健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

カテキン [英]Catechin (Catechinic acid) [学名]-

概要

カテキンは、水溶性の多価ポリフェノールで、緑茶や紅茶の渋み成分である。俗に、「抗酸化作用がある」「コレステロールを低下させる」「抗菌作用がある」などと言われている。ヒトでの有効性については、「体脂肪が気になる人に適する食品」「虫歯の原因になりにくい食品」として、茶カテキンを関与成分とした特定保健用食品が許可されている。また、安全性については、摂取量に関する信頼できるデータが見当たらない。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・特定保健用食品の成分となっている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・緑茶など茶類に含まれる苦み・渋みの成分であるポリフェノール類で、主にエピガロカテキンガレート (epigallocatechin gallate:EGCG) 、エピカテキン (epicatechin) 、エピカテキンガレート (epicatechin gallate) 、カテキン (catechin) を総称してカテキンと呼ぶことが多い。
・緑茶エキスのカプセルや錠剤として、47〜52%のカテキン類を含む製品がある。また、カテキン類を主成分とする緑茶カテキンカプセルもある。

分析法

・カテキンは一般には紫外可視 (UV) 検出器を装着したHPLC法により分析されている (101) (102) 。感度の高い分析方法としては、電気化学検出器を装着したHPLC法 (103) 、化学発光検出器を装着したHPLC法がある (PMID:9177723)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・カテキン摂取と血中脂質に関する検討が報告されているが、効果が認められたという報告と認められなかったという報告がある。個々の詳細は下記の通り。
<血中脂質に対する影響が認められたという報告>
メタ分析
・2010年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験20報について検討したメタ分析において、緑茶カテキンの145〜3,000 mg/日、3〜24週間の摂取は、血清総コレステロール、LDLコレステロールの減少と関連が認められたが、HDLコレステロール、中性脂肪に影響は認められなかった (PMID:22027055)
RCT
1) 軽症または境界型高コレステロール血症 (180〜259 mg/dL) 患者60名 (平均48.4歳、試験群60名、日本) を対象とした二重盲検試験において、茶カテキン197.4 mgを含む飲料を1日2本 (朝・夕食時) 、12週間摂取させたところ、男性では、8週目以降より血清総コレステロール値が低下した (2005139542) 。
2) 閉経後女性103名 (アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EGCGを400 mg/日 (37名、平均59.6±6.36歳) または800 mg/日 (34名、平均62.0±9.42歳) 、2ヶ月間摂取させたところ、血清ホルモン濃度 (エストラジオール、エストロン、テストステロン) に影響は認められなかったが、LDLコレステロール、血糖、インスリン濃度の低下が認められた (PMID:22246619)
3) 健康な女性14名 (平均34.9歳、スペイン) を対象としたプラセボ比較試験において、食事を1,800 kcal/日に調整し、カフェイン150 mg/日、茶エタノール抽出物375 mg/日 (エピガロカテキンガレート270 mg/日を含む) を含有する緑茶抽出物製品を5週間摂取させたところ、上腕動脈拡張期血管径、流量依存性拡張が増加し、血中酸化LDL、抗酸化LDL IgM抗体の減少がみられたという予備的な報告がある (PMID:18689551)
4) 空腹時中性脂肪値120〜250 mg/dLの高脂血症患者47名 (平均42歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー試験において、カテキンを215.3 mg含む飲料を摂取させ、脂肪負荷試験 (市販のバター20 gとスライスパン70 gを使用) を行ったところ、食後中性脂肪値、レムナント様リポ蛋白コレステロール値 (RLP-C) の上昇が抑制された (2005204817) 。
5) 健常成人男性12名 (平均38.9±2.1歳、日本) を対象としたクロスオーバー試験において、脂肪負荷食 (食パン50 gとバター30 g) と緑茶300 mL (カテキン類1.2±0.2 g、EGCG 43.4%、EGC 38.7%) を同時摂取させたところ、血漿中性脂肪値とカイロミクロンTG値の増加が抑制された (2004127571) 。

<血中脂質に対する影響は認められなかったという報告>
メタ分析
・2014年10月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、緑茶カテキンの摂取は血漿中CRP濃度に影響を与えず、摂取期間 (<8週:3報、≧8週:5報) 、カテキン量 (<400 mg:3報、≧400 mg:6報) 、対象者 (健康:4報、心血管疾患患者:4報) 別の解析においても、いずれも影響は認められなかった (PMID:26233863)
RCT
1) 軽度の高コレステロール血症患者102名 (平均48.1±6.1歳、試験群67名、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、1日に紅茶テアフラビン77.5 mg、もしくは紅茶テアフラビン 75 mg+カテキン 150 mg+他のポリフェノール 195 mgをカプセルにて11週間摂取させたところ、血清総コレステロール値およびLDLコレステロール値に影響は認められなかった (PMID:19639377)
2) 過体重もしくは肥満の男性88名 (試験群46名、平均52.15歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、エピガロカテキンガレート (EGCG) を400 mg×2回/日、8週間摂取させたところ、拡張期血圧の低下が認められたが、BMI、腹囲、体脂肪率、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、インスリン感受性、インスリン分泌、糖耐能に影響は認められなかった (PMID:18710606)
3) 減量プログラム参加者または健康な成人51名 (試験群25名、平均43.2±14.8歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、カテキン含量400 mg/日または100 mg/日の緑茶を9週間摂取させたところ、血清アディポネクチン、体重、BMI、ウエスト囲、血圧、コレステロール値、中性脂肪量、空腹時血糖値、ALT、AST、γ-GTP、尿酸値、高感度CRP濃度にカテキン摂取量の影響は認められなかった (PMID:22144918)


消化系・肝臓

RCT
・NAFLD患者17名 (日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カテキン1,080 mg/日 (高濃度群7名、平均47.1±17.2歳) または200 mg/日 (低濃度群5名、平均51.4±14.8歳) を含む緑茶を12週間摂取させたところ、高濃度群で体脂肪率、ALT、尿中8-イソプロスタン値の低下、肝脾比の上昇が認められたが、いずれの群においても、体重、BMIに影響は認められなかった (PMID:24065295)

糖尿病・
内分泌

メタ分析
・2011年10月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験22報について検討したメタ分析において、緑茶カテキンの摂取はカフェインの有無にかかわらず、空腹時血糖値の低下 (22報) と関連が認められたが、空腹時インスリン濃度 (16報) 、HbA1c (6報) 、HOMA-IR (6報) に影響は与えなかった (PMID:23426037)
RCT
・健康な成人男性11名 (平均23±2歳、イギリス) を対象としたcounter-balancedクロスオーバープラセボ比較試験において、EGCG 366±5 mgを含む緑茶抽出物を摂取し、翌日にブドウ糖負荷試験を行ったところ、インスリン曲線下面積の減少、インスリン抵抗性の増加が認められた (PMID:18326618)
・II型糖尿病の閉経後女性93名 (試験群47名、平均62.13±0.73歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、高フラボノイドチョコレートを27 g/日 (エピカテキン90 mg、イソフラボン100 mg含有)、1年間摂取させたところ、プラセボのチョコレート群に比べて、HOMA-IR、インスリン濃度、総コレステロール/HDLコレステロール比、LDLコレステロールの低下、インスリン抵抗性の減弱が認められたが、血圧、HbA1c、血糖値に影響は認められなかった (PMID:22250063)

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・健康な成人27名 (平均22歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、EGCG 135 mgまたは270 mgを単回摂取させたところ、前頭皮質の血流量やヘモグロビン量の低下が認められたが、認知機能や気分への影響は認められなかった (PMID:22389082)
・健康な成人31名 (平均27.74±9.28歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、EGCG 300 mgを単回摂取させたところ、120分後の脳波 (α、β、θ) が活性化し、ストレスの自己評価が低下した (PMID:22127270)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・カテキンを含む緑茶として飲用した条件では、食道がん、膀胱がん、膵がん、乳がん、子宮頸がん、胃がん、卵巣がんなどのリスクの低減に対して、有効性が示唆されている。
・大腸がんのリスクに対しては、効果がないことが示唆されている。
RCT
・福祉施設従事者196名 (試験群97名、平均42.1±12.4歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、緑茶カテキン378 mg/日+テアニン210 mg/日を5ヶ月間摂取させたところ、臨床診断によるインフルエンザの罹患率の低下および罹患までの日数の遅延が認められたが、ウイルス抗原診断検査による罹患率に影響は認められなかった (PMID:21338496)
その他
・40〜69歳の男女988名 (男性331名、女性163名、日本) を対象としたコホート内症例対照研究において、血漿中の茶カテキン濃度と9〜14年後までの胃がん発症率の関連を検討した結果、男性ではEGC (エピガロカテキン) 濃度が高いと発症リスクが高く、女性ではEGCG (エピカテキンガレート) 濃度が高いと発症リスクが低かった (PMID:18268118)
・喫煙習慣のある27,111名の男性 (50〜69歳) を対象としたコホート研究 (約16.1年追跡、フィンランドで20 mg/日のβ-カロテンと50 mg/日のビタミンEを含むサプリメントを投与したATBC研究) において、サプリメントを摂取していなかった対照群においてのみ、食事からの総フラボノイド、フラボノール類 (ケンフェロール、ケルセチン) 、カテキン類 (カテキン、エピカテキン) の摂取量が多いと、すい臓がんの発症リスクが低減することを示唆した (PMID:18349272)

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

一般情報
・茶カテキンを関与成分とし、「この緑茶は茶カテキンを豊富に含んでいるので、体脂肪が気になる方に適しています」などの表示が許可された特定保健用食品がある。
・カテキン摂取と肥満に関する検討が報告されているが、効果が認められたという報告と認められなかったという報告がある。個々の詳細は下記の通り。
<肥満に対する影響が認められたという報告>
RCT
1) 日本肥満学会の判定基準で肥満1〜2度 (BMI25〜35 kg/m2) の成人226名 (20〜65歳、試験群107名、日本) を対象としたランダム化二重盲検並行試験において、539.7 mgのカテキンを含んだ飲料を1日1本、12週間摂取させたところ、体重、体脂肪、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径が減少した (2005254988) 。
2) 日本肥満学会基準で普通体重から肥満(1度)に属する健康女性43名 (22〜53歳、試験群21名、日本) を対象とした二重盲検比較試験において、アルコール量のみ制限して、茶カテキンを562mg含む飲料を8週間摂取させたところ、BMI≧22.0の8名においてのみ、CT撮影による内臓脂肪面積が減少したという予備的な報告がある (2003038204) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。
3) BMIが24〜30 kg/m2の男性43名 (30〜62歳、試験群20名、日本) と閉経後女性37名 (43〜65歳、試験群19名) の80名を対象とした二重盲検試験において、カテキンを588 mg含む飲料を12週間摂取させたところ、体重の低下、脂肪の低減が見られた (2003087072) 。
4) 過体重および肥満の男女132名 (平均48歳、試験群67名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カフェイン39 mgとカテキン625 mgを含む飲料を12週間摂取させたところ、カフェインのみと比較して、運動による腹部脂肪の減少が促進され、循環血中の遊離脂肪酸とトリグリセリド値の改善が認められた (PMID:19074207)

<肥満に対する影響が認められなかったという報告>
メタ分析
・2009年4月までを対象に、4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験15報について検討したメタ分析において、カフェインを含まない緑茶カテキンの摂取は、BMI、体重、腹囲、ウエスト/ヒップ比に影響を与えず、カフェインを含む緑茶カテキンの摂取ではBMI、体重、腹囲をわずかに減少させたが、臨床的な重要性は低い (PMID:19906797)
RCT
1) 健康な標準体重の男性15名 (平均23.6±2.7歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、カフェイン150 mg/日を単独またはカテキン混合物493.8〜684.0 mg/日と併用摂取させたところ、翌日のRespiratory Chamber 法により評価した座位でのエネルギー消費や脂肪の酸化に影響は認められなかった (PMID:19445822)
2) 過体重および中等度肥満の男女80名 (平均44±2歳、試験群40名、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、4週間の超低エネルギー食による体重減少後に、体重維持のために高タンパク食または適度なタンパク食とともにカテキン (EGCG) 270 mgおよびカフェイン150 mgを3ヶ月間摂取させたところ、カテキンとカフェインによる相乗効果は認められなかった (PMID:19176733)
3) 肥満の児童40名(試験群21名、平均11.1±0.5歳、日本)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カテキン576 mg/日を含む緑茶を24週間摂取させたところ、体重、BMI、腹囲、体脂肪率、血中脂質などに影響は認められなかったが、開始時に中央値を越えていた群のみの解析では、腹囲、収縮期血圧、LDLコレステロール値の低下が認められた (PMID:18356827)
4) 肥満の閉経前女性83名 (19〜49歳、試験群43名、スペイン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EGCG 300 mg/日を12週間摂取させたところ、体重、BMI、体脂肪、腹囲、エネルギー代謝、脂質代謝、血糖、インスリン、HOMA-IR、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド、CRP、肝機能マーカーに影響は認められなかった (PMID:24299662)
5) ・過体重の男女24名 (平均30±2歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、EGCGを282 mg/日、3日間摂取させ、試験食負荷試験を行ったところ、食後の血漿グリセロール濃度の低下が認められたが、血漿グルコース、インスリン、乳酸、遊離脂肪酸、トリグリセリド値、エネルギー消費量、炭水化物および脂質の酸化、脂肪組織の脂肪酸代謝関連酵素 (CPT-1、ATGL、HSL、FAT/CD36、ACC-1) およびレプチンのmRNA発現量に影響は認められなかった(PMID:26647963)

その他

<運動>
RCT
・持久力訓練を受けている男性10名(平均27.1±4.3歳、スイス)を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、緑茶抽出物500 mg/日(総カテキン160 mg/日含有)を3週間摂取させたところ、50%W(max)で2時間のサイクリング運動後の脂質、エネルギー代謝(脂肪酸、3-βヒドロキシ酪酸、中性脂肪、LDLコレステロール、総コレステロール、乳酸、ブドウ糖、酸素摂取量、呼吸交換比率、エネルギー支出)や炎症性マーカー(IL-6、CRP)、酸化ストレス(過酸化脂質、酸化LDLコレステロール)に影響は認められなかった(PMID:19839000)
・健康な成人19名 (平均26±2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検反復測定無作為化プラセボ比較試験において、EGCG 135 mg×3粒/日を2日間と、運動実施2時間前に1粒摂取させたところ、自転車エルゴメーターにおける最大酸素摂取量の増加が認められたが、最大仕事率、最大呼吸交換比、最大心拍数に影響は認められなかった (PMID:19952844)
・健康な成人男性12名 (平均26±2歳、イギリス) を対象としたcounter-balancedクロスオーバープラセボ比較試験において、EGCG 366±5 mgを含む緑茶抽出物を摂取し、翌日に60%最大酸素摂取量 (VO2max) の強度で自転車こぎを行ったところ、脂質酸化率の増加、総エネルギー消費量に対する脂質酸化の寄与率の増加が認められた (PMID:18326618)

<その他>
RCT
・健常成人42名(22〜48歳、日本)を対象とした二重盲検試験において、7日間、歯ブラシおよびその他清掃器具の使用を中止し、茶カテキン1.0%含有含漱剤10 mLで1日3回食後に30秒間、洗口させたところ、口臭が抑制された(1996152620)。
・45名(15〜25歳、日本)を対象に、10日間、歯ブラシおよびその他清掃器具の使用を中止し、茶エキス(カテキン)1.2%含有洗口剤10 mLで1日3回食後に20秒間、洗口させたところ、プラーク増加と歯肉炎の抑制傾向が認められた (1996066571)。
・健康な女性60名 (40〜65歳、試験群30名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、緑茶ポリフェノール飲料 (総カテキン1,402 mg/日含有) を12週間摂取させたところ、紫外線による皮膚の紅斑の抑制や、皮膚の弾力、密度、保水性、血流量や酸素濃度の増加が認められた (PMID:21525260)
・粥食・軟菜食の老人ホーム入居者35名(66〜98歳、日本)に、茶カテキンを300 mg/日、6週間投与したところ、糞便のpH、水分、アンモニア、硫化物、酸化還元電位が低下した (1999179370)。
その他
・化学療法を開始した患者13名 (日本) に、1日に20個の緑茶アイスボール(緑茶3 gを約80℃の湯90 mLで約60秒間浸出したもの、カテキン0.1 g含有)を口腔内に含ませたところ、副作用である口内炎の発症率が低かった (2005130107)。
・ブドウ球菌MRSA陽性患者51名 (日本) に、カテキン製剤(市販品)吸入療法を行ったところ、対象期間に除菌できたのは23名、陰性化するのに要したのは平均24日、28日以上継続しても、それ以上の除菌は行えなかったという症例報告がある (2003179188)(2002164860)。
・出生体重2,000 g以下の低体重児46名(試験群29名、日本)を対象に、カテキン製剤(エピガロカテキンガレート30%、エピガロカテキン21%、エピカテキンガレート9%、エピカテキン7%含有)の0.2〜1.0%溶液を用いて皮膚の清拭を行ったところ、前後で皮膚から検出されたグラム陰性桿菌数が減少した (1998129785)。





試験管内・
動物他での
評価

・カテキン(主にEGCG)は抗酸化作用、ラジカル消去を持つことが多くの試験管内及び動物実験で示されている(104)。
・試験管内及び動物実験において、カテキン(特にEGCG)は突然変異抑制作用、発がん抑制作用、抗腫瘍作用、転移抑制作用を持つことが報告されている(104)。
・動物実験により、EGCGはがん細胞の細胞周期停止またはアポトーシス(細胞死)を誘発して細胞増殖を抑制することが報告されている。
・カテキン(主にEGCG)は紫外線による皮膚障害やDNAの損傷、がんの発生を予防することが報告されている。
・EGCGを多く含む緑茶の投与が、カロリーおよび脂肪代謝を高めて、体重減少に役立つ可能性が示唆されている。しかしヒトにおいて、その効果が期待できるのかは不明である。
・試験管内および動物実験では、カテキン類による血圧降下作用、脳梗塞予防効果、血糖上昇抑制効果などが報告されている(104)。

安全性

危険情報

<一般>
・通常量の緑茶としての飲用では、おそらく安全である。ただし、カテキンを摂取する目的で多量の茶類を飲用する場合には、混在するカフェインの摂取により種々の生理作用(頭痛、神経興奮作用、利尿作用、血圧上昇など)が現れる可能性があり、特にカフェインに過敏な人は注意が必要である。300 mg以上のカフェインの摂取は危険性が示唆されている。ごく稀に、茶工場での蒸気吸入により職業性喘息の報告がある(PMID:7988204)(PMID:12956747)
<小児>
・児童(平均11.1±0.5歳)を対象とした試験において、カテキン576 mg/日を含む緑茶を24週間摂取させても、悪影響はみられなかった (PMID:18356827)
<被害事例>
・4名の女性 (57〜68歳、米国) がFlavocoxid (バイカリンとカテキンから構成される変形性関節症の治療のメディカルフード、ブランド名Limbrel) 250 mgまたは500 mg錠×2回/日、1〜3ヶ月間摂取したところ、血中肝機能マーカー (ALT、ALP、bilirubin) の著しい上昇を伴う肝障害の症状を呈し、摂取中止後3〜12週間で改善した (PMID:22711078)
・2004〜2010年にアメリカの薬物性肝障害の症例収集ネットワーク (DILIN) にハーブサプリメントによる肝障害が57例報告され、使用された97製品中49製品 (50.5%) がカテキンを含有していた (PMID:23625293)
・3名の女性 (31、56、59歳、スペイン) が抜毛対策を謳った、緑茶カテキン、ブドウ種子カテキン、タウリン、亜鉛含有サプリメント製品 (Inneov masa capilar(R)) を23日〜1ヶ月間摂取したところ (摂取量不明) 、急性肝炎を発症した (PMID:25544415)
・結核の既往歴のある51歳男性 (日本) が、高濃度カテキン含有緑茶抽出物50 mg/mL含有の溶液2 mLを1〜2回/日、1ヶ月間吸入したところ、過敏性肺炎を起こした (PMID:21454952)
・製茶業従事者の緑茶粉塵による気管支喘息が報告されている。
1) 18年間浮遊茶粉塵の極めて多い茶工場に従事していた54歳の女性 (日本) が、1年間続く乾性咳嗽と労作時息切れを主訴とした、過敏性肺臓炎を強く疑われた (2004210748) 。
2) 製茶業従事者3名 (日本) が緑茶粉塵による気管支炎喘息と診断された (1993124545) 。
・20歳時に十二指腸潰瘍による幽門側胃切除、55歳時にイレウス (腸閉塞) の既往歴をもつ59歳の男性 (日本) が、高濃度カテキン茶の多量摂取 (1.5 L/日以上) が原因と考えられる胃石性イレウスを複数回、発症した (2012079602) 。

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・腎臓がんにより腎摘出を受けた5年後に、右目の腫れと痛みを訴え、脳、肝臓、肺、骨に転移が確認された男性 (年齢不明、中国) が、スニチニブ (腎臓がんを対象とした抗がん剤) の服用とともに緑茶を頻繁に摂取すると (摂取量不明) 、右目の症状が再発し、緑茶摂取を控えると症状の改善がみられたことから、緑茶によるスニチニブの阻害が疑われた。また、in vitroおよびラットを用いたin vivo 試験においてEGCGの投与はスニチニブの生物学的利用能を阻害した (PMID:21331509)
・健康成人女性24名 (平均26.0±0.5歳、ドイツ) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、タンパク質 (スキムミルク、カゼイン、またはダイズタンパク) と緑茶抽出物の同時摂取は、総カテキンおよびガレート型カテキンの生体利用率を低下させた (PMID:22366739)

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において緑茶カテキン (EGCG) の投与はCYP3AおよびP糖タンパク質の活性を阻害した (PMID:20162400) (PMID:19226653)
・動物実験 (ラット) において、緑茶抽出物やEGCGの摂取はナドロール (β遮断薬) の血中濃度 (Cmax、AUC) を低下させた (PMID:23920278)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロゾーム) において、市販のカテキン類含有飲料中のカテキン類によってヒトCYP3Aが用量依存的に阻害されたという報告がある (2006223787) 。
・in vitro試験 (ヒト多発性骨髄腫細胞) および動物実験 (マウス) においてEGCGの投与はボルテゾミブ (bortezomib) (プロテアソーム阻害剤:多発性骨髄腫の治療薬) の効果を阻害した (PMID:19190249)
・in vitro試験 (培養細胞) において、多量のカテキン (EGCG) はヘム鉄 (PMID:20375262) 、非ヘム鉄 (PMID:18716164) の吸収を阻害する可能性が報告されている。
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム、ヒト腸ミクロソーム) において、緑茶抽出物またはEGCGは、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A活性を阻害した (PMID:23268924)

<理論的に考えられる相互作用>
・カテキンと医薬品との相互作用に関するデータは十分に認められない。ただし、茶類として摂取する場合には、含有するカフェインにより種々の薬剤との相互作用 (医薬品の吸収、代謝、薬効の変化など) が報告されているため、注意が必要である。

動物他での
毒性試験

・茶抽出物 (製品) のラットの6ヶ月間反復投与における最大無作用量は、1,000 mg/kgであったという報告がある (2000110660) 。
・茶カテキンを高濃度含む抽出物 (カテキン類30%を含有) をマウスに単回投与したところLD50は4,647.29 mgであり、シリアンハムスターの頬袋を用いた粘膜刺激性試験では茶カテキン抽出物の50%水溶液には口腔粘膜刺激性がほとんど検出されなかったという報告がある (2000040772) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・摂取量と安全性に関する科学的なデータは出されていない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・茶カテキンは、体脂肪が気になる人に適することが、特定保健用食品の審査で許可されている。

参考文献

(101) 食衛誌,33(4),347-354 (1992)
(102) 日食科工誌,46(3),138-147 (1999)
(103) 食品衛生学雑誌.1996 April 37;2:77-82
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