健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

DMAA、ジメチルアミルアミン [英]Dimethylamylamine、1,3-Dimethylamylamine、Methylhexanamine、4-methyl-2-hexanamine、Forthane [学名]-

概要

DMAAは、メチルヘキサンアミン、メチルヘキサナミン、ジェラナミン、ホルサン、ホルタンなどとも呼ばれる化学物質。ゼラニウム植物油由来の"天然成分"と宣伝されている場合があるが、そのような事実は確認されていない。俗に「ダイエットによい」「運動能力向上によい」「筋肉増強によい」などと言われているが、ヒトでの有効性については十分な情報が見当たらない。当初、鼻充血抑制薬として開発されたが、ダイエットや筋肉増強などを目的としたサプリメントとしての利用において、心臓血管系の重大な有害事象が発生した。そのため、海外ではサプリメントや食品への使用禁止ならびに注意喚起情報が出されている。日本においても、厚生労働省が情報提供の事務連絡を出している (PDF) 。経口摂取はおそらく危険であり、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分に見当たらないため使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・カナダでは医薬品とみなされるためダイエタリーサプリメントに使用してはならない (94) 。また、ニュージーランドでも食品に使用してはならない (101)
・DMAAは化学合成品と想定されるため、 2012年1月に米国ハー ブ製品協会は会員に対してDMAAを含む製品に「ゼラニウム油」または「ゼラニウム植物の一部」のような表示をしないように求めた (94) 。
・世界アンチドーピング機構による禁止物質リストに加えられている (102)

成分の特性・品質

主な成分・性質

・分子式 C7H17N、分子量115.22、体系名4-メチル-2-ヘキサンアミン (112) 。

分析法

・尿中のDMAAを、質量分析計を用いた高速液体クロマトグラフィー (LS-MS-MS) にて分析した報告がある (PMID:21439156)
・ゼラニウム油およびサプリメント製品中のDMAAをガスクロマトグラフ質量分析 (GC-MS) にて分析した報告があり、DMAAはゼラニウム油が表示されたサプリメント製品からのみ検出され、ゼラニウム油からは検出されなかったという報告がある (PMID:22147493)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

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骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

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その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・鼻充血抑制薬として利用されていたが、心臓血管系の重大な有害事象を起こす懸念があるため、経口摂取はおそらく危険である (94) 。
・DMAAを含む特定の製品摂取による、不安、不眠、震え、寒気、発汗、吐き気、疲労などが報告されている (94) 。

DMAAを含む特定の製品の摂取による心拍や血圧への影響を検討した報告がある。詳細は下記の通り。
・健康な成人12名 (男性平均24.8±4.3歳、女性平均22.8±0.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、DMAAを含む特定の製品を単回摂取させたところ、心拍、血圧、ダブルプロダクト (心拍数×最高血圧) の増加が認められた (103) 。
・健康な成人32名 (試験群16名、平均22.8±1.0歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、 DMAAを含む特定の製品を8週間摂取させたところ、心拍や血圧に影響は認められなかった (104) 。
・健康な成人6名 (平均22.5±1.8歳、アメリカ) を対象とした前後比較試験において、DMAAを含む特定の製品を2週間摂取させたところ、収縮期血圧が増加した (105) 。
・健康な成人男性7名 (平均24.9±4.2歳、アメリカ) を対象とした前後比較試験において、DMAAを含む特定の製品を2週間摂取させたところ、心拍や血圧に影響は認められなかった (105) 。
・健康な成人10名 (男性平均26±5歳、女性平均23±3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、カフェイン250 mgとDMAA 50 mgまたは75 mgを単独もしくは併用で単回摂取させたところ、心拍に影響は認められなかったが、DMAA摂取群では血圧、ダブルプロダクト (心拍数×最高血圧) の増加が認められた (PMID:22030947)

各国の政府機関がDMAAを含むサプリメントの禁止や警告により、注意を呼び掛けている。詳細は下記の通り。
・2011年、Health Canadaは、DMAAがゼラニウム植物由来である根拠はないと結論付け、ダイエタリーサプリメントへの使用を禁止 (94) 。
・2012年、US Department of Defenseは、2人の死亡を含む重大な健康影響報告があったため、軍の施設内でのDMAAを含む製品の販売を中止 (106) (107) 。
・2012年、ニュージーランドのMinistry of Health は、血圧上昇、頭痛、吐き気のほか、脳卒中(脳出血)などの重篤な症例も報告されているため、DMAAの食品への使用を禁止 (101)。
・2012年、米国FDAは、DMAAを含む製品による42例の有害事象報告を受け取っており、因果関係は確立されていないが、その中には心疾患や神経系疾患、精神疾患、死亡が含まれることから、安全性に根拠のないDMAA製品の販売に警告 (109)
・2012年、オーストラリアは、健康被害報告2件を受けたため、DMAA製品の回収を要求 (110)

<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分に見当たらないため、使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・理論的には、高血圧を増悪するため、高血圧患者は使用を避ける (94) 。
・理論的には、心拍数、血圧に影響を及ぼすため、頻脈性不整脈患者は使用を避ける (94) 。
・理論的には、心拍数、血圧に影響を及ぼすため、外科的手術の2週間前から使用を避ける (94) 。
<被害事例>
DMAA摂取と関連する、乳酸アシドーシス、脳出血、心臓発作、死亡などの重篤な症例が報告されている (94) 。
個々の症例は下記の通り。
・21歳男性 (ニュージーランド) がビールを飲酒後にDMAA 278 mg/錠含有製品2錠を、カフェイン150 mgとともに摂取したところ、摂取後30分以内に激しい頭痛を呈し、その後、混乱、失禁、嘔吐、言語不明瞭などを呈し、脳出血と診断され、後遺症が残った (PMID:21358791)
・23歳女性 (ニュージーランド) が飲酒後に、ゼラニウム抽出物75 mg含有と表示された製品を2錠摂取したところ、摂取後30分以内にめまいを伴う頭痛や吐き気、痙攣を呈し、脳出血と診断された。摂取した製品2錠からは、DMAA 66 mg、カフェイン84 mg、フェネチルアミンなどが検出された (PMID:22575212)
・36歳男性 (ニュージーランド) が飲酒とともに、DMAA-HCl 50 mg含有と表示された製品1/4箱を摂取したところ、摂取後60分以内に激しい頭痛、左側麻痺を呈し、脳出血と診断された (PMID:22575212)
・41歳男性 (ニュージーランド) が、バーで栄養剤と称する白い粉を摂取し (摂取量不明) 、30分後に激しい頭痛や混乱を呈し、脳出血と診断された。摂取2時間後の血液からDMAA 2.31 mg/Lが検出された (PMID:22575212)
・20歳女性 (アメリカ) が、DMAAを含むサプリメント製品を他のいくつかのサプリメントと毎日併用していたところ (摂取期間不明) 、左目の瞳孔拡大が認められた (PMID:22479928)
・健康な兵士2名 (22歳男性と32歳女性、米国) がDMAAとカフェイン等を含むダイエタリーサプリメントを服用していたところ (男性は4週間、女性は摂取期間不明) 、訓練中に倒れて入院、男性は4時間後、女性は5週間後に死亡したという報告がある。入院時の男性の血液からDMAA 0.22 mg/Lと カフェイン2.9 mg/Lが、また入院4日目の女性の血液からDMAA 0.04 mg/L とカフェイン1.9 mg/Lが検出された (PMID:23397688)
・26歳男性兵士 (アメリカ) が、DMAAとカフェイン等を含むサプリメント (Jack3d) を約3週間前から摂取しており、当日も当該製品を3さじ摂取後、重量挙げトレーニングを行ったところ、激しい頭痛を呈し、脳出血と診断された (PMID:23397687)
・22歳男性 (アメリカ) が、ダイエタリーサプリメントJack3d (主成分:DMAA) とPhenorex (主成分:ダイダイ) を3週間摂取したところ、狭心痛が生じて医療機関を受診、非ST上昇型心筋梗塞と診断された (PMID:24512406)
・21歳男性 (アメリカ) が、DMAAを含むサプリメントを摂取し運動したところ (摂取量等の詳細不明) 、心不全をおこして医療機関に搬送された。加療により回復した (PMID:24878759)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、DMAAはCYP3A4活性に影響は与えなかったが、CYP2D6活性を阻害した (PMID:26360628)
<理論的に考えられる相互作用>
・興奮性の薬剤や他のハーブと併用すると、心臓血管系の有害事象リスクを増加させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・DMAAを投与:マウス腹腔内185 mg/kg (91) 。
・DMAAの硫酸塩を投与:ラット静脈中72.5 mg/kg、マウス静脈中39 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・DMAAを含む製品に「ゼラニウム油」または「ゼラニウム植物の一部」のような表示をしないこと (111)

総合評価

安全性

・心臓血管系に重大な有害事象を起こす懸念があるため、経口摂取はおそらく危険である。
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分に見当たらないため、使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(94) Natural Medicines
(101) 食品安全総合情報システム、食品安全委員会
(103) Nutr Metab Insights. 2012;5:23-31.
(104) Nutr Metab Insights. 2012;5:13-22.
(105) Nutr Metab Insights. 2012;5:1-12.
(106) Army Medicine, Office of the Surgeon General, 2011.
(107) DLA Troop Support, December 30, 2011.
(109) US Food and Drug Administration, April 27, 2012.
(110) Food Standards Australia New Zealand, June 18, 2012.
(111) American Herbal Products Association, July, 2011.
(PMID:21439156) J Anal Toxicol. 2011 Apr;35(3):183-7.
(PMID:22030947) Phys Sportsmed. 2011 Sep;39(3):111-20.
(PMID:21358791) N Z Med J. 2010 Dec 17;123(1327):124-7.
(PMID:22575212) Ann Emerg Med. 2012 May 8. [Epub ahead of print]
(PMID:22479928) Mil Med. 2012 Mar;177(3):359-60.
(PMID:22147493) Drug Test Anal. 2011 Nov-Dec;3(11-12):873-6.
(PMID:23397688) Mil Med. 2012 Dec;177(12):1455-9.
(PMID:23397687) Mil Med. 2012 Dec;177(12):1450-4.
(PMID:24512406) Tex Heart Inst J. 2014 Feb;41(1):70-2.
(PMID:24878759) Clin J Sport Med. 2014 May 29.
(112) J-GLOBAL 国立研究開発法人 科学技術振興機構
(102) 世界アンチ・ドーピング機構 禁止物質リスト
(PMID:26360628) Drug Test Anal. 2016 Mar-Apr;8(3-4):307-10.