健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

イチョウ葉エキス [英]Ginkgo biloba extract、Ginkgo leaf extract [学名]Ginkgo biloba L.

概要

イチョウは中国原産で、日本でも数多く栽培されている落葉高木。緑葉をアセトンやエタノールで処理し、不溶物や有害成分を除いて濃縮したものがイチョウ葉エキスとしてサプリメントなどに用いられる。イチョウ葉エキスは天然物なので、産地、収穫時期、エキスの調製方法によって様々な品質のものが出来てしまう。そこで、有効成分とされるフラボノイド配糖体 (22〜27%) とテルペンラクトン (5〜7%) 、有害成分とされるギンコール酸 (5 ppm以下) に関する一般な成分規格がある。ただし、フラボノイド配糖体やテルペンラクトンは、複数の化合物の総称名であり、イチョウ葉エキス中には他にも複数の化合物が含まれている。従って、市場に流通しているイチョウ葉エキスの品質は、厳密には一定とは言い難く、有効成分についても、現時点では特定の化合物として明確にされていない。俗に、「血液循環を良くする」「ボケを予防する」などと言われ、特に記憶能力との関連が注目されている。成分規格を有する製品は、記憶障害、耳鳴り、めまいの改善に対して有効性が示唆されており、ドイツなどでは医薬品として利用されてきた。しかし、最近の研究では、それらの有効性を支持しないものがある。成分規格を有するイチョウ葉エキスの摂取量は、1日240 mg以下が一般的で、それらを適切に摂取すれば、おそらく安全と考えられている。有害な影響としては、胃腸障害やアレルギー反応、抗血液凝固薬との併用によって出血傾向が高まることが知られている。市場には成分規格のあるイチョウ葉エキスと規格のない粗悪品が混在しており、成分規格のない製品には特に注意が必要である。 その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当 (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・イチョウ葉製剤は、フラボノイド類24〜27%%、テルペン類5%〜7%、ギンコール酸5 ppm以下の規格である (58) 。
・ポーランドで販売されているイチョウ葉抽出物製品11種 (医薬品3種、サプリメント8種) を分析したところ、医薬品として販売されている製品には有効成分とされるフラボノイドやテルペンラクトンが十分量含まれ、ギンコール酸濃度は5 ppm以下に守られていたが、サプリメント製品はばらつきが大きく、4製品ではフラボノイドやテルペンラクトン含量が少なく、5製品ではギンコール酸濃度が5 ppmを超えており、最も多いものでは8,000 ppmを超えていた (PMID:20635528)
・ギンコライドBには血小板活性化因子 (PAF) 阻害作用があり、それがイチョウ葉エキスの有効性に関連するとされているが、ギンコライドBのヒト血小板凝集抑制のIC50値は2.5μg/mL、一方でイチョウ葉エキス240 mgを摂取した際の血中ギンコライドBの最大濃度は18.2 ng/mLである (PMID:15693702)

分析法

・ギンコライド類およびビロバライドの分析には、アンモニウム、プロトン、ナトリウムを利用したLC/ES-MS法 (Liquid chromatography-electrospray mass spectrometory) が用いられる (PMID:12081042)
・テルペノイド類の分析は、移動相としてトルエン/酢酸エチル/アセトン/メタノールを用いた薄層クロマトグラフィーにて分離し、蛍光定量を行う (PMID:11501927)
・フラボノイド (ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン) の分析には、移動相にクロロホルム/メタノール/水を用いて、Multidimensional Counter-current chromatography法を行う (PMID:9604337)
・テルペノイドおよびフラボノイドの同時分析には、逆相カラムを用いたHPLC[HPLC-ELSD (evaporative light scattering detection)]法が用いられる (PMID:12151066)
・ギンコール酸(ginkgolic acid)の分析に、LC/ES-MS法が用いられる (PMID:10993512)
・イチョウ葉エキスの成分分析法に関する総説がある (PMID:12219929)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・イチョウ葉エキスの摂取は、末梢の動脈閉鎖症の患者が痛みを感じずに歩行できる距離を延ばすのに、有効性が示唆されている (94) 。
・イチョウ葉エキスの摂取は、高血圧に対し効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT
・収縮期血圧140 mmHgもしくは拡張期血圧85 mmHg以上の高血圧患者16名 (試験群8名、平均52±2歳、日本) を対象とし、イチョウ葉エキス40 mgを含む飲料を1日1本、12週間摂取させたところ、血圧と血中尿酸濃度が低下した (2002149743) 。
・高齢者3,069名 (平均78.6±3.3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物240 mg/日を平均6.1年間摂取させたところ、高血圧発症の抑制および高血圧者の血圧低下は認められなかった (PMID:20168306)
・末梢動脈疾患者62名 (平均70±8歳、試験群31名、アメリカ) を対象とした二重盲検並行群間無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス錠300 mg/日を4ヶ月間摂取したところ、トレッドミル最長歩行時間および痛みを伴わない歩行時間、血流依存血管拡張反応 (FMD) 、抗酸化能、歩行障害、生活の質に影響は認められなかった (PMID:18628657)
・高齢者3,069名 (平均79歳、試験群1,545名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物120 mg×2回/日を平均6.1年間摂取させたところ、心血管疾患 (冠状動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、脳出血) の発症率もしくはこれらによる死亡率に影響は認められなかった (PMID:20123670)
・レイノー症状のある41名 (試験群21名、平均47±13歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物 (EGB761) 240 mg/日を10週間摂取させたところ、発作の頻度、期間、重症度に影響は認められなかった (PMID:22030896)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当らない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・糖尿病網膜症において、色認識の改善に葉製剤の摂取は有効性が示唆されている (94) 。

生殖・泌尿器

一般情報
・イチョウ葉エキスの摂取は、月経前症候群 (PMS) に対して有効性が示唆されている (94) 。
・イチョウ葉エキスの摂取は、抗うつ薬による性機能不全に対して効果がないことが示唆されている (94) 。

脳・神経・
感覚器

<健康な成人の脳・認知機能>
≪高齢者または中高年≫
一般情報

・健康な高齢者の記憶の向上に対して、効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2007年1月までを対象に、6つのデータベースで検索可能な無作為化比較試験15報について検討したシステマティックレビューにおいて、60歳以下の健常人によるイチョウ葉エキスの摂取 (規格化品を最大360 mgまで単回あるいは2日〜13日) に、認知能を向上させる効果は認められなかった (PMID:17480002)
RCT
・記憶力が正常な85歳以上の高齢者118名 (試験群60名、平均87.50歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス80 mg×3回/日、42ヶ月摂取させたところ、コンプライアンス (服薬遵守。処方された薬を指示どおりに服用すること) を考慮すると臨床的認知症尺度 (Clinical Dementia Rating) による進行リスク低減と記憶スコアの減少抑制が認められた (PMID:18305231)
・認知症や神経疾患のない高齢男女90名 (65〜84歳、試験群44名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、イチョウ葉サプリメント (1日分としてイチョウ葉160 mg、ツボクサ68 mg、DHA 180 mg) を4ヶ月間摂取させたところ、認知機能、QOL、血小板機能に影響は認められなかった (PMID:17324660)
・男女176名 (試験群88名、平均79.3歳、イギリス) を対象とした二重盲検並行群間無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 120 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能 (ADAS-Cog) および全般的QOL (QOL-AD,自己評価および介護者の評価による) に影響は認められなかった (PMID:18537221)
・健康な高齢者3,069名 (試験群1,545名、平均79.1±3.3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物 (EGb761) 120 mg×2回/日を平均6.1年間摂取させたところ、経時的な認知機能の低下 (3MSE:Modified Mini-Mental State Examination、ADAS-Cog: Alzheimer Disease Assessment Scale、神経心理学的検査) に影響は認められなかった (PMID: 20040554)
・健康な高齢者262名 (試験群127名、平均66.97±6.12歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 120 mg/日を6週間摂取させたところ、記憶に関する認知機能検査3種類13項目中3項目で改善が認められたが、10項目には影響を与えなかった (PMID:12404671)
・健康な高齢者218名 (試験群111名、平均68.7±4.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス 120 mg/日を6週間摂取させたところ、記憶に関する認知機能検査7種類15項目のいずれにも影響は認められなかった (PMID:12186600)
・右利きの中高年男性19名 (平均54.9±3.1歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス40 mg×2回/日を14日間摂取させたところ、作業記憶パフォーマンスが向上し、作業中の左側頭、左前頭領域の脳波の活性が認められた (PMID:21941584)
・健康な中高年66名 (50〜65歳、試験群34名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 240 mg/日を4週間摂取させたところ、記憶や反応などの認知機能検査7種類43項目中9項目で改善が認められたが、34項目には影響を与えなかった (PMID:14602503)
・健康な中高年93名 (試験群46名、平均61.2±5.7歳、オーストラリア) および若年者104名 (試験群54名、平均29.7±6.9歳) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 120 mg/日を12週間摂取させたところ、中高年では記憶などの認知機能検査11項目中1項目でのみ改善が認められたが、若年では16項目中全てで影響は認められなかった (PMID:16329161)
・健康な中高年48名 (試験群24名、平均67.50±9.23歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 180 mg/日を6週間摂取させたところ、記憶に関する認知機能検査3種類9項目中1項目で改善が認められたが、8項目には影響を与えなかった (PMID:10890330)
・健康な中高年11名を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス120 mg/日を単回摂取させたところ、認知機能検査5種類19項目全てに影響は認められなかった (PMID:12404706)
・健康な中高年男性177名 (45〜56歳、試験群88名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較において、イチョウ葉エキス (EGb761) 240 mg/日を6週間摂取させたところ、認知機能検査5種類8項目中3項目で改善が認められたが、5項目には影響を与えなかった (PMID:21802920)
・閉経後女性87名 (試験群45名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス120 mg/日を6週間摂取させたところ、閉経後6年以上経過している群 (試験群27名、平均60.4±0.7歳) で認知機能検査5種類14項目中2項目のみ改善が認められたが、更年期症状、抑うつ症状、眠気、認知機能検査12項目に影響は認められず、閉経後5年以内の群 (試験群18名、平均55.3±0.6歳) ではいずれも影響は認められなかった (PMID:15728439)
・閉経後女性31名 (試験群15名、平均58.3±1.0歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス120 mg/日を7日間摂取させたところ、認知機能検査9種類14項目中3項目で改善が認められたが、11項目および眠気、抑うつ症状に影響は認められなかった (PMID:12895689)

≪若年成人または成人≫
一般情報

・イチョウ葉エキスの摂取は、健康な成人における認識能力 (記憶力や認識処理速度) を向上させるのに、有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2012年3月までを対象に3つのデータベースと2つのレビューで検索できた無作為化比較試験10報 (13試験) について検討したメタ分析において、健康な成人によるイチョウ葉エキスの摂取は、記憶力 (13試験) 、実行機能 (7試験) 、注意力 (8試験) に影響を与えなかった (PMID:23001963)
RCT
・健常な若い男女78名 (イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、イチョウ葉エキス120 mgを単回摂取させたところ、摂取後の記憶の質および二次記憶、反応速度に関するスコアが改善した (PMID:17902186)
・健康な若年男性60名 (試験群30名、平均20.57±1.89歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス120 mg/日を5日間摂取させたところ、記憶に関する認知機能検査3種類4項目中1項目で改善が認められたが、3項目に影響は与えなかった (PMID:11495672)
・健康な若年者を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較 (イギリス) において、イチョウ葉エキス120 mg/日を単回 (試験群26名、平均21.3±0.3歳) または6週間 (試験群20名、平均21.2±0.3歳) 摂取させたところ、単回摂取では、認知機能検査8種類23項目中2項目で改善が認められたが、6週間摂取では全項目で影響は認められなかった (PMID:15739076)
・健康な若年者18名 (平均19.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス120 mg/日、240 mg/日、360 mg/日を単回摂取させたところ、240 mg/日、360 mg/日摂取6時間後までの、記憶や反応に関する認知機能検査4項目中1項目で改善が認められた (PMID:11026748)

<認知・記憶障害のある人や患者の脳・認知機能>
一般情報

・イチョウ葉エキスの摂取は、アルツハイマー、脳血管性および混合型の痴呆に対し、有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2013年7月までを対象に4つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験8報について検討したメタ分析において、アルツハイマー患者によるイチョウ葉エキスの摂取は、認知機能 (6報) 、日常生活活動 (4報) の向上と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きく、アルツハイマー症の進行リスク (2報) に影響は認められなかった (PMID:24871648)
RCT
・健常もしくは軽度認知症の高齢者3,069名 (75歳以上、試験群1,545名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 120 mg×2回/日を平均6.1年間摂取させたところ、認知症やアルツハイマー症の発症リスク、軽度認知症の進行率に影響は認められなかった (PMID:19017911)
・記憶障害のある70歳以上の高齢者2,820名 (試験群1,406名、平均76.3±4.4歳、フランス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較において、イチョウ葉エキス (EGB761) を120 mg×2回/日、5年間摂取させたところ、アルツハイマー病の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:22959217)
・アルツハイマー型痴呆の患者51名 (試験群25名、平均65.72±4.69歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物 (EGb761) 120 mg/日を24週間摂取させたところ、症状の進行 (MMSE、SMT) にリバスティグミン (アルツハイマー型認知症治療薬) 4.5 mg/日のような改善効果は認められなかった (PMID:23866514)
・軽度から中程度の記憶障害がある高齢者27名 (試験群12名、平均73.42±7.25歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス40 mg×3回/日を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能検査10項目中4項目の改善と脳波測定によるδ波の低下が認められたが、その他6項目とθ波、α波に影響は認められなかった (PMID:2044394)
・軽度の記憶障害がある高齢男性48名 (60〜70歳、試験群23名、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス80 mg/日を8ヶ月間摂取させたところ、血液粘度の低下、脳の特定日の血流増加、認知機能検査4種類32項目中15項目の改善が認められた (PMID:12905098)
・軽度の認知障害がある中高年160名 (試験群80名、平均65±7歳、ロシア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス (EGb761) 240 mg/日を24週間摂取させたところ、認知症検査5種類8項目中6項目で改善が認められたが、2項目には影響を与えなかった (PMID:24633934)
・記憶障害のある中高年男性241名 (オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス5.7 mL/日 (77名、平均69.45±7.18歳) または2.85 mL/日 (82名、平均68.60±8.28歳) を24週間摂取させたところ、認知機能検査4種類6項目中1項目で改善が認められたが、5項目には影響を与えなかった (PMID:23196025)
・記憶障害のある中高年48名 (平均62歳、試験群24名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較において、イチョウ葉エキス (EGb761) を120 mg/日、57日間摂取させたところ、脳波検査における事象関連電位 (視覚刺激に対する反応速度) P300の潜時 (作業記憶や注意力の指標で加齢や痴呆患者で延長) の改善が認められた (PMID:7491367)
・多発性硬化症患者120名 (試験群61名、平均51.3±8.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物 (EGb761) を 120 mg×2回/日、12週間摂取させたところ、認知機能 (PASAT、Stroop Test、COWAT、CVLT-II) に影響は認められなかった (PMID:22955125)
・急性虚血性脳卒中患者102名 (試験群52名、平均70.0±11.3歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物40 mg×3回/日を4ヶ月間摂取させたところ、NIHSS (脳卒中重症度評価スケール) の点数がベースライン時から半減した者の割合が増加した (PMID:23871729)

<神経・感覚器>
一般情報

・イチョウ葉エキスの摂取は、不安、糖尿病性網膜症、緑内障、統合失調症、めまいに対し有効性が示唆されている (94) 。
・イチョウ葉エキスの摂取は、多発性硬化症、冬季うつ病の予防、耳鳴りに対し、効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年1月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化比較試験3報について検討したメタ分析において、遅発性ジスキネジアを有する統合失調症の中国人による治療薬とイチョウ葉エキスの併用は、遅発性ジスキネジアの症状 (3報) 、薬物有害反応 (2報) の緩和と関連が認められたが、精神症状 (2報) には影響を与えなかった (PMID:26979525)
・2014年8月までを対象に7つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験8報について検討したメタ分析において、中国人による統合失調症治療薬とイチョウ葉エキスの併用は、治療薬単独に比較し、全症状 (7報) および陰性症状 (8報) の軽減と関連が認められた (PMID:25980333)
RCT
・慢性治療抵抗性統合失調症の男女42名 (試験群20名、平均29.7±4.8歳、トルコ) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、クロザピン (抗精神病薬) の投与とイチョウ葉エキス120 mg/日を12週間併用させたところ、簡易精神症状評価尺度 (BPRS) と陽性症状評価尺度(SAPS) に効果は認められなかったが、陰性症状評価尺度 (SANS) の低下が認められた (PMID:18545061)
・ADHD (注意欠陥多動性障害) 患者50名 (試験群25名、平均9.12±1.61歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、イチョウ葉エキス80〜120 mg/日を6週間摂取させたところ、メチルフェニデート (ADHD治療薬) 20〜30 mg/日投与群と比較して、症状の改善は認められなかった (PMID:19815048)
・正常眼圧緑内障患者30名 (18〜80歳、試験群15名、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物80 mg×2回/日を4週間摂取させたところ、眼底組織の血流が増加した (PMID:21976939)
・健康な成人 (アメリカ) を対象とした2つの二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス240 mg/日を4〜5日間摂取させ、標高1,600 mから4,300 mの高地に移動 (車にて2時間) して24時間滞在したところ、一方の試験 (41名、試験群21名、平均23.6±5.42歳、5日間摂取) では急性高山病の発症率と症状が低減したが、もう一方の試験 (44名、試験群22名、平均23.3±5.31歳、4日間摂取) では影響は認められなかった (PMID:19364166)
・低地に住む男性28名 (試験群10名、平均19.4±1.5歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物120 mg/日を、航空機による高地への移動の3日前から移動当日までの4日間摂取させたところ、移動後の肺動脈収縮期血圧 (PASP) 、平均動脈圧 (MAP) 、心拍数、動脈血酸素飽和度、努力肺活量、1秒率 (FEV1)、最大呼気流量、急性高山病 (AMS) スコアに影響は認められなかった (PMID:23795737)

免疫・がん・
炎症

RCT
・高齢者3,069名 (平均79歳、試験群1,545名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物120 mg×2回/日を平均6.1年間摂取させたところ、がんの発症率に影響は認められなかった (PMID:20582906)

骨・筋肉

メタ分析
・2008年5月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、イチョウ葉エキスの摂取は間欠性跛行患者の歩行可能距離に影響を与えなかった (PMID:20464671)

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

調べた文献の中に見当らない。

その他

RCT
・化学療法を受けている乳がん患者210名 (50歳未満:50歳以上=1:1、試験群107名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉抽出物 (EGB761) 60 mg×2回/日を、2サイクル目の化学療法実施前から終了後1ヶ月間まで摂取させたところ、副作用による吐き気の減少が認められたが、認知機能の低下 (HSCS、TMT、PHS、POMS) に影響は認められなかった (PMID:23150188)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・成分規格を有するイチョウ葉エキスは適切に摂取すればおそらく安全である (94)。
・イチョウ葉の副作用として、ごくまれだが胃や腸の不快感、頭痛、めまい、動悸、便秘、皮膚アレルギー反応などがあり、高用量では落ち着きがなくなる、下痢、吐き気、嘔吐、筋緊張の低下などの可能性がある (94)。
・加工していない植物の摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・イチョウ葉は卵母細胞の生殖力を妨げることが示唆されている (94)。ヒトではまだ明らかではないが、子どもを望む夫婦や不妊治療中の人は使用を避けたほうがよい (94)。
・外用の安全性については十分なデータがない (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取は危険性が示唆されている。分娩誘発作用やホルモン作用、出血傾向の可能性が指摘されているため、妊娠中の使用は避ける (94) 。
・授乳中の安全性については十分なデータがないため使用を避ける (94)。
<小児>
・短期間、適切に摂取すれば安全性が示唆されているが、種子の摂取はおそらく危険である (94) 。
<その他>
・イチョウ葉製剤を血小板凝集に作用するハーブとともに摂取すると、理論的には抗血小板薬・抗血液凝固薬を用いている人では出血傾向が高まることがある。ワルファリン服用中の人、出血傾向のある人は注意が必要 (94) 。手術の場合も出血のおそれがあるので、少なくとも2週間前から使用を中止する (94)。
・イチョウ葉製剤がてんかん発作を引き起こす可能性を示す例があるので、発作に対するサプリメントや医薬品を服用している人は、その危険性が高いことが考えられる。議論の余地はあるが、結論が出るまでは発作歴のある人やてんかんの人は使用を避ける (94)。
<被害事例>
イチョウ葉との関係が疑われる健康被害が報告されている。
・複数の症例研究を統合したシステマティックレビューにおいて、イチョウ葉抽出物の摂取と出血には因果関係があることが報告されている。イチョウ葉抽出物を摂取した患者における出血事例を報告した15件の症例研究のうち、大部分が深刻な症状を示し、8件では頭蓋内出血が認められた。うち13件はイチョウ葉の他にも出血のリスク要因が認められた。イチョウ葉エキスを中止して出血が再発しなかったのは6件のみであった。出血時間を測定した3件では、イチョウ葉エキスの摂取期間中は出血時間の延長が認められた (PMID:16050865)
・33歳女性 (アメリカ) がイチョウ葉エキスを120 mg/日、2年間摂取したところ、特発性両側硬膜下出血をおこした (PMID:8649594)
・72歳女性 (アメリカ) がイチョウ葉エキスを150 mg/日、6ヶ月間摂取したところ、特発性両側硬膜下出血をおこした (PMID:9109922)
・56歳男性 (イギリス) がイチョウ葉抽出物40 mgを含む製品を1日3回、18ヶ月摂取したところ、突発性の脳内出血が認められた (PMID:11161079)
・45歳の男性 (オーストラリア) が、耳鳴りのためにイチョウ葉を摂取し、48時間後に顔を含む全身に発疹および発熱を生じた (PMID:16768668)
・61歳男性 (メキシコ) がイチョウ葉エキス40 mgを1日3〜4回、6ヶ月以上摂取したところ、出血時間の延長が見られ、くも膜下出血と診断されたが、摂取中止により回復した(PMID:9800751)
・35歳女性 (イタリア) がイチョウ葉エキス240 mg/日を2ヶ月間摂取したところ、夜間の不整脈をおこし、摂取中止により改善した (PMID:21941062)
・高血圧や便秘症の既往歴があり、塩酸ニカルジピン、センナ、センノシドを服用していた70歳男性 (日本) が、市販のイチョウ葉エキスを7ヶ月間、自己判断で摂取したところ (摂取量不明) 、軀幹、四肢に紅斑が生じて医療機関を受診。パッチテスト及び内服テストにおいてセンノシドとイチョウ葉エキスがそれぞれ陽性であったことから、センノシドとイチョウ葉エキスによる薬疹と診断された (2005272361) 。
・高血圧のため10年以上服薬中のG6PD欠損の55歳女性 (台湾) が、地方のクリニックにおいて痴呆予防のためにイチョウ葉抽出物を17.5 mg注射したところ、2日後より不快感、頭痛、黄疸、褐色尿、上部腹痛などを呈し、急性溶血性貧血と診断された (PMID:23970095)
・イチョウ葉サプリメントを摂取していた (摂取量等の詳細不明) 43歳男性 (日本) が、発熱と下痢で8種類の薬剤を内服後、体幹に紅斑、丘疹を生じ10日後に医療機関を受診、摂取していたイチョウ葉サプリメントの中止により軽快した (2013308481) 。
・大腸がん、高血圧の既往歴があり、リシノプリル(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)を服用中の77歳男性 (イギリス) が、イチョウ葉エキスを記憶力改善目的で、イカリソウを性機能改善目的でサプリメントとして4日間摂取したところ、2日目から下肢や腕に痛みを伴う血管炎性の丘疹性紅斑発疹を生じた。Naranjo algorithm (有害事象と薬物の因果関係評価指標) は5 (probable) であったため、摂取したサプリメントが原因の可能性が考えられたが、評価指標のいくつかの項目は評価できなかった (PMID:21686827)
・変形性関節炎の既往歴があり、股関節と腰の手術、胃バイパス術を受けたことがあり、ハイドロコドン/アセトアミノフェン、トラマドール、イブプロフェンを服用中の46歳女性 (アメリカ) が、朝鮮ニンジン、イチョウ葉エキス、グルコマンナンを約1年以上摂取したところ (摂取量不明) 、喀血、朦朧状態、息切れを生じ、びまん性肺胞出血と診断され、加療と朝鮮ニンジン、イチョウ葉エキスの摂取中止により改善した (PMID:25887018)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当らない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健康な男性12名 (20〜36歳、オーストラリア) を対象とした単盲検クロスオーバー無作為化試験において、ワルファリン25 mg単回投与の前7日間、あるいはその7日後までイチョウの乾燥抽出物を含む製品 (イチョウ葉4 gに相当) 、またはショウガを含む製品 (ショウガ根茎粉1.2 gに相当) を1日3回摂取させたところ、ワルファリンの薬物動態や薬理効果に影響が認められず、それぞれ単独でも血液凝固能や血小板凝集能に影響は認められなかった (PMID:15801937)
・健康な男性24名 (平均24.1±4.3歳、韓国) を対象としたオープン試験において、チクロピジン250 mgとイチョウ葉エキス80 mgを単回投与したところ、48時間以内の出血時間、血小板凝集、チクロピジンの薬物動態に影響はなかった (PMID:20206795)
・人口ベースの後ろ向き研究 (台湾) において、イチョウ葉エキス処方薬と抗血小板薬や抗血液凝固薬 (シロスタゾール、クロピドグレル、チクロピジン、ワルファリン) の同時処方は出血リスクに影響を与えなかった (PMID:21649517)
・健康な男性34名 (平均24.3±2.5歳、韓国) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、シロスタゾール (抗血小板薬) 100 mgとイチョウ葉抽出物80 mgを2回/日、7日間摂取させたところ、血中のシロスタゾールおよびその代謝物濃度、血小板凝集、出血時間に影響は認められなかった (PMID:24001154)
・2008〜2014年の退役軍人 (アメリカ) のクリニカルデータを用いた解析において、出血リスクはワルファリン単独服用者 (143,360名/796,396名:18.0%) と比較し、ワルファリンとイチョウ葉の併用者 (2,484名/11,003名:22.6%) で高かった (PMID:26958257)
・健康な男性14名 (平均21.3±1.4歳) を対象としたオープン試験において、イチョウ葉エキス240 mg/日を14日間摂取させ、ブプロピオン (抗うつ薬) 150 mgを単回投与したところ、薬物動態に影響はなかった (PMID:19694739)
・健康な男性12名 (平均22.3±1.15歳、中国) を対象としたオープン試験において、イチョウ葉エキス120 mg/日を28日間摂取させ、ジアゼパム10 mgを単回投与したところ、薬物動態に影響はなかった (PMID:20186406)
・健康な男性14名 (CYP2C19通常活性群7名、活性欠損群7名、18〜24歳、中国) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、イチョウ葉エキス240 mg/日を12日間摂取させた後、ボリコナゾール (抗真菌薬) 200 mgを単回投与したところ、薬物動態に影響はなかった (PMID:19299322)
・健康な男性18名 (平均21.3±1.2歳、中国) を対象としたオープン試験において、イチョウ葉エキス140×2mg/日を12日間摂取させ、オメプラゾール (CYP2C19基質) 40 mgを単回投与したところ、オメプラゾールの血中濃度 (Cmax、AUC) の低下と全身クリアランスの増加が認められた (PMID:15608563)
・健康な男性14名 (平均22.9±2.1歳、中国) を対象としたオープンラベルクロスオーバー無作為化比較試験において、シンバスタチン40 mg/日とイチョウ葉抽出物120 mg×2回/日を14日間併用させたところ、血中のシンバスタチン濃度 (AUC、Cmax) の低下が認められたが、シンバスタチン酸 (活性体) 濃度やコレステロール低下作用に影響は認められなかった (PMID:23451885)
・健康な成人13名 (中央値29.5歳、アメリカ) を対象とした前後比較試験において、イチョウ葉エキス120 mg×2回/日を28日間摂取させ、ミダゾラム (CYP3A基質) 8 mgを単回投与したところ、ミダゾラムの血中濃度 (AUC) 低下が認められた (PMID:18420532)
・健康な男性10名 (21〜27歳、中国) を対象とした試験において、タリノロール (P糖タンパク基質) 100 mgとイチョウ葉エキス120 mgを併用させた場合には影響は認められなかったが、イチョウ葉エキス120 mg×3回/日を14日間摂取させた後、タリノロール100 mgを摂取させたところ、タリノロールの血中濃度 (AUC、Cmax) の低下が認められた (PMID:19401473)
・健康な男性10名 (平均24.9±2.6歳、日本) を対象に、イチョウ葉抽出物360 mg/日を28日間摂取させ、トルブタミド (血糖降下薬、CYP2C9基質) 125 mgを単回投与したところ、血中濃度 (AUC) の低下が認められたが、薬効 (経口糖負荷試験) に影響は認められなかった (PMID:17050793)
・健康な男性10名 (平均24.9±2.6歳、日本) を対象に、イチョウ葉抽出物360 mg/日を28日間摂取させ、ミダゾラム (鎮静剤、CYP3A4基質) 8 mgを単回投与したところ、血中濃度 (AUC) および経口クリアランス低下が認められた (PMID:17050793)

イチョウ葉と医薬品の併用との関係が疑われる健康被害が報告されている。
・エファビレンツによるHIV感染の治療を受けている47歳男性 (オランダ) が、イチョウ葉抽出物を数ヶ月間摂取したところ、イチョウ葉抽出物中のテルペノイドによりCYP3A4やP-糖タンパク質が誘導され、血漿エファビレンツ濃度が減少した (PMID:19451798)
・70歳男性 (アメリカ) がアスピリン325 mgとイチョウ葉エキス80 mgを1週間毎日併用したところ、突発性の前眼房出血をおこした (PMID:9091822)
・55歳男性 (アメリカ) がDepakote (バルプロ酸ナトリウム、抗痙れん薬) とDilantin (アンチアンドロゲン剤) と同時にイチョウ製剤を含む多数の健康食品を摂取し、激しい痙れん発作で死亡した。服用していた医薬品の血中濃度が低下しており、両医薬品ともCYP2C9およびCYP2C19により代謝されることから、イチョウ製剤がチトクロームP450を誘導し、その結果、医薬品の血中濃度が低下したと考えられている (PMID:16419414)
・てんかんによる痙攣性発作が良好にコントロールされている患者2名 (78歳男性、84歳女性、オーストラリア) が通常の治療薬と、イチョウ葉抽出物を120 mg/日、12〜14日併用したところ、発作が再発した (PMID:11742783)
・71歳男性 (ドイツ) が濃縮イチョウ葉エキス40 mgx2回/日、2年6ヶ月以上摂取し、骨関節炎の股関節痛のために4週間前からイブプロフェン600 mg/日を摂取したところ、脳出血により死亡した (PMID:12818420)
・38歳女性 (ブラジル) がチアミン900 mg/日とイチョウ葉240 mg/日を4年間摂取したところ、脳出血をおこした(PMID:21364361)
・ジドブジン、ラミブジン、エファビレンツによるHIV感染治療を10年間続け、症状が安定していた41歳男性 (カナダ) が、イチョウ葉サプリメント300 mg/日を2ヶ月間摂取したところ、CD4細胞数が増加し、サプリメント摂取中止後、改善した(PMID:22323244)

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、低たんぱく質状態におけるイチョウ葉エキスの投与は、肝CYP (CYP2B、CYP2C) 活性を亢進し、トルブタミドの代謝を促進することにより、血糖降下作用を減弱させた(PMID:21827497)
・動物実験 (ラット) において、ビロバライドの胃内投与はCYP1A1、CYP1A2、CYP2B、CYP2C、CYP2E1、CYP3Aの活性を誘導した(PMID:19276617)
・動物実験 (ラット) において、イチョウ葉エキスまたはビロバライドの腹腔内投与は肝臓CYP3A1、CYP1A2、CYP2E1活性を誘導したが、ギンコライドA、ケルセチンの投与はCYP1A2、CYP2E1活性のみを、ギンコライドB、ケンフェロールの投与はCYP2E1活性のみを誘導した(PMID:18421621)
・動物実験 (マウス) において、イチョウ葉エキスのCYP活性誘導作用の主成分はビロバライドであった(PMID:17637180)
・動物実験 (ラット) において、イチョウ葉抽出物の投与は、フェニトイン、ジクロフェナク (CYP2C9基質) の血中濃度 (Cmax、AUC) を増加させた (103) 。
・動物実験 (ラット) において、イチョウ葉抽出物の投与は肝臓のCYP2B1/2、CYP3A1、CYP3A2のmRNA発現を誘導し、ニカルジピン (降圧剤:CYP3A2基質) の薬効を減弱させた (PMID:12269382)
・イチョウ葉エキス (フラボノイド31.2% 、テルペノイド15.4%、ギンコール酸10.45ppmの組成をもつ特定企業製品) をコーン油に混ぜ、雌雄のマウスおよびラットに5回/週、2年間投与 (100〜2,000 mg/kg体重) したところ、投与量依存的な肝臓、甲状腺、胃、鼻腔における病変の増加、及び肝臓と甲状腺におけるがんの増加が認められた (PMID:23652021) 。この詳細な検討から、イチョウ葉エキスによるマウス肝細胞がんの発生は、自然発生がんとは特性が異なることが示されている (PMID:23262642) 。また、同製品を用いたin vivoにおける3つの遺伝毒性試験 (90日反復投与によるトランスジェニック動物遺伝子突然変異試験、3日間投与による骨髄小核試験及び肝臓細胞のコメットアッセイ) において、遺伝毒性は2,000mg/kg体重の投与量まで認められず、構成的アンドロスタン受容体 (CAR) 欠損マウスでは肝臓に対する影響が認められなかったことから、イチョウ葉エキスによる肝がんの機序として、CARが関与する非遺伝毒性が示唆された (PMID:24824808) 。この現象が、市販のすべての製品に該当するか否かについてはさらなる検討が必要である。
・動物実験 (ラット) において、イチョウ葉抽出物の投与 (5日間) はテオフィリン (CYP1A2基質、気管支喘息治療薬) の血中濃度 (Cmax、半減期、AUC) を低下させ、クリアランス (ke、CL) を増加させた (PMID:17681658)
・in vitro試験 (ヒト肝細胞) において、イチョウ葉抽出物はCYP3A4活性を阻害し、低濃度ではCYP1A2活性の誘導とCYP2D6活性の阻害を、高濃度ではCYP1A2活性の阻害とCYP2D6活性の誘導を示した (PMID:17214607)
・in vitro試験において、イチョウ抽出物およびビロバライドはCYP3A1 (ラット肝細胞) 、CYP3A4 (ヒト肝細胞) の発現および活性を誘導した (PMID:19356072)
・in vitro試験 (スーパーソーム、ヒト肝ミクロソーム) において、イチョウはCYP2C9活性を阻害した (PMID:24730468)
・in vitro試験 (ヒトCYP3A4タンパク、Caco-2細胞) において、イチョウ葉抽出物はCYP3A4、P-糖タンパク質の活性を阻害した (PMID:18331390)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム、ヒト肝細胞) において、ギンコライドの加水分解物はCYP3A4の活性とmRNA発現を誘導した (PMID:25456428)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、イチョウに含まれるケルセチンはCYP1A2、CYP2C9、CYP3Aを、ケンフェロールはCYP1A2、CYP3Aを、ミリセチンはCYP2D6、CYP3Aを、アピゲニンはCYP1A2、CYP3Aを、アメントフラボンはCYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3Aを、セサミンはCYP2C9、CYP2C19、CYP3Aを、タマリキセチンはCYP1A2を阻害した (PMID:15285849)
・in vitro 試験 (ヒトCYP2C8タンパク) において、イチョウ葉水抽出物はCYP2C8活性を抑制した (PMID:27695271)

動物他での
毒性試験

・in vitro試験 (ヒト肝細胞) において、イチョウ葉抽出物、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチンはDNA損傷を誘発した (PMID:26419945)

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス1 (22)

総合評価

安全性

・イチョウ葉エキスは、適切に摂取すればおそらく安全であるが、妊娠中の摂取は危険性が示唆されている。授乳中の安全性については十分なデータがないため使用を避ける。副作用として、ごくまれに胃や腸の不快感、頭痛、めまい、動悸、便秘、皮膚アレルギー反応などが起こる。
・抗血小板薬・抗血液凝固薬、ワルファリン服用中の人は出血傾向になるため注意が必要である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・イチョウ葉エキスの摂取で有効性が示唆されているのは、末梢の動脈閉鎖症の患者の歩行時の痛みの改善、脳血管性および混合型の痴呆、不安、月経前症候群に対する作用、糖尿病由来の網膜症における色認識の改善に対する作用である。
・加齢に伴う記憶障害、耳鳴り、抗うつ薬や化学療法の副作用軽減、高血圧、多発性硬化症、季節性うつに対しては経口摂取で効果がないことが示唆されている。
・心血管疾患にはおそらく効果がない。

参考文献

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