健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

水素水 [英]Hydrogen water [学名]-

概要

水素(H)は、ヒトの体重の約10%を占める生体元素で、水などの様々な化合物の構成元素となっている。この単体である水素分子(H2)(分子状水素、水素ガスともいう)を一般に水素と呼んでいる。水素分子は1気圧、室温の条件下で水中に0.8 mM (1.6 mg/L (ppm) ) 溶存し得る。 水素水とは、水素分子(水素ガス)の濃度を高めた水である。水素水の調製法としては、1)加圧下で水素ガスを水に充填する方法、2)マグネシウムと水、あるいはアルミニウムと酸化カルシウムと水の化学反応により水素分子を発生させて溶存する水素分子濃度を高める方法、3)水の電気分解により陰極側に発生した水素分子が豊富な水を利用する方法がある。電気分解により調製された水は、還元水素水、アルカリイオン水、電解水素水などと呼称されることがある。電気分解または金属との化学反応によって調製された水素分子を含む水素水の健康に対する影響は、ミネラル等、水素分子以外の因子の関与が否定できない。 水素分子はペットボトルなどの容器では時間が経つにつれ抜け出てしまうため、抜け出にくいアルミパウチの容器に入れる対応がとられている。 俗に、「活性酸素を除去する」「がんを予防する」「ダイエット効果がある」などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない。現時点における水素水のヒトにおける有効性や安全性の検討は、ほとんどが疾病を有する患者を対象に実施された予備的研究であり、それらの研究結果は、健康な人が市販の多様な水素水の製品を摂取した時の有効性を示す根拠になるとはいえない。 水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、その産生量は食物繊維などの摂取によって高まるとの報告がある。従って、市販の多様な水素水の製品を摂取した水素分子の効果については、体内で産生されている量も考慮すべきとの考え方がある。 その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・日本では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」にも該当しない (30) 。
・既存添加物:水素は製造用剤。

成分の特性・品質

主な成分・性質

水素 (元素記号H、原子番号1、原子量1.008) を含む。

分析法

・含有する水素分子をガスクロマトグラフィーや水素電極によって測定した報告がある (PMID:25747486) (PMID:18563058) (PMID:17486089)

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・高コレステロール血症の男女68名 (試験群34名、平均54.6±10.6歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、水素水 (水素分子0.5〜0.6 mM含有) 300 mL × 3/日を10週間摂取させたところ、血漿pre-β1-HDL濃度の上昇、HDL3中のリン脂質減少、血漿酸化LDL濃度の低下が認められたが、血漿HDLコレステロール濃度に影響は認められなかった (PMID:25978109)


消化系・肝臓

RCT
・慢性B型肝炎の患者60名 (試験群30名、平均35.3±11.1歳、中国) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、マグネシウムスティックにより水素分子を発生させた水素水 (水素0.55〜0.65 mM含有) を1,200〜1,800 mL/日、6週間摂取させたところ、血清抗酸化酵素 (スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ) 活性の上昇、酸化ストレス (マロンジアルデヒド、キサンチンオキシダーゼ) の減少が認められたが、肝機能マーカー (ALT、総ビリルビン、コリンエステラーゼ) 、肝炎ウイルス量に影響は認められなかった (PMID:24127924)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

RCT
・間質性膀胱炎または膀胱痛症候群の患者28名 (試験群18名、平均65.2±7.9歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、水素ガス充填により作成した水素水 (水素分子1.2±0.1 ppm含有) 600 mL/日を8週間摂取させたところ、膀胱痛の程度および症状の指標に影響は認められなかった (PMID:23374763)

脳・神経・
感覚器

RCT
・レボドパ服用中のパーキンソン病患者17名 (試験群9名、平均65.2±8.5歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、水素ガス充填により作成した水素水 (水素0.8 mM含有) 1,000 mL/日を48週間摂取させたところ、パーキンソン病統一スケールの総合スコアの改善 が認められたが、このうち日常生活動作、運動能力検査に関する項目では改善は認められず、またヤールの重症度分類に影響は認められなかったという予備的な報告がある (PMID:23400965)

免疫・がん・
炎症

RCT
・ミトコンドリア脳筋症患者5名 (平均44.6±17.6歳) 、慢性進行性外眼筋麻痺症候群患者7名 (平均49.1±11.1歳) 、皮膚筋炎患者10名 (49.6±13.7歳) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験 (日本) において、水素水 (水素分子〜0.5 ppm含有) 0.5 L/日を8週間摂取させたところ、血液検査指標 (クレアチンキナーゼ、HbA1c、空腹時血糖値、乳酸/ピルビン酸値 (ミトコンドリア機能の指標) 、クレアチニン、尿素窒素、尿酸、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、マトリックスメタロプロテアーゼ3、IgG) に影響は認められなかった (PMID:22146674)

骨・筋肉

RCT
・サッカー選手の男性10名 (平均20.9±1.3歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、マグネシウムスティックにより水素分子を発生させた水素水 (水素0.92〜1.02 mM含有) を運動テスト実施前日の夜に500 mL、当日の朝に500 mL×2回摂取させたところ、運動後の血中乳酸濃度の上昇抑制が認められたが、血中の酸化ストレス指標 (d-ROM) 、抗酸化力指標 (BAP) 、クレアチンキナーゼ、筋電図に影響は認められなかった (PMID:22520831)

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

RCT
・外傷のあるアスリート36名 (平均23.1±2.3歳、セルビア) を対象とした単盲検無作為化比較試験において、通常の治療とともに水素含有錠剤 を2 g/日 (12名) 、2週間摂取させたところ、通常の治療のみの場合 (12名) と比較して血清CRP濃度、血清IL-6、血漿粘度、安静時および歩行時の痛み、腫れ、伸展および屈曲可動域に影響は認められなかった (PMID:25295663)





試験管内・
動物他での
評価

・雄性db/dbマウス (2型糖尿病モデル) に、水素水 (水素分子0.8 mM含有) を3ヶ月間自由摂取させたところ、肝臓マロンジアルデヒド濃度 (酸化ストレスマーカー) および脂肪蓄積量の低下、酸素摂取量、二酸化炭素排出量、肝臓のFGF21 (線維芽細胞増殖因子) のmRNA発現量の増加が認められたが、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、グルコース6リン酸脱水素酵素のmRNA発現量に影響は認められなかった (PMID:21293445)
・雄性db/dbマウス (2型糖尿病モデル) に、水素分子0.8 mMまたは0.08 mM含有の水素水を12週間自由摂取させたところ、両群で体重増加抑制と血漿トリグリセリド濃度の低下、0.8 mM群で体脂肪率、血糖値、インスリン濃度の低下が認められたが、血漿遊離脂肪酸、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、アディポネクチンに影響は認められなかった (PMID:21293445)
・ICRマウスに、ストレス環境下水素水 (水素分子≧0.6 mM含有) を8週間自由摂取させたところ、脳酸化ストレスマーカー (4-ヒドロキシ2-ノネナール、マロンジアルデヒド) の低下、学習試験 (受動的回避行動試験、物体認識試験、モーリスの水迷路試験) の結果の改善、海馬歯状回のBrd-UおよびKi-67陽性細胞の減少抑制が認められたが、筋力試験 (ワイヤーハンギング) と情動性試験 (オープンフィールドテスト) の結果に影響は認められなかった (PMID:18563058)

安全性

危険情報

<妊婦・授乳婦>
・信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・メタボリックシンドロームのリスクを1つ以上持つ男女20名 (平均50.8±9.6歳、カナダ) を対象としたオープンラベル試験において、マグネシウムスティックにより水素を発生させた水素水 (水素分子0.55〜0.65 mM含有) を1.5〜2 L/日、8週間摂取させたところ、13名 (65.0%) が体調不良を経験し、このうち4名 (20.0%) の体調不良 (軟便、消化管過活動、胸焼け、頭痛) に関して、水素水摂取との因果関係は”possible”と判断された (PMID:20216947)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

総合評価

安全性

ヒトに対する安全性については信頼できる十分なデータが見当たらない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
ヒトに対する有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(31) 理化学事典 第5版 岩波書店
(32) 生化学事典 第4版 東京化学法人
(102) 生物学辞典 東京化学法人
(PMID:24769081) Pharmacol Ther. 2014 Oct;144(1):1-11.
(PMID:25747486) Methods Enzymol. 2015;555:289-317.
(PMID:18563058) Neuropsychopharmacology. 2009 Jan;34(2):501-8.
(PMID:20216947) J Clin Biochem Nutr. 2010 Mar;46(2):140-9.
(PMID:22146674) Med Gas Res. 2011 Oct 3;1(1):24.
(PMID:22520831) Med Gas Res. 2012 Jul 12;2:12.
(PMID:23374763) Urology. 2013 Feb;81(2):226-30.
(PMID:23400965) Mov Disord. 2013 Jun;28(6):836-9.
(PMID:25295663) Postgrad Med. 2014 Sep;126(5):187-95
(PMID:25978109) J Clin Endocrinol Metab. 2015 Jul;100(7):2724-33
(PMID:17486089) Nat Med. 2007 Jun;13(6):688-94. Epub 2007 May 7.
(PMID:21293445) Obesity (Silver Spring). 2011 Jul;19(7):1396-403.
(PMID:24127924) Clin Transl Sci. 2013 Oct;6(5):372-5.