにする機能が特定保健用食品の審査で認められている。

参考文献

(101) 財団法人 日本健康・栄養食品協会 特定保健用食品試験検査マニュアル
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(103) 食品表示基準について 最終改正 平成 28 年9月 30 日 消食表第 609 号 (http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1569.pdf)
(104) 食品表示基準について 平成27年3月30日消食表第139号 別添 栄養表示関係 (http://www.caa.go.jp/foods/pdf/160331_tuchi4-betu2.pdf)
(1994190740) 糖尿病.1993;36(9):715-23
(1996122582) 栄養学雑誌.1995;53(6):361-8
(2001256389) 輸液・栄養ジャーナル.2001;23(4):233-9
(2003136606) 日本臨床生理学会雑誌.2002;32(4):207-12
(2004234231) 米子医学雑誌.2004;55(3):153-9
(2009159318) 薬理と治療 2008; 36(12):1159-116
(2009028047) 薬理と治療 2008; 26(7):613-622
(2014245143) 薬理と治療 2014; 42(5):347-351
(2006114816) Health Sciences 2004; 21(1):61-68
(2012183716) 薬理と治療 2011; 39(9):813-821
(2014190773) 薬理と治療 2014; 42(2):115-121
(2014245144) 薬理と治療 2014;42(5):353-358
(1993044655) 日内分泌会誌1992;69: 594-608
(PMID:18689571) J Am Coll Nutr. 2008  27(2):356-66.
(2014115150) J Nutr Sci Vitamino 2013 59(4) 352-357 (1993209896) 食品衛生学雑誌 1992 33(6) 557-62
(PMID:18689571) J Am Coll Nutr. 2008 27(2):356-66.