ビタミンB6解説

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A.ビタミンB6とは?
ビタミンB6は水溶性のビタミンで、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンと、これらのリン酸エステル型であるピリドキシン−5’−リン酸 (PNP) 、ピリドキサール−5’−リン酸(PLP)、ピリドキサミン−5’−リン酸 (PMP) の総称です (15) 。体内ではPLPとPMPの形で多く存在し、主な役割は、タンパク質、脂質、炭水化物の代謝の補酵素、神経伝達物質である生理活性アミンの代謝の補酵素、ホルモン調節因子などとして働いており、不足すると皮膚炎などが起こることが知られています (12) 。
B.ビタミンB6の供給源になる食品
主な食品のビタミンB6含有量 (ピリドキシン相当量) は以下の通りです (5) 。 (可食部100 gあたり)




C.ビタミンB6の特性 (単位・化学的安定性)
ビタミンB6は白色から微黄色で水に溶けやすく、エタノールには溶けにくい性質を持ちます。また、光に対し不安定です (13) 。

D.ビタミンB6の吸収や働き
摂取したビタミンB6は小腸で吸収されます。吸収されたビタミンB6は肝臓に運ばれ、肝臓の細胞中でピリドキサールキナーゼにより、リン酸化されます (12) 。生体内では主に、ピリドキサール−5’−リン酸 (PLP) とピリドキサミン−5’−リン酸 (PMP) が、アミノ酸代謝におけるアミノ基転移反応や、生理活性アミン (セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ヒスタミンなど) の合成に必須な脱炭酸反応、その他ラセミ化、および脱水素反応の際に補酵素として働きます (1) (12) 。また、PLPには、ホルモンの作用を調節する働きがあります (12) 。

E.ビタミンB6不足の問題
ビタミンB6不足はどのような時に起こるのか?
1.ビタミンB6が不足した食生活を続けた時
2.以下のような、ビタミンB6の阻害剤を摂取した時 (12)

しかし、ビタミンB6が単独で不足することは少なく、他のビタミンが不足したときに、同時に起こります (17) 。

ビタミンB6が不足すると、どのような症状が起こるのか?
湿疹、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、貧血、麻痺性発作、聴覚過敏、脳波異常、免疫力低下などが起こります。また、ビタミンB6依存症として、貧血、キサンツレン酸尿症、ホモシスチン尿症などが知られています (12) 。


F.ビタミンB6過剰摂取のリスク
ビタミンB6は水溶性ですが、大量摂取時 (数 g/日を数か月程度) には、感覚神経障害、末梢感覚神経障害、骨の疼痛、筋肉の脆弱、精巣萎縮、精子数の減少などを起こすことが知られており、食事摂取基準でも上限量が設けられています (12) 。

G.ビタミンB6はどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別のビタミンB6の食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2015年版) は以下の通りです (1) 。


H.ビタミンB6摂取状況
平成25年の国民健康・栄養調査では、男性は平均1.20 mg/日、女性は平均1.02 mg/日摂取しています (14) 。

I.栄養機能食品としての関連情報
ビタミンB6は、栄養機能食品として表示許可されています。
・上限値は10 mg、下限値0.3 mgです。
・ビタミンB6の栄養機能表示
「ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」
・注意喚起
「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。」

栄養機能食品の表示に関する基準の詳細については、こちらの資料を参照してください。→資料1資料2

J.その他の情報
医薬品としてのビタミンB6製剤は、以下の症状の治療薬として用いられます (13) 。
1.ビタミンB6欠乏症の予防および治療 (薬物投与によるビタミンB6欠乏症を含む)
2.ビタミンB6の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
3.ビタミンB6依存症 (ビタミンB6反応性貧血等)
4.次の疾患のうち、ビタミンB6の欠乏または代謝障害が関与すると推定された場合:口角炎、口唇炎、舌炎、急・慢性湿疹、脂漏性湿疹、接触性皮膚炎、末梢神経炎、放射線障害

(ビタミンB6の医薬品名)
塩酸ピリドキシン

・長期間・大量に投与すると手足のしびれ、知覚異常等の末梢神経障害が起こります (16) 。
・レボドパ (パーキンソン病・症候群治療薬) と併用すると、レボドパの代謝が亢進して作用部位への到達量が減少し、レボドパの薬効を減少することがあります (8) 。

参考文献

1.日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版
2.栄養学総論:三共出版株式会社
3.専門領域の最新情報 最新栄養学:建帛社
4.FOOD CHEMISTRY THIRD  EDITION:Owen R.Fennema
5.五訂増補日本食品標準成分表:文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会
7.DIETARY REFERENCE INTAKE for Tiamin,Riboflavin,Niacin,VitaminB6,Folate,VitaminB12,Pantothenid Acid,Biotin,Choline :National Academy Press
8.薬理書 第9版:廣川書店
10.Q&A 保健機能食品制度の手引き:新日本法規
12.ビタミンの辞典:朝倉書店
13.日本薬局方解説書:廣川書店
15.生化学辞典 第4版:東京化学同人
16.今日の治療薬2010:南江堂
17.ヒューマン・ニュートリション 第10版:医歯薬出版
14.平成25年国民健康・栄養調査報告