誤解されている健康情報の事例2

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発信者

国立健康・栄養研究所

本文

体外排出によるダイエットをうたう食品の実際の効果について

ダイエット志向の高まりに伴い、「まとめてどっさり便に」等、痩身効果をうたった食品が多く流通しています。これらの食品は、「脂質、炭水化物などの、エネルギー源となる主栄養素の消化吸収を抑制し、そのまま体外に排泄させる」と宣伝されています。
これらの「主栄養素吸収抑制食品」の有効性は、ビーカーやフラスコの中での実験成績に基づいているようです。ヒトを対象にした確かな研究は見当たりませんし、動物を用いて生体への影響を調べたものもないようです。
そこで、私たちは、9品目の「主栄養素吸収抑制食品」を収集し、これをラットにあたえ、生体への影響を調べてみました。
注)実験の方法

その結果、(1) 通常の餌をあたえたラット (対照群といいます) の体重変化と「主栄養素吸収抑制食品」をあたえた群の体重変化との間には、明らかな差は認められませんでした。(2) 実験後の脂肪組織の重量は、対照群との間に明らかな差は有りませんでした。 (3) 血清中性脂肪の濃度にも明らかな差は有りませんでした。しかし、「主栄養素吸収抑制食品」を多量に (説明書に書かれている通常使用量の2〜5倍の量です) あたえると低下傾向を示すことがありました。(4) 中性脂肪以外の血清成分 (総コレステロール、血糖、脂溶性ビタミンなど) にも、多量群の一部を除いて明らかな差は認められませんでした。(5) 摂取した脂質と炭水化物の糞便への排泄量は非常に少なく、対照群とほぼ同じでした。摂取した脂質あるいは炭水化物の9割以上が消化吸収されていました。
このように、今回、調査しました「主栄養素吸収抑制食品」につきましては、説明書に書いてある通常の使用量を摂取しても、脂質や炭水化物の吸収を抑制しませんでしたし、脂肪組織すなわち体脂肪の減少もほとんど認められませんでした。こういった効果をうたったダイエット食品については、その宣伝内容を冷静に判断して利用することが望ましいと考えられます。

注)実験の方法
実験動物は雄ラットです。ラットを10個の群に分けました。1群 (対照群) には通常の標準粉末飼料をあたえました。他の9群のそれぞれには、異なる「主栄養素吸収抑制食品」を1品目ずつあたえました。各群のエネルギー、主栄養素 (脂質、炭水化物、たんぱく質) 、各種ビタミン、ミネラルの摂取量は、同じにしました。「主栄養素吸収抑制食品」摂取群は、さらに通常群と多量群に分け、通常群には、「主栄養素吸収抑制食品」の説明書に書いてある通常使用量に相当する量を、多量群には、その2〜5倍量を食べさせました。実験開始1、2、3週間後に糞便中の脂質、炭水化物、たんぱく質の量を測定しました。各種臓器、脂肪組織の重量および血清中性脂肪、総コレステロール、血糖、脂溶性ビタミン等は、実験終了後 (3週間後) に測定しました。