健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

パッションフラワー [英]Passionflower [学名]Passiflora incarnate

概要

パッションフラワーはトケイソウ科の多年生つる植物。枝のない巻きひげで他物にからみつき、長さ4 mに生長する。花はトケイソウの名前の由来である、先が3つに分裂した雌しべと5つに分裂した雄しべが中心にあるのが特徴的で、その周りを多数の糸状の副冠が平らに開いている。欧米やヨーロッパでは古くから鎮静作用や催眠作用のあるハーブとして用いられてきた。ドイツのコミッションEでは神経性の不穏症状に対して使用を認めている。ヒトへの有効性としては、不安障害に対して有効性が示唆されている。安全性については、子宮を刺激する成分を含むため、妊婦が摂取することは危険である。また、授乳婦の摂取に対しては信頼できる十分なデータが見当たらないため、使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・果実、茎、葉、花は「医薬品的効果効能を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (Generally Recognized as Safe;一般的に安全とみなされる物質) に認定 (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C-グリコシド、アピゲニン、ルテオリン、ケルセチン等のフラボノイド、インドール、ハルマンアルカロイド、マルトールを含む (94) (33) 。

分析法

・パッションフルーツ乾燥抽出物のHCl可溶性画分から分離したマルトールをペーパークロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーにて測定した報告がある (PMID:4421168)
・C-グリコシルフラボンをHPLC、LC-MS 、薄層クロマトグラフィーにて測定した報告がある (PMID:20522969)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

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糖尿病・
内分泌

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生殖・泌尿器

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脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

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骨・筋肉

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発育・成長

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肥満

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その他

メタ分析
・3つのデータベースと企業への調査により検索した無作為化比較試験2報について検討した分析において、パッションフラワー抽出物の摂取は全般性不安障害、不安神経症等患者の不安症状を改善したとの報告があるが、その有効性や安全性についてはさらなる検証が必要である (PMID:17253512)
RCT
・全般性不安障害の患者36名 (19〜47歳、試験群18名、アメリカ) にパッションフラワー抽出物45滴/日を4週間摂取させたところ、オキサゼパム30 mg/日を投薬した群と同等の治療効果が認められた (PMID:11679026)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・パッションフラワー摂取で、眠気や鎮静状態を起こす可能性がある (94) 。
・過剰量を摂取することは危険性が示唆されている (94) 。
・詳細は不明だが、パッションフラワー実を含むハーブ製品摂取による血管炎や意識変容が報告されている (94) 。
・トケイソウ科の植物 (Passiflora edulis、パッションフルーツなど) には青酸配糖体が含まれているため、同じトケイソウ科のパッションフラワーにも含まれている可能性が議論されている。青酸配糖体を含んでいる場合は、肝毒性や腎毒性が起こる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・子宮を刺激する成分を含むため、妊婦が摂取することは危険である (94)。
・授乳婦に対する安全性については信頼できる十分なデータが見当たらないため、使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・34歳女性 (オーストラリア) がパッションフラワーの市販ハーブ療法薬を薬用量で摂取し、激しい吐き気、嘔吐、眠気、心電図QT間延長、非持続性の心室頻脈を発症した (PMID:10696928)
・24歳男性 (アメリカ) が多数のハーブ製品 (フキタンポポ、パッションフラワー、ヒナゲシ、ワイルドレタス、ブルーリリー、ワイルドダッガ、サルビア・ディビノラム、カバ、セイヨウオトギリソウ、ブルーバーベナ、カレア、バーベナ、Entada rheedii、ハナビシソウ含有) を常用していたところ (摂取量、期間不明) 、腰および足の痛みを発症し、肺塞栓症および深部静脈血栓と診断された (PMID:22876743)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・鎮静効果のあるハーブとの併用により、鎮静作用および有害作用を亢進する可能性がある (94) 。
・パッションフラワーは鎮静効果があるかもしれないので、鎮静薬との併用により、鎮静や傾眠のリスクが増加する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・パッションフラワー抽出物を投与:ラット経口 440 mg/kg (91) 。
2.LD50 (半数致死量)
・パッションフラワー抽出物を投与:ラット経口 15 g/kg 以上 (91)、マウス経口 15 g/kg以上 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・地上部:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量の摂取はおそらく安全であるが、過剰な量を摂取することは危険性が示唆されている。
・子宮を刺激する成分を含むため、妊婦が摂取することは危険である。
・授乳婦に対する安全性については信頼できる十分なデータが見当たらないため、使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・不安障害に対して経口摂取で有効性が示唆されている。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一朗ら監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社 難波恒雄 監訳
(PMID:4421168) Chem Pharm Bull 1974 22 1008-13
(PMID:20522969) Biol Pharm Bull 2010 33(6) 1015-8
(PMID:17253512) Cochrane Database Syst Rev 2007 (1) CD004518
(PMID:11679026) J Clin Pharm Ther 2001 26(5) 363-7
(PMID:10696928) J Toxicol Clin Toxicol 2000 38(1) 63-6
(PMID:22876743) J Diet Suppl. 2012 Sep;9(3):149-54.
(94) Natural Medicines