健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

グルコサミン [英]Glucosamine [学名]-

概要

グルコサミンは糖の一種で、グルコースにアミノ基 (-NH2) が付いた代表的なアミノ糖であり、動物の皮膚や軟骨、甲骨類の殻に含まれている。工業的にはカニやエビなどの甲殻から得られるキチンを塩酸などで分解して製造される。俗に、「関節の動きをなめらかにする」「関節の痛みを改善する」などといわれ、ヒトでの有効性については、硫酸グルコサミンの摂取が骨関節炎におそらく有効である。ただし、重篤で慢性的な骨関節炎の痛みの緩和に対しては、効果がないことが示唆されている。安全性については、塩酸グルコサミン、硫酸グルコサミンとも適切に摂取すればおそらく安全である。グルコサミン摂取による血糖値、血圧、血中コレステロール値の上昇などが懸念されているので、糖尿病、高脂血症 (脂質異常症) 、高血圧のリスクのある人は注意して利用する必要がある。また、甲殻類海洋生物由来の硫酸グルコサミンは、甲殻類アレルギーの人においてアレルギー反応を誘発する懸念があるので注意する。妊娠中・授乳中は、安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらないため使用を避ける。その他、 詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・グルコサミンの塩酸塩は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・既存添加物 (増粘安定剤、製造用剤) としての使用が認められている (78) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C6H13NO5、分子量179.17。ヘキソサミンの一種で代表的な天然のアミノ糖。D系列のものは主にN-アセチル体として動植物、微生物の複合糖質特にペプチドグリカン (ムコ多糖) 、糖タンパク質、糖脂質の構成成分として広く分布する。それらを塩酸で加水分解するとグルコサミン塩酸塩が得られる。塩酸塩は安定で結晶化し、融点210℃である。

分析法

・グルコサミンは紫外可視 (UV) (240 nm) 検出器を装着した高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法により分析した報告 (PMID:11767308) 、フェニルイソチオシアネートで誘導体化後にUV (254 nm) 検出器を装着したHPLC法により分析した報告 (PMID:10701989) がある。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中で見当らない。


消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

RCT
・HDLコレステロールが低値の儀燭よびII型糖尿病患者12名 (男3名、女9名、平均55歳、アメリカ) を対象とした無作為化二重盲検クロスオーバー試験において、グルコサミン500 mgを1日3回、2週間摂取させたところ、血漿中のグルコース量、コレステロール値、アポリポ蛋白A1などに変化は認められなかった (PMID:17682119)

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当らない。

免疫・がん・
炎症

<関節>
・塩酸グルコサミンまたは硫酸グルコサミンによる関節の痛みや関節炎に対する効果が検討されているが、現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在しており、個々の情報は下記のようになっている。
≪関節に関して有効性が示唆されたという報告≫
一般情報
1) 硫酸グルコサミンは経口摂取で変形性関節症におそらく有効である (94) 。硫酸グルコサミンの短期間の筋注も有効性が示唆されている (94) 。
2) 膝に骨関節炎を持つ患者において、硫酸グルコサミン摂取者はプラセボ摂取者に比べて、痛みと機能を測定する値が改善したという報告があり、この効果は投与期間を数週間から3年までとした複数の研究で再現性があった (94) 。
3) 硫酸グルコサミン筋注を週2回、6週間投与でヒザ骨関節炎の症状が改善したというプラセボ対照試験の結果が報告されている (94) 。この効果は投与開始後5週間から現われ、投与中止の2週間後まで持続したという (64) 。
4) 硫酸グルコサミン経口摂取は顎関節炎に有効性が示唆されている (94) 。顎関節炎の痛み、関節機能 (噛む、飲み込む、話す、笑うなど) の改善に硫酸グルコサミンはイブプロフェンと同等の効果があった (94) 。
メタ分析
1) 2008年6月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験2報について検討したメタ分析において、変形性関節症の患者によるグルコサミンの長期 (3年間) 摂取は、関節腔の狭小化 (JSN) をわずかに抑えた (PMID:19544061)
RCT
1) 軽度から中程度の変形性関節症患者118名 (50歳前後、インド) を対象とした無作為化二重盲検並行試験において、グルコサミン500 mgとメチルスルフォニルメタン500 mgのいずれか、または両方を1日3回、12週間摂取させたところ、全ての投与群で疼痛指数、膨潤指数、痛みの視覚アナログ尺度評価、15 m歩行時間、関節可動性指数、Lequesne指標 (痛み、歩行能力、身体機能を評価) が改善、鎮痛剤の使用が減少し、その効果は併用群でより大きかった (PMID:17516722)
≪関節に関する有効性は限定的であったという報告≫
一般情報
1) 塩酸グルコサミンの経口摂取による、膝の痛み、変形性関節症、関節リウマチに対する有効性が指摘されているが、これらの情報は不十分であり、さらなる検証が必要である (94) 。
メタ分析
1) 2013年5月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験25報について検討したメタ分析において、変形性関節症患者によるグルコサミンの摂取は痛みの減少と関連が認められたが試験によるバラツキが大きかった。特に、同一ブランド製品を用いた試験 (12報) においては痛みの減少と関連が認められたもののバラツキが大きく、その他のブランド製品を用いた試験 (13報) においては痛みの減少と関連は認められなかった (PMID:24905534)
RCT
1) 変形性関節症患者40名 (試験群20名、平均55.1±10.9歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、塩酸グルコサミン1,200 mg/日+コンドロイチン硫酸60 mg/日+ケルセチングリコシド45 mg/日を16週間摂取させたところ、症状評価の4項目中2項目と総得点、痛み評価の3項目中1項目でのみ改善が認められた (PMID:21969261)
≪関節に関して有効性が認められなかったという報告≫
一般情報
1) 硫酸グルコサミンの経口摂取は、症状の急激な再発の予防や重篤な長期にわたる変形性関節症の痛みを緩和する目的には、効果がないと考えられる (94) 。
メタ分析
1) 2010年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた、200名以上を対象とした大規模無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、膝や腰の変形性関節症患者によるグルコサミンやコンドロイチン硫酸の単独または併用摂取は、関節の痛み、関節腔の狭小化に影響は与えなかった (PMID:20847017)
RCT
1) 変形性股関節症患者222名 (試験群111名、平均63歳、オランダ) を対象とした無作為化比較試験において、グルコサミン1,500 mg/日を2年間摂取させたところ、WOMACスコア (関節疼痛や機能性の指標) の改善は認められず、症状のタイプ別解析においてもWOMACスコアや関節腔の狭小化 (JSN) に効果は認められなかった (PMID:18283204) (PMID:18848470)
2) 中等度膝変形性関節症の女性患者142名 (平均69.4±7.1歳、試験群49名、日本) を対象としたオープンラベル無作為化比較試験において、グルコサミン塩酸塩を1,500 mg/日、18ヶ月摂取させたところ、膝の痛みと機能において、運動療法との相加効果は認められなかったという予備的な報告がある (PMID:18470670)
3) 膝関節炎患者1,583名 (平均58.6歳、試験群744名) を対象とし、多施設間 (アメリカ) で実施された二重盲検無作為化の、プラセボとセレコキシブを対照としたグルコサミン・コンドロイチン関節炎介入試験 (GAIT) において、グルコサミン500 mg×3回/日、コンドロイチン硫酸400 mg×3回/日を単独もしくは併用で24週間摂取させたところ、単独でも併用でも痛みの軽減効果は認められなかった (PMID:16495392) 。また、同じ試験において継続して24ヶ月間摂取させた572名 (平均56.9±9.8歳、試験群207名) を対象とした解析では、脛大腿関節腔幅 (JSW) の減少や症状の進行に変化はなく (PMID:18821708) 、同じ試験の662名 (平均57歳、試験群389名) を対象とした解析では、WOMACスコア (関節疼痛や機能性の評価指標) に有意差は認められなかった (PMID:20525840)
4) 罹患期間が6ヶ月以上の慢性腰痛症もしくは変形性腰部関節症患者250名 (平均48.5±11.2歳、試験群125名、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、グルコサミン1,500 mg/日を6ヶ月間摂取させ、介入開始から6ヶ月後と1年後に評価したところ、RMDQ (ローランド-モリス障害問診票) 、静止・活動時の痛み評価尺度、EQ-5D (QOLを数値化する質問票) に影響は認められなかった (PMID:20606148)
5) 変形性関節症患者39名 (試験群20名、平均57.05±1.30歳、トルコ) を対象とした無作為化比較試験において、運動療法または運動療法と硫酸グルコサミン1,500 mg/日の摂取の併用を12週間実施させたところ、両群とも痛みや症状評価 (WOMAC) 、運動機能、筋力、QOL、MRIの結果が改善し、硫酸グルコサミンに付加的な効果はなく運動療法のみで効果が認められた (PMID:23220811)
6) 変形性股関節症患者201名 (試験群98名、平均52.17±6.05歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、グルコサミン塩酸塩1,500 mg/日を24週間摂取させたところ、MIRによる膝軟骨損傷検査結果に影響は認められなかった (PMID:24616448)
7) 過体重または肥満の女性407名 (オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、硫酸グルコサミン1,500 mg/日を単独 (102名、平均55.7±3.1歳) または食事・運動療法とともに (102名、平均55.7±3.1歳) 、30ヶ月間摂取させたところ、食事・運動療法の有無に関わらず、膝関節炎発症リスク、QOL、WOMACスコア (関節疼痛や機能性の指標) 、体重に影響は認められなかった (PMID:25818496)

<免疫>
RCT
・健常成人15名 (20〜36歳、日本) を対象としたクロスオーバー二重盲検試験において、1,000 mgのオリゴグルコサミンを単回経口投与したところ、摂取6時間後のNK細胞活性の上昇率が大きかったという予備的な報告がある (2000071005) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

調べた文献の中で見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中で見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・塩酸グルコサミンは、適切に用いれば経口摂取で安全性が示唆されている (94) 。塩酸グルコサミンを2年間、安全に摂取できた (94)。
・硫酸グルコサミンは適切に用いれば経口摂取でおそらく安全である (94) 。硫酸グルコサミンは4週から3年まで安全とされている (94) 。硫酸グルコサミンとコンドロイチン硫酸、サメナンコツなどを併用した8週間の経口摂取はおそらく安全である (94) 。
・硫酸グルコサミンは短期間、適切に用いれば筋注で安全性が示唆されている (94) 。週2回の筋肉内投与で6週間まで安全とされている (94) 。
・塩酸グルコサミンおよび硫酸グルコサミン経口摂取の副作用としては、軽い胃腸症状 (鼓腸、ガス、さしこみなど) が報告されている (94) 。また、腎毒性の報告もあるが、長期的な投与での腎機能への影響は報告されていない (94) 。
・in vitro試験 (ヒト血小板) において、グルコサミンは血小板凝集を抑制した (2006202711) 。
・変形性関節症患者80名を対象とした二重盲検比較試験において、硫酸グルコサミンを1,500 mg/日、30日間投与したところ、2名が便秘を、1名が軽度の胸焼けを起こした (63) (PMID:7023675)
<妊婦・授乳婦>
・塩酸グルコサミン、硫酸グルコサミンともに、妊娠中・授乳中は、安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらないため使用を避ける (94) 。
<その他>
・糖尿病患者が塩酸グルコサミンまたは硫酸グルコサミンを使用したことによって血糖値およびHbA1c値が上昇したとの報告があるが、健常者あるいはII型糖尿病患者がグルコサミンを3ヶ月間摂取しても影響がなかったとの報告もある (94) 。グルコサミンがインスリン分泌やインスリンによるグルコースの取り込みに影響を及ぼし、代謝阻害のリスクが上昇し、コレステロール値および血圧の上昇を誘発するという懸念もある。より多くの情報が得られるまで、糖尿病、高脂血症 (脂質異常症) または高血圧のリスクのある人は、グルコサミンを注意して使用し、血糖値、血清脂質、血圧を定期的に観察するべきである (94) 。
・甲殻類海洋生物由来の硫酸グルコサミン製品は、甲殻類アレルギーの人において、アレルギー反応を誘発する懸念もあるが、被害事例の報告はない。しかし、製造過程および品質基準は各社によって様々なので、甲殻類アレルギーがある場合は、硫酸グルコサミンを注意深く使用する、または使用を避ける (94) 。
・グルコサミンとコンドロイチンが一緒に含まれている製品にはマンガンを含むものがあり、摂取目安量よりも少し多く摂取すると、マンガンの一日摂取許容量を超過する可能性があるため、注意が必要である (94) 。
・日本国内で流通しているグルコサミン含有サプリメント9製品中のカリウム量を分析したところ、国内メーカーの製品5種のカリウム量は0.165〜3 mg/日摂取量であったが、海外メーカーの製品4種では197〜280 mg/1日摂取量であり、腎臓疾患患者の利用には注意が必要 (PMID:20118652)
<被害事例>
・71歳女性と85歳女性 (アメリカ) がグルコサミン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、メチルスルフォニルメタン、Chinese skullcap (コガネバナ) 、black catechu (アセンヤクノキ) を含むサプリメント製品を約3週間摂取 (2〜4粒/日、各成分の摂取量不明) したところ、肝障害を呈したが、サプリメントの摂取を中断後、回復した (PMID:20586134)
・肝障害の既往歴がない76歳女性 (日本) が、グルコサミンサプリメントを3ヶ月程度摂取したところ (摂取量等不明) 、食欲不振、倦怠感、微熱を感じて医療機関を受診。AST値、ALT値、ALP値、γ-GTP値などが上昇し、肝生検にて非特異的な急性肝炎の所見が認められた。グルコサミン摂取中止および医薬品投与により回復し、グルコサミンに対するリンパ球刺激試験(DLST)が強陽性であったため、摂取したグルコサミンあるいはその添加物による薬物性肝障害の可能性が高いと診断された (2011060268) 。
・76歳女性 (スペイン) が変形性関節症のために硫酸グルコサミン (摂取量不明) を摂取し、5分後に蕁麻疹を発症した (PMID:10435483)
・変形性関節炎の既往歴がある78歳女性 (アメリカ) が、マルチビタミンと併用して、グルコサミン、コンドロイチン、オウゴン、アセンヤクノキを含むサプリメント1錠x2回/日、3週間摂取したところ、血清肝酵素値 (ビリルビン、AST、ALT、ALP、γ-GTP) が上昇し、無痛性黄疸と診断された。摂取中止2週間後に改善傾向を示したが、再摂取により、2週間以内に再び黄疸の出現および肝酵素値の上昇が認められ、再摂取中止4週間後に回復した (PMID:22855699)
・降圧薬を服用している55歳女性 (アメリカ) がグルコサミンサプリメントを約2週間摂取したところ、全身倦怠感および黄疸が生じて医療機関を受診、AST値、ALT値、ALP値、γ-GTP値などの血中肝酵素値が高値であった。当該製品摂取中止後4週間で回復したため、当該製品摂取との因果関係が疑われる急性肝障害と診断された (PMID:23239775)
・65歳男性 (スイス) が、コンドロイチン硫酸 (800 mg/日) 含有サプリメントを2年間摂取しており、8週間前から、グルコサミンとコンドロイチン硫酸 (1,230 mg/日) 含有サプリメントに変更したところ腹痛、疲れ、黄疸などを呈し、急性自己免疫肝炎と診断された (PMID:23391366)
・慢性肝疾患の外来患者151名 (19〜85歳、スペイン) を対象にアンケート調査を実施したところ、23名 (15.2%) がグルコサミンまたはコンドロイチン硫酸サプリメントの使用経験があり、このうち2名 (71歳、77歳、女性) では、グルコサミン摂取時のAST値上昇が認められ、1名は発疹も伴っており、両者とも摂取中止により回復していた (PMID:23983444)
・高血圧、高コレステロール血症、アレルギー性鼻炎結膜炎、慢性蕁麻疹、逆流性食道炎、アムロジピンまたはアトロバスタチンへのアレルギーの既往歴のある71歳女性 (日本) が、膝関節痛のためにグルコサミン・コンドロイチンサプリメントを3ヶ月間摂取した後、普段より多くカニを摂取したところ、2日後に体幹に丘疹、紅斑が多発する遅発型アレルギーを呈し受診、サプリメントの中止と加療により改善した。カニとエビに対するIgE-RAST法は疑陽性、サプリメントに対するDLSTは陽性だった (2015045927) 。
・グルコサミン摂取による血糖コントロールの悪化が報告されている。
1) 糖尿病既往歴があり、メトフォルミンを服用している62歳女性 (日本) が両膝関節痛のためにグルコサミン1,500 mg/日を併用したところ、1ヶ月後よりHbA1cの上昇が認められ、中止により改善した (2010103413) 。
2) 変形性関節炎および糖尿病の既往歴がある72歳女性 (日本) が、自己判断でグルコサミンを併用したところ、徐々にHbA1cの上昇が認められ、中止により改善した (2012093165) 。

・グルコサミンサプリメントを利用し、眼性高血圧または開放隅角緑内障を生じたため、グルコサミンサプリメントの摂取を中止した患者17名 (平均76歳、アメリカ) を対象とした後ろ向き研究において、グルコサミンサプリメント摂取時は眼内圧が上昇し、摂取中止により低下していた (PMID:23702812) 。それぞれの患者が摂取していた製品、摂取量、摂取期間等、詳細は不明。
・くも膜下出血の既往歴があり、アセトアミノフェンの時々の服用とビタミンDを数年間摂取していた78歳男性 (カナダ) が、変形性関節症のためにグルコサミンとコンドロイチン硫酸のサプリメントを3錠/日、約2ヶ月間摂取したところ、掻痒感、疲労、吐き気、嘔吐、体重減少を伴う黄疸を生じ、薬剤誘発性胆汁うっ滞性黄疸と診断された (PMID:26527309)

禁忌対象者

調べた文献の中で見当らない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・慢性心房細動の既往歴があり、ワルファリン、フェキソフェナジンなどの医薬品 (4種) を服用している69歳男性が、自己判断でコンドロイチン硫酸400 mgとグルコサミン500 mgを含むカプセルを6カプセル/日、4週間摂取したところ、INR値が2.58から4.52へ上昇し、ワルファリン投与量を減少したところ改善した。Naranjoの有害事象と被疑薬物の因果関係評価指標はpossibleであった (PMID:14986566)
・ワルファリン7.5 mg/日を5年間服用している71歳男性 (アメリカ) が、グルコサミン塩酸塩1,500 mgとコンドロイチン硫酸1,200 mgを1日2回摂取し、3週間でプロトロンビン時間 (INR) の延長がみられ、グルコサミン塩酸塩750 mg/日、コンドロイチン硫酸600 mg/日に減量してもINRが延長し続け、摂取の中止及びワルファリン投与量の半減により、回復したという症例報告がある (PMID:18363538)
・食品・医薬品の規制を担当しているオーストラリアTGA (Therapeutic Goods Administration) にワルファリンとグルコサミンの相互作用を示唆する報告が12件寄せられている。グルコサミン摂取により、ワルファリン治療で安定していたINR (国際標準比) が変化し、多くの場合は無症状であったが、1名は前房出血、もう1名では喀血と点状出血が起こった (101) 。
・メカニズムや用量などの詳細は不明だが、ワルファリンとグルコサミンの相互作用によりINR (国際標準比) 上昇 (出血しやすくなる) のリスクが指摘されており (102) 、ドイツ連邦リスク評価研究所 (BfR) は、クマリン系抗凝固薬を服用している患者がグルコサミン含有サプリメントを摂取すると、抗凝固作用が増幅されて出血のリスクが高まると指摘し (103) 、その評価が、2012年2月23日、欧州食品安全機関 (EFSA) でも承認された (104) 。
・健常成人12名 (平均36.9歳、スウェーデン) を対象としたオープンラベル試験において、グルコサミン625 mg×2回/日を30日間摂取させたところ、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4でそれぞれ代謝される薬物の血中濃度に影響を与えなかった (PMID:20668444)

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝細胞) において、グルコサミン硫酸塩はCYP1A2、CYP2E1、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP2B6のいずれにも影響を与えなかった (PMID:20408500)
・動物実験 (ラット) において、グルコサミンの経口投与はパラセタモール (CYP2E1 基質) の血中濃度 (AUC、Cmax) を増加させた (PMID:25417766)

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
塩酸グルコサミンを投与:マウス経口15 g/kg (91) 。
2.TDLo(最小中毒量)
グルコサミンを投与:ラット経口12 g/kg/6週 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・糖尿病の人は血糖値の変化を見ながら使用する必要がある。塩酸グルコサミンは短期間、及び硫酸グルコサミンは適切に用いれば経口摂取で安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中は、安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらないため使用を避ける。
・塩酸グルコサミン経口摂取の副作用としては、軽い胃腸症状 (鼓腸、ガス、さしこみなど) が報告されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・経口摂取で有効性が示唆されているのは、骨関節炎に対する塩酸グルコサミンと硫酸グルコサミンの作用、顎関節炎に対する硫酸グルコサミンの作用である。
・重篤な長期にわたる骨関節炎の痛みを緩和する目的には、硫酸グルコサミン経口摂取は効果がないことが示唆されている。

参考文献

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