ビタミンC解説

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A.ビタミンCとは?
ビタミンC (L-アスコルビン酸) は、抗壊血病因子として発見されさた水溶性ビタミンです (12) 。ほとんどの動物は、ブドウ糖を基にしてウロン酸サイクルからビタミンCを体内で合成することができますが、ヒトやモルモット等では生合成に必要なL-グロノ-γ-ラクトン酸化酵素が欠損しているため、体内でビタミンCを合成することができません。そのため、野菜や果物など食物からビタミンCを摂取しなくてはならず、不足すると壊血病を引き起こす恐れがあります (12) 。ビタミンCは、体内でコラーゲンの生成ならびに重要な抗酸化物質として働いています (12) 。

B.ビタミンCの供給源になる食品



C.ビタミンCの特性 (単位・化学的安定性)
ビタミンCは、酸味を有する白色の結晶で、水によく溶けますが、エタノールに溶けにくく、ジエチルエーテルにはほとんど溶けません (13) 。結晶状では安定ですが、濃度の薄い溶液中では不安定です (12) 。調理時の洗浄や加熱でビタミンCの効力は失われるため、調理損失の著しいビタミンとして知られています (18) 。


D.ビタミンCの吸収や働き
ビタミンCは、消化管で吸収された後、血中に送られます (1) 。組織や器官へのビタミンCの取り込みは、ナトリウム依存性の能動輸送と濃度勾配による受動輸送によって行われます (19) 。アスコルビン酸が酸化されることでできるデヒドロアスコルビン酸 も還元酵素により生体内ですみやかにアスコルビン酸へ変換されるため、生物学的な効力をもちます (12) 。血球中の好中球は酸化されたデヒドロアスコルビン酸を細胞内へ積極的に取り込みアスコルビン酸に再還元しています (12) 。体内のビタミンCレベルは、消化管からの吸収率、体内における再利用、腎臓からの未変化体の排泄により調節されています (1) 。ビタミンCの体内での働きは、以下の通りです。

E.ビタミンC不足の問題
ビタミンC不足はどのような人に多く見られるか? (3) (8)
1.アルコール中毒者
2.野菜やフルーツの摂取が少ない人 (たとえば1人暮らしの男性や高齢者など)
3.薬物中毒者




ビタミンCが不足するとどのような症状が起こるのか?

ビタミンCが不足すると、コラーゲンの構造が弱くなるため毛細血管から出血し (3) 、歯肉炎 (壊血病の初期症状) や貧血、全身倦怠感、脱力、食欲不振の症状が出てきます (8) (20) 。

補足
壊血病はビタミンC欠乏症によって起こる疾患であり、出血症状を主症状とします (20) (21) 。
出血は歯肉、筋肉、骨、神経におよび、貧血や全身倦怠感、脱力、食欲不振などの症状を引き起こします (8) (20) (21) 。治療には100〜200 mgあるいはそれ以上のビタミンCを投与します (20) 。


F.ビタミンC過剰摂取のリスク
ビタミンCの過剰摂取によるもっとも一般的な症状は、吐き気、下痢、腹痛です (1) 。


G.ビタミンCはどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別のビタミンCの食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2015年版) は以下の通りです (1) 。

H.ビタミンC摂取状況
平成25年の国民健康・栄養調査では、通常の食品から男性で平均92 mg/日、女性で平均96 mg/日摂取しています (17) 。なお、喫煙者は非喫煙者に比べてビタミンCの代謝回転が約35 mg/日多いため、同年代の推奨量よりも35 mg/日以上多く摂取する必要があると考えられます (1) (3) 。ただし、喫煙者は、ビタミンCを多く摂取するという考え方よりも、先ず禁煙を考えることが適切です (1) 。

I.栄養機能食品としての関連情報
ビタミンCは、栄養機能食品として表示許可されています。
・上限は1,000 mg、下限24 mg です。
・ビタミンCの栄養機能表示
「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。」
・注意喚起
「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。」


栄養機能食品の表示に関する基準の詳細については、こちらの資料を参照してください。→資料1資料2

j.その他の情報
ビタミンCは以下の症状が見られる時に治療薬として用いられます (13) 。
1.壊血病や小児のメルレル・バロー病のようなビタミンC欠乏症の予防及び治療
2.消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、激しい肉体労働時などのビタミンCの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
3.次の疾患のうち、ビタミンCの欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合

・毛細管出血
・薬物中毒
・副腎皮質機能障害
・骨基質形成・骨癒合促進
・肝斑
・雀卵斑
・炎症後の色素沈着
・光線過敏性皮膚炎


参考文献

1.日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版
2.栄養学総論:三共出版株式会社
3.専門領域の最新情報 最新栄養学:建帛社
4.FOOD CHEMISTRY THIRD  EDITION:Owen R.Fennema
5.五訂増補日本食品標準成分表: 文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会
7.DIETARY REFERENCE INTAKE FOR VitaminC,VitaminE,Selenium and Carotenoids:NATIONAL ACADEMY PRESS
8.薬理書 第9版:廣川書店
10.Q&A 保健機能食品制度の手引き:新日本法規
12.ビタミンの辞典:朝倉書店
13.日本薬局方解説書:廣川書店
14.消化・吸収:第一出版
15.健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック:第一出版
16.ビタミン研究のブレークスルー:日本ビタミン学会編
18.新版総合調理科学事典:日本調理科学会編
19.ヒューマン・ニュートリション 第10版:医歯薬出版
20.医学大辞典 第19版:南山堂
21.生化学辞典 第4版:東京化学同人
17.平成25年国民健康・栄養調査報告