注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.
項 目
内 容
名称
クロレラ [英]Chlorella [学名]Chlorella pyrenoidosa、Chlorella vulgarisなど(クロレラ属)
概要
クロレラは淡水に生息する緑藻の一つで、中国語名は「緑藻」。多量の葉緑素や種々の栄養素を含む。俗に「免疫能を向上させる」、「コレステロールや糖質の吸収を抑制する」などといわれているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、下痢、疝痛、ガス、吐き気、光過敏症、喘息やアナフィラキシーなどのアレルギー症状を起こすことが報告されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。
法規・制度
・藻類・エキスは「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される(30)。 ・クロレラ末は食品添加物(着色料)としての使用が認められている。
成分の特性・品質
主な成分・性質
タンパク質、脂質、炭水化物、繊維、核酸、ビタミン類、ミネラルを含む。特にマグネシウム源となる。クロロフィル(葉緑素)に富む。クロレラを摂ると血中ビタミンB12レベルを上げることが示唆されたが、このビタミンB12は生化学的に不活性型である可能性が指摘されている(64)。
分析法
クロレラCGFがクロレラ特有の成分とされ,品質は当該物質の含有量により決定されると思われるが,測定法に関する報告がない。クロレラ摂取が誘発する光過敏症の原因物質であるフェオフォーバイドについて、HPLCを用いた測定法が報告されている(PMID:4009416)。
有効性
ヒ ト で の 評 価
循環器・呼吸器
・本態性高血圧症患者30名(38〜87歳)を対象に、クロレラ・ブルガリスE-25を1日2,800 mg、8週間投与したところ,収縮期又は拡張期血圧が低下したという予備的な報告がある(1992150991) (1992102590) (1992102589)。この現象については更なる検証が必要である。 ・高脂血症患者9名(34〜70歳)を対象に、クロレラ(製品)を9 g/日、一年間投与したところ、血清総コレステロール、LDLコレステロールが低下したという予備的な報告がある(1993125818)。この現象については更なる検証が必要である。
消化系・肝臓
調べた文献の中で見当らない。
糖尿病・内分泌
生殖・泌尿器
脳・神経・感覚器
免疫・がん・炎症
・50歳以上の健康成人117名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クロレラ200〜400mg/日を28日間摂取させても、インフルエンザ免疫に対する影響は認められなかったという報告がある(PMID:12874157)ため、インフルエンザワクチンを接種した人の抗体価を上昇させるのに、経口摂取で効果がないことが示唆されている(64)。 ・初期的な知見で、脳腫瘍の患者にクロレラの錠剤と抽出液を摂取させると、免疫機構の向上や、患者の化学療法と放射線治療に対する耐性(Tolerance)を上げる可能性があるとの予備的な報告があるが、この現象については更なる検証が必要である(64)。また、腫瘍の増殖や生存率には影響は見られなかった(64)。
骨・筋肉
・線維筋痛症(fibromyalgia)患者にクロレラの錠剤(製品)をリンゴ酸を含む抽出液(製品)と2ヶ月間併用摂取させると、一般的な症状と痛みの改善が認められた(64)との予備的な報告があるが、この現象については更なる検証が必要である(66)。
発育・成長
肥満
その他
参 考 情 報
試験管内・ 動物他での評価
・抗酸化物質としてコレステロールの酸化を抑える可能性がある(64)。 ・経口摂取することで免疫系を刺激して、白血球の数を上げる可能性がある(64)。 ・試験管内及び動物での実験では、クロレラの成分は抗腫瘍、免疫システム活性化、抗ウイルス活性が示されている。クロレラはマクロファージや多形核白血球の数と活性を上げる可能性や、細胞壁由来の多糖類がインターフェロンの産生を誘導する可能性が考えられるが、これらの知見についてはヒトでの評価はなされていない(64)。
安全性
危険情報
・安全性に関しては、通常の食品として摂取する場合には安全性が示唆されているが、他の使用法では安全性に関して十分な情報がない(64)。 ・妊娠中及び授乳中の摂取に関しては、安全性に関して十分な情報がないため避けたほうがよい(64)。 ・副作用としては、下痢、疝痛、鼓腸(ガス)、吐き気、光過敏症が知られている(64)。喘息やアナフィラキシーなどアレルギー症状も報告されている(64)。 ・クロレラ加工品には、クロロフィルの分解産物で光過敏症(皮膚障害)の原因となるフェオホルバイドが含まれることがあり、厚生労働省から「フェオホルバイド等クロロフィル分解物を含有するクロレラによる衛生上の危害防止について (昭和56年5月8日環食第99号)」という通知が出されている。 ・C型慢性肝炎の患者は鉄過剰を起こしやすいことから鉄制限食療法が実施されるが、クロレラの製品には鉄を多量に含有するものがあり、注意が必要であるという報告がある(PMID:17048058)。 ・クロレラ含有製品摂取との関係が疑われる健康被害が報告されている。 1)44〜71歳5名(男性1名、女性4名、日本)がクロレラ錠を15〜50錠/日、3週間〜1年間(1例は摂取量不明)摂取した後に、顔や手の甲に発疹や紅斑、浮腫が出現し、クロレラによる光過敏症と診断された(PMID:6735553)。 2)昭和51-55年の邦文6皮膚科雑誌から薬疹報告192例を集め分析したところ、光線過敏症薬疹46例中クロレラによるものが14例あった(1983263758)。 3)静岡県内の皮膚科医34病院を対象としたアンケート調査で、クロレラが光線過敏症の原因として多数あげられた(1997002387)。 4)75歳男性がクロレラ製品3種を1年間摂取し、皮脂欠乏性湿疹の悪化、嘔気、食欲低下を示した(2004276898)。 5)アトピー性皮膚炎の既往歴のある17歳男性がクロレラエキス錠を30錠/日、1ヶ月間、クロレラエキスを30 mL/日、2ヶ月間服用したところ、肝機能障害を伴う皮疹の悪化と診断された(1998086482)。 6)68歳女性がクロレラ錠を摂取し、紅斑・丘疹型の皮疹が出現した(1998086482)。 7)スギ花粉症のある67歳女性が、内服していたクロレラによる発疹が出現、扁平苔癬と診断された(1999102794)。 8)74歳男性がクロレラ製剤の服用により、発熱と肝機能異常を認め、肝機能障害と診断された(1999231962)。 9)熱性痙攣の既往症のある9歳男児が、市販クロレラ食品を2ヶ月間摂取し、急性肝不全を発症した(1998065096)。 10)15歳女性が、全身倦怠感、嘔気、眼球粘膜の黄染、黄疸、肝障害を認め、内服していたクロレラによる急性肝炎と診断された(2005222152)。 11)職業的にクロレラに数週間程度暴露されていた44歳女性が、鼻炎や咳、痰、息切れ、喘鳴などの症状を呈し、クロレラによる職業性喘息と診断された(PMID:7972986)。 ・クロレラおよびスピルナを主成分とする製品から鉛(0.07〜0.75 ppm)又はカドミウム(0.08〜0.16 ppm)、アルミニウム(1.27〜6.77 mg/g)、鉄(291〜959 ppm)、マンガン(19.6〜168 ppm)が検出されたという報告がある(1999118171)(1991097390)。
禁忌対象者
調べた文献の中で見当らない
医薬品等との 相互作用
クロレラにはビタミンKが含まれるため、ワルファリンなど抗血液凝固薬の作用を減弱させることが考えられる(101)。 ・ワルファリン療法中の75歳男性がクロレラを6 g/日、数週間摂取、63歳男性がクロレラ(製品、摂取量不明)を1ヶ月間摂取したところ、治療域で安定していたトロンボテスト値が上昇したという報告がある(1996062975)(2004256188)。※トロンボテスト値=ビタミンK依存性の血液凝固因子に関する検査結果で、ワルファリン治療の指標になるもの。 ・健常成人男性6名(22〜37歳)に、クロレラ錠剤9g(製品、クロレラエキス22〜30%含有)を単回摂取させたところ、血中ビタミンK1濃度が摂取4時間後に上昇し、24時間後に元の値に戻ったという報告がある(1998049621)。 ・クロレラは免疫機能を活性化する可能性があるため、理論的には、免疫抑制剤の作用を阻害する可能性がある(66)。
動物他での 毒性試験
1.TDLo(最小中毒量) ・クロレラ乾燥物を投与:マウス経口(間欠的)500 mg/kg/10日(91)。
AHPAクラス分類 及び勧告
参考文献中に記載なし
総合評価
・通常の食品として摂取する場合には安全性が示唆されているが、他の使用法では安全性に関して十分な情報がない。副作用としては、下痢、疝痛、ガス、吐き気、光過敏症、喘息やアナフィラキシーなどアレルギー症状も報告されている。 ・妊娠中・授乳中の摂取に関しては、安全性に関して十分な情報がないため避けたほうがよい。
(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。) ヒトでの有効性については、調べた情報に十分なデータが見当たらない。
参考文献
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について) (64) 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳 (PMID:4009416)Yakugaku Zasshi. 1985 105(1): 33-7. (1983263758) 皮膚. 1982; 24(5):742-56 (1991097390) 鳥取県衛生研究所報. 1989; 29:43-7 (1991103450) 基礎と臨床 (The Clinical Report). 1990; 24(12):6273-81 (1992102589) 基礎と臨床 (The Clinical Report). 1991; 25(7):2305-10 (1992102590) 基礎と臨床 (The Clinical Report). 1991; 25(7):2311-7 (1992150991) 基礎と臨床 (The Clinical Report). 1991; 25(9):2729-35 (1993125818) 日本栄養・食糧学会誌. 1990; 43(3):167-73 (1996062975) 臨床神経学. 1995; 35(7):806-7 (1997002387) 臨床皮膚科. 1996; 50(7):493-6 (1998049621) 医薬ジャーナル. 1997; 33(10):2559-64 (1998065096) 医学のあゆみ. 1997; 183(4):295-6 (1998086482) 臨床皮膚科. 1997; 51(13):1109-12 (1999102794) 臨床皮膚科. 1998; 52(13):1084-7 (1999118171) Biomedical Research on Trace Elements. 1998; 9(2):63-9 (1999231962) 肝臓. 1999; 40(5):322-6 (2004256188) 医薬ジャーナル.2004; 40(4):163-73 (2004276898) 皮膚病診療. 2004; 26(8):960-2 (2005222152) 小児科. 2005; 46(6):1061-5 (PMID:17048058) J Gastroenterol. 2006 Sep;41(9):919-20. (101) The American Pharmaceutical Association Practical Guide to Natural Medicines. William Morrow & Co.Inc., New York. 1999. (PMID:12874157) CMAJ. 2003 Jul 22;169(2):111-7 (66) Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database(2006) (91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS) (PMID:6735553)Int J Dermatol. 1984 May;23(4):263-8. (PMID:7972986)Respir Med. 1994 Aug;88(7):555-7.