健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

DHA (ドコサヘキサエン酸) [英]Docosahexaenoic acid [学名]Docosahexaenoic acid

概要

DHAは、炭素数が22、不飽和結合が6のn-3系の直鎖の多価不飽和脂肪酸で、EPA (エイコサペンタエン酸) と同様、主に魚に含まれる必須脂肪酸の一つである。生体内では脳や神経組織、精子などに多く存在し、俗に「動脈硬化、高脂血症、認知症等の予防や改善によい」「アトピー、アレルギー等によい」「脳の発達によい」「がんの発生や転移に効果がある」などと言われている。ヒトでの有効性については、冠状動脈疾患に対して有効性が示唆されている。「中性脂肪が気になる方の食品」という表示で、DHAを関与成分とした特定保健用食品が許可されている。安全性については、適切に用いれば経口摂取でおそらく安全であるが、大量摂取は危険性が示唆されている。DHAやEPAを含む魚油では、副作用として、げっぷ、吐き気、鼻血、軟便が報告されている。妊娠中・授乳中の安全性については、魚などの食品や特別用途食品 (特定保健用食品を含む) として摂取する場合、おそらく安全である。また、米国FDAの限定的健康表示規格においては、サプリメントからの摂取はDHAとEPAを合わせて1日2 gを超えないようにとされている。DHAを含む食品としてはまぐろ、かつお、はまち・ぶり、さば、いわし、すじこなどがある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・特定保健用食品の成分となっている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C22H32O2、分子量328.50。

分析法

・DHAは水素炎イオン化 (FID) 検出器を装着したガスクロマトグラフィー (GC) によって分析されている (PMID:1840144)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・冠状動脈疾患に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。冠状動脈疾患患者が食事から摂取するDHAを増やすと、死亡するリスクが低減するという知見がある (94) 。
・DHAおよびEPAを関与成分とし、「中性脂肪を低下させる作用のあるEPA、DHAを含んでおりますので、中性脂肪が気になる方に適します」などの表示が許可された特定保健用食品がある。
メタ分析など
・DHA、EPA、α-リノレン酸などのオメガ3系 (n-3系) 脂肪酸が総死亡率、心血管系イベント発生率 (心筋梗塞や狭心症など) 、がんの発生率に及ぼす影響について検討したシステマチックレビューがある (PMID:16565093) 。48報の無作為化比較試験と41報のコホート試験をメタアナリシスした結果、オメガ3系脂肪酸には総死亡率、心血管系イベント、がん発生率を低減する効果は認められなかった。
・2011年5月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、健康な成人による、藻類由来DHAの0.70〜2.80 g/日 (中央値1.68 g/日) の摂取は、血清中トリグリセリドの低下、LDLコレステロールとHDLコレステロールの増加と関連が認められた (PMID:22113870)
・2013年2月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験70報について検討したメタ分析において、18歳以上の高血圧薬非服用者によるDHA+EPAの摂取 (3週間以上) は、収縮期 (66報) 、拡張期 (66報) 血圧の低下と関連が認められた (PMID:24610882)
RCT
・埋め込み型除細動器 (ICD) を利用している患者546名 (試験群273名、平均60.5±12.8歳、ポーラド、ドイツ、オランダ、イギリス、チェコ共和国、ベルギー、オーストリア、スイス) を対象としたランダム化二重盲検比較試験において、魚油カプセル (EPA 464 mg、DHA 335 mg含有) を2 g/日、約365日間 (14〜376日) 摂取させたところ、不整脈発作の再発や全死亡の発生を低減する効果は認められなかった (PMID:16772624)
・冠状動脈バイパス術もしくは弁修復術を受けた患者168名 (試験群83名、平均67歳、アイスランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 1,240 mg/日とDHA 1,000 mg/日を手術前5〜7日間と、術後退院するまで (最長2週間) 摂取させたところ、術後の心房細動発生率に影響はなかった (PMID:20061328)
・心筋梗塞の既往歴があり治療中の患者4,837名 (60〜80歳、試験群3,601名、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、マーガリンとしてEPA 226 mg/日+DHA 150 mg/日もしくはα-リノレン酸1.9 g/日、またはこれら全てを40ヶ月間摂取させたところ、心血管イベント発生率 (PMID:20929341) 、抑うつ症状や楽観主義傾向 (PMID:22030221) に影響は与えず、また、このうち心血管疾患を有する2,911名 (試験群2,172名) を対象とした二次解析において、認知機能の低下に影響は与えなかった (PMID:21967845)
・中性脂肪値が100〜330 mg/dLの成人64名 (平均46歳、試験群32名、日本) を対象とした二重盲検試験において、1日あたりDHA 850 mg添加魚肉ソーセージを12週間摂取させたところ、血中中性脂肪、RLPコレステロールが低下したという報告がある (2005017143) 。
・中等度脂質異常症の男性34名 (39〜66歳、試験群17名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 3 g含有の油脂7.5 g/日 (プラセボ群はオリーブ油摂取) を90日間摂取させたところ、トリグリセリド、最高血圧、心拍数の減少が認められた (PMID:17684201)
・血液透析患者25名 (平均51±15歳、ギリシャ) を対象とした単盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸 (EPA 920 mg/日、DHA 760 mg/日含有) とα-トコフェロール8 mg/日 (単独摂取群は14.2 mg/日) を4週間摂取させたところ、α-トコフェロールのみを摂取した群と比較して、血清脂質やC反応性蛋白質濃度に影響は認められなかった (PMID:21439849)
・健康な若年成人324名 (試験群162名、平均28.2±4.8歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA1.6 g/日+キャリアオイル2.4 g/日を16週間摂取させたところ、血中のトリグリセリド、VLDLコレステロール濃度の低下が認められたが、その他の血中脂質や血管内皮機能に影響は認められず、血流依存性血管拡張反応 (FMD) の低下が認められた (PMID:23817470)
・多嚢胞性卵巣症候群で過体重または肥満の女性61名 (試験群30名、平均27.3±4.27歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸カプセル1 g (EPA 180 mg+DHA 120 mg含有) ×4個/日を8週間摂取させたところ、血清中のアディポネクチンの増加、血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR、総コレステロール値、LDL-コレステロール値の低下が認められたが、高感度C反応性蛋白濃度に影響は認められなかった (PMID:23017309)
・心筋梗塞の既往歴のある男性高齢者1,850名 (平均68.4±5.3歳、試験群1,378名、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、α-リノレン酸2 g/日とEPA-DHA 400 mg/日を41ヶ月間、いずれかまたは併用させたところ、血中テストステロン濃度やテストステロン欠乏症リスクに影響は認められなかった (PMID:22394170)
・健康な成人94名 (平均39.6±1.7歳、試験群62名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、高EPA油 (EPA 1,000 mg/日+DHA 200 mg/日) または高DHA油 (EPA 200 mg/日+DHA 1,000 mg/日) を4週間摂取させたところ、高EPA油および高DHA油ともに血小板凝集能の低下が認められた。また、性別で検討した場合、男性では高EPA油摂取群、女性では高DHA油摂取群で血小板凝集能の低下が認められた (PMID:23390192)


消化系・肝臓

RCT
・非アルコール性脂肪性肝疾患の小児60名 (6〜16歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 250 mg/日 (試験群20名、平均11±3歳) または500 mg/日 (試験群20名、平均11±2歳) を6ヶ月間摂取させたところ、肝脂肪変性率、血中トリグリセリド値の低下、インスリン感受性の増加が認められたが、ALT 値やBMIに影響は認められず (PMID:21233083) 、24ヶ月間摂取させところ、肝脂肪変性率、血中トリグリセリド値の低下が認められたが、HOMA-IR、ALT 値、BMIに影響は認められなかった (PMID:23220074)
その他
・DHA・EPAを含む魚油の経口摂取が潰瘍性大腸炎に対して有効性を示唆した (PMID:1553930) (PMID:1312317)

糖尿病・
内分泌

メタ分析
・2011年6月までを対象に4つのデータベースを元に検索できたコホート研究16報について検討したメタ分析において、魚や魚介類の摂取や、EPA+DHAの摂取、α-リノレン酸の摂取はII型糖尿病の発症リスクと関連が認められなかったが、試験によるばらつきが大きく、さらなる検討が必要 (PMID:22591895)
RCT
・健康な男女48名 (平均25.9±6.82歳、男性13名、女性35名、ドイツ) を対象とした無作為化比較試験において、α-リノレン酸6.0 g/日、EPA 2.8 g/日、DHA 2.9 g/日を3週間単独摂取させたところ、血中グルコース、インスリン、フルクトサミン、HbA1c濃度に影響は認められなかった (PMID:19011281)
・II型糖尿病患者45名 (平均54.9±8.2歳、試験群28名、イラン) を対象とした三重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 980 mg/日またはDHA 964 mg/日を12週間摂取させたところ、空腹時血糖、C反応性蛋白、体重、BMI、体脂肪率に影響は認められなかった (PMID:24049619)
・インスリン抵抗性のある過体重の成人31名 (試験群14名、平均35.3±2.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 2.7 g/日+DHA 1.2 g/日を6ヶ月間摂取させたところ、肝臓におけるインスリン感受性がわずかに増加したが、末梢インスリン感受性、食後の血糖動態、インスリン分泌能、筋肉内ミトコンドリア機能に影響は認められなかった (PMID:25852206)
その他
・高血圧治療を受けているII型糖尿病患者59名 (40〜75歳、オーストラリア) に対して経口でDHA 4 gを1日1回6週間摂取しても血中脂質濃度、血糖値、HbA1cに改善はみられなかった (PMID:12399272)
・高トリグリセリド血症患者935名 (男性45〜75歳、女性55〜80歳、イタリア) に対して、EPAエチルエステルを含むn-3系脂肪酸エチルエステル2 g (DHA 350 mg) 1日3回、2ヶ月間経口摂取した大規模介入試験では血糖に影響がないことが報告されている (PMID:9622285)

生殖・泌尿器

RCT
・健康な成人252名 (試験群126名、平均51.8±6.6歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸カプセル (EPA 1.12 g+DHA 0.72 g含有) 2個×2回/日を12週間摂取させたところ、血清前立腺特異抗原濃度の減少が認められたが、性ホルモン (テストステロン、ジヒドロテストステロン、黄体形成ホルモン、性ホルモン結合グロブリン) 濃度に影響は認められなかった (PMID:23199523)

脳・神経・
感覚器

一般情報
・ストレスを受けている人の攻撃的な行動を抑えるのに、経口摂取で有効性が示唆されている (64) 。
・小児の注意欠陥多動性障害 (ADHD) に対して、経口摂取で効果がないことが示唆されている。小児のADHDは血中DHAレベルの低さと関連があるが、DHA 345 mg/日摂取しても症状に改善はみられなかった (PMID:11487742)
・統合運動障害の小児における運動障害の改善に、ツキミソウ油、タイム油、ビタミンEとの組み合わせで、経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。小規模な臨床試験の結果、これらの組み合わせ摂取により、小児患者のおける運動障害に客観的な改善がみられた (94) 。
・DHAは、脳をはじめとする神経組織に多く含まれ、それらの発育や機能維持に重要な役割を果たすことが報告されている (PMID:12838196) (PMID:11598600) (PMID:11483802) (PMID:12093949)。また、DHAやアラキドン酸はα−リノレン酸やリノール酸より、20倍速く生体組織の脂質に組み込まれる (104) 。
・早産児における生後の視覚的注意力 (visual attention) の向上に、経口摂取で有効性が示唆されている (64) 。
・加齢黄斑変性の予防に経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析など
・2011年までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験16報について検討したメタ分析において、生後1年までのアラキドン酸やDHAなどの高度不飽和脂肪酸摂取による視覚機能への影響は、視覚誘発電位による測定では2ヶ月齢時 (4報) 、4ヶ月齢時 (10報) 、12ヶ月齢時 (4報) での機能向上と関連が認められたが、行動論的方法による測定では2ヶ月齢時 (9報) でしか認められず、いずれも試験によるばらつきが大きかった (PMID:23248232)
・2011年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験12報について検討したメタ分析において、乳児によるDHA、EPA、アラキドン酸、リノール酸等を含む長鎖不飽和脂肪酸の摂取は認知機能に影響を与えなかった (PMID:22641753)
・2006年6月までに検索可能な8種のデータベースについて検討したシステマティック・レビューにおいて、オメガ3系高度不飽和脂肪酸のうつ症状に対する12報のランダム化比較試験はバイアスが大きく、まとめて評価するにはより大規模で信頼できるデータが必要である (PMID:17158410)
・2009年12月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験7報について検討したメタ分析において、EPA、DHA、魚油の4週間以上の摂取は、周産期のうつ症状に影響を与えなかった (PMID:21078211)
・4つの二重盲検比較試験に参加した870名の乳幼児について検討した個別患者データのメタ分析において、アラキドン酸とDHAを含む長鎖不飽和脂肪酸を添加した調製乳の摂取は、18ヶ月齢時における精神や精神運動の発達指標 (Mayley Developmental Scores) に影響を与えなかった (PMID:19881391)
RCT
・成人18名 (21〜25歳、試験群9名、日本) を対象とした二重盲検試験において、1.5 g/日のDHAを9週間摂取させ、20項目以上のストレスを負荷させたところ、ストレスの指標となる血漿中のノルエピネフリン濃度が減少し、エピネフリン/ノルエピネフリン比が増加した (2000094737) 。
・ADHDの小児87名 (7〜12歳、試験群58名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA高含有魚油 (EPA 1,109 mg+DHA 108 mg/日含有) またはDHA高含有魚油 (EPA 264 mg+DHA 1,032 mg/日含有) を4ヶ月間摂取させたところ、言語能力、認識能力、精神症状評価尺度に影響は認められなかった (PMID:22541055)
・自閉症の子ども48名 (試験群24名、平均6.5±2.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 200 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、症状の評価 (CGI-I) に影響は認められなかった (PMID:24345834)
・健康な小児88名 (10〜12歳、試験群58名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 400 mg/日または1,000 mg/日を8週間摂取させたところ、認知機能に影響は認められなかった (PMID:19356306)
・7〜9歳の小児362名 (試験群180名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、藻類由来のDHA 600 mg/日を16週間摂取させたところ、言語能力評価の低かった群 (224名) でのみ、わずかに言語能力と親による行動評価の向上が認められたが、教師による行動評価や作業記憶に影響は認められず、全体では言語能力、作業記憶、行動評価のいずれにも影響は認められなかった (PMID:22970149)
・鉄欠乏の小児321名 (6〜11歳、試験群160名、南アフリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較において、DHA 420 mg+EPA 80 mg、または鉄50 mgと併用で4回/週、8.5ヶ月間摂取させたところ、認知機能評価 (HVLT、K-ABC) に影響は認められなかった (PMID:23097272)
・6ヶ月齢の満期出生母乳栄養児55人 (アメリカ) を対象としたプラセボ比較試験において、DHA 115 mg/100 gを含む卵黄を含有する離乳食を与えた結果、12ヶ月齢での視覚機能が向上した (PMID:15333721) 。一方、満期出生児 (19〜162人、アメリカ、オーストラリア) にDHA (総脂肪酸中0.10〜0.34%) とアラキドン酸 (総脂肪酸中0.34〜0.46%) を添加した調整乳を与えた研究では、コントロール群 (20〜77人) と比べ、視覚機能の有意な向上は認められなかった (PMID:8726246) (PMID:12949309) (PMID:11483802) (PMID:8979282) (PMID:10617701)
・出生後1〜9日の乳児244名を対象とした二重盲検無作為化比較試験 (試験群188名、アメリカ) において、アラキドン酸0.64%とDHA0.32%、0.64%、0.96%をそれぞれ含む調製粉乳を12ヶ月間摂取させたところ、DHA添加調製粉乳の摂取群では12ヶ月齢時の視力の向上が認められたが、DHA含有量が多くてもさらなる向上は認められなかった (PMID:20130095)
・早産児143名 (試験群69名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化比較試験の追跡試験において、DHA高含有調製乳の摂取は26ヶ月齢時の言語発達指標 (MCDI) や3歳〜5歳時の行動指標 (SDQ) 、気質指標 (STSC) に影響を与えなかった (PMID:20053878)
・満期出生児214名 (試験群91名、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、アラキドン酸 0.45%、DHA 0.3%含有調製乳を生後2ヶ月齢まで摂取させたところ、9歳時での神経学的発達評価 (Neurological Optimality Score、minor neurological dysfunction) (PMID:20370943) 、体格、血圧、心拍 (PMID:21705958) に影響は与えなかった。
・健康な乳児287名 (試験群138名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA高含有魚油 (DHA250〜280 mg/日、EPA60〜110 mg/日) を出生時から6ヶ月齢まで摂取させたところ、12ヶ月齢および18ヶ月齢時における言語発達評価 (MCDI) の6項目中2項目でのみ向上が認められたがその他の項目や、神経発達評価 (BSID-III) 、情緒・行動評価 (CBCL) に影響は認められなかった (PMID:22348468)
・満期出生児99名 (1〜9日齢、試験群79名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、アラキドン酸0.64%とともに、DHA 0%、0.32%、0.64%、0.96%のいずれかを含有する調整乳を12ヶ月間摂取させたところ、2.5歳時 (BBCS-R) および3.5歳時 (PPVT-III) の言語能力に影響は認められず、0.32%、0.96%摂取群では2歳時のPPVT-IIIスコアが低かった (PMID:22835597)
・母乳保育中の母親119名 (18〜40歳、試験群60名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 200 mg/日を産後4ヶ月間摂取させたところ、その子どもが5歳になった時の持続的注意評価 (Leiter国際動作尺度:神経発達の尺度) が上昇したが、その他の神経発達尺度 (K-ABC、McCarthy、Purdue、VMI、WPPSI) や視覚機能(VEP、Bailey Lovie acuity) に影響は認められなかった (PMID:20655543)

・失読症 (読書障害) の小児における夜間視力の向上に、経口摂取で有効性が示唆されている (64) 。DHA高含有の魚油を摂取した患者は、対照群と比較して暗所順応力が有意に向上したという知見がある (64) 。
・妊娠21週未満の妊婦2,399名 (平均28.9歳、試験群1,197名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 800 mg/日とEPA 100 mg/日含有カプセルを出産まで摂取させたところ、妊娠糖尿病や子癇前症の発症率 (PMID:22552037) 、母体の出産後6ヶ月までのうつ症状 (EPDS) や、子ども (726名) の18ヶ月齢時における認知機能・言語発達 (BSID-) に影響は認められなかった (PMID:20959577)
・妊娠18〜22週の妊婦900名 (試験群448名、平均26.4±4.8歳、メキシコ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 400 mg/日を出産まで摂取させたところ、産まれた子どもの1ヶ月齢、3ヶ月齢時の聴覚機能や3ヶ月齢、6ヶ月齢時の視覚機能に影響は認められなかった (PMID:22739364)
・早産児107名 (試験群50名、イギリス) を対象とした無作為化比較試験において、長鎖多価不飽和脂肪酸 (全脂肪分に対し0.5% DHAを含む) を添加した調製粉乳を誕生から9ヶ月齢まで摂取させたところ、全体として10歳時における認知機能に影響は認められなかったが、女児でのみ言語能力の向上が認められ、また、母乳を1度も摂取しなかった場合に限り、コントロール群と比較して長鎖多価不飽和脂肪酸を添加した調製粉乳摂取群に知能指数と記憶力の向上が認められた (PMID:21930549)
・健康な乳児81名 (試験群62名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、出生時から12ヶ月齢までDHA (脂肪分の0.32%、0.64%、0.96%のいずれか) +アラキドン酸 (0.64%) 含有調整乳を摂取させたところ、18ヶ月齢時の認識機能に影響は与えなかったが、3〜6歳時の認識機能評価項目の一部において向上が認められた (PMID:23803884)
・妊娠20週までの妊婦158名 (試験群82名、平均29.7±5.3歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 800 mg+EPA 100 mg/日を出産まで摂取させたところ、生まれた子どもの27±2ヵ月齢時において、注意能力試験では、注意をそらす要因のある状態での集中度を示す1項目で向上が認められたが、その他の項目に影響は認められず、ワーキングメモリー・抑制制御試験においても影響が認められなかった (PMID:24522442)
・早期加齢黄斑変性の患者44名 (試験群23名、平均69.2±7.8歳。スペイン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルテイン12 mg/日とDHA 280 mg/日を1年間併用摂取させたところ、黄斑色素光学密度の増加が認められた (PMID:23434908)
・アルツハイマー病の患者174名 (スウェーデン) を対象とした、無作為化二重盲検試験において、魚油カプセル (1,720 mg DHA、600 mg EPA含有) または等カロリーのプラセボ (2.4 gリノール酸含有) を6ヶ月間摂取させた結果、ミニメンタルステート検査および臨床痴呆評価尺度による認知能の低下には差がなかった (PMID:17030655)
・軽度〜中等度のアルツハイマー病患者295名 (試験群171名、平均76歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 2 g/日を18ヶ月間摂取させたところ、アルツハイマー病や認知症の症状 (ADAS-cog、CDR) に影響は認められず、このうち102名 (試験群53名) について検査したMRIによる脳の委縮率にも影響は認められなかった (PMID:21045096)
・高齢者男女899名 (平均76±5歳、アメリカ) を対象とした、平均9.1年間 (最長16年間) の前向き追跡研究において、血漿中DHAなどの濃度を測定した結果、血漿中DHA濃度が高い人では認知症の発生率が低かった (PMID:17101822)
・認知症や神経疾患のない高齢男女90名 (65〜84歳、試験群44名、アメリカ) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、イチョウ葉サプリメント (1日分としてイチョウ葉160 mg、ツボクサ68 mg、DHA 180 mg) を4ヶ月間摂取させたところ、認知機能、QOL、血小板機能に効果は見られなかった (PMID:17324660)
・高齢者867名 (70〜79歳、試験群434名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 200 mg/日とDHA 500 mg/日を24ヶ月間併用摂取させたところ、カリフォルニア言語学習検査 (CVLT) やその他の認知機能評価に影響は認められなかった (PMID:20410089)
・健康な高齢者485名 (試験群242名、平均70±9.3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 900 mg/日を24週間摂取させたところ、認知機能 (CANTAB PAL、VRM) の改善が認められた (PMID:20434961)
・裸眼の静止視力が左右共に1.0以上の大学生男子スポーツ選手44名 (平均年齢21歳、試験群23名、日本) を対象とした二重盲検試験において、DHA 1.5 g/日を35日間摂取させたところ、両眼の動体視力が0.87から0.97へと向上した (1997231165) 。
・高齢者302名 (65歳以上、試験群196名、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、DHAとEPAを合計400 mg (平均176 mgと226 mg) または1,800 mg (平均847 mgと1,093 mg)/日、26週間摂取させたところ、不安・抑うつ尺度 (評価指標:CES-D、MADRAS、GDS-15、HADS-A) には影響しなかった (PMID:18779287)
・119名の妊婦 (試験群:DHA 42名、DHA+アラキドン酸41名、オランダ) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、DHA 220 mg/日を単独またはアラキドン酸220 mg/日と併用して妊娠14〜20週 (平均16.5週) から産後3ヶ月まで摂取させたところ、周産期のうつ症状に影響は認められなかった (PMID:18955102)
・うつのリスクの高い妊婦126名 (アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、高EPA魚油 (EPA 1,060 mg+DHA 274 mg /日、試験群39名、平均29.9±5.0歳) または、高DHA魚油 (DHA 900 mg+EPA 180 mg/ 日、試験群38名、平均30.6±4.5歳) を妊娠初期から出産後6〜8週間まで摂取させたところ、うつの評価 (BDI、MDD) に影響は認められなかった (PMID:23531328)
・健康な若年成人140名 (18〜35歳、試験群92名、イギリス) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、DHA 450 mg/日+EPA 90 mg/日またはDHA 200 mg/日+EPA 300 mg/日含有の魚油1 g/日を12週間摂取させたところ、認知機能に与える影響はごくわずかであり、気分への影響は認められなかった (PMID:21864417)
・DHA摂取量の少ない健康な若年成人176名 (18〜45歳、試験群85名、ニュージーランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 1.16 g/日を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能検査7項目中2項目でのみ、改善が認められた (PMID:23515006)
・多発性硬化症患者92名 (試験群46名、平均38.8±8.4歳、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 1,350 mg/日+DHA 850mg/日を6ヶ月間摂取させ、その後、インターフェロンベータ-1aによる治療と18ヶ月間併用させたところ、症状の進行や再発率、生活の質 (QOL) に影響は認められなかった (PMID:22507886)
・大うつ病性障害患者35名 (試験群18名、平均43.5±3.72歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 1,140 mg/日 + DHA 600 mg/日を12週間摂取させたところ、症状の評価スコアCGI-Iのみ改善が認められたが、CGI-S、CES-D-K、HAM-D-17に影響は認められなかった (PMID:25824637)
・事故負傷による集中治療室入院患者110名 (試験群53名、平均38.1±13.5歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 1,470 mg/日とEPA 147 mg/日を12週間摂取させたところ、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) スコアに影響は認められなかった (PMID:26335087)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・DHAを含む魚油の経口摂取がアトピー性皮膚炎に対して有効性を示唆した (101) 。また、アトピーの妊婦 (オーストラリア) がn-3系多価不飽和脂肪酸3.7 g (EPA 27.7%、DHA 56.0%) を含む魚油を20週間経口摂取することにより、子供のアトピー性皮膚炎の重症度が軽減された (PMID:14657879)
メタ分析
・2011年6月までを対象に5つのデータベースで検索できたコホート研究3報について検討したメタ分析において、DHAの摂取は前立腺がんのリスクに影響を与えなかった (PMID:23193480)
・DHA、EPA、α-リノレン酸などのオメガ3系 (n-3系) 脂肪酸が総死亡率、心血管系イベント発生率 (心筋梗塞や狭心症など)、がんの発生率に及ぼす影響について検討したシステマチックレビューがある (PMID:16565093) (PMID:16434631) 。48報の無作為化比較試験と41報のコホート試験をメタアナリシスした結果、オメガ3系脂肪酸には総死亡率、心血管系イベント、がん発生率を低減する効果は認められなかった (PMID:16565093) 。また、38報のコホート試験をメタアナリシスした結果においても、オメガ3系脂肪酸には、がん発生率を低減する効果は認められなかった (PMID:16434631)
RCT
・遺伝的にアトピーになりやすいと考えられる乳児420名 (試験群218名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、魚油サプリメント (DHA 280 mg/日、EPA 110 mg/日含有) を産まれてから6ヶ月齢まで摂取させたところ、6ヶ月齢時および12ヶ月齢時 (323名、試験群156名) の喘息、食物アレルギー、皮膚炎、アレルギー感作の発症率に影響は認められなかった (PMID:22945403)
・妊婦851名 (試験群423名、平均26.3±4.9歳、メキシコ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 400 mg/日を妊娠18〜22週の間摂取させたところ、子どもが1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月齢時での風邪や咳、発熱、嘔吐、湿疹などの症状の持続期間への影響が認められたが、発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:21807696)
・乾癬患者19人 (日本) に、DHA 0.1 gを含む魚油カプセルを1回2〜3カプセル、1日3回 (DHAとして0.6〜0.9 g/日) 12週間投与した結果、症状の軽減が見られた (102) 。
・メタボリックシンドロームの成人100名 (平均50±10歳、試験群各20名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、α-リノレン酸2.2 g/日または6.6 g/日、EPA+DHA 1.2 g/日または3.6 g/日のいずれかを8週間摂取させたところ、血漿中炎症マーカー (MCP-1、IL-6、sICAM-1) に影響は認められなかった (PMID:22031659)
・透析を受けていない慢性腎臓病患者31名 (試験群17名、平均64.1±9.5歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、魚油2.4 g/日 (EPA 1,400 mg+DHA 1,000 mg 含有) を8週間摂取させたところ、血中のIL-1β濃度の増加抑制が認められたが、IL-6、TNF-α濃度に影響は認められなかった (PMID:22285316)
・リウマチ性関節炎患者81名 (試験群41名、平均49.24±10.46歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 2.090 g+DHA 1.165 g /日、16週間摂取させたところ、非ステロイド性抗炎症薬の必要量や、症状、血中サイトカイン、エイコサノイド、骨代謝マーカー濃度に影響は認められなかった (PMID:23333088)
その他
・乳児554名 (オーストラリア) にDHAを含む魚油を500 mg/日、6ヶ月間経口摂取させた研究において、18ヶ月間の喘鳴を予防することを示唆した (PMID:12532113) 。一方、4週間摂取しても喘息に対する効果がみられなかった (PMID:7791267)
・リウマチ患者 (ドイツ、アメリカ、ベルギー) に対して、EPAを含む魚油 (30,130 mg/kg) やn-3系脂肪酸 (2.6 g:DHA 6%、EPA 28%) を3〜12ヶ月経口摂取させた研究において、症状の軽減が報告されている(PMID:12548439) (PMID: 7639807) (PMID: 8003055)
・大規模なコホート研究で、魚油を多く含む魚の摂取量が高いと前立腺ガンのリスクが低下することが報告されている (PMID:11403817)

骨・筋肉

RCT
・軽度から中等度のうつ病患者113名 (18〜67歳、試験群53名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸1.48 g (0.63 g EPA+0.85 g DHA)/日を12週間摂取させたところ、血清の骨吸収マーカー (I型コラーゲン架橋C-テロペプチド:β-CTX) に影響は認められなかった (PMID:21129235)
・やや過体重の男児78名 (試験群38名、平均14.3±0.7歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、高DHA含有魚油入りパン (n-3系多価不飽和脂肪酸1.1 g/日含有) を16週間摂取させたところ、骨密度や骨形成に影響は認められなかった (PMID:22337227)

発育・成長

RCT
・早期出生児 (122人、オーストラリア) にDHA (総脂肪酸中0.5%) を添加した調整乳を与えた研究では、コントロール群 (116人) と比べ、調整乳投与中 (9ヶ月まで) の体重増加が早かった (PMID:15069395) 。また、早期出生児 (59人、アメリカ) にDHA (総脂肪酸中0.33%) とアラキドン酸 (総脂肪酸中0.60%) を添加した調整乳を与えた研究では、コントロール群 (53人) と比べ、早期出生児用調整乳投与期間 (28日間以上) の体重増加が有意に早かった (PMID:12032520) 。一方、早期出生児 (77〜79人、アメリカ、イギリス、チリ) にDHA (総脂肪酸中0.15〜0.35%) とアラキドン酸 (総脂肪酸中0.41-0.50%) を添加した調整乳を与えた研究では、コントロール群 (39〜78人) と比べ、体重増加に有意な差は認められなかった (PMID:11483801) (PMID:10941962)
・満期出生児 (35〜162人、アメリカ) にDHA (総脂肪酸中0.12〜0.14%) とアラキドン酸 (総脂肪酸中0.43-0.46%) を添加した調整乳を与えた研究では、コントロール群 (37人) と比べ、体重増加に有意な差はなかった (PMID:12949309) (PMID:11483802) (PMID:8979282)
・妊娠33週未満で出生した早産児614名 (試験群298名) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、高DHA (総脂肪酸中1%) と標準DHA (総脂肪酸中0.3%) を産後2〜4日目から当初の出産予定日まで摂取させたところ、精神運動発達の指標 (Bayley Mental Development Index、Psychomoter Development Index) に影響は認められなかった (PMID:19141765)
・健康な新生児1,160名 (試験群580名、出生体重2,500 g以上、白人の両親) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 20 mg/日を退院後24時間以内から生後1年間まで摂取させたところ、腰が座るまでの期間は1週間早かったが、その後の運動発達に影響は認められなかった (PMID:19056592)
・ペルオキシソーム病患者34名 (試験群15名、28.9±32.8月齢、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 100 mg/kg体重/日を1年間摂取させたところ、視覚機能の発達や成長に影響は認められなかった (PMID:20805528)
・乳児155名 (3〜9ヶ月齢、試験群79名、ガンビア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 200 mg/日+EPA 300 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、9ヶ月および12ヶ月齢時の上腕周囲径、12ヶ月齢時の皮下脂肪厚の増加が認められたが、9ヶ月齢時の罹患率、腸粘膜炎症マーカーや12ヶ月齢時の認知機能に影響は認められなかった (PMID:23221579)
・妊娠20週未満の妊婦350名 (試験群178名、平均25.3±4.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、出産時までDHA 600 mg/日を摂取させたところ、新生児の在胎期間、出生時体重、身長、頭囲の増加、早産、超低出生体重児の減少が認められた (PMID:23426033)

肥満

RCT
・18〜22歳の女性34人 (日本) を対象とした二重盲検比較試験において、DHA 1,000 mg含有の豆乳飲料を6週間摂取した結果、皮下脂肪や内臓脂肪の減少がコントロール群と比べて大きかった (2003148550) 。
・低エネルギー食の指導を受けている肥満の成人63名 (平均45.4±9.2歳、試験群20名、オーストラリア) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、脂の多い魚180 g/週の摂取の助言とともにEPA 420 mg/日+DHA 210 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、体重、体脂肪、空腹時血糖値、インスリン、HOMA-IR、血中脂質、血圧の変化に影響は与えなかった (PMID:24369765)
その他
・中等度の肥満・高血圧患者 (オーストラリア) がDHAを含むn-3系脂肪酸を経口摂取することにより、体重が減少した (PMID:11593093)

その他

RCT
・サイクリスト23名 (試験群11名、平均26.9±2.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸含有カプセル (EPA 2,000 mg/日、DHA 400 mg/日) を6週間摂取させたところ、10 kmタイムトライアルの結果や運動前後の血中炎症マーカーに影響は認められなかった (PMID:19910654)
・嚢胞性線維症の子ども41名 (試験群21名、中央値8.9歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 100 mg/ kg/日を1ヶ月間、その後1 g/日を11ヶ月間摂取させたところ、血漿中のアラキドン酸/DHA比の減少が認められたが、肺機能、体組成、血清中炎症マーカー、脂溶性ビタミン濃度などに影響は認められなかった (PMID:23266209)
その他
・アトピー性皮膚炎患者64名 (2ヶ月〜63歳、試験群12名、日本) にDHA 1.2%、EPA 0.6%を含む軟膏を2〜3回/日、4週間塗布したところ、紅斑、丘疹、掻痒の皮膚症状が改善したという予備的な報告がある (2000207599) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中で見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に用いれば経口でおそらく安全である (94) が、大量摂取は危険性が示唆されている (94) 。1日3 g以上の摂取で、凝血能が低下し出血傾向が起きることがある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・適切に経口で使用する場合はおそらく安全である (94) 。
<小児>
・適切に用いれば安全性が示唆されている (94) 。
<その他>
・DHA単独では経口摂取の副作用は報告されていない (94) 。しかしEPA、DHAを含む魚油では、げっぷ、吐き気、鼻血、軟便が知られている (94) 。
<被害事例>
・DHA含有製品摂取との因果関係が疑われる健康被害が報告されている。
1)アトピー性皮膚炎の既往歴のある27歳女性と25歳男性 (日本) がDHA・EPA含有栄養剤使用後に滲出性紅斑が出現し、使用を中止すると症状が改善した (2001122153) 。
2)家族性大腸ポリポーシス患者3名 (結腸亜全摘した31歳女性、半結腸切除術を受けた58歳女性、スリンダク摂取により多数の小腸潰瘍が発症したために結腸切除術を受けた59歳男性、日本) にDHA 2.2 g/日、EPA 0.6 g/日を1〜2年間投与したところ、それぞれ腺腫の粘膜の腺がん、子宮粘膜がん、肺がんを発症した (1999125863) 。

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・魚油の多量摂取によって凝血能が低下することがある (94) 。抗凝血作用のあるハーブやサプリメント、医薬品との併用は、出血傾向の高い人は注意した方がよい (94) 。
・DHA含有魚油は、血圧を下げることがあるので、血圧降下剤を服用中の人では相乗効果が起きることがある (94) 。
・臨床検査値 (インスリン、トリグリセリド、コレステロール、プロトロンビン時間、肺機能試験) に影響を与えることがある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.NOAEL (無毒性量)
・微細藻類オイル由来のDHAエチルエステルを投与:ビーグル犬 (雌雄) 経口2,000 mg/kg体重/日 (9ヶ月間) (PMID:27036332)

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に用いれば経口摂取でおそらく安全であるが、大量摂取は危険性が示唆されている。1日3 g以上の摂取で、凝血能が低下し出血しやすくなる可能性がある。妊娠中・授乳中の安全性については、魚などの食品や特別用途食品 (特定保健用食品を含む) として摂取する場合は安全と思われる。EPA、DHAを含む魚油では、げっぷ、吐き気、鼻血、軟便が知られている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒト試験の結果により、疾病などに対して有効性が示唆されているのは、1) 冠状動脈疾患のリスク低減、2) ストレスを受けている人の攻撃的な行動の抑制、3) 統合運動障害の小児における運動障害の改善、4) ツキミソウ油、タイム油、ビタミンEとの組み合わせで早産児における生後の視覚的注意力 (visual attention) と失読症 (読書障害) の小児における夜間視力の向上、5) 加齢黄斑変性である。
・中性脂肪を低下させる機能が特定保健用食品の審査で認められている。
・ヒト試験の結果により、疾病などに対して効果がないことが示唆されているのは、1) II型糖尿病の治療、2) 小児の注意欠陥多動性障害 (ADHD) である。

参考文献

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