コラーゲンって本当に効果があるの?

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目次
1.「美肌」「関節」のためにコラーゲンっていいの?
2.コラーゲンってなに?その効果は?
3.コラーゲンを食べても意味がない?!
4.「低分子コラーゲン」ならよいのでは?
5.「コラーゲン鍋」ならよい?
6.コラーゲンばかり食べていると逆に食事が偏る?!
7.「美肌」「関節」によい栄養とは?
8.その他のデータ
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1.「美肌」「関節」のためにコラーゲンっていいの?
 現在、市場には様々な種類のコラーゲン食品が出回っています。ドリンク、ゼリー、粉末、タブレット等、これらは「肌に良い」「足腰の痛みによい」「血管の増強によい」等、魅力的なうたい文句で販売されており、「年をとると体内のコラーゲン量が減るから摂った方がよい」と宣伝されているものもあるようで、あたかもコラーゲン食品を食べれば足腰の健康や美肌を保つことができるような錯覚にとらわれます。
 そもそも、コラーゲンとはどういうものなのでしょうか。また、「コラーゲン食品」という形でコラーゲンを摂取することは、本当に肌や関節などに「よいもの」なのでしょうか。

2.コラーゲンってなに?その効果は?
 コラーゲンとは、タンパク質の一種で、からだを構成する全タンパク質の約30%を占めています。体内コラーゲンのうち40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在し、その他は血管や内臓など全身に広く分布しています。コラーゲンは、アミノ酸 (グリシン、プロリン、ヒドロシキプロリンなど) がつながったポリペプチド鎖が3本でらせん構造をとっており、いろいろなタイプがあります。皮膚や腱などの主要なコラーゲンはI型、軟骨の主要なコラーゲンはII型と呼ばれています。
 コラーゲンは「皮膚」「骨・軟骨」を構成する物質として、なくてはならないタンパク質なので、「それを食べれば、皮膚や関節によいに違いない」と思うかもしれませんが、残念なことに、現時点での科学的知見では、コラーゲンを食べても「美肌」「関節」に期待する効果が出るかどうかは不明です。

3.コラーゲンを食べても意味がない?!
 そもそも「タンパク質」は、食べたら体の中で「消化・吸収」されます。タンパク質の場合は、消化の過程で消化酵素によってアミノ酸やペプチド (アミノ酸が2〜3個結合したもの) など、「とても小さい分子」にまで分解されます。コラーゲンも、食べたら体内で分解されるのは他のタンパク質と同じで、コラーゲンそのものとしては吸収されません。ヒトのからだは、タンパク質を食べたら、アミノ酸やペプチド (アミノ酸が2〜3個結合したもの) などの「小ささ」に分解してからでないと吸収できない機構になっています。ちなみに、アミノ酸 (20種類) の分子量は、種類によって約89〜204、コラーゲンの分子量はだいたい10〜30万ほどです。

4.「低分子コラーゲン」ならよいのでは?
 「吸収されやすいように低分子にしました」等とうたっている「低分子コラーゲン」なるものも市場に出回っており、いずれも「分子量が500」「分子量が700」などの宣伝をしているようですが、これらも「食べたあと、消化吸収」される過程において、より分子量の小さいアミノ酸やペプチド (アミノ酸が2〜3個結合したもの) に分解されることは、他のタンパク質食品と同じです。低分子のコラーゲンはある程度分解されているため、分解・吸収が効率よくおこなわれると考えられます。つまり、「吸収されやすい」のは事実ですが、吸収されたものが、体内で再びコラーゲンの合成に利用されるのかはわかりません。

5.「コラーゲン鍋」ならよい?
 コラーゲンを多く含む食品としては、鶏の手羽や、フカヒレ、牛すじ、鶏皮などがあり、これらを主材料に用いた「コラーゲン鍋」などもあるようですが、タンパク質の消化吸収機構としては同じことなので、いずれの食材由来のコラーゲンであっても体内でアミノ酸やペプチドに分解されます。ちなみにコラーゲンは熱をかけると3本のらせん構造が壊れ、ペプチド鎖が分解して水によくとけるようになります。
 ヒトは、タンパク質を食べて体内で消化吸収したのち、その吸収した「アミノ酸」を使って、体の中で再びタンパク質の合成をおこないます。どのタンパク質をどれくらい合成するか決めているのはDNA情報なので、人為的に操作することはできないと考えるのが一般的です。
 したがって「肌や関節のためにコラーゲン食品を食べる」ことは、「コラーゲンの材料であるアミノ酸を食べた」ことにはなりますが、そのアミノ酸が再び体内でコラーゲンに再合成されるかどうか、また、再合成に利用される場合であっても、「顔の皮膚」「膝の関節」等という「期待する特定の部位」で再合成が行われるかどうかは、定かではありません。

6.コラーゲンばかり食べていると逆に栄養が偏る?!
 上で述べたとおり、タンパク質は、食べたあと体内で消化吸収され、吸収されたアミノ酸が体内でタンパク質の再合成に利用されています。アミノ酸には、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の二種類があります。必須アミノ酸というのは「体内で十分な量が合成できないため、食事から摂取することが必要」なアミノ酸で、非必須アミノ酸というのは「体内でも合成が出来るアミノ酸」のことです。コラーゲンは基本的にはグリシン-X (プロリンが主) -Y (ヒドロキシプロリンが主) の繰り返し構造となっており、アミノ酸のバランスを考えても、決して良質のタンパク質源ではないのです。コラーゲンばかり偏って食べるということは「コラーゲンを構成しているアミノ酸ばかり食べている」ということになるので、他のアミノ酸とのバランスが崩れる可能性もあります。
 タンパク質の過不足を食事の観点から見直すとすれば、こういった「必須アミノ酸がきちんととれているか (摂取しているアミノ酸のバランス) 」や、「タンパク質を食べ過ぎていないか (タンパク質は、過剰に食べると代謝バランスが崩れる) 」などを振り返ることのほうが重要です。

7.「美肌」「関節」によい栄養とは?
 「美肌」「関節痛の予防」を期待してコラーゲンの摂取にこだわるよりも、様々な食品をバランスよく適量摂取し、「栄養・運動・休養 (健康づくりの三要素) 」を見直す方が大切です。この「健康づくりの三要素」こそが、科学的根拠をもって言えることでもあります。特定の成分にかたよった食品を摂取する前に、もう一度自分自身の食事や、生活スタイルなどを振り返ってみましょう。

8.その他のデータ
「健康食品」の安全性・有効性情報「コラーゲン」より
 上記の情報ページにもありますように、コラーゲンを経口摂取した場合の「ヒトでの有効性」については現時点で信頼できるデータが十分に見当たりません。また、コラーゲンは、体質によってはアレルギーを誘発する可能性が示唆されており、妊娠中・授乳中にコラーゲンを含むサプリメント (通常の食品以外) を摂取することの安全性については十分なデータがありません。食物アレルギーのある方や、妊娠・授乳中の方などがコラーゲン食品を積極的に過剰な量で摂取することは避けるべきです。
 加齢により唾液の分泌量が減少したり、骨密度が減少したりと、体には様々な量的変化が生じてきますが、コラーゲンについては現時点で「どのくらい摂ったらよいか」「本当に摂った方がよいのか」「過剰摂取の害は」などが明確になっていないため、「加齢により減少したから補うべき」とするには、根拠があいまいと考えるべきです。

※参考情報「日本人の食事摂取基準」 (2010年版) 「たんぱく質」