健康食品は薬の代わりにはなりません (Ver.100705)

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健康食品は薬の代わりにはなりません
―同じ成分を含んでいても、「健康食品」と「医薬品」はまったく別のものです。―


最近、市場で「医薬品と同じ名称の素材」を入れた健康食品を見かけるようになりました。そのような健康食品をみて、こんなふうに思うことはありませんか。
「薬は副作用が怖いけど、健康食品なら副作用はない」
「薬は合成物だけど、健康食品は天然物だから、健康食品のほうが安全」
「健康食品なら、医師の処方箋がなくても簡単に手に入る」
「薬の代わりに健康食品を摂取してみよう」

健康食品はあくまでも「食品」です。医薬品と同じ名称の成分 (原材料) が含まれていても、薬ではありません。では、「薬」と「健康食品」は、どこが違うのでしょうか。違いを表にまとめると、以下のようになります。

いわゆる健康食品
(栄養機能食品、特定保健用食品は除く (注1))

対象

主に病気の人。治療を目的に使う。

主に健康な人。治療には使えない。

品質

製造管理と品質管理の基準 (GMP) に従って、一定の品質の製品が製造されている。成分の分析法も示され、製品に含まれている成分量が明確。

名称は同じでも、含有成分が一定とは言えない。表示してある成分がほとんど含まれていない製品、有害物質が混入している製品もある。

科学的根拠
(エビデンス)

安全性や有効性の試験がガイドラインに従って実施されており、製品を用いた病気の治療・治癒の効果が確認されている。病気の治療・治癒ができるように、病者で試験が実施されている点が注目できる。

科学的な安全性・有効性の研究データが少ない。成分情報が製品情報となっており、製品としての安全性・有効性は検証されていない。病者を対象とした安全性は検討されていない。

利用環境

医師や薬剤師などの専門家の指示・アドバイスで適切に利用できるようになっている。

消費者の自己判断 (思い込みや勘違いを含む) で利用されることが多い。全く知識の無い人が製品の販売をしていることもある。

注1:栄養機能食品や特定保健用食品であっても、その利用対象者は、病者ではありません。

この一覧表をみて、医薬品と健康食品には、大きな違いがあることに気づくのではないでしょうか。

■医薬品は・・・
どこの会社で作っても一定の品質で製造されるように、法律によって製造の段階から細かく管理されています。また、実際の製品の有効性・安全性を確認するために、多くの患者さんの協力を得て臨床テストが行われています。医薬品は、成分の段階から、細胞実験→動物実験→ヒト試験を経て質の高い科学的根拠 (エビデンス) が蓄積され、製造工程もしっかり管理され、最後には実際の製品を使ってヒト臨床試験を行い、この全部を行って初めて、製品 (医薬品) の「効果・効能」を「表示」することができるのです。また、その利用は、医師や薬剤師の管理の下、安全に利用できる環境が整っています。

■いわゆる健康食品は・・・
医薬品のような決まり (法律やテスト) はありません (特別用途食品と保健機能食品は除く) 。成分や素材の段階で、科学的根拠 (エビデンス) が明確でないもの、細胞実験や動物実験だけで「効果がある」と標榜するもの、製品を使ったヒト試験を全く実施していないもの等が数多く存在しています。

たとえば、コエンザイムQ10やコンドロイチン硫酸、α-リポ酸のように、「医薬品としても健康食品としても使用できる素材」も存在します。これらの成分が、医薬品か食品か、どちらの分類になるかは、上記のような「厳しいテスト」等をパスしているかどうかで決まります。健康食品では、成分名が製品に表示されていても、その含有量は極めて曖昧です。したがって、医薬品ならば「効果・効能を表示」して販売できますが、食品の場合は、その効果や効能は表示できないのです。同じ名称の原材料 (素材) であっても、「病気の治癒に利用できるもの (医薬品)」と「病気の治療には利用できないもの (健康食品) 」が存在します。間違えないように注意しましょう。

■「天然だから安全」は・・・?
安全性を判断するのに、「天然か合成か」という基準はありません。安全性の判断基準に必要なのは「量」の情報です。薬が安全なのは「量がハッキリしているため」であり、この量の情報があるからこそ、「1日に飲む量」や「1回に注射する量」が決められるのです。いわゆる健康食品には「含有量が不明なもの」が多くあります。量が不明ということは、安全性が (有効性も) 不明ということです。

以上のように、健康食品は、あくまでも食品です。病気の治療には使えません。これは、国の許可を取得している特定保健用食品(通称:トクホ)にも当てはまることです。薬の代わりにと思って健康食品を摂取している場合は、健康食品の実態を考えてみましょう。またもし体調に異常を感じているのなら直ちに摂取を中止し、医療機関で受診しましょう。また、どうしても健康食品を利用したい場合は、主治医などの医療関係者に必ず相談してください。