注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.
項 目
内 容
名称
デキストリン [英]Dextrin [学名]Dextrin
概要
デキストリンはデンプンを化学的、あるいは酵素的な方法により低分子化したものの総称である。食品としての利用は、マルトデキストリン(グルコース8-12個のポリマー)が良く知られている。マルトデキストリンはデンプンより低分子であることから消化されやすく、吸収されやすいと考えられている。一方、デキストリンを焙焼し,酵素(α-アミラーゼまたはグルコアミラーゼ)で分解して難消化性部分を分離精製したものは難消化デキストリンと呼ばれ、小腸では分解されない難消化性の食物繊維として使われる。ヒトでの有効性については、「おなかの調子を整える」、「血糖値が気になり始めた方の食品」として、難消化性デキストリンを関与成分とした特定保健用食品が許可されている。安全性については、過剰に摂取すると下痢を誘発することが知られている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。
法規・制度
「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」に区分される(30)。シクロデキストリンは「既存添加物」(製造用剤)である。難消化性デキストリンは低カロリー増量剤、食物繊維、脂肪代替品として用いる。特定保健用食品の成分になっている。
成分の特性・品質
主な成分・性質
デンプンを化学的、あるいは酵素的方法で低分子化したものの総称。工業的にデキストリンと言われるものは、塩酸などの存在下、粉末状態で高温加熱して得られる水溶性の焙焼デキストリンをさす場合が多い。可溶性デンプンは希塩酸で短時間熱して低分子化した白色デキストリンの一種である。グルコースが6、7、8個環状に結合したものを、それぞれα-、β-、γ-シクロデキストリンと呼んでいる。シクロデキストリンは種々の低分子有機化合物と包接物を作るので医薬品や香料などの分子カプセルとしての用途がある。
分析法
示差屈折計を装着した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により分析されている(101)。
有効性
ヒ ト で の 評 価
循環器・呼吸器
調べた文献の中で見当らない。
消化系・肝臓
・難消化性デキストリンを関与成分とし、「難消化性デキストリンを含んでおり、食生活で不足しがちな食物繊維を補えて、おなかの調子を整える食品です」などの表示が許可された特定保健用食品がある。 ・便秘や腹部膨満感のため下剤投与中の高齢入院患者127名(平均年齢83.6歳)を対象に、難消化性デキストリンまたはガラクトマンナンを1日5-7g、35日間摂取させたところ、便回数・便量の増加、普通便への改善傾向が見られ、期間中の緩下剤使用量が減少したという予備的な報告がある(2001256389)。この現象については更なる検証が必要である。 ・便秘気味の学生46名(平均年齢20.2歳)を対象とした単盲検クロスオーバー試験において、難消化性デキストリン6.0gを含む茶を1日2包、14日間摂取させたところ、排便回数・排便日数・排便量を増加させ、便の形状を改善したという報告がある(2004234231)。
糖尿病・内分泌
・難消化性デキストリンを関与成分とし、「難消化性デキストリンを含んでおり、糖の吸収をおだやかにするので、血糖値の気になり始めた方の食生活の改善に役立ちます」などの表示が許可された特定保健用食品がある。 ・成人35名を対象としたクロスオーバー試験において、ショ糖30gと難消化性デキストリン0-6gを含む水羊羹100gを12時間絶食後に摂取させたところ、尿中C-ペプチド値(膵臓のインスリン分泌能の指標)は、難消化性デキストリンを6g含むものを摂取したときに最も低下したという報告がある(1994190740)。 ・健常成人男性8名(27-58歳)を対象とした経口糖負荷試験(無作為クロスオーバー試験)において、食物線維含有率55%の難消化性デキストリン40mL(食物物繊維量16g)の摂取により、30分後の血糖値ならびに60-120分後のインスリン分泌が低減したという予備的な報告がある(1996122582)。この現象については更なる検証が必要である。 ・健常成人30名(平均年齢43.2歳)を対象に難消化性デキストリン6.0gを配合した緑茶飲料250mLをおにぎり2個と一緒に摂取させ、食後30-120分の血糖値を測定したところ、食後30-60分の血糖値の上昇は食前30分前の血糖値が高い被験者でよりはっきりしていたという予備的な報告がある(2003136606)。この現象については更なる検証が必要である。
生殖・泌尿器
脳・神経・感覚器
免疫・がん・炎症
骨・筋肉
発育・成長
肥満
その他
参 考 情 報
試験管内・ 動物他での評価
安全性
危険情報
・健常者50名(平均年齢29.1歳)を対象に、分岐コーンシロップ(難消化性デキストリンを酸分解により低分子化したもの)を体重(kg)あたり0.2-0.6g、それぞれ単回経口投与したところ、0.6gを投与した男性2名に下痢の発症が観察され、最大無作用量は男性で0.5g/kg体重、女性で0.6g/kg体重以上と推定されたという報告がある(2002018193)。
禁忌対象者
医薬品等との 相互作用
動物他での 毒性試験
・分岐コーンシロップ(難消化性デキストリンを酸分解により低分子化したもの)のラットにおける急性毒性試験のLD50は10g/kg以上であり、ネズミチフス菌および大腸菌を用いた変異原性試験では変異原性を認めなかったという報告がある(2002018193)。
AHPAクラス分類 及び勧告
参考文献中に記載なし
総合評価
ヒトの安全性に関する文献は見当たらない。
(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。) 難消化性デキストリンのおなかの調子を整える機能、糖の吸収をおだやかにする機能が特定保健用食品の審査で認められている。
参考文献
(101) 財団法人 日本健康・栄養食品協会 特定保健用食品試験検査マニュアル (30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について) (1994190740) 糖尿病.1993;36(9):715-23 (1996122582) 栄養学雑誌.1995;53(6):361-8 (2001256389) 輸液・栄養ジャーナル.2001;23(4):233-9 (2002018193) Journal of Nutritional Science and Vitaminology.2001;47(2):126-31 (2003136606) 日本臨床生理学会雑誌.2002;32(4):207-12 (2004234231) 米子医学雑誌.2004;55(3):153-9